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元JAL客室乗務員バフェットかおるが、50代からでも始められる高配当株投資をわかりやすく解説しています。

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【6345】アイチコーポレーション分析|高所作業車シェア6割と配当利回り4.89%の保有記録

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1億円への道
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こんにちは、バフェットかおるです。先に結論を書きます。アイチコーポレーション(6345)は、私が長く持っているつもりの会社です。ただし2026年5月時点では「ここからさらに買い増す」よりも「持ったまま配当を受け取り続ける」段階だと受け止めています。

理由は2つあります。ひとつは、高所作業車の国内シェア約6割、自己資本比率83.1%(2025年12月時点)、有利子負債ゼロという土台の強さ。もうひとつは、その一方で現金が201億円減り、本業の利益成長が鈍化しているという事実です。

以下は、私の保有状況の紹介であり、この会社を買うことをおすすめするものではありません。

※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。記載した数値は2026年5月21日時点の公開情報にもとづくもので、将来の業績や株価を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

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アイチコーポレーションはどんな会社か

「アイチって愛知県の会社ですか」と思われた方、半分正解で半分はずれです。本社は埼玉県上尾市にあります。社名のアイチは、創業の源流が愛知精機であることから付いたもので、地名ではありません。

電柱の上で工事をしている作業員さんが乗っている、ぐいーんと伸びるあのバケット車。あれを作っているのがこの会社です。私は「縁の下の力持ち」という言葉がこれほど似合う会社もそうそうない、と思っています。

会社の基本情報

項目 内容
証券コード 6345
上場市場 東証プライム
設立 1962年2月
上場 1981年1月
本社 埼玉県上尾市
業種 機械(建設農業機械・産業車両)

作っているもの

  • 高所作業車|電柱工事などで見かける車両
  • 自走式高所作業車|工場や倉庫の天井工事用
  • 穴掘建柱車|電柱を立てるための車両
  • 橋梁点検車|橋の裏側を点検する特殊車両
  • 軌陸車|線路の上も走れる作業車

国内シェアは高所作業車で約6割。電力会社・通信会社・鉄道会社・建設業界・レンタル業界と長く付き合ってきた、業界の標準になっている会社です。工場は新治・伊勢崎・高崎の3拠点で、2026年1月には自走式専用の高崎新工場が稼働しました。中国にも現地生産拠点があります。

私が強みだと受け止めたところ

この会社で私が注目したのは、真似されにくさです。

電力会社は各社で電柱の高さや架線の仕様が違います。そのため高所作業車も、東京電力仕様、中部電力仕様、九州電力仕様と細かく作り分ける必要があります。アイチは創業以来、各電力会社と二人三脚で改良を重ねてきたので、他社が入り込む隙が小さい。シェア6割という数字の裏側はここだと私は考えています。

さらに全国にサービス拠点を持ち、法定点検・整備・研修を一体で提供できる体制があります。売って終わりではなく、20年使い続けてもらう形になっている会社です。

株価と指標(2026年5月21日時点)

項目 数値
現在値 1,330円
前日比 +11円(+0.83%)
年初来高値 1,475円(2026/03/03)
年初来安値 1,262円(2026/03/30)
時価総額 約934億円
予想PER 12.81倍
実績PBR 1.14倍
予想配当利回り 4.89%
予想1株配当 65円
予想EPS 103.8円
実績BPS 1,167.89円
自己資本比率 83.1%(2025年12月時点)

30年の株価の動き

月足で30年分を並べると、こういう形になっています。

  • 1997〜1998年|1,750円台のミニピーク
  • 2003年|底値圏で250円
  • 2007年|リーマン前のピークで再び1,500円台
  • 2009〜2012年|長期の低迷期(250〜500円)
  • 2013〜2024年|750〜1,500円のレンジで緩やかな右肩上がり
  • 2024〜2026年|1,300〜1,500円台で安定推移

景気の波で大きく上下しながらも、長い目で見ると会社が育ってきている形だと私は受け止めました。10年単位で配当を受け取り続けるという見方で持っています。

私のチェックリストに当てはめてみる

私は会社を見るときに、自分で決めたいくつかの目安を使っています。銘柄選びの正解ではなく、私が迷わないための物差しです。

項目 私の目安 アイチの実績 私の判定
配当利回り 4%以上 4.89% 合格
PBR 2倍以下 1.14倍 合格
営業利益率 10%以上 12.6% 合格
EPS 増加傾向 84.96→100.73→103.78円 合格
自己資本比率 50%以上 83.1% 大きく合格
営業CF プラスで安定 2026年3月期は8.03億円へ減少 注意
現金等 増加傾向 267億円(前期469億円から減少) 注意

