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生命保険が得か損かという話より先に、税金の側で決まっている枠を知っておくほうが私には役に立ちました。死亡保険金には相続税の非課税枠があり、払った保険料には所得控除があります。どちらも金額が法令で決まっていて、商品の良し悪しとは別の話です。この記事では、国税庁の資料で確かめた枠の中身と、2026年分から変わる生命保険料控除の計算を書きます。あわせて、J-REITの仕組みと、社会保険料をめぐるよくある言い方について、事実の範囲で整理しました。
筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社や保険会社・保険商品の利用を推奨するものではありません。本記事の数字は2026年10月時点のもので、税制の内容は国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)で確認しています。加入している保険や世帯の状況で扱いが変わるため、具体的な判断は税理士や税務署、保険会社の窓口でご確認ください。
死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠がある
国税庁のタックスアンサー(No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金)によると、死亡保険金のうち相続税がかからない部分は次の式で決まります。
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
法定相続人が1人なら500万円、2人なら1,000万円、3人なら1,500万円です。相続人全員が受け取った死亡保険金の合計がこの額を超えた場合、超えた部分が相続税の課税対象になります。
条件として押さえておく点が、国税庁の説明に書かれています。
- 保険料の全部または一部を亡くなった人が負担していたものが対象。
- 受取人が相続人であること。相続を放棄した人や相続権を失った人が受け取った分には、この非課税の適用がない。
- 法定相続人の数は、相続の放棄があっても放棄がなかったものとして数える。
- 養子を人数に入れる場合は上限がある。実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人まで。
現金で同じ金額を持っていた場合には、この枠はありません。生命保険という形で持っているときだけ、この枠が使えるという違いです。私はここを「保険が有利」という話として受け取るより、枠がいくらあるかを先に知っておく話として整理しました。
相続税の基礎控除と税率を、国税庁の表で確かめる
非課税枠の話とつなげるために、相続税そのものの枠も置いておきます。国税庁のタックスアンサー(No.4155 相続税の税率、令和8年4月1日現在法令等)によると、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。法定相続人が2人なら4,200万円、3人なら4,800万円になります。
税率は、課税遺産総額を法定相続分で分けた金額に対してかかります。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | なし |
| 1,000万円超 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 3,000万円超 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 1億円超 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 2億円超 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 3億円超 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
元の記事には「この対策なら何百万円減る」という比較表が並んでいましたが、前提が書かれておらず検算もできませんでした。相続税の実際の金額は配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で大きく変わるので、その表は載せていません。基礎控除と非課税枠がいくらあるかを確かめて、そこから先は税理士か税務署に相談する、という順番にしています。
生命保険料控除は、2026年分から23歳未満の扶養親族がいる人の枠が広がる
払う側の控除も確かめました。国税庁のタックスアンサー(No.1140 生命保険料控除、令和8年4月1日現在法令等)によると、控除額の計算は契約した時期で二つに分かれます。
- 新契約:平成24年(2012年)1月1日以後に結んだ契約
- 旧契約:平成23年(2011年)12月31日以前に結んだ契約
新契約の場合、一般生命保険料・介護医療保険料・新個人年金保険料のそれぞれについて、年間の支払保険料から控除額を計算します。
| 年間の支払保険料等 | 控除額 |
|---|---|
| 2万円以下 | 支払額の全額 |
| 2万円超 4万円以下 | 支払額×1/2+1万円 |
| 4万円超 8万円以下 | 支払額×1/4+2万円 |
| 8万円超 | 一律4万円 |
旧契約は区切りが違い、10万円超で一律5万円が上限です。三つの控除を合計した適用限度額は12万円と定められています。
2026年分(令和8年分)からの変更
国税庁のページには、令和8年分以降の申告について、23歳未満の扶養親族がいる場合は新生命保険料の控除計算が次のように変わると書かれています。
| 年間の支払保険料等 | 控除額 |
|---|---|
| 3万円以下 | 支払額の全額 |
| 3万円超 6万円以下 | 支払額×1/2+1.5万円 |
| 6万円超 12万円以下 | 支払額×1/4+3万円 |
| 12万円超 | 一律6万円 |
どれくらい変わるのか、表の式どおりに計算してみました。一般生命保険料が新契約だけの場合です。
- 年4万円払っている:これまでは3万円で、特例に当たると3万5,000円(5,000円増)
- 年8万円払っている:これまでは4万円で、特例に当たると5万円(1万円増)
- 年12万円払っている:これまでは4万円で、特例に当たると6万円(2万円増)
これは所得から差し引く金額が増えるという話で、税金そのものがこの額だけ減るわけではありません。たとえば所得税率が20%に当たる人で控除が2万円増えると、所得税は4,000円少なくなる計算です。住民税の生命保険料控除は別の計算なので、ここには含めていません。元の記事には学資保険の代わりを検討する話がありましたが、こうした控除の枠を含めた比較は世帯の所得と扶養の状況で変わるので、具体的な判断は税理士や税務署でご確認ください。
貯蓄型の保険は、保険料の全部が積み立てに回るわけではない
