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こんにちは、バフェットかおるです。元JALの国際線客室乗務員として約30年働き、48歳から投資を始めました。
「毎月きちんと積み立てているのに、1年経つと思ったほど貯まっていない」。この原因のほとんどは、投資の中身ではなく突発支出(突発費用)を家計の予算に入れていないことにあります。今日は、家電の故障も冠婚葬祭も入院費も丸ごと受け止める「2割ルール」と、そのお金の置き場所についてお話しします。
結論:突発支出の目安は「2割」、金額にして月5万円
先に答えからお伝えします。
突発支出(突発費用)の年間予算は、次のいずれかで決めてください。
| 決め方 | 計算式 | 例 |
|---|---|---|
| 生活費から(月ベース) | 月の生活費 × 20% | 月25万円 → 月5万円 |
| 生活費から(年ベース) | 年間生活費 × 20% ÷ 12 | 年300万円 → 年60万円・月5万円 |
| 収入から | 年収 × 20% | 年収400万円 → 年80万円 |
| ざっくり | 月5万円/年間50〜60万円 | 計算が面倒な人はこれで十分 |
そして、このお金は生活口座にも投資口座にも入れず、専用の口座に毎月自動で移す。
これだけです。 「毎月5万円は投資しよう」と決めたのに1年経っても資産が増えていない――その原因のほとんどは、投資の中身ではなく、この2割の枠を作っていなかったことにあります。
なぜ2割なのか、そして具体的に何にいくらかかるのかを、これから見ていきます。
毎月ちゃんとやっているのに、なぜ増えないのか
「毎月5万円は投資しよう」と決めて、実際に無駄遣いもしていない。 それなのに、1年経って通帳を見たら、思ったほど増えていない。
これは意志が弱いからでも、収入が少ないからでもありません。 家計には「毎月の生活費とは別の顔をした支出」があり、それを予算に入れていない。ただそれだけです。
その正体が「突発支出(突発費用)」です。
まず、支出を4つに分けて考える
家計の支出は、次の2つの切り口で整理すると一気に見通しがよくなります。
- 切り口①:金額が一定か、増えたり減ったりするか
- 切り口②:支払いが毎月か、不定期か
| 金額がほぼ一定 | 金額が変動する | |
|---|---|---|
| 毎月 | ① 固定費 | ② 変動費 |
| 不定期 | ③ 不定期の固定支出 | ④ 突発支出 |
① 毎月・金額がほぼ一定
住宅ローンや家賃、通信費、保険料、電気ガス水道、サブスクの月額料金など。
毎月ほぼ同じ金額が出ていくので、いちばん管理しやすい支出です。 そして、一度見直せば効果がずっと続くのもここ。家計改善の最初の一手は、必ずこの固定費からです。
② 毎月・金額が変動する
食費、日用品、ガソリン代、交際費、被服費など。
金額は月によって上下しますが、支払うタイミングは毎月なので、忘れることはありません。 家計管理が上手な人は、この変動費を「毎月だいたい〇万円」と、まるで固定費のような水準に落ち着かせています。
③ 不定期・金額がほぼ一定
固定資産税、自動車税、国民健康保険料、車検、クレジットカードの年会費、NHK受信料の年払いなど。
金額は毎年だいたい同じなのに、支払いが毎月ではないので、つい忘れる。 「今月は予算オーバーだ」という月をよく調べると、たいていこれが原因です。 ただし、金額もタイミングもあらかじめ分かっているので、カレンダーに書き出すだけで対策できます。
④ 不定期・金額が変動する = これが突発支出
そして、家計にとっていちばん厄介なのがここ。 いつ来るか分からない。いくらかかるかも分からない。しかも、金額が大きい。
冒頭の「2割」は、この④に備えるための枠です。
突発支出とは、具体的にこういうものです
50代・60代の生活に引き寄せると、突発支出はこんな顔をしています。
家まわり
- 給湯器の故障・交換(20万〜40万円)
