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元JAL客室乗務員バフェットかおるが、50代からでも始められる高配当株投資をわかりやすく解説しています。

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2026年6月10日の日経平均、何が起きたか

この記事は約9分で読めます。

日経平均(前引け):6万4,681円39銭(前日比▲735円24銭、▲1.12%)。午前9時43分には**▲975円02銭の6万4,441円61銭**まで下げ幅拡大

  • TOPIX:3,867.42(▲28.69、▲0.74%)
  • グロース250:720.16(▲2.76%)と新興株が特に弱い
  • ドル円:160円36銭前後、日本10年国債利回り:**2.694%(+0.027)**と金利は上昇
  • WTI原油先物:88.92ドル(+0.82%)
  • ただし重要なのは、プライム市場では値上がり842銘柄>値下がり670銘柄。つまり「指数は下がったが、全面安ではない」。半導体・AI関連の値がさ株が指数を押し下げた形です

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マクロ的な理由(大きな世界の流れ)

理由①:アメリカがイランへの攻撃を開始(地政学リスク)

最新の事実関係(時系列)

トランプ米大統領は9日、米軍のヘリコプター1機が8日夜にホルムズ海峡でイラン軍に撃墜されたとSNSで明らかにしました。撃墜されたのは陸軍の攻撃型ヘリ「アパッチ」で、ホルムズ海峡上空を巡回中にオマーン沿岸付近で墜落、操縦士2名は無事でした。ニュースサイト「アクシオス」は米当局者の話として、ヘリはイランのドローンと衝突して墜落したと報じています。

そして米中央軍はトランプ大統領の指示に基づき、米東部時間9日午後5時、日本時間の今日10日午前6時からイランに対する「自衛目的の攻撃」を開始しました。米中央軍はこれを「均衡のとれた対応」だとしています。

つまり東京市場が開く3時間前に攻撃が始まったので、朝一番でリスク回避の売りが先行したわけです。

根拠となる市場の反応

  • 前日の米国市場でフィラデルフィア半導体指数▲1.93%、NASDAQ▲0.97%
  • VIX恐怖指数が19.87(+5.02%)に上昇
  • 原油88.92ドルへ上昇、韓国KOSPIは▲3.65%と日本以上に下落

規模を金額で示すと:日経平均735円の下落は、東証プライム全体の時価総額(約1,100兆円規模)に対しておよそ1%、つまりざっくり10兆円前後のお金が半日で消えた計算です。一時975円安の場面では約15兆円規模でした。

理由②:日銀の6月利上げ観測(来週6月15〜16日が決定会合)

日銀は15〜16日に金融政策決定会合を開きます。日経QUICKニュースが「日銀ウオッチャー」28人に実施したアンケートでは、約9割(26人)が6月会合での利上げを予想しています。現在の政策金利0.75%を0.25%引き上げて1.00%にする利上げは「秒読み段階」との見方が強く、年内に1.25%まで到達する可能性も残されています。

背景には、中東情勢の混迷と原油高によるインフレ圧力の高まりがあり、利上げが遅れると日銀の対応が後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」に陥るリスクが意識されています。

金利が上がると、株(特に成長株)には逆風。今日グロース250が▲2.76%と特に弱かった理由のひとつです。一方で銀行株(三菱UFJ・三井住友FGなど)は利上げ観測を支えに堅調でした。


ミクロ的な理由(個別の銘柄・業種レベル)

売られた業種(全33業種中18業種が下落)

  • 非鉄金属:住友電工(5802)、フジクラ(5803)──AIデータセンター向け電線需要の期待で買われてきた分、米ハイテク安で利益確定売り
  • 情報通信:コナミG(9766)、ソフトバンクG(9984)
  • 海運:商船三井(9104)、川崎汽船(9107)──ホルムズ海峡が危なくなると船の保険料が跳ね上がる
  • 半導体関連:SUMCO(3436)、アンリツ(6754)など──前日の米フィラデルフィア半導体指数▲1.93%の直撃
  • 卸売:三井物産(8031)、三菱商事(8058)

買われた業種(14業種が上昇)

  • 銀行:三菱UFJ(8306)、三井住友FG(8316)──利上げ=銀行の儲けが増える
  • 不動産:三井不動産(8801)、三菱地所(8802)
  • サービス:OLC(4661)、リクルートHD(6098)──内需株は中東と関係が薄い「逃げ場」

