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こんにちは、バフェットかおるです。
先に結論を書きます。ニホンフラッシュ(7820)は、27.9億円の大赤字を出した年に、実際には現金をしっかり稼いでいた会社でした。財布には現金116億円があり、16年間一度も減配していません。ただし、売上の3分の1近くはいまも中国の特定の取引先頼みです。
私はIRへ電話でうかがったうえで、有価証券報告書と18年分の業績を突き合わせて確かめました。赤字の中身をキャッシュフローで見分ける、という意味でとても勉強になった一社です。
なお、この会社は私が保有している1社です。ここに書くのは調べた記録であって、買うことをすすめるものではありません。この記事は私が調べたことと保有状況の紹介であって、買うことをすすめるものではありません。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字は2026年7月時点および2026年3月期の有価証券報告書のもので、今後変わります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
- どんな会社か|マンションの室内ドアを日本と中国で作っている
- いまの株価と、市場からの評価|利回り4.99%・PBR0.52倍
- 株価が下がり続けた理由|構造改革の谷間にあたる年
- 中国で何が起きたのか|IRに直接うかがった答え
- いちばんの論点|「27.9億円の大赤字」の正体
- 2026年3月期の成績表|V字回復の中身
- 営業利益率で見る「稼ぐ力」の歴史
- 財務の健康診断|ここは文句なしの優等生
- 16年間、減配なし|配当の実力と、その土台
- 会社の姿勢|「脱・中国デベロッパー依存」を数字で示している
- もちろん、リスクもあります
- まとめ|私がこの会社をどう受け止めたか
- 配当を受け取りながら様子を見たい会社があるとき【PR】
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どんな会社か|マンションの室内ドアを日本と中国で作っている
ニホンフラッシュは、マンションの「室内ドア」を作っている会社です。玄関ドアではなく、部屋と部屋を仕切るドアですね。
日本と中国の両方で商売をしていて、特に中国では「内装付きマンション」(最初からドアや床がついた状態で売られるマンション)向けにドアを大量に納めることで大きく育ってきました。
総資産は2008年の95億円から、いまは443億円。18年でおよそ4.7倍です。中国のマンションブームの波に乗って規模を広げてきた会社、と言えます。
いまの株価と、市場からの評価|利回り4.99%・PBR0.52倍
2026年7月16日時点の株価は721円。ここに大事な数字が3つ並んでいます。
| 指標 | 数字 | 意味 |
|---|---|---|
| 予想配当利回り | 4.99% | 100万円分持つと年に約5万円もらえる計算 |
| PBR | 0.52倍 | 会社の純資産の半分の値段でしか評価されていない |
| 予想PER | 18.25倍 | 来期の利益に対しては、実はそれほど割安ではない |
PBR0.52倍というのは、たとえるなら「1,397円が入った財布が721円で売られている」ような状態です(1株あたり純資産=BPSが1,397円)。数字だけ見れば、いかにも割安に見えます。
ただ市場は「その財布には中国という落とし穴があるから半額」と値付けしている。ここがこの会社を読み解く核心だと私は考えています。
株価が下がり続けた理由|構造改革の谷間にあたる年
直近2026年3月期の会社予想が、売上210億円・純利益9億円と「また減収減益」の見通しだったからです。
会社自身もIRで「2026年度は明るくない。明るいのは2028年から」と話しており、構造改革の谷間にあたる年です。市場はそれを織り込んでいると私は受け止めました。予想PERが18.25倍と割安に見えないのも、利益が一時的に小さい年で計算しているためです。
中国で何が起きたのか|IRに直接うかがった答え
IRにうかがったところ、原因は「バブルがはじけた」というより「政府がお金の蛇口を閉めた」ことにあるそうです。
中国のマンション会社は「土地を買う、借金する、マンションを建てて売る、また借金する」というサイクルで回っていました。それが政府の規制で借金ができなくなり、手持ちのマンションを安売りしてでも現金を作るしかなくなった。だから値段が下がった、という順番です。
一方、有価証券報告書には「中国の都市化・内装付住宅の推進という長期的な需要は引き続き存在する」と書かれています。家が欲しい人がいなくなったのではなく、お金の流れが詰まっただけ、というのが会社の見立てで、政府規制という構図とも整合します。
ただし現実は厳しく、有報には「中国の不動産上場108社のうち59社が最終赤字」との記載もあります。半分以上が赤字なのです。
いちばんの論点|「27.9億円の大赤字」の正体
2025年3月期の27.9億円の赤字。その中身を開けてみると、主役は貸倒引当金24.1億円と、不動産の減損11.5億円でした。
引当金というのは、たとえば友だちに1,000円貸していて「あの子、返せないかもしれないから、返ってこない前提で帳簿にマイナス1,000円と書いておこう」とメモしておくようなものです。実際にお金が消えたわけではなく、あくまで用心のためのメモ。会計のルール上、このメモを書いた瞬間に赤字として計上されます。
これが本当かどうかは、キャッシュフロー(実際のお金の出入り)で確かめられます。ここが今回いちばんきれいに確認できた部分でした。大赤字を出したその年に、営業キャッシュフローではしっかり現金を稼いでいたのです。
