こんにちは、バフェットかおるです。
いつも動画やブログを見てくださって、本当にありがとうございます。
今日は、週末にSNSで一気に広がった「月曜日はブラックマンデーになるんじゃないか?」という不安について、できるだけやさしく、ひとつひとつ整理してお話ししていきますね。
投資を始めたばかりの方、特に50代・60代で「老後のために少しずつ高配当株を…」と頑張っていらっしゃる方の中には、週末のニュースを見て夜も眠れなかった、という方もいらっしゃるかもしれません。
でも、まず最初に結論からお伝えします。
「相場を当てにいかないでください」
これが、今日いちばんお伝えしたいことです。
たしかに月曜日、日本株が大きく下げる可能性はあります。でも、それは「終わり」ではありません。むしろ、長く投資を続けていく私たちにとっては、落ち着いて向き合えば乗り越えられる場面なんです。
それでは、なぜ今こんなに騒がれているのか、本当に月曜日は危ないのか、そして日本株はこれからどうなるのか、5つのポイントに分けてゆっくり見ていきましょう。
ポイント① 金曜日のアメリカで何が起きたのか(雇用統計ショック)
まず、今回の騒ぎのきっかけになった「金曜日の出来事」を、時間の流れにそって整理します。ここがいちばん大事なところなので、ゆっくり読んでくださいね。
まずは東京市場(日本の昼間)
6月5日金曜日、日本の東京市場では、日経平均が前日より882円安い6万6588円で取引を終えました。下げ幅としては約-1.3%です。
実はこの日、一時は1600円ほど下げる場面もあったのですが、午後にかけて少しずつ下げ幅を縮めて、最終的には882円安で踏みとどまりました。「まあ、こういう日もあるよね」という程度の下げです。
問題はそのあと、夜のアメリカでした
東京市場が午後3時に閉まったあと、私たちが眠っている夜の時間に、アメリカで大きな下落が起きました。
そのきっかけが、金曜の夜に発表されたアメリカの雇用統計です。
雇用統計というのは、ひとことで言うと「アメリカで働く人がどれだけ増えたか」を示す数字です。経済が元気かどうかを測る「体温計」のようなものだと思ってください。
この5月の雇用統計が、なんと予想の倍以上の強い数字でした。さらに、3月分と4月分も後から上方修正されて、「アメリカの雇用は思っていたよりずっと強かった」ことが分かったんです。
「雇用が強い=いいこと」じゃないの?
ここで多くの方が「あれ?経済が元気なら、いいことじゃないの?」と思いますよね。
実は、今はそれが逆に働いてしまうんです。ここが相場の難しくて、面白いところでもあります。
順番に追っていきましょう。
- 雇用が強い → 経済が元気
- 経済が元気 → インフレ(物価高)がなかなか収まらない
- インフレが収まらない → アメリカの中央銀行(FRB)は、金利を下げるどころか上げるかもしれない
- 金利が上がりそう → お金を借りるコストが上がる
- すると → ハイテク株やAI関連の株に大きな逆風が吹く
こうして連鎖が起きていったんですね。「年内に2回利上げするかも」という話まで出てきて、長期金利が急上昇しました。
その結果、ハイテク株の多いナスダックは**-4.18%、半導体株(SOX指数)はなんと1日で-10%**も下げました。1週間で半導体関連から150兆円以上の時価総額が消えた、という大きな下落だったんです。
これが「雇用統計ショック」と呼ばれているものの正体です。
ポイント② なぜ「月曜日が危ない」と言われているのか
ここが、SNSで「ブラックマンデーかも」と騒がれている理由に直結します。
思い出してほしいのは、この急落が起きたのは、東京市場がもう閉まったあとだったということです。
アメリカの市場が開くのは、日本時間の夜です。つまり、金曜日の日経平均の終値「6万6588円」は、いわば嵐が来る前の、まだ静かな時間の値段なんですね。
そして週末、取引時間外の「日経平均先物」を見ると、価格は6万3820円まで下がっていました。金曜の終値からすると、マイナス約2850円です。
これは、金曜の夜のアメリカの下落を、先回りして織り込んでいる動きと考えられます。