- エアコン、冷蔵庫、洗濯機の買い替え(10万〜30万円)
- 外壁・屋根の塗り替え(80万〜150万円)
- 水回りのリフォーム、シロアリ対策
車
- 買い替えの頭金
- タイヤ交換、バッテリー交換、突発的な修理
家族・親戚
- 子どもの結婚(式の援助、支度金)
- 孫の入学祝い、七五三
- 親の介護費用、施設への入居一時金
- 葬儀、法事、香典
自分の体
- 入院、手術(高額療養費制度があっても、差額ベッド代や食事代は自己負担)
- 歯の治療(インプラントは保険外で1本30万〜50万円)
- 眼鏡、補聴器の買い替え
その他
- 旅行、帰省
- ペットの医療費(手術で20万円を超えることも珍しくありません)
こうして並べてみると、どれも「贅沢」ではなく、生きていれば必ず起きることだと分かります。 突発支出とは、贅沢費のことではありません。予測しにくいだけで、必ず来る支出のことです。
だからこそ、「起きたら考える」ではなく、あらかじめ2割を確保しておく必要があるのです。
事例:Aさん(58歳・夫婦2人暮らし)の1年
Aさんは、毎月の生活費を30万円に抑え、月5万円ずつ投資に回す計画を立てていました。 年間で60万円が積み上がる計算です。
ところが、実際の1年はこうなりました。
| 時期 | 出来事 | 金額 |
|---|---|---|
| 1月 | 冷蔵庫が壊れて買い替え | 22万円 |
| 3月 | 息子の結婚。援助と衣装代 | 30万円 |
| 6月 | 妻の親の法事、帰省の旅費 | 9万円 |
| 8月 | エアコンが2台とも寿命 | 26万円 |
| 10月 | 自分が5日間入院 | 12万円 |
| 12月 | 給湯器の交換 | 33万円 |
| 合計 | 132万円 |
毎月の生活費は、きっちり30万円を守り抜きました。無駄遣いは一切していません。 それでも、年間60万円積み上がるはずが、72万円の取り崩しです。
そしてAさんは、こう思ってしまいます。 「私は家計管理ができない人間なんだ」
――違います。 予算に「突発支出」という項目がなかった。ただそれだけです。
では、2割ルールを使っていたらどうなったか
Aさんの月の生活費は30万円。その2割は月6万円、年間72万円です。
「132万円かかったのだから、72万円では足りないじゃないか」と思われたかもしれません。 そのとおりです。単年で見れば足りません。
ここが大事なところで、突発支出は年ごとに大きくブレます。
- 1年目:18万円しか使わなかった → 54万円が残る
- 2年目:40万円 → 32万円が残る
- 3年目:132万円 → 積み上がった86万円で吸収できる
つまり、2割ルールは「1年で帳尻を合わせる」ものではなく、「数年かけてならす」ための仕組みです。 使わなかった年の分を翌年に繰り越していく。これができていれば、息子さんの結婚と給湯器の故障が重なった年でも、投資資金には一円も手をつけずに済みました。
突発支出の予算:4つの決め方
冒頭の結論を、もう少し詳しく見ていきます。
決め方1:月の生活費 × 20%(いちばん簡単)
| 月の生活費 | 月の突発支出枠 | 年間 |
|---|---|---|
| 20万円 | 4万円 | 48万円 |
| 25万円 | 5万円 | 60万円 |
| 30万円 | 6万円 | 72万円 |
| 35万円 | 7万円 | 84万円 |
生活費の水準が高い家庭ほど、家も車も家電も規模が大きく、突発支出も大きくなります。 だから生活費に比例させるのが、いちばん実態に合います。
決め方2:年間生活費 × 20% ÷ 12
年ベースで把握している人はこちら。計算結果は決め方1と同じになります。
- 年間生活費300万円 × 20% = 年60万円 → ÷12で月5万円
- 年間生活費360万円 × 20% = 年72万円 → ÷12で月6万円
決め方3:年収 × 20%
まだ現役で働いていて、生活費を正確に把握していない人向けです。
- 年収400万円 → 年80万円(月約6.7万円)
- 年収600万円 → 年120万円(月10万円)
