【1日で5.4%急騰→翌日下落】中東ショック第2波はもう始まっている?日経平均下落の本当の理由|停戦合意の2週間後に起きることとは。ロイター・ブルームバーグ・野村證券・JPモルガンの見解

 

ロイター・ブルームバーグなどの情報から

  • 4/8(水):米イラン2週間停戦合意→原油急落→日経平均+2,878円(5.4%高)の56,308円
  • 4/9(木):その急騰反動で利益確定売り、同時にイスラエルがレバノン空爆・サウジにドローン攻撃で停戦の不透明感再燃→下落

2026年4月9日の朝、スマホで日経平均を見たとき、ドキッとした方も多いのではないでしょうか。前日に2,878円も急騰したばかりなのに、今朝は一転して下落スタート。「また暴落?」「私の老後資金は大丈夫?」

今日はロイター、ブルームバーグ、日経新聞、野村證券など信頼できる情報源をもとに、なぜ株価が下がったのかを、やさしく解説していきますね。そして最後に、こういう時こそ思い出したいウォーレン・バフェットさんの投資姿勢についてお話しします。


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  1. まず今日の事実を整理しましょう
  2. 下落の理由を順番に見ていきましょう
    1. ① 前日の急騰に対する利益確定売り
    2. ② 停戦の「範囲」に食い違いが発覚
    3. ③ 原油価格の急落でエネルギー関連株が売られた
    4. ④ 空運株・非鉄金属株が下落
    5. ⑤ 情報通信株・サービス株も軟調
    6. ⑥ 保険・電気機器株も下落
    7. ⑦ 証券株・機械株も弱い
    8. ⑧ 全33業種のうち18業種が下落、15業種が上昇
    9. ⑨ 円相場の影響
    10. ⑩ シカゴ日経平均先物との裁定
    11. ⑪ 米・イラン停戦の「賞味期限」は2週間だけ
    12. ⑫ ホルムズ海峡の通航リスクが残存
    13. ⑬ 原油価格と日経平均の逆相関
    14. ⑭ 年初来安値から戻した反動
  3. 50代・60代の私たちにとって、この値動きをどう理解すればいいか
    1. 「上がった次の日に下がる」のは普通のこと
    2. 生活の視点:原油が下がればガソリン・電気代にプラス
    3. 経済の視点:「インフレ懸念の後退」は企業業績にプラス
    4. 政治の視点:停戦は「2週間限定」という現実
  4. ウォーレン・バフェットの姿勢に学ぶ
    1. 50代・60代がやるべき3つのこと
    2. 主な情報源
  5. ~50代・60代の老後資金に、今月の市場はどう影響したのか~
  6. ■ 日本の経済状況
    1. ① 株価はどう動いたか
    2. ② 生活に身近な経済指標をチェック
    3. ③ 3月の国内トピックス
  7. ■ 海外の経済状況
    1. ① 世界の株価はどうだったか
    2. ② ゴールド・債券の値動き
    3. ③ 高配当ETF(米国)の値動き
    4. ④ 海外の主要トピックス
  8. 50代 60代の私たちはどうすべきか

まず今日の事実を整理しましょう

  • 日経平均 現在値:55,946円21銭(午前10時37分時点)
  • 前日比:−362円21銭(−0.64%)
  • 始値:56,199円86銭/高値:56,406円49銭/安値:55,839円24銭
  • 前日終値:56,308円42銭

前日(4/8)は米イラン停戦合意を受けて**+2,878円(+5.4%)の急騰**だったので、その反動で今日は売られている、というのが全体の構図です。


下落の理由を順番に見ていきましょう

① 前日の急騰に対する利益確定売り

いちばん大きな理由はこれです。4月8日は米国とイランが2週間の停戦で合意したと伝わり、日経平均は一時2,600円超上昇して5万6,000円を1カ月ぶりに回復しました。たった1日で5%以上も上がれば、「いったん利益を確定しておこう」と考える投資家が多いのは自然なことですよね。

