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高齢者向けのNISAという案が話題になると、必ず「そんなことより年金を上げてほしい」という声が並びます。私も同じことを思いました。ただ、この二つを一つの表に並べて「どちらが得か」と比べようとしたところで、私は手が止まりました。片方は自分の資産に税金をかけない話で、もう片方は公的な給付の話です。出どころも、届く相手も、決まる場所も違うので、同じ単位では比べられません。そこで私は、比べるのをやめて、違いを三つに分けて書き出しました。この記事は、私がニュースを読むときに使っている、その読み分け方の記録です。
※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。記事中の制度の内容は2025年時点で公表されているものを指しています。税金や制度の具体的な判断は、税理士や税務署にご相談ください。
私が「コスト・効果の比較」をやめた理由
この記事はもともと、高齢者向けNISAにかかる費用と、年金を引き上げるのに必要な財源を金額で並べて比べる、という形で書いていました。書き直すにあたって、その金額を一つずつ出どころにさかのぼって確かめようとしたのですが、自分でたどり着ける公的な資料に行き当たりませんでした。前提の置き方で何倍も変わる数字を、ブログの中で確定した事実のように並べていたことになります。桁の大きい数字が並ぶと、それだけで結論が決まったように見えてしまいます。私は決算を自分で見てから判断するやり方を真似しているので、自分が出どころを言えない数字は載せないことにしました。この記事から兆円や億円の試算を全部外したのは、そのためです。
違いその一:お金の出どころが違う
一つめの違いは、動くお金が誰のものかという点です。非課税の制度は、自分が持っているお金を自分で動かしたときに、その利益にかかる税金を取らないという仕組みです。もともと持っていない人のところに、お金が入ってくるわけではありません。年金の引き上げは、保険料と税金で成り立っている公的な給付を増やす話なので、原資は制度全体の収入です。ここが混ざると、「非課税の制度ができれば老後の収入が増える」という読み方になってしまいます。私は自分のノートで、前者を「自分の口座の中の話」、後者を「制度の収入と支出の話」と書き分けました。言葉を分けただけで、ニュースの見出しに引っぱられにくくなりました。
違いその二:届く相手が違う
二つめは、誰に効くかという点です。非課税の仕組みが役に立つのは、投資にまわせるお金があって、実際に利益や分配を受け取った人です。利益が出なければ非課税にする対象がないので、効果はゼロになります。公的な給付のほうは、受給している人に一律に関係します。つまり二つは、同じ「高齢者向けの施策」という言い方でも、届く範囲が重なっていません。私がここで気をつけているのは、どちらが正しいかを決めようとしないことです。自分の家計がどちらの側にいるのかは、自分の口座と、届いている年金の通知を見れば分かります。制度の優劣を考える前に、そこを確かめるほうが早いと思いました。
違いその三:決まる場所と、確かめる資料が違う
三つめは、どこで決まるかという点です。非課税の制度は税金の話なので、各省庁が出す税制改正要望と、年末にまとまる税制改正大綱、そのあとの法律の成立という順番で進みます。報道が出るのは、この一番手前のさらに前です。年金のほうは年金制度の改正という別の流れで、支給額の改定は年度ごとに厚生労働省から公表されます。おおむね五年ごとに行われる財政検証も、同じく厚生労働省の資料です。つまり「決まったかどうか」を調べにいく場所が、最初から別々です。私はこの二つをブックマークのフォルダごと分けて、税制のほうは年末、年金のほうは年明けに見る、と時期も分けました。混ぜて追いかけていたときより、迷わなくなりました。
成立済みのことと、検討段階にとどまること
見出しのレベルで分けておきたいので、ここに整理します。成立済みなのは、2024年から使えるNISAの枠組みです。年間の枠や生涯の上限、口座は一人につき一つ、毎月分配型の投資信託は対象から外れている、といった内容は制度として決まっていて、金融庁のNISA特設ウェブサイトで確かめられます。年金の側で決まっているのは、額が年度ごとに改定される仕組みがあることと、その改定に物価や賃金の動きを反映させる調整の仕組みがあること、そして改定の結果は毎年公表されるということです。一方で、高齢者向けNISAの対象年齢、非課税の枠、開始の時期は、私が一次資料で確認できませんでした。年金を何パーセント上げるという案も同じです。ですので、この記事ではどちらの数字も書いていません。
私は「どちらが得か」を自分の家計の問いに置き換えました
制度を比べても、私の生活費は変わりません。そこで問いを置き換えました。いま入ってくるお金はいくらで、出ていくお金はいくらか。足りない月があるとして、その差は毎月いくらか。その差を埋める手段として、自分が持っている資産から取り崩す道があるのか。この三つを紙に書いたほうが、制度の優劣を論じるより先に進めました。私は50代で、ウォーレン・バフェットのやり方を真似して、良い会社を割安なときに買って長く持つようにしています。分からないものは買いません。まだ名前も中身も決まっていない制度は、私にとっては分からないものの側です。だから、来年の計画には入れませんでした。
この記事で直したところ
・非課税措置による税収減の規模、年金支給総額、年金を1パーセント引き上げた場合の必要財源、社会保障関係費の増額幅といった金額の試算を、すべて削除しました。出どころを自分でたどれませんでした。
・年金額や物価上昇率、実質の目減り幅、月あたりの購買力の減少額といった数字を削除しました。年度や前提によって変わる数字を、確定した事実のように並べていました。
・高齢者NISAの対象年齢と開始時期の記述を削除しました。一次資料で確認できません。
・想定利用者数と経済効果の試算を削除しました。
・名前を挙げたアナリストの発言の引用と、個人ブログや情報サイトからの引用、外部メディアへのリンクを削除しました。発言や記事の内容を私が確かめられないためです。
・「金融機関が儲けたいだけでは」「投資優遇より給付改善で行うべき」といった、立場を評価する書き方と、政策当局や政党への評価を削除しました。私が判定できる話ではありません。
・「投資を始めるならネット証券NO.1のSBI証券が最適です」という断定を削除しました。
・本文全体が太字で囲まれていた形を、普通の段落に組み直しました。旧形式の太字の広告見出しを、見出しタグに直しました。
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制度がどうなるかは私には分かりませんが、自分の口座にいま何がいくらあるかは、ログインすればその日に分かります。私は年金の通知が届く時期に合わせて、口座の残高も一緒に見るようにしています。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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・楽天証券のNISA|NISA口座のページです。取扱商品や手数料、ポイントの条件を、ほかの会社と見比べたいときに。
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※手数料・キャンペーンの内容や条件は変更されることがあります。必ず各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、特定の証券会社・金融商品の利用を推奨するものではありません。口座開設および投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
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