こんにちは、バフェットかおるです。今日は、これから投資を始める50代60代の方が必ずぶつかる悩みについてお話しします。
「退職金が1000万円入りました」「親の遺産が一気に3000万円入りました」「あちこちの銀行口座を解約してまとめたら500万円ありました」。こういうまとまったお金は、一括で投資したほうがいいのか、毎月コツコツ分けたほうがいいのか。この悩みは、私自身も通ってきたのでよく分かります。
結論:迷ったら分割。ただし、その前に決めるべき「順番」があります
先に結論を書きます。理論のうえでは一括のほうが有利になりやすい。でも、続けられなければ意味がない。だから迷ったら分けて投資するのが、自分にとっての正解です。
そして一括か分割かより先に決めることがあります。それは、生活防衛資金を現金で残すことです。50代60代の方に、これがいちばん大事だとお伝えしたいです。
私自身は、2000万円のへそくりをどう投資したか
私は投資を始める前に山崎元さんの本を読んでいたので、30年かけて貯めた2000万円のへそくりを、SBI証券でeMAXIS Slim S&P500に、特定口座で毎月30万円ずつ、旧つみたてNISA枠で月33,333円ずつ投資し始めました。
積立にしたのは、本にそう書いてあったからではありません。30年ためたへそくりが一気に減るのは耐えられないと思った、私自身の判断です。
その後、コロナ禍で株価が下がっていくタイミングで、保険の解約返戻金(夫600万円、私300万円)を追加投資し、JALの退職金500万円は株価が30%下がったところで投資しました。ただ、これは狙ったわけではなく、たまたまです。ちょうど手元にお金があっただけで、本当はリーマン・ショック級の暴落が来ると思って、残りは積立で続けていました。つまり予想は外れていて、運が良かっただけです。同じことは再現できませんし、おすすめもしません。
結果的にはコロナ後の急回復でS&P500が約2.6倍、ドル円が100円から160円になり、資産は1億円まで大きくなりました。だからこそ、一括か分割かで悩む気持ちがよく分かるのです。
一括投資のメリットとデメリット
メリット:お金が今日から働き始めてくれる
一括投資は、手元のまとまったお金を一回で投資に回すこと。1000万円なら1000万円ぶんを、今日いっぺんに投資します。
投資の世界は時間が味方です。1000万円を今日から働かせるのと、3年かけて少しずつ働かせるのとでは、働いていない期間のぶんだけ差が出ます。相場が上がっていく局面では、当然ながら圧倒的に有利です。
そして実際、株式市場は長い目で見ると上がっていた期間のほうが長い。資本主義は暴落と回復を繰り返しながら右肩上がりで成長してきました。だから理屈のうえでは、一括が有利になりやすいのです。
デメリット:買った直後の暴落で、心が折れる
一括投資のデメリットは、ひとつしかありません。でもこれが、これから始める50代60代の方には大きい。買った直後に暴落が来ると、心が折れて投資を続ける気力がなくなることです。
たとえば退職金1000万円を投資して、その2か月後に相場が2割下がったとします。200万円減ります。この200万円という数字は、かなりのダメージです。
私も、頭では分かっていました。ジェレミー・シーゲルのグラフを知っていたので、いずれ回復することは理解していたのです。それでも、頭で分かっていることと不安な気持ちは別物で、気持ちはざわつきます。
いちばんやってはいけないのは、下がったところで売ってしまうこと
私の両親がまさにそうでした。新興国ファンドの価格が毎日下がっていく不安な時期に、証券会社から毎日のように電話がかかってきて「損切りしますか」と聞かれる。両親は損切りという言葉さえ知りませんでした。その電話の言いなりになって、買うときも売るときも手数料を払って手放してしまいました。
損が確定するのは、下がったときではありません。売ったときです。だから、売るかどうかを他人に決めさせてはいけません。
分割投資のメリットとデメリット
メリット:下がっても被害が小さく、「まだ買える」という安心がある
