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こんにちは、バフェットかおるです。先に結論を書きます。基礎控除の引き上げは、私の家計では年3万円から6万円ほどの手取り増にあたる話でした。ありがたいけれど、物価の上がり方に比べると小さい、というのが私の受け止めです。
そしてもうひとつ。上乗せ部分の多くが令和8・9年の2年間限定の特例で、社会保険の130万円の壁は手つかずのまま残っています。「壁がなくなった」という話ではありませんでした。
読者の方からこんな質問をいただきました。
「かおるさん、今年もまた基礎控除が変わるみたいですね。ニュースで『178万円の壁』って言ってるけど、結局わたしたち庶民の手取りはどうなるんですか。難しくてよくわかりません」
私も最初はきょとんとしました。テレビや新聞では「基礎控除が104万円に」「178万円の壁が誕生」と賑やかに報じられていたのに、自分の家計にどう効くのかが見えなかったからです。そこで自分で調べ直したものを、この記事に整理しました。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。また私は税理士ではありません。税制の内容は国会の審議や政令・通達で変わりますし、ご自身の家族構成や収入によって答えも変わります。具体的な判断は税理士や税務署、お勤め先の担当部署にご確認ください。数字は2026年9月時点で私が確認したもので、その後変わることがあります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
この記事の時点と、どこまでが決まっている話か
税制の記事でいちばん誤解が生まれやすいのが、ここだと思っています。私が調べた時点での整理を、先に分けて書いておきます。
すでに条文として決まっている部分と、大綱や報道の段階で語られている部分が、ニュースの中では混ざって流れてきます。私が確認できたのは以下の区別までです。
- 基礎控除を所得に応じた階段状にする、令和8・9年に上乗せの特例を置く、という枠組みは改正の内容として示されています
- 令和10年以降にその上乗せが外れる、という点も同じ枠組みの中で示されています
- 一方で、報道でよく使われる「178万円の壁」という数字は、政党が掲げた目標として出てきた数字です。実際の改正で示されている控除額や扶養の要件の数字とは別のものだと、私は受け止めました
- 社会保険の壁(106万円・130万円)の見直しは、この改正の中には入っていません
私は条文そのものを最後まで読み切れていません。ですので、この記事は「2026年9月時点で、私が公表資料と報道から読み取れた範囲」としてお読みいただければと思います。ご自身の年末調整や申告にあてはめるときは、必ず税理士や税務署でご確認ください。
そもそも基礎控除とは何か
税金は「もうかったお金」にかかる
1年間に稼いだお金が400万円あったとして、その400万円ぜんぶに税金がかかるわけではありません。国は「生きていくのに最低限必要なお金には税金をかけない」というルールを置いています。それが控除です。
基礎控除は、全員に配られる割引券
基礎控除は、収入のある人なら誰でも差し引ける控除です。私は「全員に配られる割引券」というイメージで覚えました。
給与所得控除は、会社員の必要経費の割引券
自営業なら仕入れや経費を差し引けますが、会社員はそれができません。そのかわりに置かれているのが給与所得控除です。スーツや通勤の費用をまとめて概算で引いてくれるもの、と私は理解しています。
「壁」とは何を指しているのか
基礎控除と給与所得控除を足した金額までは、税金がかかりません。この「ここまでなら税金がかからない」という境目を、報道では壁と呼んでいます。控除が増えれば、その壁は上にずれます。
基礎控除は所得によって階段状になる
今回の改正でいちばんややこしいのが、所得の階層によって控除額が違う形になった点です。
| 合計所得金額 | 給与年収換算 | 令和8・9年の基礎控除 | 令和10年以降 | 改正前(令和7年) |
|---|---|---|---|---|
| 132万円以下 | 約206万円以下 | 104万円 | 99万円 | 95万円 |
| 132万円超〜336万円以下 | 約206万〜475万円 | 104万円 | 62万円 | 88万円 |
| 336万円超〜489万円以下 | 約475万〜665万円 | 104万円 | 62万円 | 68万円 |
| 489万円超〜655万円以下 | 約665万〜850万円 | 67万円 | 62万円 | 63万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下 | 約850万〜2,545万円 | 62万円 | 62万円 | 58万円 |
| 2,350万円超 | 2,545万円超 | 改正なし | 改正なし | 改正なし |
この表から私が読み取ったことを3つに整理します。
ひとつ目。低所得から中所得の層に手厚い形になっています。年収665万円以下の方は基礎控除が最大104万円まで膨らみます。ただしこれは恒久ではなく、令和8・9年の2年間限定の上乗せ特例です。
ふたつ目。令和10年以降は控除額が下がります。特例期間が終わると、低所得層は104万円から99万円へ、中所得層は104万円から62万円へと大きく下がります。私はここを「2年間だけの上乗せ」として読みました。
