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防衛に関わる会社と銀行、それに資源の会社。合わせて5社の決算資料を開いて、数字を自分で書き写した記録です。三菱重工業、IHI、川崎重工業、三菱UFJフィナンシャル・グループ、INPEXの5社です。並べてみてわかったのは、業種が違うと利益の出かたも自己資本比率の水準もまったく違っていて、同じ欄で比べても意味がないということでした。先に書いておきますが、この記事は私の保有状況の紹介であり推奨ではない、という性質のものです。私がこれらの会社を持っているかどうかは別として、どなたかに買うことをすすめる意図はありません。
筆者は金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録も受けていません。個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事の数字は2026年10月時点で確認できたもので、出典は各社が東京証券取引所に開示した決算短信、および財務省・防衛省の公表資料です。会社の業績予想は会社自身が出した見通しであって、確定した数字ではありません。
この記事で見た資料は、会社自身が出したものだけです
5社ぶんを見るときに決めたのは、会社が取引所に開示した決算短信だけを見る、ということでした。まとめ記事やデータサイトは便利ですが、数字がいつの時点のものなのかがわかりにくいことがあります。
決算期が会社によって違うことにも気をつけました。三菱重工業、IHI、川崎重工業、三菱UFJの4社は3月で1年が終わります。INPEXだけは12月です。ですから「最新の1年ぶん」といっても、期間がそろっていません。ここを混ぜると、同じ時期の比較をしているつもりで、違う時期の数字を並べてしまいます。
防衛に関わる3社の数字を並べました
まず、2026年3月期(2025年4月から2026年3月)の数字です。
| 項目 | 三菱重工業 | IHI | 川崎重工業 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4兆9,742億円 | 1兆6,434億円 | 2兆3,113億円 |
| 本業の利益 | 事業利益4,322億円 | 営業利益1,655億円 | 事業利益1,451億円 |
| 親会社に帰属する当期利益 | 3,321億円 | 1,610億円 | 約1,082億円 |
| 自己資本比率 | 37.3% | 26.9% | 26.4% |
3社とも重いものをつくる会社ですが、売上の大きさは3倍ほど違い、自己資本比率にも10ポイント以上の差があります。「防衛関連」とひとくくりにされがちですが、会社の形はかなり違います。
利益の名前が会社によって違うところも、並べてみて気づきました。三菱重工業と川崎重工業は連結で「事業利益」、IHIは「営業利益」を出しています。名前が違う利益を同じ行に並べるときは、そのことを承知のうえで見るしかありません。
株式分割をはさんだ会社は、配当を前の年と比べられません
この3社のうち2社が、最近になって株式分割をしています。配当を見るときに、ここでつまずきました。
- 川崎重工業は2026年4月1日付で、1株を5株にしました。2026年3月期の1株当たり年間配当金171円は分割前の金額で、2027年3月期の会社予想は年40円です。
- IHIは2025年10月1日付で、1株を7株にしました。2027年3月期の1株当たり年間配当金の予想は23円です。
- 三菱重工業は分割をしていません。1株当たり年間配当金は前の期が23円、2026年3月期が25円、2027年3月期の予想が29円です。
株式分割をすると、1株の大きさが小さくなるぶん、1株当たりの配当金も利益も見た目は小さくなります。会社の中身が減ったわけではありません。ケーキの切り分け方が変わっただけです。
私はここでいつも、配当利回りの計算を間違えそうになります。分割前の配当金額と分割後の株価で割ってしまうと、とんでもない数字が出ます。分割をはさんだ会社の配当利回りを調べるときは、同じ時点の配当と株価で計算しているかを確かめるようにしています。
銀行の自己資本比率は、製造業と同じ欄で比べられません
三菱UFJフィナンシャル・グループの2026年3月期(日本の会計基準・連結)は、こうなっていました。
- 経常収益 14兆6,208億円(7.3%増)
- 経常利益 3兆4,102億円(27.7%増)
- 親会社株主に帰属する当期純利益 2兆4,272億円(30.3%増)
- 1株当たり年間配当金 86円(中間35円・期末51円)。2027年3月期の予想は96円(中間48円・期末48円)
- 自己資本比率 5.2%
この5.2%という数字を、さきほどの製造業の26%や37%と並べて「低いから危ない」と読んではいけません。銀行は預金を預かって貸し出す仕事ですから、預金という返すべきお金が最初から大きく乗っています。自己資本比率が製造業より低く出るのは、業種の形がそうなっているからです。
銀行の健全性をはかる指標は、これとは別に決められた計算方法のものがあります。決算短信のこの欄だけを見て銀行の安全性を判断することは、私はしません。業種が違う会社を同じ欄で比べるのは、身長と体重を同じ物差しで測るようなものだと思っています。
もうひとつ、この短信で目にとまったことがあります。期末の発行済株式数が、前の期の120億6,771万株から118億6,771万株へ、2億株減っていました。株数が減れば、1株が受け取る取り分は増えます。配当金額だけでなく株数の動きも見るようになったのは、こういう数字に気づいてからです。
なお、この会社は2027年3月期の業績予想を出していません。短信には、事業をとりまく不確実性が大きいため予想が難しいとして、親会社株主に帰属する当期純利益の目標を2兆7,000億円とする、と書かれています。予想ではなく目標です。
INPEXは減益の予想を出しながら、配当は増やす予想でした
INPEXは12月で1年が終わる会社です。2025年12月期(国際会計基準・連結)の数字です。
- 売上収益 2兆114億円(11.2%減)
- 営業利益 1兆1,354億円(10.7%減)
- 親会社の所有者に帰属する当期利益 3,938億円(7.8%減)