② 停戦の「範囲」に食い違いが発覚

ここが2つ目の大きな材料です。本日配信された日経の記事によると、イスラエルがレバノン全土に最大規模の空爆を実施、さらにサウジアラビアでは世界の原油供給を支えてきたパイプラインにドローン攻撃が加わりました。米・イランの2週間停戦合意があったにもかかわらず、中東では攻撃の応酬が続いており、停戦の実効性に疑問符がついています。

③ 原油価格の急落でエネルギー関連株が売られた

WTI原油先物は1バレル=100ドルを割り込んで90ドル台に急落し、これまで原油高で買われていた鉱業、海運、石油・石炭製品などが下落。INPEX(1605)、石油資源開発(1662)は前日に続き売られています。

④ 空運株・非鉄金属株が下落

本日の市況によると、JAL(9201)、ANA(9202)の空運株、三井金属(5706)、住友電工(5802)の非鉄金属株が下落しています。前日の停戦期待で買われた反動ですね。

⑤ 情報通信株・サービス株も軟調

**弁護士ドットコム(6027)、リクルートHD(6098)、メルカリ(4385)、ソフトバンクG(9984)**など、値がさハイテク・グロース株に利益確定売り。

⑥ 保険・電気機器株も下落

**SOMPO HD(8630)、第一生命HD(8750)、アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)**など主力株にも売り。

⑦ 証券株・機械株も弱い

**大和証券G(8601)、野村HD(8604)、ディスコ(6146)、三菱重工(7011)**など、幅広いセクターに売りが波及。

⑧ 全33業種のうち18業種が下落、15業種が上昇

今日の特徴は「全面安」ではなくセクターの入れ替わり。一方で郵船(9101)、川崎汽船(9107)の海運株、INPEX(1605)、石油資源(1662)の鉱業株は高いという、少し複雑な動きになっています。

⑨ 円相場の影響

朝方9時2分の時点でドル円は158円台後半、ユーロ円は184円台後半で推移。前日よりやや円高方向で、輸出株の重しになっています。

⑩ シカゴ日経平均先物との裁定

シカゴ日経平均先物の円建て清算値は5万7,075円(8日の大阪比+645円高)でした。寄付きはこれにサヤ寄せする形で上昇スタートもあり得ましたが、現実は反対方向。海外投資家の見方が日中に変わったことを示しています。

⑪ 米・イラン停戦の「賞味期限」は2週間だけ

ここ、重要です。パキスタンの仲介で成立した停戦は「2週間の停戦」という期限付き。恒久的な和平ではなく、あくまで一時休戦です。市場はそれを冷静に思い出し始めています。

⑫ ホルムズ海峡の通航リスクが残存

海運会社マースクは「ホルムズ海峡を通過する決定は、継続的なリスク評価に基づいて行う」と慎重な姿勢。世界の原油・LNGの約5分の1が通るホルムズ海峡の安全が完全保証されたわけではありません。

⑬ 原油価格と日経平均の逆相関

野村證券のレポートによると、WTIが10ドル上昇すると日経先物が1,000円下がる高い連動性があるとのこと。今は逆に原油が下がって株が上がる局面ですが、この関係はボラティリティを生みやすいということです。

⑭ 年初来安値から戻した反動

日経平均は年初来安値50,558円91銭(2026/03/31)から、わずか1週間強で5万6,000円台まで10%以上戻してきました。戻り幅が大きすぎて、調整があって当然というテクニカル要因もあります。


50代・60代の私たちにとって、この値動きをどう理解すればいいか

「上がった次の日に下がる」のは普通のこと

株価は毎日上下するのが当たり前です。特に今回のように地政学リスクが絡む相場では、1日で5%上がった翌日に1%下がることは珍しくありません。大事なのは1日の値動きに一喜一憂しないことです

私のポートフォリオ(2月時点で約1億5,900万円、年間配当約514万円)も、中東ショックで一時▲3.1%下がりました。高配当株の強さは、こういう時に実感できます