つまり、月曜日の朝に東京市場が開いた瞬間、この「マイナス2850円分のショック」を一気に反映しにいく可能性がある、ということなんです。
これが、「月曜日はブラックマンデーか」と噂されている正体です。
※ここで大事な注意点です。あくまで「先物」の値段なので、月曜日にここまで下がらないかもしれませんし、逆にこれよりさらに下げる可能性もあります。誰にも正確には分かりません。
ちなみに、お隣の韓国はすでに金曜日の時点で大きく下げていました。韓国のコスピは-5.54%、サムスン電子-6.4%、SKハイニックスに至っては-9.92%。アジアの半導体銘柄が、先に大きく売られていたんですね。
時系列で整理すると、こうなります。
- 金曜の昼:日本 -1.3%、韓国 -5.54%
- そのあと夜:アメリカの雇用統計ショックでナスダック -4.18%
つまり、日本も韓国も、まだ「金曜の夜のアメリカのマイナス」を完全には織り込んでいない。それが月曜に反映される可能性がある——そういう状況なんです。
ポイント③ ここ最近の日本株は「強かった」けれど、ちょっと歪みもあった
少しだけ、ここ最近の振り返りをさせてください。
つい先週まで、日本株はずっと史上最高値ラッシュでした。日経平均は史上初めて6万6000円を突破したと思ったら、あっという間に6万8000円も超えていきました。
数字で見るとよく分かります。アメリカ株は年初来でプラス10%ほどでしたが、日経平均は年初来でプラス30%。アメリカを大きく引き離して、世界でいちばん輝いている市場だったんです。
でも、この上昇には「歪み」がありました
実はこの上昇、よく見ると一部の銘柄に極端に集中していたんです。
データによると、日経平均が3割も上がっているのに、約半分の会社は上がっていなかったんですね。東証プライムの約1500社のうち、年初来で761社がマイナスだったんです。
つまり、見かけの大きな上昇は、ごく一部の銘柄が引っ張っていたということ。
その主役が、AI・半導体関連でした。キオクシア、ソフトバンクグループ、村田製作所、アドバンテスト——こういった銘柄です。
どれくらいの集中だったかというと、
- キオクシアは一時、時価総額が三菱UFJを抜いて日本3位に
- ソフトバンクグループがトヨタを抜いて1位に
- 村田製作所も1ヶ月で時価総額がほぼ2倍に
これを裏返すと、こういうことになります。
日本株の最高値は、「半導体」というたった1本の、極端に太い柱に寄りかかって成り立っていた——とも言えるんですね。
そして金曜日、そのアメリカの半導体株が大きく崩れました(マイクロン-13%、AMD-10%超など)。この影響が、月曜日の日本にも波及する可能性があるわけです。
理由はシンプルです。上げ相場のとき、半導体はいちばん人気で、いちばん買われていました。いちばん大きく上がったものは、下げ相場ではいちばん売られやすい。高く登ったものほど、落ちるときの落差も大きいんです。
皮肉なことに、日本株を最高値まで押し上げた「半導体への一極集中」が、今度は下げの震源地になりかねない、ということなんですね。
ただ——ここで「だから日本株はもうダメだ」と思うのは、まったくの早とちりです。
今回はあくまで「雇用統計ショック」です。企業の業績が大きく傾いたわけでも、AIのストーリーがガラッと変わったわけでもありません。次の章で、その理由をお話ししますね。
ポイント④ 歴史を振り返ると、暴落は何度も「乗り越えてきた」
「ブラックマンデー」という言葉に、なんだか得体の知れない恐ろしさを感じる方も多いと思います。
でも、未知のものは怖いけれど、過去に何度も経験して乗り越えてきたものなら、落ち着いて向き合えますよね。実は日本株は、過去にも何度もブラックマンデー級の場面を経験して、そのたびに乗り越えてきました。
令和のブラックマンデー(2024年8月)
記憶に新しい方も多いと思います。2024年8月5日、歴代最大の下げ幅を記録しました。下落率は-12.4%。高値からわずか16営業日で25%も下げたんです。
でも、ここからが大事です。
パニック売りで一気に下げた翌営業日に、なんと一気に大反発したんですね。
