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元JAL客室乗務員バフェットかおるが、50代からでも始められる高配当株投資をわかりやすく解説しています。

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モリ工業(5464)を有報で分析|3期連続減益でも私が売らない理由と、3つの確認ポイント

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私が保有しているモリ工業(5464)は、含み損を抱えている銘柄です。それでも売っていません。この記事では、第84期有価証券報告書(2025年4月〜2026年3月期)を読んで、私の4つの投資基準に当てはめた結果を、いいところも悪いところも全部書きます。

結論を先に言うと、この会社は「攻めの成長株」ではなく、鉄壁の財務と方針どおりの還元を評価して持つ守りのバリュー株です。稼ぐ力は明確に落ちています。でも財務は要塞レベルで、現金創出力はまだ健全。回復には1〜2年かかる、というのが有報を読んだ私の理解です。

※本記事は私の保有銘柄の定点観測であり、購入の推奨ではありません。

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稼ぐ力は明確に低下トレンド

数字を5年並べると、はっきりします。

売上高 経常利益
5期前 430.8億円 61.5億円
4期前 487.1億円 71.8億円
3期前(2023年3月期・ピーク) 479.0億円 63.9億円
2期前 461.4億円 57.2億円
今期 432.9億円 48.8億円

2023年3月期をピークに3期連続の減収減益で、経常利益はピーク比▲32%です。今期は売上▲6.2%、営業利益▲18.9%、純利益▲18.6%。

原因は有報に明記されています。建設業界の人手不足による需要低迷、安価な輸入材の流入による市況悪化、そして人件費・諸経費の増加です。主力のステンレス管(売上245億円、▲4.1%)は数量・価格とも軟調、条鋼は▲11.6%と大幅減。インドネシア事業は取引先の内製化と四輪市況の冷え込みで、セグメント営業利益がわずか0.28億円(▲50%)まで縮んでいます。

ただし、それでも営業利益率は10.1%を確保しており、市況型の素材メーカーとしては底堅い水準です。営業キャッシュフローは50.6億円と前期(40.6億円)より増えていて、設備投資34.9億円と配当16億円をほぼ内部資金で賄えています。稼ぐ力は落ちているが、稼ぎの質(現金創出力)はまだ健全というのが実態です。

私の4つの投資基準に当てはめると

基準 モリ工業 判定
自己資本比率 50%以上 80.5%(5年連続上昇) 大幅クリア
流動比率 200%以上 約395%(流動資産414.9億÷流動負債105.2億) 基準の約2倍
PBR 2倍以下 約0.61倍(株価約940円から逆算) 余裕でクリア
配当利回り 3.75%以上 約3.8%(年間36円÷約940円) ギリギリ

実質無借金経営を明言し、現金158.8億円に加えてコミットメントライン30億円も確保しています。財務は「要塞」レベルと言っていい水準です。

高配当株投資家として見たメリット

財務が鉄壁であること

減益局面でも自己資本比率が上がり続けています。倒産リスクや、無理な借入による配当原資の毀損リスクは極めて低い会社です。

株主還元方針が明確であること

「実質無借金を維持し、連結配当性向40%程度」と有報に明記され、実際の配当性向も39.1%と方針どおりに実行されています。書いてあることを、そのままやる会社です。

正直に書くリスク|私が一番気にしている3点

リスク1|配当性向40%方針は「業績連動」

利益が減れば配当も減ります。実際、分割調整前ベースで前期210円→今期180円相当と、すでに減配が起きています。累進配当やDOE(純資産配当率)を掲げる会社と違い、減益が続けばさらなる減配が構造的にあり得ます。「利回り3.8%」は今の配当が続く前提の数字だということです。

リスク2|ROEの低下

ROEは9.69%→5.89%と落ち、会社が掲げる「5年平均ROE8%以上」も、中期経営計画の2027年3月期見通しでは7.7%へ下方修正されました。売上515億・営業利益59億だった当初目標も、443億・41億へ大幅下方修正です。潤沢すぎる資本と低ROEこそが、低PBRで放置されている理由でもあります。

リスク3|市況依存

有報自身が「販売価格と仕入価格にはコントロールできない市場価格がある」と認めるとおり、ニッケルやコイル材の市況と建設需要次第の業績です。

会社自身の見通しは「増収減益」=もう1年我慢の年

有報には来期(2027年3月期)についてこう書かれています。実需の回復は望めず販売数量はほぼ横ばい、材料価格は上昇が見込まれるため販売価格への転嫁が必須、人件費・運送費・副資材も上昇、その結果、通期は前年比で若干の増収減益を予想——と。

中計の修正目標も売上443億円・営業利益41億円と、今期の43.8億円からさらに一段下です。つまり会社は「業績の底は来期」と示唆しているわけです。回復期待で今すぐV字、というシナリオは会社自身が否定しています。