つまり赤字の正体は「実際にお金が出ていった赤字」ではなく「会計上の慎重な引当による赤字」だった、と私は受け止めています。
2026年3月期の成績表|V字回復の中身
- 売上高:234億円(前期比▲2.2%と微減)
- 営業利益:17.4億円(+125.3%、2倍以上)
- 純利益:14.2億円(27.9億円の赤字から黒字転換)
- 中国は営業利益3.26億円の黒字(前年は2.34億円の赤字)。「中国はもう利益が出ている」というIRの説明は事実でした
- 日本も営業利益14.1億円(+40.6%)。国内の新築住宅が▲12.9%と冷え込む中、値上げと物流コストの改善で増益
営業利益率で見る「稼ぐ力」の歴史
営業利益率は、売上100円のうち何円がもうけになるか、という数字です。
- 全盛期(2014〜2016年、2020年):15〜18%。100円売って15〜18円もうかる高収益企業でした
- どん底(2025年3月期):3.23%
- 直近(2026年3月期):7.44%(営業利益17.5億円÷売上235億円)
- 来期予想:6.67%
どん底からは回復したものの、まだ全盛期の半分です。原価率が全盛期の62〜65%から直近75%まで上がっているのが理由で、中国での安値競争と数量減の影響でした。ここが15%に戻せるかどうかが、この会社の評価が変わるカギになると私は見ています。
財務の健康診断|ここは文句なしの優等生
自己資本比率は71.7%。会社の全財産443億円のうち、約318億円が「借りたお金ではない、自分のお金」という意味です。私が重視している基準(50%以上)を余裕で超えています。
しかも18年間、一度も58%を下回ったことがなく、中国不動産危機のど真ん中でも70%台を守り抜きました。
- 現金・預金:116億円(時価総額約164億円に対してとても厚い)
- 借金(有利子負債):23.4億円。現金の5分の1です。2016〜2017年は無借金でした
- 利益剰余金(過去のもうけの貯金):219億円
16年間、減配なし|配当の実力と、その土台
一株配当は2010年の5円から、5円、7.5円、10円、15円、20円、25円、27.5円、28円、32円、36円と階段を上がり続け、2010年以降16年間、一度も減配していません。増配か維持だけです。27.9億円の大赤字を出した年ですら、36円を守りました。
ただし、会社が公式に「累進配当(減配しない)」を宣言している文言は、今回の有報の範囲では確認できませんでした。正確に言えば「宣言はしていないが、行動で16年間の実質累進配当を示してきた会社」ということになります。
それを支えたのが利益剰余金219億円の蓄積です。配当は今年の利益だけでなく、過去の蓄積という土台の上に乗っている。この構造が私にはありがたく見えました。
直近の配当性向は57.9%、純資産配当率(DOE)は2.6%前後で安定しており、来期予想も36円据え置き。利回り4.99%は、この「守られてきた36円」を株価721円で割った数字です。
会社の姿勢|「脱・中国デベロッパー依存」を数字で示している
有報には、構造改革の目標が売上構成比ではっきりと書かれています。
| 販売先 | 2025年度実績 | 2027年度計画 |
|---|---|---|
| 中国デベロッパー向け | 88% | 30% |
| ルート販売(代理店経由) | 7% | 20% |
| ホテル向け | 0% | 20% |
| 輸出向け | 0% | 16% |
いちばん危ういデベロッパー頼みを、88%から30%まで下げる計画です。
研究開発の項目には「大手ホテルチェーンの要請で高遮音ドアを開発、実用新案出願中、今後採用見込み」とあり、IRが「名前は言えない」と話していたホテル案件は、おそらくこれだろうと私は受け止めました。中東(ドバイ)についても「一時見合わせていた営業活動を再開した」とされています。
もちろん、リスクもあります
- 売上の3分の1近くが、いまだ中国の特定デベロッパー頼み。ここが揺れれば、再び引当のリスクが生じます
- 代物弁済で受け取った不動産89億円は、中国市況がさらに悪化すれば追加減損の可能性がある(有報自身が明記しています)
- 構造改革が計画どおりに進む保証はどこにもありません
まとめ|私がこの会社をどう受け止めたか
ひとことで言えば「27億円の大赤字を出した会社が、実はその年に25億円もの現金を稼いでいた。財布には116億円。16年間減配なし。ただし売上の3分の1は中国の危うい取引先頼み」という会社です。
赤字の質をキャッシュフローで見分ける、という意味で、私にはとても良い教材になりました。そして「PBR0.52倍は本当に割安なのか、それともリスク相応の値付けなのか」を、自分の頭で考えさせてくれる一社でもあります。
私自身は、財務の頑健さと16年間守られてきた配当を評価しつつ、中国依存というリスクを冷静に見ながら、引き続き注目していきたいと思っています。繰り返しになりますが、これは私の保有状況と調べたことの紹介であり、買うことをすすめるものではありません。数字は2026年7月時点のものです。
配当を受け取りながら様子を見たい会社があるとき【PR】
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こういう「良いところと危ういところが両方ある会社」は、いきなりまとまった株数を持つより、1株だけ持って配当と決算を追いかけるほうが、私には向いていました。私が使っているのは次の2つの口座です。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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