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先に結論です。老後に資産を取り崩していくとき、毎年4%ずつなら長く持つ、という言い方があります。私はこれを目安としては知っておきますが、自分の予定にそのまま当てはめませんでした。もとになった研究は米国の株式と債券、米国の物価の動き方を前提にしたもので、円で暮らして円で払う私の生活とは条件が違うからです。代わりに私は、毎月いくら要るかを先に出して、年金で足りない差額だけを取り崩す、という決め方にしました。この記事は、増やす段階ではなく使う段階について、私がどう決めたかの記録です。
※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。記事中の数字は2025年10月時点のものです。税金や制度の具体的な判断は、税理士や税務署にご相談ください。
「4%ルール」という言い方を、私がそのまま使わなかった理由
資産の4%を1年分として取り崩していけば、長い年数もつ、という言い方があります。米国で行われた、退職後の取り崩しについての研究から広まったものだと聞いています。
目安としては分かりやすい話です。ただ、私が自分に当てはめなかった理由は4つあります。
1つ目は、前提にしている資産と国が違うことです。米国の株式と債券を組み合わせた場合の話で、通貨も米ドルです。私は円で家賃や食費を払うので、為替が動くと同じ4%でも手元に残る円が変わります。
2つ目は、税金と手数料が入っていないことです。取り崩すときに売れば、利益が出ていればそこに税金がかかります。4%引き出したつもりで、使えるお金はそれより少なくなります。
3つ目は、始める年がいつかで結果が変わることです。取り崩しを始めた直後に大きく下がると、少ない残高から売ることになり、あとで戻っても元に戻りにくくなります。これは率の問題ではなく、順番の問題です。
4つ目は、私の生活費が毎年同じではないことです。医療費が増える年もあれば、家の修理が出る年もあります。一定の率で割り切れるようにはできていません。
そういうわけで私は、何%という率ではなく、金額のほうから決めることにしました。
取り崩す段階で、私が先に決めた3つのこと
1つ目は、毎月出ていく金額を書き出すことです。家賃や住宅の費用、食費、光熱費、通信費、保険、医療費。これを千円単位で出しました。ここが出ていないと、取り崩す額も決められませんでした。
2つ目は、年金で入ってくる見込みを確かめることです。私はねんきん定期便と、日本年金機構のサイトで自分の見込み額を見ました。他人の平均額ではなく、自分の数字を使うようにしています。
3つ目は、1つ目から2つ目を引いた差額を出すことです。この差額が、取り崩しや配当でまかなう分になります。私はこの金額を基準にしていて、資産の何%かという見方はしていません。
あわせて、数年分の生活費は現金で置いておくことにしました。値段が下がっている年に売らずに済ませるためです。何年分が正しいという答えは私には出せませんが、売らずにやり過ごせる年数があるかどうかで決めました。
配当で生活費の一部をまかなう考え方と、その弱いところ
私が配当を出す会社を持っているのは、株数を減らさずに現金が入ってくるからです。取り崩しのために売ると株数が減りますが、配当なら持っている株はそのまま残ります。私はここを気に入っています。
ただ、弱いところもはっきりしています。配当は会社が決めるもので、減ることもあれば出なくなることもあります。業績が落ちれば当然そうなります。だから私は、配当を固定収入のように数えないようにしています。入ってきたら記録する、入らなかった年もあり得るものとして見る、という扱いです。
もとの記事には、どの業種なら配当が安定している、という書き方がありました。それは外しました。業種でひとまとめにできる話ではなく、同じ業種の中でも会社ごとにまるで違うからです。私は業種ではなく、その会社が過去に減らしたことがあるかどうかを、有価証券報告書の配当の欄で1社ずつ見ています。
元本を減らさずに配当だけで暮らせる、という言い方も外しました。配当が減った年には足りなくなりますし、物の値段が上がれば必要な金額も増えます。私はそこを現金の予備で埋めるつもりです。
増やす段階と、使う段階は別のものとして考える
積み立てて増やしていく段階は、下がった年は安く買える年でもあります。入れ続けている限り、下がること自体は悪いことばかりではありません。
使う段階になると、これが逆になります。入れるお金がないのに売るので、下がった年は単純に不利です。同じ下落が、段階によって意味が変わります。私はこれに気づくのが遅く、増やす段階の考え方をそのまま持っていこうとしていました。
そこで今は、使う段階に向けて現金の予備を厚くしていく、という方向に変えています。これは率で決めるのではなく、年数で考えています。何年分あれば売らずにいられるか、という見方です。
私はウォーレン・バフェットのやり方を真似して、良い会社を割安なときに買って長く持つようにしていますが、長く持つためには売らなくてよい状態を作っておく必要がある、ということをこの段階の話で学びました。
預金の金利と物の値段は、自分で確かめる
もとの記事には、預金の金利が年0.1%程度で、10年前と比べて生活費が何万円増えた、という具体的な数字が入っていました。どちらも外しました。金利は動きますし、生活費の増え方の数字は出どころを確かめられませんでした。
私が見る場所は決めています。金利は、預けている銀行の公式サイトの金利の一覧です。まとめ記事の数字は、書かれた時点のまま止まっています。物の値段のほうは、総務省が出している消費者物価指数で見ます。全体の数字だけでなく、食料や光熱の項目を見るようにしています。私の家計では、そこが重いからです。
平均の数字と自分の家計はずれます。私は、平均を見たあとで自分の支出の合計と見比べる、という順番にしています。
制度の話は、成立済みのことと検討段階のことを分ける
取り崩しの話をすると、どうしても税金と制度の話になります。ここで私が気をつけているのは、すでに決まっていることと、まだ検討されている段階の話を混ぜないことです。
すでに成立している部分については、国税庁と金融庁のページで確かめています。新しいNISAの非課税の扱い、特定口座で源泉徴収されるかどうか、受け取った配当をどう申告するか。こういったところは、公式のページに書かれているとおりに扱います。
一方、検討段階の話は、報道が出た時点ではまだ決まっていません。私は、検討段階の話を自分の取り崩しの計画に入れないことにしています。入れてしまうと、決まらなかったときに計画を作り直すことになるからです。
そして、自分の場合がどうなるかという具体的な判断は、税理士や税務署に相談するのが確実です。私も一度、確定申告をするかしないかで迷って、自分の書類を持って税務署の相談窓口に行きました。ブログや動画の一般論では、自分の場合の答えは出ませんでした。
この記事から削除した箇所と、その理由
・預金の金利が年0.1%程度という数字と、10年前との生活費の比較の金額。金利は動き、比較の数字は出どころを確かめられなかったので外しました。
・ある著者の方の発言として引用されていた一文と、助言として並べられていた項目。私がご本人の文章で確かめられなかったので外しました。
・特定のネット証券をすすめる書き方と、対面の金融機関についての書き方。前者は私が推奨できる立場にないため、後者は裏が取れない決めつけだったため、どちらも外しました。
・業種をあげて配当が安定していると書いていた部分。業種でひとまとめにできる話ではないので外しました。
・特定の政治的な出来事を下落の名前として使っていた箇所。記事の主題と関係がないので外しました。
・記事の下のほうにあった、外部の生成AIサービスへの誘導と、ブログ用のサーバーの宣伝、崩れた証券会社の宣伝。記事の主題と関係のない残骸だったので取り除きました。見出しや箇条書きに入っていた絵文字も外しています。
・この記事の以前のタイトルには、取り崩しの目安についての言葉が入っていましたが、本文にその説明がありませんでした。今回は本文のほうでその話を扱い、タイトルも中身と合うものに直しました。
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