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元JAL客室乗務員バフェットかおるが、50代からでも始められる高配当株投資をわかりやすく解説しています。

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ニホンフラッシュ(7820)を徹底解説|大赤字でも実はお金持ち?利回り5%・PBR0.52倍の実力

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今回は、私が実際にIRへ電話取材までして調べた「ニホンフラッシュ(7820)」について、有価証券報告書と18年分の業績データをつき合わせながら、じっくり解説していきます。「大赤字を出したのに、実は現金をしっかり稼いでいた会社」という、高配当株投資家としてはとても勉強になる一社です。

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1. そもそも、どんな会社?

ニホンフラッシュは、マンションの「室内ドア」を作っている会社です。玄関ドアではなく、部屋と部屋を仕切るドアですね。日本と中国の両方で商売をしていて、特に中国では「内装付きマンション」(最初からドアや床がついた状態で販売されるマンション)向けにドアを大量に納めることで大きく成長してきました。

会社の総資産は2008年の95億円から、今では443億円。18年でおよそ4.7倍です。中国のマンションブームの波にうまく乗って規模を拡大してきた会社、といえます。

2. 今の株価と、市場からの評価

2026年7月16日時点の株価は721円。ここに大事な数字が3つ並んでいます。

指標 数字 意味
予想配当利回り 4.99% 100万円分持つと年に約5万円もらえる計算
PBR 0.52倍 会社の純資産の半分の値段でしか評価されていない
予想PER 18.25倍 来期の利益に対しては、実はそれほど割安ではない

PBR0.52倍というのは、たとえるなら「1,397円が入った財布が721円で売られている」ような状態です(1株あたり純資産=BPSが1,397円)。数字だけ見れば、いかにも割安に見えますよね。でも市場は「その財布には中国という落とし穴があるから半額」と値付けしている——ここがこの銘柄を読み解く核心だと私は考えています。

3. 株価はなぜ下がり続けたのか

直近2026年3月期の会社予想が、売上210億円・純利益9億円と「また減収減益」の見通しだったからです。会社自身もIRで「2026年度は明るくない。明るいのは2028年から」と話しており、構造改革の谷間にあたる年で、市場はそれを織り込んでいます。予想PERが18.25倍と割安に見えないのも、利益が一時的に小さい年で計算しているためです。

4. 中国で何が起きたのか

IRに直接うかがったところ、原因は「バブルがはじけた」というより「政府がお金の蛇口を閉めた」ことにあるそうです。中国のマンション会社は「土地を買う→借金する→マンションを建てて売る→また借金する」というサイクルで回っていたのに、政府の規制で借金ができなくなり、手持ちのマンションを安売りしてでも現金を作るしかなくなった。だから値段が下がった、という順番です。

一方、有価証券報告書には「中国の都市化・内装付住宅の推進という長期的な需要は引き続き存在する」と書かれています。つまり「家が欲しい人がいなくなったわけではなく、お金の流れが詰まっただけ」というのが会社の見立てで、政府規制という構図とも整合します。ただし現実は厳しく、有報には「中国の不動産上場108社のうち59社が最終赤字」との記載もあります。半分以上が赤字なのです。

5. 最大のポイント:「27.9億円の大赤字」の正体

2025年3月期の27.9億円の赤字。その中身を開けてみると、主役は貸倒引当金24.1億円+不動産の減損11.5億円でした。

引当金というのは、たとえば友だちに1,000円貸していて「あの子、返せないかもしれないから、返ってこない前提で帳簿に『▲1,000円』と書いておこう」とメモしておくようなものです。実際にお金が消えたわけではなく、あくまで「用心のためのメモ」。会計ルール上、このメモを書いた瞬間に赤字として計上されます。

これが本当かどうかは、キャッシュフロー(実際のお金の出入り)で確かめられます。ここが今回の分析でいちばんきれいに証明できた部分でした。大赤字を出したその年に、営業キャッシュフローではしっかり現金を稼いでいたのです。つまり赤字の正体は「実際にお金が出ていった赤字」ではなく「会計上の慎重な引当による赤字」だった、ということになります。

6. 2026年3月期の成績表——V字回復の中身

  • 売上高:234億円(前期比▲2.2%と微減)
  • 営業利益:17.4億円(+125.3%、2倍以上)
  • 純利益:14.2億円(27.9億円の赤字から黒字転換)
  • 中国は営業利益3.26億円の黒字(前年は2.34億円の赤字)——「中国はもう利益が出ている」というIRの説明は事実
  • 日本も営業利益14.1億円(+40.6%)。国内の新築住宅が▲12.9%と冷え込む中、値上げと物流コスト改善で増益

