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日本航空(JAL)で働く魅力は、給与の額面よりも、長く働き続けられる仕組みのほうにあると私は感じていました。研修や異動の機会があり、産休・育休の制度も用意されているので、何年かかけて自分の形をつくっていけます。ただ、給与の水準は年度・職種・勤務形態で大きく変わるので、どこかで見た一つの数字をそのまま信じるのは危ないと思っています。この記事では、金額を断定せずに、私が実際に役に立つと思った「調べ方」と「働いていて感じたこと」だけを書きます。
この記事は私自身の記録で、特定の会社や金融商品の推奨ではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておりません。記載の数字は2026年10月時点のものです。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。給与や採用の条件は年度ごとに変わりますので、具体的な条件は各社の募集要項でご確認ください。
給与の額を調べるとき、私が最初に見る場所
航空会社の給与について書かれたページはたくさんありますが、出どころがはっきりしないものも混じっています。私は、金額を知りたいときは上場会社が自分で出している有価証券報告書の「従業員の状況」という欄を見るようにしました。ここには、その年度の平均年間給与と平均年齢、従業員数が並んで書かれています。
この欄を見るときに私が気をつけているのは、平均年齢が一緒に書いてあることです。平均年齢が高い年度の平均給与と、若い社員が増えた年度の平均給与を並べても、同じものを比べたことにはなりません。数字だけを切り取って「上がった」「下がった」と言うのは、あまり意味がないと思うようになりました。
この記事をリライトするにあたって、以前この記事に載っていた平均年収の金額は、出どころが会社の開示ではなく外部のまとめサイトだったため、いったん取り下げました。私自身で一次資料に当てられなかった数字を残しておくのは、読んでくださる方に対して誠実ではないと考えたからです。最新の金額を知りたい場合は、各社のIRページにある有価証券報告書をご覧いただくのが確実です。
「年収」はひとつの数字では表せない
働いてみて一番強く思ったのは、航空会社の年収は一つの数字で言い表せないということです。同じ会社の中にも、運航乗務職、客室乗務職、業務企画職、整備や空港の現場職があり、それぞれ給与の決まり方が違います。
客室乗務職の場合、乗務した路線や時間に応じて支払われる手当の部分があるので、同じ年に入った人でも、その年にどれくらい飛んだかで手取りが変わります。国際線が止まっていた時期は、この部分がそのまま減りました。私はこの経験から、額面の平均値よりも「変動する部分がどれくらいあるのか」を先に見るようになりました。
転職や就職を考えて調べている方にお伝えしたいのは、気になる職種の募集要項を直接読むのが一番早いということです。初任給や諸手当の扱いは、年度ごとの募集要項に書かれています。
私が魅力だと感じたのは、金額よりも続けられること
振り返ってみると、私がこの仕事を続けられた理由は、給与が高かったからではありませんでした。体調を崩した時期も、路線が減った時期もありましたが、そのたびに戻る場所が用意されていたことが大きかったと思います。
航空会社は、乗務に必要な資格と訓練を会社の中で維持する仕組みを持っています。そのため、一度離れても資格を取り直せる道があり、年齢や経験を理由に扉が閉じてしまうことが少ないと感じました。実際、客室乗務職の採用では、いったん退職した人を対象にした採用の枠が用意されることもあります。
私は50代になってから、収入そのものよりも、収入が途切れたときに何が残っているかを考えるようになりました。会社の制度に助けられた経験があるからこそ、制度の外側に自分の備えも置いておきたいと思うようになったのだと思います。
研修と異動の機会が用意されている
入社してから驚いたのは、研修の量でした。保安に関する訓練は毎年繰り返しますし、サービスの手順も機材や路線が変わるたびに学び直します。最初は負担に感じていましたが、同じことを毎年やり直すおかげで、何年か離れていた人でも現場に戻れるのだと後になって気づきました。
職種を変える社内の募集があるのも、この業界の特徴だと感じました。乗務から地上の仕事に移る人もいますし、管理職を目指す道もあります。私自身は乗務を続けましたが、同じ職場の中に別の道が見えていることは、気持ちの面でかなり楽でした。
産休・育休の制度があるということ
客室乗務職は、妊娠が分かった時点で乗務を離れることになります。その期間をどう扱うかは制度で決まっていて、産前産後の休業や育児休職の仕組みが用意されています。復職してから乗務に戻る人も、地上の職種に移る人もいました。
制度があることと、使いやすいことは別だとも思います。乗務が不規則な仕事なので、復職してから勤務の組み方で悩んでいた人を何人も見てきました。それでも、制度そのものが整っていなければ選択肢すら生まれないので、ここは率直にありがたかったと感じています。
英語は試験のためではなく、現場のために続けた
国際線に乗るようになってから、英語は試験の点数より、使えるかどうかのほうがずっと大事だと感じました。機内で必要になるのは、体調が悪いお客様の様子を聞き取ることや、天候で到着が遅れる理由を落ち着いて伝えることです。長い文章より、短く正確に言えるかどうかでした。
私がやっていたのは、乗務の合間に短い時間で区切って練習することでした。机に向かう時間をまとめて取るのは難しかったので、移動中に数分だけ音声を聞く、という形に落ち着きました。これは私に合っていた方法なので、どなたにでも当てはまるとは思っていません。
なお、JALが公表している客室乗務職の募集要項や採用のお知らせには、2026年2月時点で語学試験の点数の下限は書かれていません。学歴については、専門学校・短期大学・高等専門学校・4年制大学または大学院を卒業していることが条件として示されています。条件は年度ごとに変わるので、応募を考えている方は必ずその年度の募集要項をご確認ください。
収入が増えた年に、私が生活を変えなかった理由
乗務が増えて手当が多かった年もありました。そのときに生活の水準を上げてしまうと、路線が減った年に下げられなくなります。私は、増えた分はそのまま残しておく、という形にしました。節約が得意だったわけではなく、変動する仕事だと分かっていたから怖かった、というのが正直なところです。
残したお金をどこに置くかは、ずいぶん後になってから考え始めました。私は、将来も人の役に立ち続けると思える会社に、長く預けるという形を選びました。これは私の選び方なので、同じようにするのが良いとは申し上げません。ただ、収入が変動する仕事をしている方にとって、収入の線が一本しかない状態は心細いのではないかと思っています。
もし航空会社で働くことを考えている方がこの記事を読んでくださっているなら、給与の金額を調べることと同じくらい、その収入が変動したときにどうするかを先に考えておくと、後から楽になるかもしれません。私はそれを後回しにしてしまったので、ここだけは書き残しておきたいと思いました。
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