イラン問題:影響を受ける企業のメリット・デメリット

デメリットを受ける企業(原油高・物流リスク)

  • 空運:JAL(9201)、ANA(9202)──燃料費が経費の2〜3割。原油10ドル上昇で年間数百億円のコスト増
  • 電力・ガス:燃料の9割超を輸入に頼る
  • 海運:商船三井、川崎汽船──ホルムズ海峡は日本の原油輸入の約9割が通る「海の生命線」。封鎖されれば迂回コスト・保険料が急増
  • 化学(ナフサ原料)、紙パルプ、運輸、自動車

メリットを受ける企業(原油高・有事の備え)

  • 資源開発:INPEX(1605)、石油資源開発(1662)──持っている油田の価値が上がる
  • 防衛関連:三菱重工(7011)、IHI(7013)、川崎重工(7012)
  • 金関連:住友金属鉱山(5713)は2月のイラン情勢緊迫時、金価格上昇を背景に思惑買いが入り上場来高値を更新しました

ただし注意点として、4月の局面では原油高の追い風が見込まれたINPEXが週次4.59%安、三菱商事が4.98%安となるなど、戦争が長引くと「恩恵銘柄」への楽観も頭打ちになりました。有事のメリットは長続きしないのが歴史の教訓です。


過去の中東有事と株価:どれくらい下げて、どれくらいで戻ったか

  1. 第一次オイルショック(1973年):原油価格が約4倍に。日本は「狂乱物価」で1974年の消費者物価は+23%。株価は約2年低迷。最悪のケース
  2. 湾岸危機〜湾岸戦争(1990〜91年):侵攻直後の1990年8月に日経平均は約11%下落(バブル崩壊と重複)。1991年1月の開戦後はむしろ反発。「開戦は買い」という相場格言が生まれた
  3. 9.11テロ(2001年):翌営業日に日経平均▲682円(▲6.6%)で1万円割れ。約1カ月で元の水準を回復
  4. イラク戦争(2003年3月):開戦前に売られ、開戦後に反発。影響は実質数週間
  5. ソレイマニ司令官殺害(2020年1月):日経平均は1月6日に▲451円。原油一時+4%超。約2週間で回復
  6. イラン・イスラエル初の直接攻撃(2024年4月):日経平均は4月19日に▲1,011円。数週間で回復
  7. 十二日間戦争(2025年6月):イスラエルがイランの核関連施設を攻撃した6月13日、日経平均は▲338円84銭の3万7,834円。下げ幅は一時600円超。円は142円台後半まで円高に振れました。その後イランがカタールの米空軍基地を「事前通告つき」で攻撃し死傷者ゼロ、直後にトランプ氏が停戦を発表、原油は急落しました。影響期間は文字どおり約12日間
  8. 今年2月の中東ショック(2026年2〜3月):2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃し、最高指導者を含む要人が標的に。イランは米艦艇・湾岸諸国への報復攻撃を開始しました。日経平均はピーク59,332円から約14%下落。ただし4月第2週には週間+7.15%(3,800円高)と急反発し、4月の上昇幅は5,860円(+11.5%)に達して底打ち感が強まりました。底打ちまで約1〜1.5カ月

まとめると:中東有事の株価への影響は「短ければ2週間、普通で1〜2カ月」。例外は原油供給そのものが長期間止まったオイルショックだけ。今回も「ホルムズ海峡が本当に封鎖されるかどうか」が分かれ目です。


日本の利上げ:仕組みと影響

金利とは「お金のレンタル料」です。日銀が政策金利を上げると、銀行がお金を貸すときのレンタル料も上がります。

  • レンタル料が上がる → 会社も人もお金を借りにくくなる → 買い物や投資が減る → モノの値段の上がりすぎ(インフレ)にブレーキがかかる
  • これが日銀の狙い。今は物価が上がりすぎているので、ブレーキを踏もうとしている

数字で見る現状

  • 現在の政策金利:0.75% → 来週1.00%への引き上げ予想が約9割
  • 10年国債利回り:2.694%。5月には一時2.8%まで上昇し、市場参加者のインフレ期待の高まりが背景にあります。OIS市場は6月利上げを75%程度織り込んでいます
  • 身近な影響の例:住宅ローン3,000万円(変動)の場合、金利が0.25%上がると年間の利息は約7.5万円増。固定金利はすでに大幅上昇しており、フラット35は6月に年0.50%もの引き上げとなりました