生活の視点:原油が下がればガソリン・電気代にプラス

原油が1バレル100ドル割れになったのは、家計にとっては朗報。ガソリン代、灯油代、電気代、食料品の輸送コスト、すべてに少しずつ良い影響が出てきます。中東情勢は怖いですが、原油が下がっている間は財布にはやさしい。

経済の視点:「インフレ懸念の後退」は企業業績にプラス

NYダウは前日比1,325ドル高(+2.85%)の47,909ドルと、3月上旬以来の高値を回復。インフレ懸念の後退で幅広い銘柄に買いが広がったそうです。原油安→インフレ鈍化→FRB利下げ観測→株高、という連鎖ですね。

政治の視点:停戦は「2週間限定」という現実

停戦は恒久ではなく、イスラエルのレバノン空爆、サウジへのドローン攻撃など、中東では攻撃が続いています。2週間後に再び緊張が高まる可能性は十分あります。分散が大事です


ウォーレン・バフェットの姿勢に学ぶ

株価の動きを毎日追いかけて売買する必要は、私たちにはありません

バフェットがいつも言っている

「10年間持ち続ける気がない株なら、10分でも持ってはいけない」

「他人が貪欲な時には恐れを抱き、他人が恐れを抱いている時には貪欲であれ」

「素晴らしい企業を適正価格で買うほうが、適正な企業を素晴らしい価格で買うよりもずっと良い」

今日の日経平均▲362円という動きは、バフェットからすれば「ノイズ」です。彼は中東情勢を理由に保有株を売ったりしません。良い企業を、配当をもらいながら、10年、20年持ち続ける。それだけです。

50代・60代がやるべき3つのこと

1つ目:株価をみない 毎日株価をチェックしていると、不安と欲望に振り回されます。今日みたいに「前日急騰の反動で下がる日」は、何もしないのが一番。

2つ目:保有している配当銘柄の配当利回りを確認する 株価が下がれば、配当利回りは上がります。追加投資のタイミングです。高配当株投資は株価が暴落しても、生活は何も変わりません。

3つ目:生活費6ヶ月分の現金を確保しているか確認する現金クッションがあれば、株価の上下に心を揺らさずに済みます。老後資金を全部株に入れるのは危険。バフェットも常に巨額のキャッシュポジションを持っています。

2026年4月9日の日経平均下落は、

  1. 前日急騰の反動
  2. 停戦の実効性への疑問
  3. 原油価格急落によるセクター入れ替わり
  4. 円相場の影響
  5. テクニカルな調整

といった複数の要因が重なった、ごく普通の調整局面です。

私たち50代・60代の投資家は、バフェットのように**「良い企業の配当を、長く、静かに受け取り続け株価の値上がりも享受しインフレ負けしない老後をいきる」**ことに集中しましょう。毎日のニュースに振り回されるのではなく、10年後の自分の生活を想像しながら、ゆったり構えることが一番の勝ちパターンです。


主な情報源

  • ロイター通信(米イラン停戦で日経5万6,000円回復の報道)
  • ブルームバーグ(米株上昇、原油安でインフレ懸念後退)
  • 日本経済新聞(イスラエルのレバノン空爆報道、4月9日前場市況)
  • 野村證券 市場戦略リサーチ部(原油と日経先物の連動性分析)
  • Investing.com/バークレイズ分析(原油価格見通し)
  • ウエルスアドバイザー社(4月9日寄り付き市況)
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ここからの内容はリベラルアーツ大学の両学長のライブ配信の内容から情報を出典しています。

第269回 【超重要】株式投資に役立つ3月の投資トピック総まとめ【インデックス・高配当】【株式投資編】

 

 

~50代・60代の老後資金に、今月の市場はどう影響したのか~


■ 日本の経済状況

① 株価はどう動いたか

3月31日時点の主な株価指数は、次の通りです(年初来の変化率)。

指数 年初来
グロース250連動ETF +3.31%
TOPIX +0.58%
日経平均株価 ▲1.48%
REIT連動ETF ▲8.11%

3月は、日経平均株価が年初来でプラスだったのに、マイナスに転落しました。

なぜこんなに下がったのか? 理由は3つです。

1. 投資家の気持ちが一気に冷えた アメリカ&イスラエルがイランへの攻撃を続けました。「こんな不安な時期に株を買っていられない」と、世界中の投資家が株を売り始めました。