- 自己資本比率 61.4%
- 1株当たり年間配当金 100円(前の期は86円)
そして2026年12月期の会社予想は、売上収益1兆8,930億円、営業利益9,570億円、親会社の所有者に帰属する当期利益3,300億円。いずれも前の期より減る見通しです。いっぽうで1株当たり年間配当金の予想は108円で、100円から増える見通しになっています。
利益が減る見通しなのに配当を増やす予想を出している。この組み合わせを見たとき、私はしばらく考えました。手元のお金に余裕があるから配当を続けられるのか、それとも無理をしているのか。自己資本比率が61.4%と高いことは、余裕のほうを示す材料のひとつだと思います。ただ、資源の会社は原油やガスの値段で業績が大きく動きますから、同じ配当がこの先も続くかどうかは、私にはわかりません。
利益の出かたも、他の4社とはまったく違いました。売上収益2兆114億円に対して営業利益が1兆1,354億円。割り算すると約56.5%です。いっぽうIHIは1兆6,434億円の売上に対して営業利益1,655億円で、約10.1%。同じ「営業利益」という名前でも、業種が違うとこれだけ違います。業種をまたいで利益率を比べても、優劣の話にはならないということです。
防衛予算について、公表資料で確認できた金額
防衛に関わる会社の話では国の予算が出てきますが、人の見通しがまぜこぜになりやすいところなので、国の資料で確認できた金額だけを書きます。
- 令和8年度(2026年度)の防衛関係費は全体で9兆353億円、前の年度より3.8%増。うち防衛力整備計画の対象となる経費は8兆8,093億円、新たに契約する金額は8兆8,459億円。出典は財務省の広報誌「ファイナンス」2026年5月号です。
- 防衛力整備計画は2023年度から2027年度までの5年間で、必要な防衛力整備の水準にかかる金額を43兆円程度としています。この5年間の歳出の総額は約40.5兆円、2027年度は約8.9兆円という見込みです。出典は令和7年版の防衛白書です。
- 同じ財務省の資料に、安全保障に関する三つの文書が前倒しで年内に改定される予定だと書かれています。いまの計画の枠組みは、途中で書き換わる可能性があります。
書き直す前のこの記事には「防衛費がGDP比1%から2%へ」という書き方がありましたが、今回この割合を国の公表資料で確認できなかったので外しました。
「買いのサイン」や「狙い目」を全部外しました
この記事はもともと2025年の前半に書いたもので、読み返してみると、私が書くべきでないことがたくさん残っていました。順に挙げておきます。
- 「短期で大きな値上がりを狙うならこの会社、長期の安定ならこの会社」という振り分け。私が誰かの買うものを決める立場にはありません。削除しました。
- 移動平均線を株価が上抜けたら買いのサイン、乖離したら様子見、という売買の合図。チャートの形で将来を当てられるとは私は考えていないので、削除しました。
- 「決算が良いのに株価が下がったときは買いのチャンス」という言い方。チャンスかどうかは、あとになるまでわかりません。削除しました。
- 「配当利回りが3%以上だから長期保有向き」という決めつけ。利回りは株価が動けば変わりますし、配当が下がれば計算の前提も崩れます。削除しました。
- 特定の政治家が当選したらこの業種に追い風、という書き方。選挙の結果と業績を結びつける根拠を私は持っていません。削除しました。
- 仮想通貨やブロックチェーンに関わる会社を紹介していた部分。私は自分でわからないものを買わないと決めているので、紹介ごと削除しました。
そして、記事の途中に「私は高配当株投資家なので三菱UFJと」と書いたまま続きが抜けている文が公開されていました。下書きのまま出てしまっていたものです。書きかけの文を残しておくわけにはいかないので、削除しました。
業種をまたいで持つことについて、私が決めていること
5社ぶんの数字を並べてみて、あらためて思ったことがあります。業種が違えば、利益の出かたも、自己資本比率の普通の水準も、業績が何に左右されるかも違う。重工の会社は国の予算と受注、銀行は金利と貸出、資源の会社は原油やガスの値段。動く理由がばらばらです。
動く理由が違うものを持っておくと、どれかが悪いときに別のものがそうでもない、ということが起こります。私はそれを「安全だから」ではなく「自分が慌てずにいられるから」という理由で選んでいます。全部が同じ理由で動くものばかり持っていると、悪い日に全部が悪くなって、私は落ち着いて座っていられません。
ただ、これは私が自分のために決めたことで、どなたかにすすめる配分ではありません。何をどれだけ持つかは、持っている資産の大きさや、あと何年働くかによってまったく違ってくるはずです。
私は決算を自分で開いて確かめるようにしています
私の投資は、ウォーレン・バフェットのやり方を真似しているだけです。よい会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない。
5社ぶんを自分で開いてみて、いちばん役に立ったのは、数字そのものより「比べられないものがある」と知れたことでした。決算期が違う、利益の名前が違う、自己資本比率の意味が業種で違う、株式分割をはさんでいる。まとめ記事の一覧表では、こういう違いが消えてしまいます。会社自身の資料を開くと、その違いが最初のページに書いてあります。
最後にもう一度書いておきます。この記事は私の保有状況の紹介であり推奨ではない、という範囲のものです。私がこれらの会社を持っているかどうかにかかわらず、どなたかに買うことをすすめるものではありません。投資するかどうかは、ご自身で資料を確かめて決めていただくほかありません。
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何社ぶんもの決算を並べて見るなら、保有も気になる会社も一つの口座にまとめておいたほうが、確かめるのが楽になります。1株から買える口座なら、まず少しだけ持って決算の出かたを追う、という試し方もできます。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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