目安は満たしているものの、キャッシュに関する2項目が引っかかりました。ここは都合よく飛ばさずに、次の章で中身を見ていきます。

2026年3月期決算の中身

2026年4月24日に発表された2026年3月期の決算は、見出しだけなら素直に良い決算でした。

  • 売上高|596億1,300万円(前期比+0.5%)
  • 営業利益|75億1,100万円(同+1.0%)
  • 経常利益|81億7,200万円
  • 当期純利益|66億5,800万円(同+5.1%)
  • 1株当たり当期純利益|84円96銭から100円73銭へ
  • 配当|年間60円(前期55円から5円の増配)

稼ぎ方が「売る」から「直す」に移っている

特装車の本体売上は伸び悩む一方、部品・修理事業が好調で全体を底上げしました。私がこの決算でいちばん大事だと思ったのはここです。

セグメント利益で見るとさらにはっきりしていて、特装車のセグメント利益は86億2,000万円から76億700万円へ減った一方、部品・修理は44億700万円から51億9,900万円へ伸びています。

車両を売って儲ける会社から、売った車両を長く使ってもらってサービスで儲ける会社へ。ビジネスモデルが静かに移っている、と私は受け止めました。部品・修理は景気の波を受けにくく利益率も高いので、長く持つつもりの私にはありがたい変化です。

気になった点その1|現金が201億円減った

決算短信を読んでいて、私がいちばんハッとした数字がこれです。現金及び現金同等物が468億7,100万円から267億800万円へ、201億6,200万円減っています。減少率は43%です。

原因はキャッシュ・フロー計算書に出ています。営業活動によるキャッシュ・フローが、前期98億7,100万円から当期8億300万円へ激減しました。売上債権が37億8,800万円増え、仕入債務が21億円減ったことが主な要因です。売上は立ったけれど現金として回収できていないぶんが増え、一方で仕入先への支払いは進んだ、ということになります。

そして財務活動のキャッシュ・フローでは、前期の支出31億3,300万円に対し、当期は174億3,600万円が流出しました。内訳は自己株式の取得による支出が128億3,100万円、配当金の支払額が45億4,600万円です。

株主資本等変動計算書を見ると、当期は128億2,650万円分の自己株式を取得し、同額をそのまま消却しています。発行済株式数も7,457万株から6,457万株へ1,000万株減りました。

会社自身が「自社の株は買う価値がある」と判断したということだと私は読みました。EPSは自動的に押し上げられ、ROEも改善します。ただ、その代わりに現金が減ったことも事実です。短期で見れば株主への還元、長期で見れば財務の余裕の縮小。どちらも同時に起きている、というのが私の整理です。

気になった点その2|純利益は特別利益で押し上げられている

経常利益は82億2,500万円から81億7,200万円へ0.6%の微減なのに、純利益は63億3,400万円から66億5,800万円へ5.1%の増益になっています。

答えは特別利益にありました。投資有価証券売却益が前期の8億7,100万円から12億4,900万円へ拡大し、これが純利益を押し上げています。貸借対照表を見ると投資有価証券は53億9,500万円から67億1,700万円へ増えているので、政策保有株の入れ替えと売却益の計上が同時に進んでいるようです。

売却益は毎年出るものではありません。私は純利益の伸びをそのまま「本業が伸びた」とは読まないようにしました。

気になった点その3|高崎新工場への大型投資

固定資産が93億円増えています。投資キャッシュ・フローでも、有形および無形固定資産の取得に49億1,800万円を投じています。2026年1月に稼働した自走式高所作業車専用の高崎新工場への投資が、貸借対照表に本格的に反映されてきた結果です。

会社四季報には「25年末竣工の高崎工場に45億円かけ追加投資検討、コスト抑制へ内製拡大」と記載があり、ここからさらに投資が続く可能性があります。

短期では減価償却費の負担増や投資キャッシュ・フローの悪化要因になりますが、中長期では内製化によるコスト競争力の向上と、自走式高所作業車市場の取り込みにつながる投資だと説明されています。

配当政策と2027年3月期の予想

年間60円へ増配、配当性向59.6%

2026年3月期の年間配当は1株60円になりました。前期55円から5円の増配で、配当性向は59.6%、純資産配当率は5.2%です。中間30円・期末30円という配分でした。

2027年3月期の予想はさらに踏み込んで、年間65円(中間33円・期末32円)への増配を会社が公表しています。予想EPS103円78銭に対する配当性向は62.6%と、やや高めの水準です。

