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高齢者向けのNISAという案が出るたびに、年金を上げてほしいという声と一緒に話題になります。私もどちらの話も読みましたが、読み終えても自分の家計の数字は一つも分かりませんでした。制度がどうなるかは私には決められませんが、自分の家計で確かめられることは、今日の時点で全部そろっています。そこで私は、制度の話を追いかけるのを後回しにして、入ってくるお金、出ていくお金、口座の中身、持っている商品の費用、という四つを順番に確かめました。この記事は、その順番と、それぞれどこを開いたかの記録です。
※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。記事中の制度の内容は2025年時点で公表されているものを指しています。税金や制度の具体的な判断は、税理士や税務署にご相談ください。
私がこの順番にした理由
新しい制度の話は、始まるかどうかが分かるまでに時間がかかります。そのあいだ、何も確かめずに待っていると、始まったときにも始まらなかったときにも、同じところから考え直すことになります。それがもったいないと思いました。入ってくるお金と出ていくお金は、制度がどうなっても変わりません。その差がいくらなのかが分かっていれば、新しい制度が出てきたときに「自分には関係がある話かどうか」をその場で判断できます。逆に、差額を知らないまま制度の良し悪しを考えても、結論の持って行き先がありません。だから私は、制度より先に手元の数字を見る、という順番にしました。
一つめ:入ってくるお金を、通知の原本で確かめる
最初に見たのは、入ってくるお金です。年金は、人から聞いた平均額ではなく、自分に届いている通知で確かめました。誕生月に届くねんきん定期便には、これまでの加入の記録と、見込みの金額が書かれています。日本年金機構のねんきんネットに登録すれば、同じ内容を画面で見ることもできます。すでに受け取っている場合は、年度ごとの改定後の金額が書かれた通知が届きます。ここで大事だったのは、手取りの金額を見ることでした。通知に書かれている金額から、介護保険料や住民税などが引かれて振り込まれるので、通帳に入る数字と通知の数字は一致しません。私は通帳の入金額のほうを、家計の数字として使うことにしました。
二つめ:出ていくお金を、12か月分の実績で確かめる
次に見たのは、出ていくお金です。一か月だけ見ると、その月に偶然なかった支出が抜け落ちます。固定資産税や保険料、車の費用のように、年に一回や二回しか出ていかないものがあるからです。そこで私は、通帳とカードの明細を12か月分さかのぼって、年間の合計を出し、それを12で割りました。平均の生活費として私が使っているのはこの数字です。家計簿を新しくつけ始める必要はなく、すでにある明細を数えるだけなので、半日で終わりました。入ってくるお金と出ていくお金の差額が、ここでようやく自分の数字として出てきます。他人の平均値と比べるのは、ここまで終わったあとでも遅くありません。
三つめ:差額を埋める手段が、自分の口座にあるかを確かめる
差額が出たら、次はそれを埋める手段が自分の手元にあるかどうかです。私が見たのは三つでした。一つは、すぐ動かせる現金がいくらあるか。二つめは、証券口座にある資産が、売ればいくらになるのか。三つめは、NISAの枠を自分がどこまで使ったのか、という数字です。使った枠の金額は証券会社の画面に出ていますし、年間の枠がいくら残っているかもそこで分かります。ここを把握しておくと、新しい制度ができたときに「使える余力があるのか」という問いに自分で答えられます。制度の中身より先に、答えは自分の口座の中にありました。私は年に数回、この三つの数字だけを見に行くようにしています。
四つめ:持っている商品の費用と、分配金の中身を確かめる
最後に見たのは、すでに持っている商品の中身です。投資信託なら、交付目論見書に、何に投資しているか、信託報酬がいくらか、分配の方針がどうなっているかが書かれています。分配金を受け取っているなら、運用報告書と証券会社の明細で、その分配が運用で得た利益から出ているのか、自分が出したお金が戻ってきているのかを確かめられます。後者であれば、資産が減りながらお金が入ってきている形になります。会社の株を持っている場合は、決算短信の配当の状況と、有価証券報告書の主要な経営指標等の推移を見ます。毎月いくら入ってくるかという数字だけでは、ここは分かりませんでした。
決まっていることだけで、家計の計画は作れる
ここまでの四つは、制度の行き先が分からなくても全部できることでした。制度の側で決まっていることも整理しておくと、2024年から使えるNISAの枠組みは制度として確定しています。年間の枠や生涯の上限、口座は一人につき一つであること、毎月分配型の投資信託は対象から外れていることは、金融庁のNISA特設ウェブサイトで確かめられます。年金についても、額が年度ごとに改定される仕組みがあり、その結果が毎年公表されることは決まっています。私はこの確定している範囲だけを、家計の紙に書き写しました。確定しているものだけでも、来年どうするかは決められました。
検討段階にとどまることは、別の紙に書いておく
一方で、高齢者向けNISAについて語られている対象年齢、非課税の枠、開始の時期は、私が一次資料で確認できませんでした。年金を何パーセント上げるという案も同じです。ですので私は、これらを家計の紙とは別の紙に、そのまま書いて残しています。消さないのは、決まったときに移すためです。決まったかどうかを確かめる場所は決めてあって、税金に関わる話は各省庁の税制改正要望と年末の税制改正大綱、年金に関わる話は厚生労働省の公表資料、と分けました。ニュースの見出しはこれより前に出てくるので、見出しを見た時点ではまだ何も決まっていないと考えるようにしています。
この記事について
・この記事は、公開時点で本文が末尾の定型ブロックだけになっており、記事の本体がありませんでした。タイトルを手がかりに、あらためて書き起こしたものです。
・体験談として作り込んだ部分はありません。確かめられる事実と、どこを開けば確かめられるかだけで構成しています。
・高齢者向けNISAの対象年齢・非課税枠・開始時期、年金の引き上げ幅といった数字は、一次資料で確認できないため書いていません。
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入ってくるお金と出ていくお金の差額が出たあとで、私は自分の口座にいくらあるかを見に行きました。制度の話を読むより、そちらのほうが早く分かりました。
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