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SAF(Sustainable Aviation Fuel/持続可能な航空燃料)は、廃食用油や植物油、廃棄物などからつくる航空燃料です。国土交通省の資料では、従来のジェット燃料と比べて約60〜80%のCO2削減効果があるとされています。同じ資料では、2030年に日本で必要になるSAFの量を外航分を含めて約170万klと見込んでいて、2019年のジェット燃料が約890万klだったことと並べると、置き換えの規模の大きさが見えてきます。私は機内で働いていたころ、燃料の話を自分の仕事とは別の世界のことだと思っていました。いまは、航空会社の決算を自分で開く側から眺めています。
この記事は私自身の記録で、特定の会社や金融商品の推奨ではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておりません。記載の数字は2026年10月時点のものです。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
SAFとは何か、何からつくられるのか
SAFは、化石燃料から精製する従来のジェット燃料に代わる航空燃料です。原料として使われるのは、廃食用油や植物油といった生物由来のもの、木くずなどの廃棄物、それに水素や合成ガスを使う方法もあります。
原料が一つに決まっていないところが、この燃料の特徴だと思います。地域で集められるものが違うので、どこで何からつくるのかという話が国ごと、地域ごとに違ってきます。
日本では、家庭や飲食店から出る廃食用油をどう集めるかが、そのまま燃料の話につながっています。
国土交通省の資料が示すCO2削減の幅は約60〜80%
国土交通省がまとめた資料では、SAFは「廃棄物や再生エネルギーが原料のため、ジェット燃料と比較して約60〜80%のCO2削減効果がある」と書かれています。
幅があるのは、原料や製造の方法によって結果が変わるからです。私は以前、この数字を一律に「80%削減」と覚えていたのですが、資料を開いてみると下は60%で、そこには原料の集め方や輸送の分も入っていることが分かりました。
燃やす瞬間だけを比べた数字ではないという点は、読むときに大事なところだと思っています。
既存の機体と給油設備をそのまま使える
SAFは、いまの航空機のエンジンや空港の給油設備と互換性があるとされています。機体を大きく改造しなくても、従来の燃料に混ぜて使えるという前提で話が進んでいます。
ここが、他の産業の脱炭素と事情が違うところだと思います。自動車のように車両そのものを入れ替えるのではなく、中に入れるものを替えていく形になります。
そのかわり、入れるものの量を確保しなければ話が前に進みません。設備を替えずに済むぶん、燃料の供給量という一点に課題が集まっています。
2030年に国内で必要とされる量は約170万kl
国土交通省の試算では、2030年に日本で必要になるSAFの量は、外航分を含めて約170万klと見込まれています。比較のために置かれている2019年のジェット燃料の量は約890万klです。
単純に割れば2割弱にあたります。数字だけ見ると手が届きそうに思えるのですが、原料が廃食用油のような「もともと量が限られているもの」であるところが難しさだと受け取りました。
揚げ物に使った油の総量は、増やそうと思って増やせるものではありません。
廃食用油を集めるFry to Fly Project
この原料集めに正面から取り組んでいるのが「Fry to Fly Project」です。揚げる(Fry)から飛ぶ(Fly)へ、という名前のつけ方で、廃食用油を回収してSAFの原料にしていく取り組みです。国土交通省の資料によれば、発足は2023年4月、事務局は日揮ホールディングス株式会社です。
国土交通省自身も、8月23日の「油の日」に合わせてこのプロジェクトへの参画を発表しています。資料には、国内資源循環による脱炭素社会の実現に向けて、SAFの原料である廃食用油の回収活動などを通じた機運醸成を図る、という目的が書かれていました。
参加数は、2025年8月15日時点で252とされています。企業だけでなく自治体や団体も入っていて、油を出す側と使う側をつなぐ形になっています。
国産化が進みにくい理由
原料が限られていること、集めるのに手間がかかること、つくる設備に先に大きなお金がかかること。この三つが重なっているように見えます。
廃食用油は、これまで飼料や石けんの原料として海外にも売られてきました。燃料に回すとなると、その取り合いになります。国内で循環させるという言い方の裏には、いままでの流れを変える話が含まれています。
私は、ここが数年で終わる話ではないと見ています。だからこそ、どの会社がどこまで本気で設備にお金を入れているのかを、決算の設備投資の欄で見るようにしています。
機内で働いていた私が、燃料の話を自分ごとに感じた理由
乗務していたころ、燃料は整備や運航の人の領域で、私の仕事は機内のことだと思っていました。燃料費が会社の数字をどれだけ揺らすのかを知ったのは、会社が一度立ち止まったあとでした。
移動そのものはなくならないと思います。画面越しでは足りない場面があることを、この数年で多くの人が感じたはずです。だとすれば、飛ぶことを続けるために燃料の側を変えていくしかない、という順番になります。
私はいま、企業に投資する立場でこの話を見ています。ただ、答えが出るのは私が80代になるころかもしれません。短い期間で結果を求める気持ちは、この分野には合わない気がしています。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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