収入基準は生活費基準より多めに出ます。余裕を持って設計したい人はこちら、まずは無理なく始めたい人は決め方1を選んでください。
決め方4:ざっくり「月5万円・年50〜60万円」
「計算が面倒」「生活費もはっきり分からない」という人は、これで構いません。
月5万円。年間で50万〜60万円。
多くの家庭で、2割ルールで計算した結果はこのあたりに着地します。 まずはこの金額で走り出して、1〜2年記録が溜まってから微調整すれば十分です。
完璧な予算より、存在する予算のほうが役に立ちます。
精度を上げたい人へ:過去3年の平均を取る
家計簿やカード明細が残っている人は、実績から出すのがいちばん正確です。
- 一昨々年:80万円
- 一昨年:120万円
- 昨年:100万円 → 3年平均で年間100万円
単年ではバラバラでも、数年平均を取ると毎年似た水準に落ち着きます。 この数字が「生活費の2割」と大きくずれる場合は、実績のほうを信じてください。
突発支出は「置き場所」を分けるのが肝心
予算を決めたら、次は置き場所です。実はここが一番のポイントになります。
家計のお金は、性格ごとに分けて管理すると事故が起きにくくなります。
- 生活口座 … 毎月の生活費が出入りする口座
- 突発支出口座 … 不定期の大きな支出に備えるお金(=2割の枠)
- 生活防衛資金 … 病気や失業で収入が止まったときの生活費(生活費の6か月〜2年分)
- 投資資金 … 当面使う予定のないお金
突発支出を1と同じ口座に入れておくと、生活費と混ざって、いつの間にか使ってしまいます。 かといって4に混ぜてしまうと、給湯器が壊れたタイミングが、たまたま相場の下落局面と重なったとき、含み損を抱えたまま売る羽目になります。
これは本当に起こります。しかも、家電が壊れるのも相場が荒れるのも、こちらの都合は聞いてくれません。
3と4のお金には、絶対に手をつけない。 突発支出は突発支出として、専用の場所に置いておく。 地味ですが、この一手間が、老後資金を守る最後の砦になります。
今日からできる3ステップ
ステップ1:月の生活費に0.2を掛ける それが今日から確保すべき金額です。30万円なら6万円、25万円なら5万円。10秒で終わります。
ステップ2:今年の「不定期の固定支出」をカレンダーに書き出す 固定資産税、自動車税、車検、年会費。金額もタイミングも分かっているものから潰します。10分で終わります。
ステップ3:突発支出用の口座を一つ用意して、毎月自動で移す 給料日の翌日に自動送金を設定するだけ。 そして家にある「壊れそうなもの」の年齢を数えてください。冷蔵庫、洗濯機、エアコン、給湯器、車。10年を超えているものは、今年の突発支出の候補です。
結論(もう一度)
- 家計の支出は「金額が一定か」「毎月か」の2軸で4つに分かれる
- 最初に手をつけるべきは固定費。効果が毎月続くから
- 最後まで残る強敵が突発支出(不定期・変動・高額)
- 突発支出は贅沢ではなく、誰にでも必ず来る支出
そして、備えるべき金額は――
月の生活費 × 20% 年間生活費 × 20% ÷ 12 年収 × 20% 迷ったら、月5万円・年間50〜60万円
このお金を、生活口座・生活防衛資金・投資資金とは分けた専用口座に、毎月自動で移す。 使わなかった年の分は、翌年に繰り越す。
貯金が増えないのは、あなたの意志が弱いからではありません。 敵の顔と、必要な金額を知らなかっただけです。
2割という数字さえ握ってしまえば、突発支出はもう「想定外」ではなくなります。
これから口座を分ける方へ
突発支出の枠は、生活口座とも投資資金とも分けた専用の置き場所を作るのが肝心です。あわせて、投資資金を置くネット証券の口座も用意しておくと、生活費と投資のお金が混ざらなくなります。口座を作ったら、二段階認証の設定と、ログインは公式アプリか自分で保存したブックマークから、の2点は必ず徹底してください。
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