三つ目。合計所得2,350万円を超える層は対象外です。基礎控除の改正対象から外されています。
給与所得控除と扶養の要件も動く
給与所得控除の最低保障額
| 改正後(令和8・9年) | 改正後(令和10年〜) | 改正前 | |
|---|---|---|---|
| 給与年収190万円以下 | 74万円 | 収入×30%+8万円(最低69万円) | 65万円 |
年収の低いパートやアルバイトの方の控除が、特例で74万円まで引き上げられる形です。令和10年以降は計算式に戻り、最低保障は69万円になります。
扶養親族の所得要件も連動して上がる
| 区分 | 改正後(給与年収換算) | 改正前 |
|---|---|---|
| 扶養親族・同一生計配偶者 | 所得62万円以下(年収136万円以下) | 58万円以下(123万円以下) |
| 特定親族(19〜22歳の学生など) | 所得62万円超123万円以下(年収136万〜197万円) | 58万円超123万円以下(123万〜188万円) |
| 配偶者特別控除の対象配偶者 | 所得62万円超133万円以下(年収136万〜207万円) | 58万円超133万円以下(123万〜201万円) |
| 勤労学生控除 | 所得89万円以下(年収163万円以下) | 85万円以下(150万円以下) |
働きすぎたら扶養から外れてしまう、というラインも合わせて上にずれた、ということになります。
年収別に見た減税額の目安
いちばん気になるのは「結局いくら手取りが増えるのか」だと思います。政党や報道機関が公表している試算をもとにした、ざっくりの目安です。
| 年収 | 年間の減税額(目安) |
|---|---|
| 200万円 | 約2万7,000円 |
| 400万円 | 約2万8,000円 |
| 600万円 | 約5万6,000円 |
| 800万円 | 約3万8,000円 |
| 1,000万円 | 約2万円前後 |
年収500万円から600万円台がいちばん恩恵を受ける、という少し変わった形になっています。低所得層はもともと課税所得がほぼゼロなので減税の余地が小さく、高所得層は上乗せの対象から外れているためです。
年収600万円の会社員の場合
年間の減税額の目安は約5万6,000円。月に割ると5,000円弱です。所得税と住民税の両方が下がることで、毎月の給与の手取りと年末調整の戻りに分かれて出てきます。
金額の大きさをどう見るかは人それぞれだと思います。私は「外食を月に一度増やせるくらい」と受け止めました。生活が変わる規模ではない、というのが正直な感想です。
年収103万円のパートの場合
もともと所得税がかかっていない水準なので、所得税の減税という意味での効果はほとんどありません。かわりに「扶養から外れずにどこまで働けるか」の上限が広がる、という効き方になります。
配偶者控除を満額で取れる範囲が年収136万円まで広がったので、時給1,200円なら年間で25時間ほど余裕ができる計算になります。ただし130万円を超えると社会保険料が発生するため、税の壁だけを見て時間を増やすと手取りが減ることもあります。ここは家庭ごとの計算が必要な部分です。
私はこの2つの例を並べてみて、今回の改正の主役は減税額よりも「働ける時間の上限が広がったこと」のほうだと受け止めました。
立場別に見たメリットとデメリット
会社員(年収400万〜700万円)
メリット
- 年間3万〜6万円の手取り増
- 物価高による実質賃金の目減りに対する、ささやかな手当てになる
- 通勤手当の非課税限度額も引き上げ(特に片道65km以上の遠距離通勤)
デメリット
- 令和10年以降は特例分が消えるため、減税額が大きく縮む
- 物価の上がり幅に比べると減税額が小さい
- 社会保険料は年々上がり続けている
私の場合は、減税された分を生活費に溶かさず、そのまま投資に回すことにしました。
扶養されているパート(年収100万〜160万円)
メリット
- 配偶者控除の壁が123万円から136万円へ広がる
- 年収の壁を気にせず、もう少し働ける選択肢ができる
デメリット
- 130万円の社会保険の壁は手つかずで残っている
- 年収130万円を超えると社会保険料(年間20万〜30万円)が発生し、手取りが逆に減る逆転が残る
- 働き控えの根っこは解決していない
税金の壁だけ上がっても、社会保険の壁が130万円のままでは働き損の帯は消えません。私はデパ地下でパートもしているので、ここは自分の時間割の話として読みました。
アルバイトの学生(19〜22歳)
メリット
- 特定親族の年収上限が188万円から197万円へ
- 親の特定扶養控除(63万円)を受けられる範囲が広がる
- 勤労学生控除の対象も年収150万円から163万円へ
デメリット
- 収入が増えれば社会保険の問題(106万円・130万円)に当たる可能性がある
- 一定額を超えると親の扶養から外れ、世帯全体の税負担が増える
年金で暮らす方(65歳以上)
メリット
- 公的年金等の基礎的控除額が引き上げ(令和9年から月額18万円が最低保障)
- 源泉徴収が不要になる年金額が209万円から214万円へ
- 確定申告が不要で済む方が増える
デメリット
- 改正が反映されるのは令和9年1月からで、少し先になる
