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ゴールドの話が出るたびに私が混乱していたのは、「上がるから買う」という話と「万一に備えて持つ」という話が、同じ「金を買う」という言葉でまとめられていたことでした。私は、金の使い道を投機・投資・保険の3つに分けて考えるようにしてから、ようやく自分がどれをやろうとしているのかが見えました。この記事では、ゴールドという資産の基本と、その3つの使い道の違い、そして私がどう整理して自分の持ち方を決めたかを書きます。何割持つべきかという数字は書きません。
※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事は2026年10月時点で公開しているものです。制度・手数料・画面の名称は変更されることがあるため、必ず各社および公的機関の最新の案内をご確認ください。
ゴールドという資産の基本
まず、金がほかの資産とどこが違うのかを整理します。私が自分の言葉にできたのは、次の5つでした。
- 発行者がいない|株や債券は、発行した会社や国の信用の上に成り立っています。会社が行き詰まれば株は価値を失います。金は物そのものなので、どこかの会社が倒れても金が消えるわけではありません。
- 利息も配当も生まない|持っていても、金が金を産むことはありません。増えるとすれば値段が上がったときだけです。ここが、配当を受け取りながら持てる会社の株との大きな違いでした。
- 値段は世界で一つに向かう|金の値段は国際的にはドル建てで付きます。だから円で見た金の値段は、金そのものの動きと、為替の動きの両方が混ざっています。円建ての価格だけを見ていると、どちらが効いたのか分からなくなります。
- 量に限りがある|地上に出ている金の量にも、まだ地中にある分の推計にも限りがあります。具体的な推計値は調査団体が定期的に公表しているので、数字が必要なときは記事の引き写しではなく、その一次の資料を見るようにしています。
- 現物は置き場所が必要|実物で持つなら、保管の場所と、盗難や紛失への備えが要ります。これは株にはない手間です。
この5つを並べてみると、金は「増やすための資産」としては地味で、「失われにくさを買う資産」に近いと私は感じました。だから使い道を分けて考える必要が出てきます。
使い道その1・投機|短い期間の値動きを当てにいく持ち方
1つ目は、短い期間で値段が動くのを当てて、差額を取ろうとする持ち方です。ニュースで「金が最高値」と出た翌日に買う、という動きがこれにあたります。
この持ち方は、金が何かを生み出してくれるわけではないので、利益の源は「自分より後に、自分より高い値段で買う人がいること」だけになります。つまり、値段の方向と時期を当て続けられるかどうかの勝負になります。金は配当も利息もないので、待っている間に受け取れるものもありません。
私自身は、この持ち方はしていません。相場の方向を当て続ける力が自分にないと分かっているからです。私の投資は、ウォーレン・バフェットのやり方を真似することにしています。良い会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない。短期の値動きを当てる技術は、私の手元にある道具ではありませんでした。
もしこの持ち方を選ぶ場合に確かめるのは、売買のたびにかかる費用と、損が出たときに自分がどこで手を引くかの線だと思います。ただ、そこを自分で決められないうちは手を出さない、というのが私の結論です。
使い道その2・投資|資産を一つに寄せないために長く持つ持ち方
2つ目は、株や債券と値段の動き方が違う資産を混ぜておくことで、全体の揺れを小さくしようとする持ち方です。株が大きく下がる局面で金が下がらなかった時期があるので、分けておく意味があるという考え方になります。
ここで気をつけたのは、「違う動きをする」というのは「逆に動く」という約束ではないことです。株と一緒に下がった局面もあります。だから私は、金を入れておけば下がらない、という期待の仕方はしないようにしました。
この持ち方なら、現物でなくても成り立ちます。金に連動する投資信託やETFでも、値段の動きを資産に取り込むことはできます。どの形で持つかは、手数料のかかり方や税金の区分で変わってくるので、別の記事で5つの持ち方を分けて整理しました。
確かめる場所は、商品の交付目論見書です。何を裏付けにしているのか、保有している間にいくらかかるのか、為替ヘッジがあるのか。この3つを書き出してから、同じ条件で並べて比べています。
使い道その3・保険|非常のときのために現物を手元に置く持ち方
3つ目は、金融の仕組みそのものが使いにくくなるような事態に備えて、実物を手元に置いておくという持ち方です。これはもう投資というより、保険に近い考え方だと私は受け取りました。
この持ち方だけは、ETFや投資信託では代わりになりません。証券会社の口座の中にある数字は、口座にアクセスできる前提で成り立っているものです。手元に置いておくことに意味があるなら、現物である必要があります。
そのぶん、確かめることが増えます。どこに置くのか、置き場所の安全をどう確保するのか、保険はかけられるのか、売るときに本人確認や記録がどう残るのか。地金なら小分けになっているほうが使いやすい場面もありますが、小さいサイズには加工ぶんの手数料が乗ることがあります。