2. 原油の値段が上がった イランが報復として「ホルムズ海峡」を封鎖しました。ホルムズ海峡とは、世界の石油タンカーが多数通る海の玄関口です。これが閉じられると石油が運べなくなり、石油の値段が急騰しました。石油が高くなると企業のコストが上がり、利益が減ります。

3. 金利が上がるかもという不安 石油が高くなると物価が上がります(インフレ)。インフレを抑えるために政府が金利を引き上げるかもしれない、という不安が広がりました。

50代・60代の私たちへのコメント

日経平均は2月末の58,850円から51,063円まで、わずか1か月で約13%も下がりました。保有している日本株の評価額が大きく減った方もいるはずです。でも、ここで慌てて売るのは禁物です。「暴落はバーゲンセール」という視点で、冷静に受け止めましょう。長期保有の高配当株であれば、株価が下がっても配当金は基本的に変わりません。「配当が入り続けているか」を確認して、自分の投資方針を守ることが大切です。


② 生活に身近な経済指標をチェック

株価ではなく、私たちの「リアルな生活・景気」はどうなっているのか? 6つの指標で確認します。


【政府の公式見解】 「景気は緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある」

先月は「トランプ関税」が懸念材料でしたが、今月は「中東情勢」に変わりました。どちらもトランプ大統領が引き金を引いているという点では同じです。


【景気動向指数】 一致指数は前月比+3.4ポイントで上昇。ただし2〜3年で見ると、ほぼ横ばいが続いています。

先行指数(数か月後の景気を先読みする指数)は、ここ半年ほど連続して上昇しており、改善の兆しが見えています。

コメント 大きく「良くも悪くもない」という状況が続いています。ただし先行指数が上向きというのは、来月・再来月にかけて景気が少し良くなる可能性を示しています。中東情勢が長引かなければ、の話ですが。


【景気ウォッチャー調査】(タクシー運転手・スーパーなど景気に敏感な現場の人2,000人に聞く調査)

2月は48.9ポイントで、50を下回りました。50を下回ると「景気が悪いと感じている人のほうが多い」という意味です。

節約志向が強まっており、コンビニではなくドラッグストアで買い物をするなど、生活防衛の動きが見られます。

コメント 物価高の影響が家計に直撃しています。私たちの肌感覚と合っているのではないでしょうか。ただし先行き(2〜3か月後)は50.0ポイントと、「今よりは少し良くなりそう」という見通しになっています。


【消費者物価指数(物価の変化)】

2月のコアCPI(生鮮食品を除く)は前年比+1.6%で、約4年ぶりの低水準です。ガソリン税の軽減や、政府の電気・ガス代補助、食料品の値上がりペースの鈍化などが背景にあります。

ただし、原油高が長引けば再び物価が上がる恐れがあります。

コメント 「やっとインフレが落ち着いてきた」というタイミングで、中東情勢が水を差しました。原油価格が安定するかどうかが、今後の家計の明暗を分けます。年金生活の方や固定収入の方にとって、物価上昇は直接生活を圧迫します。食費や光熱費の値動きから目を離さないようにしましょう。


【実質賃金】(給料が物価上昇に追いついているかどうかの指標)

2026年1月の実質賃金は前年同月比**+1.4%**で、13か月ぶりのプラスになりました。

わかりやすく言うと、「おにぎりが100円から102円になったけど、給料は100円から103円になった」という状態です。

ただし、中東情勢による原油高が長引くと再びマイナスに戻る可能性があります。また、中小企業では「賃上げ疲れ」の声も出始めています。

コメント 実際に働いている方には朗報ですが、すでに退職してリタイア生活の方には直接は関係しません。一方で、「賃上げが続くかどうか」は日本経済の消費力に影響し、保有している高配当株の業績にも間接的にかかわります。50代でまだ現役の方は、今のうちに種銭(投資元本)を積み上げる好機かもしれません。