1000万円を毎月30万円ずつ、2年10か月かけて買っていく。これが分割投資です。買った直後に暴落しても、最初の月は30万円しか入れていないので、2割下がっても6万円。むしろ「割安で追加投資できる」と思えます。
下がったときに「まだ手元にお金がある」という安心感は、金額の問題以上に精神安定剤になってくれます。
デメリット:待っている間、お金が働いていない
先ほどの例だと、1年目に投資できているのは360万円だけ。残りの640万円は銀行で寝ています。その1年で相場がぐんぐん上がっていたら、640万円ぶんは上昇に参加できていません。「あのとき全部入れておけばよかった」と思ってしまうわけです。
つまり、どちらを選んでも後悔する可能性はあるということです。
プロの意見も、実は割れています
世界最大級の運用会社バンガードは、自社のレポートで、一括のほうが結果的に良くなったケースが多かったという趣旨の分析を出しています。ただし同時に、暴落が怖くて不安なら分けて投資するのも正しい選択だと付け加えています。
山崎元さんは、分けて買うことがリスクを減らしてくれるわけではないという立場です。分割で安心なのは、まだ現金のままの部分が多いからであって、投資そのものが安全になっているわけではない、という指摘です。私はこの理屈を知ったうえで、気持ちを優先して積立を選びました。
一方『ウォール街のランダム・ウォーカー』のバートン・マルキールさんは、分けて買うことに肯定的です。ただし強調しているのは「有利だから」ではなく、「どんな相場でも投資を続けるための方法として優れているから」という点です。
結局、増え方で言えば一括が最強、続けやすさで言えば分割が最強ということになります。
私の結論はハイブリッドです
投資でいちばん大事なのは、市場に居続けることです。どんなに有利な方法でも、途中で怖くなって売ってしまえば資産は増えません。逆に、少しずつでも20年続けられれば増えます。
だから判断の基準は、有利かどうかではなく「暴落しても平気なくらい知識をつけたか」です。即答で「平気です」と言えるくらい勉強した方は一括でも大丈夫だと思いますし、分からない場合は分けて投資することをおすすめします。
50代60代がやりがちな「順番の間違い」
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。
退職金の全額を投資に回すのは危険です。生活費の1年分くらいは、現金で置いておいてください。毎月20万円使っているなら、240万円は貯金のままにしておく。使う予定のあるお金は、投資に回さない。
投資に回すのは、当面使わないと言い切れるお金だけです。この順番さえ守れれば、一括か分割かはその次の問題です。
高齢になって急にまとまったお金を持つと、「このままでいいのか」と不安になって、赤の他人に相談してしまいがちです。そして対面の銀行や証券会社で、手数料の高い商品を勧められる。私の両親がまさにそうでした。
よくある質問
Q. 退職金1000万円、結局どちらがいいのですか?
理論上は一括が有利になりやすい一方、続けられなければ意味がありません。判断に迷うなら分割で問題ないと思います。それより先に、生活防衛資金を現金で確保することを優先してください。
Q. 分割にするなら、何年かけるのがいいですか?
私は毎月30万円ずつというペースでした。金額と期間に絶対の正解はありませんが、途中で下がっても続けられるペースかどうかが基準になります。
Q. 生活防衛資金はいくら必要ですか?
目安は生活費の1年分です。毎月20万円なら240万円。ここは投資に回さず、現金のまま置いておきます。
Q. 銀行や証券会社の窓口で相談してもいいですか?
相談すること自体は自由ですが、売る・買うの判断を他人に委ねないことが大切だと思っています。手数料の高い商品を勧められることもあります。
これから口座を作る方へ
まとまったお金を動かす前に、まずは自分名義のネット証券口座を用意しておくと選択肢が広がります。口座を作ったら、二段階認証の設定と、ログインは公式アプリか自分で保存したブックマークから、の2つは必ず徹底してください。
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