ここから読み取れるのは、成長投資(高崎工場)と株主還元の拡大を同時にやろうとしている姿勢だと思います。この還元を続けるには、本業でお金を生む力を保ち続けることが前提になります。私が次の四半期で見たいのは、まさにその部分です。

2027年3月期の業績予想

  • 売上高|630億円(前期比+5.7%)
  • 営業利益|79億円(同+5.2%)
  • 経常利益|85億円(同+4.0%)
  • 当期純利益|67億円(同+0.6%)
  • 1株当たり当期純利益|103円78銭

会社の説明では、国内でのサービス・リース・中古車販売といったバリューチェーンの延伸と、海外市場の開拓強化を成長の柱に置いています。特装車本体だけに頼らない収益基盤を強めていく方針です。

ただ会社自身が、中東情勢の緊迫化、燃料コスト増、輸入原材料の供給制約、金利上昇、為替変動といったリスクを多く挙げています。保守的な前提が含まれている可能性がある点は、頭に入れておこうと思いました。

中期経営計画|2028年3月期に営業利益120億円

会社が掲げる中期計画では、2028年3月期に営業利益120億円を目指しています。2026年3月期実績の約1.6倍です。会社が挙げている実現の柱は次の3つです。

  1. 高崎新工場の稼働による生産性の向上(45億円の追加投資を検討中)
  2. いすゞ・伊藤忠との合弁会社を通じた中古作業車販売の拡大
  3. 海外展開とサービス事業の拡大

投資家の間で言われていること

好意的に語られているのは、次のような点です。

  • 12年連続で減配していない安定感
  • 高所作業車の国内シェア6割という安心感
  • 自己資本比率83%・無借金経営という財務
  • ニッチトップで、買収の標的になりにくい立ち位置

一方で、こういう声もあります。

  • 派手な成長は期待できない
  • 電力・通信業界への依存度が高く、業界全体が落ち込むとリスクが集中する
  • 為替や原材料費の影響を受けやすい

私はこの後半の指摘を、そのまま受け止めています。成長が地味なことと配当が続きやすいことは裏表だと思いますし、依存度の高さは実際にリスクです。

私はこの会社をどう受け止めたか

評価しているのは次の点です。

  1. 国内シェア6割という立ち位置と、参入しにくい構造
  2. 電力・通信インフラという、なくなりにくい需要
  3. 自己資本比率83.1%・有利子負債ゼロという財務(2026年3月期時点では81.2%)
  4. 12年連続で減配していない実績と、着実な増配
  5. PBR1.14倍・配当利回り4.89%という、私には受け入れやすかった水準
  6. 豊田自動織機グループ・伊藤忠商事との資本関係

注意しているのは次の点です。

  1. 2026年3月期の営業キャッシュ・フローの急減が、一時的なのか構造的なのか
  2. 大規模な株主還元で現金の余裕が縮んだこと
  3. 高崎新工場への投資が、まだ回収の段階に入っていないこと
  4. 本業の利益成長が鈍化し、純利益が特別利益で押し上げられている面があること

今回の決算を一言でまとめると、数字は優等生、中身は過渡期、というのが私の受け止めです。

私の結論は、長く持つ会社としての魅力は変わっていないけれど、ここからさらに買い増すよりは、いま持っているぶんの配当を受け取り続ける段階だ、というものです。中期経営計画の進み方を四半期ごとに確認しながら、ポートフォリオ全体の3%以内という自分の決めごとを守って付き合っていくつもりです。

繰り返しになりますが、これは私の保有状況の紹介であり、買うことをおすすめするものではありません。

まとめ

  • アイチコーポレーション(6345)は高所作業車の国内シェア約6割、本社は埼玉県上尾市です
  • 2026年5月21日時点でPBR1.14倍、予想配当利回り4.89%、自己資本比率83.1%でした
  • 2026年3月期は増収増益で、年間配当は60円、2027年3月期は65円を予想しています
  • 一方で現金が201億円減り、営業キャッシュ・フローは8億円台まで落ちています
  • 純利益の伸びには投資有価証券売却益が効いている面があります
  • 私は買い増しではなく、持ち続けて配当を受け取る段階だと受け止めました

街を歩いていて電柱の上の作業員さんを見かけたら、あの作業車を作っている会社だと思い出せるようになる。そうなると投資が、数字とチャートの話から、社会を支えている会社の一部を持つ話に変わっていきます。私が40代の終わりに投資を始めて、6年以上続けてこられた理由のひとつは、そこにあると思っています。

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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。

⚠️ 【投資免責事項】
当ブログで紹介している投資情報はあくまでも参考情報であり、特定の銘柄・投資商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。

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