- 公的年金等控除の本体部分には大きな変更がない
フリーランス・個人事業主
メリット
- 基礎控除の引き上げ(最大104万円)はそのまま適用
- 家内労働者等の必要経費の最低保障額が65万円から69万円へ
デメリット
- 給与所得控除の改正は対象外(給与をもらっていないため)
- 国民健康保険・国民年金の負担は軽くならない
物価スライド制という仕組みが入った
今回の改正で、見落とされがちですが私がいちばん大きいと感じた変更があります。物価スライド制です。
物価上昇に合わせて、基礎控除や給与所得控除を2年ごとに自動的に引き上げる仕組み
これまで基礎控除は30年以上ほとんど据え置きでした。物価がどれだけ上がっても、税金の計算に使う割引券の金額は変わらなかったわけです。その結果、実質的な負担がじわじわ重くなっていました。
ですのでこの仕組みは、減税そのものというより「負担が自動的に重くなっていくスピードを、少し緩める仕組み」だと理解しておくのが正確だと私は考えています。
ネットの反応と専門家の見方
ネット上で目立つ声
肯定的な声
- 30年ぶりの大幅改正は評価したい
- 手取りが少しでも増えるならありがたい
- 扶養の壁が広がるのは助かる
否定的な声
- 月5,000円の減税で生活が楽になるはずがない
- 結局2年間だけ
- 社会保険料は上がり続けているのに、所得税だけ少し下げてもね
- 178万円の壁と言うけれど、130万円の社会保険の壁が残っている
専門家の指摘として紹介されているもの
- 第一生命経済研究所・星野卓也氏|年収の壁対策としての効果は、社会保険の壁の見直しを伴わない限り抜本的なものにはならない、と分析しています
- 日本総研・藤本一輝氏|基礎控除を75万円引き上げても、新たに生まれる労働力は30万人分にとどまり、年収の壁による労働力の喪失(120万人分)の4分の1しか取り戻せないと試算しています
- 野村総合研究所・木内登英氏|年収665万円を超える中高所得層の減税額は意図的に抑えられたと分析し、6千億円超に膨らんだ税収減の財源論が置き去りになっている点を指摘しています
- 税理士法人ATO|減税の影響は微々たるもので、減税効果は限定的と評価しています
これらは私の意見ではなく、公表されている分析として紹介しているものです。
私はこの改正をどう受け止めたか
やらないよりはありがたい。でも家計を救う規模ではない。これが私の率直な受け止めです。
月5,000円の減税は助かります。ただ、お米の値段が上がり、電気代が上がり、保険料が毎年上がっていく中では、その5,000円はすぐに消えてしまいます。
だから私は、制度が変わるのを待つのではなく、自分の側でお金が入ってくる仕組みを作るほうに時間を使うことにしました。私がやっているのは、良いと思える企業に投資して配当を受け取る、というやり方です。ウォーレン・バフェットのやり方を真似して、割安だと感じたときに買い、長く持っています。
私が自分の家計で決めた3つのこと
減税された分は、そのまま投資に回す
月5,000円減税されたなら、その5,000円は生活費に混ぜず、そのまま投資に回すと決めました。
5,000円を12ヶ月で6万円。配当利回り4%の会社を6万円分持てば、年間2,400円の配当になります。これを20年続ければ、元本120万円と配当の合計が積み上がります。金額は小さいですが、私にとっては「減税が生んだ自分年金」という感覚です。もちろん配当は会社の業績次第で減ることもあります。
扶養と社会保険の線を、自分で引き直す
家族が働いている家庭では、今回の改正を機に「いくらまで働くのが自分たちに合うか」を計算し直す価値があると思いました。私が押さえた目安はこの3つです。
- 配偶者控除を満額で取るなら年収136万円以内
- 社会保険に入って長期的に年金を増やすなら年収170万円以上
- 学生の子どもは年収163万円が新しい目安
中途半端な年収帯(130万〜150万円)がいちばん手取りで損をしやすいのは、相変わらず変わっていません。ここは家庭ごとに答えが違うので、迷ったときは税理士や年金事務所に聞くのがいちばん早いと思います。
物価に負けない置き場所を持つ
物価スライド制が入ったとはいえ、税と社会保険の負担はこれからも増えていくと私は見ています。だから現金だけで持たない、配当が入ってくるものと非課税枠を組み合わせる、という形にしています。
まとめ
- 基礎控除は所得に応じた階段状になり、年収665万円以下では最大104万円まで膨らみます
- ただし上乗せ部分は令和8・9年の2年間限定で、令和10年以降は下がります
- 減税額の目安は年3万〜6万円で、年収500万〜600万円台がいちばん大きくなります
- 扶養や勤労学生の要件も上にずれましたが、130万円の社会保険の壁は残っています
- 物価スライド制は、負担が自動で重くなるスピードを緩める仕組みだと私は受け止めました
- 報道で使われる「178万円」という数字と、実際の改正の数字は別のものです
数字は2026年9月時点で私が確認したものです。制度は動きますし、ご家庭の事情で答えも変わります。具体的な判断は税理士や税務署にご確認ください。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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