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配当金や株の売却益を社会保険料の計算に反映させる、という話が何年か前から続いています。2026年10月の時点でどこまで決まったのかを調べたところ、まず対象になるのは75歳以上の後期高齢者医療制度で、厚生労働省が2029年8月からの開始という方針を社会保障審議会の部会に示した段階でした。NISA口座の運用益は対象外とする案になっています。国民健康保険や会社員の健康保険へ広げる話は、まだ決まっていません。以下は、公表資料と報道を読んで、成立したものと検討中のものを分けて整理した記録です。
※この記事は私が公表資料を読んで整理した記録で、投資や税務の助言ではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、特定の会社や商品の売買を勧めるものではありません。数字は2026年10月時点のものです。
いまの仕組み|金融所得が保険料に響く場合と響かない場合
まず、すでに動いている現行の仕組みを整理します。ここが分かっていないと、新しい話の意味がつかめませんでした。
国民健康保険・後期高齢者医療制度(前年の所得で決まる)
自営業の方などが入る国民健康保険と、75歳以上が入る後期高齢者医療制度は、前年の所得をもとに保険料が決まります。ここでは、確定申告をするかどうかで扱いが変わります。
- 上場株式の配当や売却益を確定申告した場合:所得に入り、保険料の計算に反映されます
- 源泉徴収ありの特定口座などで申告しない選択をした場合:所得に入らず、保険料には反映されません
これは抜け道ではなく、法律で認められている申告不要の仕組みです。ただ、同じ金額の配当を受け取っていても、申告するかしないかで保険料が変わる形になるため、公平かどうかが議論になってきました。
会社員・公務員の健康保険(給与で決まる)
勤め先の健康保険や共済に入っている場合、保険料は給与と賞与をもとに決まります。金融所得は、いまのところ計算に入りません。
新NISAの中の利益
新NISAの口座の中で出た配当や売却益は非課税なので、そもそも所得として申告するものではなく、保険料の計算にも入りません。
検討が進んでいること|後期高齢者医療に2029年8月から反映する方針
議論の出発点は、2023年12月にまとめられた社会保障の改革工程です。そこで、医療保険と介護保険の負担に金融所得を勘案することについて、2028年度までに結論を得るという書き方がされました。この「2028年度までに結論」という一文が、当時かなり話題になった部分です。
そこから進んで、2026年10月の時点で報じられているのは次の内容です。
- 対象は、まず75歳以上が入る後期高齢者医療制度
- 保険料と、医療費の窓口負担の割合を決める判定に、金融所得を反映する
- 開始は2029年(令和11年)8月から、という厚生労働省の方針が社会保障審議会の医療保険部会に示された
- NISA口座の中の運用益は対象外とする案になっている
大事なのは、これが部会に示された方針と案の段階だということです。実際に動かすには法律の改正が必要ですし、細かい決め方はこれから詰められていきます。すでに決まった制度として読まないようにしています。
まだ決まっていないこと
報道や解説でまとめて語られがちですが、次の点は2026年10月の時点で決まっていません。
- 国民健康保険(74歳以下)に、申告していない金融所得を反映するかどうか
- 介護保険の保険料や自己負担の判定に反映するかどうか
- 会社員や公務員の健康保険に金融所得を加えるかどうか
- 申告していない配当や売却益を、どのような仕組みで把握するのか
私は、ここを「まだ決まっていない」と区別して置いておくことにしました。決まっていないことに合わせて自分の持ち方を変えると、あとで振り回されると思ったからです。
50代の私が気にしているところ
いま50代の私にとって、後期高齢者医療の話はすぐ先の話ではありません。ただ、配当金を受け取りながら持ち続けるやり方を選んでいるので、長い目で見れば関わってくる話です。
調べていて私が落ち着いたのは、新NISAの中の分が対象外とされている点でした。非課税の枠の中で配当を受け取っている分については、いまのところ保険料の計算には入らない方向で案が作られています。これが最後までそのまま残るかはわかりませんが、枠を使う理由がひとつ増えたとは感じました。