そして、保険にはいつでも費用がかかります。保管の費用も、買うときと売るときの値差も、何も起きなければ払って終わるものです。保険をかけすぎて毎月の生活が苦しくなるのは本末転倒なので、私は「これは保険の費用だ」と割り切れる金額の範囲で考えました。
3つを混ぜると、判断ができなくなる
私がいちばん失敗しやすいと感じたのは、3つの使い道を一つの持ち分でやろうとすることです。保険として買ったはずの現物を、値段が上がったからといって売ってしまえば、保険は消えます。投機で買ったつもりの分が下がったときに「これは長期の分散だから」と言い換えてしまえば、損を認める線がなくなります。
| 使い道 | 何を期待しているか | 先に決めておくこと |
|---|---|---|
| 投機 | 短期の値動きの差額 | やめる線と、売買にかかる費用 |
| 投資 | 資産全体の揺れを小さくすること | 持ち続ける期間と、保有中にかかる費用 |
| 保険 | 非常時に手元で使えること | 保管の方法と、売らない条件 |
私は、同じ金でもこの3つを別の財布として分けて考えることにしました。同じ口座の中に混ぜておくと、自分がどの理由で持っていたのか忘れてしまうからです。
「資産の何割」という数字を、私が書かない理由
ゴールドの記事には「全体の何パーセントが目安」という数字がよく出てきます。私はこれを自分の記事に書かないことにしました。
理由は2つあります。1つは、同じ比率が誰にでも当てはまる根拠を私が示せないからです。勤めの収入がこれから何年あるのか、年金をいつから受け取るのか、住まいが持ち家か賃貸か、家族に支える人がいるか。そのどれかが違えば、持てる金額も変わります。もう1つは、私は金融商品取引業の登録を受けていないので、具体的な配分を示すことが助言にあたってしまうからです。
代わりに私が自分でやったのは、比率ではなく上限を決めることでした。配当も利息も生まない資産を、自分はいくらまで持っていられるか。それを生活の見通しから先に決めて、その枠の中だけで買う。枠は値段が動いても動かさない、と決めました。これは私の決め方で、同じにする必要はないと思っています。
50代の私が、どこに落としどころを置いたか
私は50代で、以前は客室乗務員として働いていました。働き方が変わって収入の形が変わったときに、「何かあったときにすぐ使えるお金」と「増やすためのお金」を分けて置いておく必要を強く感じました。
そのとき最初に整えたのは、金ではなく現金のほうでした。すぐ使える現金の置き場所をはっきりさせてから、残った部分で投資のことを考える。この順番にしたら、相場のニュースで落ち着かなくなることが減りました。
金については、保険としての意味は理解できるけれど、私の生活では現金のほうが先だと考えました。そのうえで、配当を生まない資産として持てる上限を決めて、その中で考えることにしています。私の投資の中心は、配当を出してくれる会社を長く持つことのままです。
どの形で持つかという具体的な手順と、形ごとの手数料・税金の違いは、別の記事で「ゴールドの持ち方は5種類」として整理しました。この記事は、その手前にある「そもそも何のために持つのか」の部分です。
この記事で直したところ
・冒頭にあった外部の動画への参照リンクと、その動画を参考にしたという記述を削除しました。他の方の制作物の内容紹介にあたるためです。
・日経新聞の記事見出しの引用と、中東情勢を理由に挙げた値上がりの説明を削除しました。外部メディアからの引用で、記事の本筋にも必要ないためです。
・「採掘された金の総量はオリンピックプール4杯分で約20万トン」「埋蔵量はあと約5万トン」「数十年で枯渇の可能性あり」を削除しました。出所が記事内で確認できず、枯渇の時期は予測にあたるためです。
・「ポートフォリオの5〜10%をゴールドにするのが目安」「高齢者は10〜20%まで検討余地あり」という配分の数字を削除しました。配分の指示は投資助言にあたるためです。
・有名投資家の名前と戦略名、その戦略での比率を削除しました。実在の個人の資産配分についての未確認の記述にあたるためです。
・個別のETFの名前を並べて「これが最安です」としていた部分を削除しました。特定の商品の推奨にあたり、費用の順位も時期によって変わるためです。
・「まずは証券口座を開設してインデックス投資から始めましょう」「投資を始めるならネット証券の◯◯証券が最適です」という書き方を削除しました。特定の証券会社や始め方を勧める表現だからです。
・知人が数百万円分の金を準備したという話と「1年分の生活費になる計算」を削除しました。第三者の資産についての未確認の記述だからです。
・戦後の資産没収、海外の富裕層の動向についての記述を削除しました。裏を取れていないためです。
・記事の主題と関係のないレンタルサーバーの広告(月額の金額やキャンペーンの箇条書き)と、外部のAIサービスへの誘導リンクをすべて削除しました。
・本文全体が<strong>で囲まれて段落のない状態だったので、普通の段落に組み直しました。見出しの中に入っていた入れ子の見出しも整えました。
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