あのとき、月曜日の底で恐怖に耐えきれず投げ売りしてしまった人は、翌日からの急反発をただ見ているしかありませんでした。売ってしまって、高くなってから買い直す——これが、いちばんやってはいけない失敗です。
逆に、どっしりと持ち続けた人は報われました。
昭和のブラックマンデー(1987年10月)
「ブラックマンデー」という言葉の語源になった、本家本元の暴落です。このときはなんと**-14.9%**。令和のブラックマンデーを上回る下落率でした。
「うわ、最悪じゃないか」と思いますよね。でも、その後をよく見てみましょう。
翌日には日経平均は2000円以上も急反発し、そこからの回復もすさまじく、わずか2ヶ月で下げ分を全部取り戻したんです。
長い目で見れば、暴落は一時的に下げすぎていただけ、とも言えるんですね。
ただし、すごく大事な注意点があります
ここはしっかり理解しておきたいところです。
すべての暴落・急落が、すぐに回復するわけではありません。
急落には、大きく分けて2種類あるんです。
- 本物の危機……金融システムそのものが崩れるようなもの。回復に何年もかかります。
- 短期的な調整……一時的な売られすぎ。比較的早く戻ってきます。
この2つを見分けることが、ものすごく大切です。
では、今回はどちらでしょうか。冷静に考えてみましょう。
今回の引き金は「アメリカの強い雇用統計」と「金利の上昇」です。**銀行が潰れたわけでもないし、AIが完全に終わったわけでもありません。**どちらかといえば、2番目の「短期的な調整」の性格が強い、と考えられます。
つい最近にも、似たことがありました
2026年3月を思い出してみてください。あのとき、月曜日がことごとく荒れていましたよね。
当時はアメリカとイランの緊張が今以上に高まっていて、毎週末に何らかのニュースが出ては、月曜に市場が急落する——ということが続きました。なんと、月曜日5回中5回が下落。うち3回は3%前後から5%超の大きな下げでした。
普通に見れば「これはまずい」と思う数字です。でも、その後どうなったか。日本株は6月に史上最高値を更新したんです。
つまり——月曜の大きな下げと、中期的なトレンドの終わりは、必ずしも同じではないということなんですね。
ポイント⑤ 今の日本株が「崩れにくい」と言える、構造的な理由
ここからが、今日の核心です。
「月曜日、日本株は下げるかもしれない。でも、私はそれでも慌てない」——その明確な理由をお話しします。
今の日本株は、過去の急落のときとは、需給(じゅきゅう)の構造が決定的に違うんです。少し専門的な言葉が出てきますが、できるだけ噛み砕いて説明しますね。
「裁定買い残(さいていかいざん)」という言葉
ざっくり言うと、これは**「先物に引っ張られて、とりあえず買われている仮の需要」**のことです。
この「仮の需要」がたくさん積み上がっていると、相場が下がり始めたときに一斉に解消売り(売り直し)に回ってしまいます。だから、仮の需要が多いと、暴落のときに下げが加速しやすいんです。
雪山に例えると、ゆるい雪(仮の需要)がたくさん積もっていると、なだれが起きやすいようなイメージです。
過去と今の、決定的な違い
たとえば2013年は、この仮の需要がパンパンで、もろい買いが山積みでした。だから、なだれを打って崩れたんです。短期間で2割も急落しました。
では、今(2026年)はどうでしょうか。
実は、この仮の需要がピークから4割も減っているんです。今の裁定買い残は5月末で2兆2643億円。株価は最高値圏まで上がっているのに、仮の需要は逆に減っている——これがとても重要なんです。
これは何を意味するか。
今の上昇は、仮の需要でふわふわ膨らんだものではなく、「現物を長く持ちたい人」がしっかり買っている、本物の上昇だと言えるんです。
海外の大手投資銀行のストラテジストも、「これまでのような先物主導ではなく、業績に安心感のある個別銘柄が相場を押し上げている」と指摘しています。
仮の需要の山が低いということは、暴落が来ても「解消売りでなだれを打つ」部分が少ない、ということ。構造的に、崩れにくい体質になってきているんですね。
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