もうひとつ気にしているのは、受け取る時期をどう散らすかです。大きく売って利益を一度に出すと、その年の所得が跳ね上がります。保険料や窓口負担の判定が前年の所得で決まる仕組みは変わらないと思われるので、まとめて売らないほうが穏やかに済む、という理解でいます。もっとも、これは将来の制度の形が決まってからでも間に合う話だと考えています。
「マイクロ法人で保険料を下げる」という話について
この話題になると、社長が1人だけの会社(マイクロ法人)を作って保険料を抑える、という方法がよく紹介されます。私も読みましたが、自分ではやっていませんし、ここで勧めることもしません。
理由は2つあります。ひとつは、法人を作れば決算や申告、社会保険の手続きが毎年ついてきて、費用も手間もかかることです。もうひとつは、事業の実態がないまま形だけ作ると、否認される可能性があると説明されていることです。
保険料や税金の仕組みは、人それぞれの収入や家族構成で答えが変わります。具体的な判断は、税理士や税務署、お住まいの自治体の窓口に相談していただくのが確実です。私は、自分で読んでわからないところは専門家に確かめることにしています。
私はこう考えて、こう決めました
私はウォーレン・バフェットのやり方を真似しているつもりで、良い会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で読む、わからないものは買わない、という3つを土台にしています。制度の議論が出てくるたびに持ち方を変えていたら、この土台が崩れてしまいます。
ですので、いましているのは次の3つだけです。制度が決まったら、そのときに考え直します。
- 決まったことと、検討中のことを分けて記録しておく
- 新NISAの枠は、配当を受け取り続けたい会社に優先して使う
- 大きな売却をする年は、前後の年に分けられないかを先に考える
これは私の決め方です。制度の変更に合わせて動く方には別の考え方があると思いますし、どちらが正しいという話ではありません。
よくある質問
金融所得で社会保険料は上がるのですか
いまの制度でも、配当や売却益を確定申告すれば、国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料に反映されます。申告しない選択をした場合は反映されません。これに加えて、後期高齢者医療制度では申告の有無によらず反映する方向で、2029年8月開始という厚生労働省の方針が示されています。
新NISAは対象になりますか
2026年10月時点の厚生労働省案では、NISA口座の中の運用益は対象外とされています。確定したものではありませんので、今後の公表資料で確かめる必要があります。
会社員の健康保険も上がりますか
いまのところ、勤め先の健康保険の保険料は給与と賞与で決まり、金融所得は入りません。ここに広げるという決定はされていません。
いつから始まりますか
後期高齢者医療制度について、2029年(令和11年)8月からという方針が示されています。法律の改正や細かい設計はこれから進められます。
まとめ
- いまも、配当や売却益を確定申告すれば国民健康保険や後期高齢者医療の保険料に反映される
- 申告しない選択(源泉徴収ありの特定口座など)なら、現行では反映されない
- 検討が進んでいるのは後期高齢者医療制度への反映で、2029年8月開始という厚生労働省の方針が示された
- NISA口座の運用益は対象外とする案になっている
- 国民健康保険・介護保険・会社員の健康保険への広がりは、まだ決まっていない
- 私は、決まったことと検討中のことを分けて記録し、持ち方は変えないことにした
あらためて書いておきます。これは私が公表資料と報道を読んで整理した記録で、投資や税務の助言ではありません。保険料や税金の具体的な取り扱いは、税理士や税務署、お住まいの自治体に確認していただくのが確実です。
参考資料:
- 厚生労働省「社会保障審議会 医療保険部会」資料(金融所得の反映に関するスケジュール案)
- 「改革工程」(2023年12月、全世代型社会保障構築に向けた改革の工程)
- 国税庁「上場株式等の配当等に係る申告不要制度」に関する資料
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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