それでも回復の芽は5つある

① 市況|ニッケルの反転はどちらかといえば追い風

減益の主因だった市況は、供給過剰が続くもののインドネシアの政策引き締めで過剰幅が縮小する見込みとされ、2027年以降は需給が均衡か軽度の不足に転じる可能性も指摘されています。市況上昇局面ではサーチャージ経由の値上げが通りやすく、在庫評価もプラスに働きます。減益のもう一つの主因だった「安価な輸入材の流入」も、原料高になれば価格差が縮まり圧力が和らぎます。

② 新工場|2026年7月完了、効果は2027年3月期後半から

赤峰の土地への投資(8.7億円)が2026年7月完了予定です。分散していた工場を集約して生産効率を上げる計画で、効果が数字に出るのは2027年3月期後半から2028年3月期でしょう。減益予想の来期を耐えた先に、原価構造が一段良くなる仕込みが済んでいます。

③ 価格転嫁|来期最大の分岐点

会社が「転嫁は必須」と明言しています。転嫁が通れば増収要因、通らなければ再減益。ここが来期最大の分岐点です。

④ インドネシア事業の転換

二輪の内製化という構造的逆風に対し、日本向け製品の製造に新たにチャレンジすると有報に明記されました。営業利益0.28億円まで縮んだ事業なので、下はほぼ底です。改善すれば全部が上乗せになります。

⑤ 資本政策の余地

現金159億円・自己資本比率80.5%・低PBRという組み合わせは、東証が資本効率の改善を求める時代には「還元強化余地の塊」です。2025年4月の5分割で個人株主を意識した動きも見せており、自社株買いや還元方針の見直しがあれば、業績回復を待たずに株価が動く可能性もあります。

なお新規事業(環境規制対応など)は、脱炭素の鈍化で時間を要すると有報に正直に書かれており、当面は期待しないほうがよさそうです。

シナリオ整理と、私が見る3つの確認ポイント

配当性向40%方針のもとで来期も減益なら、配当は36円からさらに数円の減配(33〜34円程度)があり得ます。株価940円前後なら利回りは3.5%前後まで低下し、私の基準3.75%を一時的に割り込むシナリオです。一方で財務が鉄壁なので、減配はあっても無配転落や大幅カットの可能性は極めて低いタイプだと考えています。

私が見ている確認ポイントは3つです。

  1. 中間決算で、価格転嫁が通っているか(売上単価)
  2. 新工場稼働後の原価率
  3. 来期の配当予想が据え置きか、再減配か

この3つが揃って好転すれば回復シナリオが現実味を帯びます。逆に転嫁が通らず数量も戻らなければ、底は2028年3月期にずれ込みます。

まとめ|回復余地は「ある」、ただし時間軸は1〜2年

市況という外部要因と、新工場という内部要因の両方に反転の種が撒かれています。その間を、鉄壁の財務と40%還元で待てるかどうか。それがこの銘柄の本質だと思っています。

株価が下がったから売る、ではありません。私は配当を払い続ける力があるかで判断しています。含み損を抱えていても保有を続けているのは、そういう理由です。

よくある質問

減配した会社を持ち続けていいのですか?

減配そのものよりも「なぜ減ったのか」を見ます。業績連動の配当方針どおりに減ったのか、それとも財務が痛んで払えなくなったのか。前者なら業績回復とともに戻る可能性がありますが、後者なら話は別です。私はこの点を有報で確認しています。

PBR0.61倍は「割安」ということですか?

数字の上では解散価値を下回っています。ただし低PBRには理由があることも多く、この会社の場合は資本が潤沢すぎてROEが低いことが背景にあります。安いから買う、ではなく、なぜ安いのかを確認するのが先です。

50代60代が市況に左右される銘柄を持っても大丈夫ですか?

1銘柄に集中させないことが前提です。私は業種を分けて分散しているので、素材セクターが不調でも他の銘柄が配当を運んでくれます。1社の不調で生活が揺らぐ比率になっていないか、そこを確認してください。

有報のどこを見れば財務の強さがわかりますか?

自己資本比率、流動比率、現金の残高、有利子負債の有無、そして配当方針の記載です。この5か所だけでも、その会社が配当を払い続けられるかどうかの土台は見えてきます。

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※本記事は筆者が公表資料(有価証券報告書等)を読んで考えたことをまとめた保有銘柄の定点観測であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。筆者は投資助言業の登録を受けていません。筆者は本記事で取り上げた銘柄を保有しています。記載した株価・配当・財務数値および市況見通しは執筆時点のもので、最新の情報は会社IRおよび証券会社の公式サイトで必ずご確認ください。配当は業績や方針により減配・無配となる可能性があり、株価下落により元本を割り込む可能性があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。なお本記事にはアフィリエイト(PR)リンクが含まれる場合があります。

⚠️ 【投資免責事項】
当ブログで紹介している投資情報はあくまでも参考情報であり、特定の銘柄・投資商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。

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