仕組みの話を、商品名を出さずに書きます。保険料には、保障に充てられる部分と、保険会社が事業を運営するための費用に充てられる部分が含まれています。積み立てに回るのは残りの部分です。だから途中でやめたときに戻ってくるお金(解約返戻金)は、払い込んだ合計より少ないことがあり、契約から何年目かによって金額が変わります。
この金額は、契約したときに渡される書類に年ごとの推移として載っています。保険会社に問い合わせれば、今の時点の解約返戻金も確認できます。私が確かめ方として持っているのは次の三つです。
- 払込保険料の累計と、同じ時点の解約返戻金を並べて見る。
- 解約返戻金が払込累計を上回るのは契約から何年目か、書類の表で確認する。
- 保障(死亡保険金など)の部分に、自分がいくら払っていることになるのかを分けて考える。
商品名を挙げて良し悪しを言うのはやめました
元のこの記事は、特定の保険会社の商品名を挙げて強い言葉で否定する書き方をしていました。今回のリライトでその部分は削除しました。私は保険の設計内容を会社ごとに比べられる立場ではなく、ある商品が誰にとっても損だと言える根拠も持っていないからです。
代わりに書けるのは、自分の契約の数字を自分で確かめる手順までです。保障のために入っているのか、積み立てのために入っているのか。その二つが同じ契約に入っていると、どちらの値段を払っているのかが見えにくくなる、というのが私の受け取り方です。やめるかどうかの判断は、保障が今も必要かどうかで変わるので、契約内容を持って窓口で確認する話になります。
J-REITの仕組みとリスク(事実の範囲で)
元の記事には「リートの配当利回りが上昇している理由」「今後のJ-REIT市場」という節がありました。相場がこれからどうなるかは私には分からないので、その部分は削除し、仕組みとリスクだけ残します。
投資信託協会(資産運用業協会)の説明によると、J-REITは多くの投資家から集めた資金でオフィスビル、商業施設、住宅などの不動産を複数買い、その賃貸収入や売買による利益をもとに投資家へ分配金を支払う仕組みです。実物の不動産を直接買うのに比べて、少額から、複数の物件に分けて関わる形になります。
注意すべき点として挙げられているのは、不動産市場の動きと金利の変動です。私が自分で確かめるときに見ているのはこのあたりです。
- 分配金も価格も保証されていない。賃料や稼働率が下がれば分配金は減りうる。
- 上場しているので、価格は市場で日々変動する。不動産そのものの値段と同じ動き方はしない。
- 借り入れを使って物件を持つ仕組みなので、金利が上がると資金の調達コストが上がる。
- 保有している物件の種類(オフィス、住宅、物流、ホテルなど)で、景気の影響の受け方が違う。
利回りの数値は時点によって変わるので、この記事には書きません。実際の分配金の実績と見通しは、各投資法人が出している決算説明資料と、取引所のサイトで確認できます。私はそこを自分で開いて確かめる材料にしています。
「社会保険料を経費にする」という言い方について
元の記事には、個人事業主が社会保険料を経費にして節税する方法、マイクロ法人を作って家族を雇う、という節がありました。この部分は、やり方の指南として書くのが適切でないと判断して削除し、制度の事実だけ残します。
国税庁のタックスアンサー(No.1130 社会保険料控除、令和8年4月1日現在法令等)によると、その年に実際に支払った社会保険料、または給与や公的年金等から差し引かれた金額は、全額が「社会保険料控除」として所得から差し引かれます。ページに上限の記載はありません。対象には健康保険、国民年金、厚生年金、雇用保険、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険などが挙げられています。生計を一にする配偶者や親族の分を自分が払った場合も、自分の控除にできます。
つまり社会保険料は「所得控除」という枠で扱う仕組みです。事業の必要経費とは別の枠で、どちらに当たるかは事業の形や契約によって変わります。法人を作る形の組み方は、社会保険の加入義務や法人の設立・維持にかかる手間と費用も一緒に動くので、得になるかどうかは個別の事情次第です。私はここで具体的な組み方を書きません。自分の場合にどうなるかは、税理士か税務署、年金事務所で確認する話だと考えています。
50代の私は、商品を選ぶ前に「枠」を確かめる順番にした
私の投資はウォーレン・バフェットのやり方を真似した形で、良い企業を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で読む、わからないものは買わない、というところに置いています。保険や税金の話でも、同じ順番にしました。先に法令で決まっている枠を確かめて、そのあとで自分の契約を見る、という順番です。
枠は商品の宣伝と関係なく決まっています。死亡保険金の非課税限度額は500万円×法定相続人の数、相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数、生命保険料控除の合計の適用限度額は12万円。この三つを紙に書いて、自分の家族の人数を入れてみる。それだけで、保険をどれだけの金額で持つかという話がだいぶ具体的になりました。
そのうえで、自分が持っている企業の配当や、口座にある資産の中身を見ます。保険の積立部分も資産の一部なので、同じ紙に並べて置くようにしました。並べてみると、保障のために払っているお金と、増やすために置いているお金が混ざっていたことに気づけました。
この記事で確かめられず、取り下げたもの
元の記事に書かれていて、今回載せなかったものを並べておきます。残した部分との線を引いておきたいからです。
- 特定の保険会社の商品名と、それに対する強い否定の言葉。会社ごとの設計を比べられる立場ではないため削除しました。
- 個人事業主が働きながら失業保険を受け取る手順。要件の判定は個別の事情によるもので、記事で手順として示すべきことではないと判断しました。加入状況や受給の可否はハローワークでご確認ください。
- マイクロ法人を使った社会保険料の組み方。制度の事実だけ残し、やり方は書いていません。
- 四季報の読み方として特定の方のやり方を紹介していた部分。出どころを確かめられなかったため外しました。
- J-REITの利回りの数値と今後の市場の見通し。時点で変わる数値と、私には分からない先行きのため外しました。
- 相続税対策ごとの削減額の比較表。前提の記載がなく検算できなかったため外しました。
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保険の積立部分も、口座に置いている資産も、同じ紙に並べないと全体が見えませんでした。明細を自分で開いて数字を拾う作業がいちばん効いたので、私が使っている環境を参考までに置いておきます。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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