【雇用状況】

  • 2月の完全失業率:2.6%(100人中2.6人が失業)
  • 2月の有効求人倍率:1.19倍(求人数が求職者数を上回る「売り手市場」)

主要先進国(アメリカ・イギリスなど)の完全失業率は4〜5%台。日本の雇用環境は安定しています。

コメント 雇用が安定しているということは、日本全体の消費が極端に落ち込まないことを意味します。保有株の業績が急激に悪化するリスクは、現時点では限定的です。60代で再雇用・パート等で働いている方にとっても、職を失うリスクは比較的低い環境です。


③ 3月の国内トピックス

【日銀、金利を据え置き】

3月19日の会合で、日銀は短期金利を0.75%に据え置くことを決定しました。長期金利は2.30%です。

日銀は本来「金利を正常化したい(引き上げたい)」と考えています。ただし、急に上げると住宅ローンの金利が上がって家を買う人が減り、景気が悪化するリスクがあります。「4月の次回会合では利上げか?」という観測も出ています。

コメント 変動金利の住宅ローンを抱えている方は、引き続き注意が必要です。一方、預金金利は少しずつ上がりつつありますが、インフレ率には追いついていません。「銀行に預けているだけでは老後資金が目減りする」という状況は変わっていません。高配当株や債券への分散投資の重要性は、依然として高いままです。


【日経平均株価が急落】

2月28日のイラン攻撃をきっかけに、日経平均は約13%下落。「歴代の大きな下落ランキング」に1か月で6日分もランクインしました。

投資家の間では**「TACO(トランプはいつもビビって引き返す)」**という言葉が広まっています。トランプ大統領は過激な発言で株価を下げますが、下がりすぎると態度を軟化させて株価を戻そうとする、という行動パターンに基づいた投資戦略です。

コメント 「暴落が来た!どうしよう!」と不安になった方も多いと思います。でも、歴史を振り返ると、こうした地政学的ショックによる暴落は、多くの場合1〜2年で回復しています。売らずに持ち続けた人が報われてきました。ただし、「いつ回復するか」は誰にもわかりません。だからこそ、生活費の3〜6か月分のキャッシュを手元に残した上で投資する「余裕資金での投資」が大原則です。


■ 海外の経済状況

① 世界の株価はどうだったか

2026年3月時点のG7各国の株価(年初来):

国・指数 年初来リターン
カナダ(S&P TSX) +3.33%
イギリス(FTSE100) +2.26%
イタリア(FTSE MIB) ▲2.35%
フランス(CAC40) ▲4.62%
米国(S&P500) ▲4.63%
ドイツ(DAX40) ▲7.58%
日本(TOPIX) +0.58%

「米国一強の時代は終わりつつあるのか?」という議論が続いています。2025年から始まった「米国集中から国際分散へ」のトレンドは、2026年も継続しています。

コメント 米国のS&P500だけに積み立ててきた方は、一時的なマイナスに不安を感じているかもしれません。一方、日本株・欧州株・新興国株に分散している方は比較的ダメージが小さかったはずです。「一国集中リスク」を改めて意識しておきましょう。とはいえ、S&P500の長期的な成長力は揺るぎません。積立継続が基本方針です。


② ゴールド・債券の値動き

【ゴールド(GLD)】 年初来:+約8.04% ただし3月単月では10%以上のマイナス。「戦争なら金が上がる」とは限らないことを示しました。今は「金より原油」という状況です。

【債券ETF3本の比較】

ファンド リスク 年初来 現在の利回り
AGG(総合債券) ▲0.61% 約3.96%
LQD(優良社債) ▲1.09% 約4.58%
HYG(ハイイールド債) ▲1.33% 約5.93%