メリットを受ける企業

  • 銀行:三菱UFJ(8306)、三井住友FG(8316)、三井住友トラスト(8309)、りそなHD(8308)──貸出金利と預金金利の差(利ざや)が広がる。金利0.25%上昇で大手銀行の利益は年数百億〜1,000億円規模で押し上げ
  • 保険:MS&AD(8725)、第一生命HD(8750)、東京海上(8766)──集めた保険料を国債で運用する利回りが改善

デメリットを受ける企業

  • 不動産・REIT:借金でビルを建てるビジネスなので利息負担が直撃
  • 高PERグロース株:将来の利益を当てにした株は金利上昇で割引かれる(今日のグロース250▲2.76%が典型)
  • 借入の多い企業:ソフトバンクG、楽天Gなど
  • 住宅メーカー:ローン金利上昇で家が売れにくくなる懸念

過去の利上げと株価の事例

  1. 2024年7月31日の利上げ(0.25%へ):直後の8月5日、円キャリー取引の巻き戻しで日経平均は**▲4,451円(▲12.4%)の歴代最大下落**(令和のブラックマンデー)。ただし約3週間で半値戻し、年末までにほぼ全値戻し
  2. 2025年1月の利上げ(0.5%へ):市場が十分織り込んでいたため混乱なし。「サプライズかどうか」がすべてという教訓
  3. 2006年のゼロ金利解除:当初は株高継続。利上げ自体より、その後の米サブプライム問題が株価を崩した
  4. 1989〜90年のバブル期利上げ(2.5%→6%):急速すぎる利上げがバブル崩壊の引き金に。「ゆっくりなら大丈夫、急ぐと危ない」

今回は9割が織り込み済みなので、2024年8月型のショックは起こりにくい。むしろ見送られた場合に「日銀はインフレを止める気がない」と円安・金利上昇で荒れるリスクのほうが意識されています。


その他の理由

  • 前日の米ハイテク安の直撃:NASDAQ100▲1.12%、NYSE FANG+▲1.32%。日経平均は半導体株の比重が大きい「ハイテク指数」化しているため、米国の風邪をそのまま引く
  • 6月8日の急落(▲2,563円)の余震:大きく下げた直後は投資家心理が弱く、悪材料に過敏に反応しやすい
  • 個人投資家心理の悪化:米国がイランを攻撃したとの報道で中東情勢の不透明感が強まり、個人投資家の心理が悪化、新興市場で売りが優勢になりました

これからインフレが進む理由

①石油が高くなるから 日本は石油のほとんどを外国から買っていて、その約9割がホルムズ海峡という「海の細い道」を通ってきます。そこで戦争が起きると、石油を運ぶのが危なくなって値段が上がります。石油が上がると、ガソリンだけでなく、電気代、ビニール袋、運送料、つまりほぼ全部のモノの値段が上がります。1973年のオイルショックでは、物価が1年で23%も上がりました。

②円が安いから(1ドル=160円) 外国のモノを買うとき、円の力が弱いとたくさんの円を払わないといけません。10年前は1ドル=110円くらいだったので、同じ100ドルの輸入品が1万1,000円→1万6,000円に。つまり輸入品が約1.5倍に値上がりした計算です。

③お給料が上がっているから お給料が上がる→お店は人件費が増える→商品の値段を上げる→また給料を上げる…という**ぐるぐる回るサイクル(賃金と物価の好循環)**が始まっています。これは悪いことばかりではなく、日銀が「健全なインフレ」と呼んで利上げの根拠にしているものです。

だから日銀は金利を上げて、インフレが暴走しないようにブレーキを踏もうとしている──これが今日のニュース全部をつなぐ一本の線です。


まとめ

  • 中東有事の下落は歴史的に2週間〜2カ月で回復してきた。慌てて売った人が一番損をしてきた
  • 利上げは銀行・保険などの高配当株にはむしろ追い風
  • 原油高インフレの時代こそ、現金で持っているとお金の価値が目減りする。配当という「インフレに負けない仕組み」の価値が上がる
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