7. 営業利益率で見る「稼ぐ力」の歴史

営業利益率=売上100円のうち何円がもうけになるか、です。

  • 全盛期(2014〜2016年、2020年):15〜18%。100円売って15〜18円もうかる高収益企業でした
  • どん底(2025/3期):3.23%
  • 直近(2026/3期):7.44%(営業利益17.5億円÷売上235億円)
  • 来期予想:6.67%

つまり「どん底からは回復したが、まだ全盛期の半分」。原価率が全盛期の62〜65%から直近75%まで上がっているのが理由で、中国での安値競争と数量減の影響です。ここが15%に戻せるかどうかが、株価復活のカギになると見ています。

8. 財務の健康診断——ここは文句なしの優等生

自己資本比率は71.7%。会社の全財産443億円のうち、約318億円が「借りたお金ではない、自分のお金」という意味です。私が重視している基準(50%以上)を余裕でクリアしています。しかも18年間、一度も58%を下回ったことがなく、中国不動産危機のど真ん中でも70%台を守り抜きました。

  • 現金・預金:116億円(時価総額約164億円に対してとても厚い)
  • 借金(有利子負債):たった23.4億円。現金の5分の1です。2016〜2017年は無借金でした
  • 利益剰余金(過去のもうけの貯金):219億円

9. 16年間、減配なし——配当の実力

一株配当は2010年の5円から、5円→7.5円→10円→15円→20円→25円→27.5円→28円→32円→36円と階段を上がり続け、2010年以降16年間、一度も減配していません。増配か維持だけです。27.9億円の大赤字を出した年ですら、36円を守りました。

ただし、会社が公式に「累進配当(減配しない)」を宣言している文言は、今回の有報分析では確認できませんでした。ですから正確に言えば「宣言はしていないが、行動で16年間の実質累進配当を証明してきた会社」ということになります。それを支えたのが利益剰余金219億円の蓄積——「配当は今年の利益だけでなく、過去の蓄積という土台の上に乗っている」という構造です。直近の配当性向は57.9%、純資産配当率(DOE)は2.6%前後で安定しており、来期予想も36円据え置き。利回り4.99%は、この「守られてきた36円」を株価721円で割った数字です。

10. 会社の姿勢——「脱・中国デベロッパー依存」を数字で宣言

有報には、構造改革の目標が売上構成比ではっきりと書かれています。

販売先 2025年度実績 2027年度計画
中国デベロッパー向け 88% 30%
ルート販売(代理店経由) 7% 20%
ホテル向け 0% 20%
輸出向け 0% 16%

いちばん危ない「デベロッパー頼み」を88%から30%まで下げる計画です。研究開発の項目には「大手ホテルチェーンの要請で高遮音ドアを開発、実用新案出願中、今後採用見込み」とあり、IRが「名前は言えない」と話していたホテル案件は、おそらくこれでしょう。中東(ドバイ)についても「一時見合わせていた営業活動を再開した」とされています。

11. もちろん、リスクもあります

良いところばかりではありません。売上の3分の1近くは、いまだ中国の特定デベロッパー頼みで、ここが揺れれば再び引当リスクが生じます。代物弁済で受け取った不動産89億円は、中国市況がさらに悪化すれば追加減損の可能性がある(有報自身が明記)点にも注意が必要です。そして、構造改革が計画通りに進む保証はどこにもありません。

12. まとめ

ひとことで言えば——「27億円の大赤字を出した会社が、実はその年に25億円もの現金を稼いでいた。財布には116億円。16年間減配なし。ただし売上の3分の1は中国の危うい取引先頼み」という会社です。

赤字の”質”をキャッシュフローで見抜く、格好の教材だと思います。そして「PBR0.52倍は本当に割安なのか、それともリスク相応の値付けなのか」を、自分の頭で考えさせてくれる一社でもあります。私自身は、財務の頑健さと16年間守られてきた配当を評価しつつ、中国依存というリスクを冷静に見極めながら、引き続き注目していきたいと思っています。

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

⚠️ 【投資免責事項】
当ブログで紹介している投資情報はあくまでも参考情報であり、特定の銘柄・投資商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。

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