金利が上がると債券の価格は下がります(シーソーの関係)。今月は原油高→インフレ懸念→金利上昇懸念の流れで、債券価格が下落しました。

コメント 利回り3〜6%というのは、高配当株に匹敵する水準です。価格変動が怖い株が苦手な方には、債券ETFも選択肢になります。ただし「価格が下がるリスク」は株と同様にあります。AGGのように安全性の高いものから少額で体験してみるのも一つの方法です。


③ 高配当ETF(米国)の値動き

ファンド 年初来リターン 現在の利回り
HDV +11.60% 約2.92%
SPYD +5.25% 約4.42%
VYM +3.19% 約2.41%

S&P500が約▲4.6%のなか、米国高配当ETFはすべてプラス。「高配当株は下落局面に強い」という特性が発揮されました。ハイテク株が少なく、原油関連株が多いことが好パフォーマンスの理由です。

ただし、利回りは過去平均より低い水準にあります。

コメント HDVが11%以上のリターンというのは驚きです。しかし利回り自体は2.92%と低めで、「高い配当収入」という意味では日本の高配当株や欧州株のほうが魅力的かもしれません。値上がり益と配当収入のバランスを考えて選びましょう。すでに保有している方は「ホールドを続けること」が正解です。


④ 海外の主要トピックス

【中東情勢】

現在、上がっているのは「原油」と「ドル」だけ。株・債券・ゴールド・円・ユーロはすべて下落しています。

最重要ポイントは**「原油価格が正常化するかどうか」、そしてそのカギを握るのが「ホルムズ海峡の封鎖解除」**です。世界の原油の約2割がここを通っています。

コメント ホルムズ海峡がいつ正常化するかは、政府にもわかりません。私たちにできることは「予測しないこと」です。「いつ戻るかわからないから、インデックス積立を止めない。株価が下がったら、優良高配当株を追加で仕込む」というスタンスが、最も合理的です。


【米国FOMCの決定:金利据え置き】

3月18日のFOMC(米国の金融政策会議)で、金利は3.50〜3.75%に据え置かれました。

FOMCが目指しているのは「ちょうど良い金利(現在の見通しでは約3.1%)」。高すぎると不景気になり、低すぎると悪いインフレになります。今後は「あと1回程度の利下げ」が見込まれています。

コメント 金利が下がると一般的に株価は上がりやすくなります。また、債券の価格も上がります。「利下げ方向」というのは、長期投資家にとっては基本的にプラスの流れです。ただしそれがいつになるかは不明なので、「待って買う」より「今から少しずつ買い続ける」積立投資が安心です。


50代 60代の私たちはどうすべきか

テーマ 状況
日本株 年初来+0.6%まで急落(▲約13%の月)
国内景気 緩やかに回復中。先行きは改善の兆し
物価 インフレが落ち着き始めた。ただし原油高が懸念
実質賃金 13か月ぶりプラス(+1.4%)
雇用 安定。求人倍率1.19倍の売り手市場
世界株 全面安。米国だけが年初来マイナスに転落
高配当ETF 米国3本ともプラス。下落局面に強さ発揮
中東情勢 戦争継続中。ホルムズ海峡封鎖で原油高
米国金利 据え置き。年内あと1回の利下げ見込み
日本金利 据え置き(0.75%)。4月の利上げ観測あり

50代・60代へ

3月は投資家にとって本当に厳しい月でした。資産が目減りした方も多いはずです。でも、歴史は「暴落は必ず回復する」ということを何度も証明しています。

今の私たちがすべきことはシンプルです。

① 手元のキャッシュを守る(生活費6か月分は絶対に守る) ② インデックス積立は止めない(積立設定はそのまま) ③ 余裕があれば優良高配当株を仕込む(今は「バーゲン価格」の銘柄が増えている) ④ 銘柄の「配当継続力」を確認する(株価が下がっても配当が出続けるかを確認)

「恐怖・強欲指数」は現在「Extreme Fear(極度の恐怖)」を示しています。歴史的に、こういう時期に淡々と買い続けた人が、後に最も大きなリターンを得ています。

老後資金は「今すぐ全部必要なお金」ではありません。10年・20年のスパンで育てるものです。相場の嵐は、必ず過ぎ去ります。

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