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こんにちは、バフェットかおるです。
先に結論を書きます。毎月コツコツ積み立てているのに「全然増えない」と感じるのは、失敗でも何でもありません。まだ資産のエンジンが小さいだけだと私は考えています。
年率6%で運用できた場合、1,000万円が1年で生み出す運用益は60万円。毎月5万円を積み立てている人の年間積立額と、ちょうど横に並びます。ここから投資は「自分だけで資産を増やすもの」から「資産が後ろから押してくれるもの」に変わる、というのがこの記事で書きたいことです。
年率6%という数字を置いた理由も書いておきます。最近の日本のインフレ率が3%程度であること、S&P500の長期の成長が暴落や回復を繰り返しながら年率9%程度であることから、9から3を引いて6としました。
※本記事は私個人の考えと調べたことの紹介であり、特定の銘柄・商品の購入を推奨するものではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。数字はシミュレーションであり、将来の成果を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
この記事の内容は、YouTubeの動画でもお話ししています。
投資は最初がいちばんしんどい|増えない理由は「元本」
S&P500や全世界株式で投資しているのに増えない、と感じている方。投資のやり方が間違っているわけでも、商品が悪いわけでもないと私は思っています。まだ資産のエンジンが小さいだけです。
同じ年率6%・20年間でも、元本でこれだけ違います。
| 元本 | 20年後(年率6%) |
|---|---|
| 100万円 | 約321万円(利益 +221万円) |
| 500万円 | 約1,604万円 |
| 1,000万円 | 約3,207万円 |
預金の利息で考えるとわかりやすいかもしれません。
- 100万円預けたら → 年6万円の利息
- 1,000万円預けたら → 年60万円の利息
- 3,000万円預けたら → 年180万円の利息
同じ利率でも、元本が少ないうちは利息も雀の涙です。だから最初の数年で「全然増えない」と感じるのは当たり前でした。
ウォーレン・バフェットの相棒チャーリー・マンガーも、「最初の1,000万円が一番しんどい」と言っています。
資産形成は、前半と後半で役割が変わると私は受け止めています。前半は準備期間で、自分が資産を育てる。後半は回収期間で、資産が自分を助けてくれる。最初は自分が押す。後半は資産が後ろから押してくれる。そんなイメージです。
複利が効き始めるライン|運用益が積立額に並ぶとき
複利が効き始めるラインは、「運用益が、自分の年間積立額に並ぶ瞬間」だと言われることがあります。
毎月5万円の人なら、年間積立額は60万円。資産が1,000万円になって年率6%で回ると、資産が生み出す運用益も60万円。自分の積み立てと、資産の働きが並ぶ。ここが大きな分岐点でした。
積立額ごとに、景色が変わるラインはこうなります(年率6%想定)。
| 毎月の積立額 | 景色が変わる資産額 |
|---|---|
| 5万円 | 1,000万円 |
| 10万円 | 2,000万円 |
| 15万円 | 3,000万円 |
これは私が、複利の効果をわかりやすく整理するための目印として使っているものです。厳密な境界線があるわけではありません。
多くの方は最初の5年で「思ったより増えないな」と判断して、降りてしまうそうです。でも本当は、複利が効き始める前に降りているだけかもしれない。ここが長期投資でいちばんもったいないところだと私は思っています。
複利は、子どもの成長に似ていると感じます。生まれてから数年は、毎日見ていると変化に気づきにくい。気づいたときには驚くほど大きくなっている。その「ぐんと伸びる時期」が来るまで、焦らず見守る時間が要るんですね。
株式の長期投資が持っている力
ジェレミー・シーゲルの『株式投資(Stocks for the Long Run)』に、有名なグラフがあります。1801年に1ドルを投資していたら、各資産は2021年にいくらになっていたか。
| 資産 | 2021年の金額 |
|---|---|
| 株式 | 約5,400万ドル |
| 長期国債 | 約50,206ドル |
| 短期国債 | 約5,677ドル |
| 金(ゴールド) | 約94ドル |
| インフレ(物価上昇) | 約23ドル |
株式は1ドルが5,400万ドル。文字どおり桁が違います。一方で、安全と思われがちな金は約94ドル、物価の上昇は約23ドルでした。
「グローバル・インベストメント・リターン・イヤーブック2025」によると、1900年に米国株に1ドル投資していたら、2024年末には名目で約10万7,000ドルになっていました。約10万倍です。
もちろん一直線ではありません。世界恐慌、第二次世界大戦、オイルショック、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショック。「もう株は終わりだ」と何度も言われてきた道のりを、全部乗り越えた人だけが手にできた数字です。
※実際に124年も握り続けるのは現実的ではありません。あくまで「複利と長期投資の力がこれほどある」という例として受け止めています。
現金にもリスクがある
現金は安心に見えます。生活防衛費や近いうちに使うお金は、現金で置いておくものだと私は考えています。
ここで一つ、正直に書いておきたいことがあります。私自身は過去に、本来は生活防衛費として残しておくべきお金まで投資に回してしまった時期がありました。私の場合はたまたま大きな問題にはなりませんでしたが、それは家計に別の支えがあったからにすぎません。生活費まで投資に回すと、突発的な出費に対応できず、暴落時に泣く泣く売る原因になります。私の失敗は、どうか真似なさらないでくださいね。
一方で、長く使わないお金まで全部現金で眠らせるのは、別のリスクだとも思っています。お金を守るとは「減らさないこと」だけではなく、将来の物価上昇に負けないことも、立派な守りだと受け止めています。
「暴落を待つ」のは正解か
バンガードの分析によると、一括投資とドルコスト平均法を比べると、過去のおよそ3分の2のケースで一括投資のほうが有利でした。理由は単純で、株式市場は長期では上がる期間のほうが多かったからです。
「もっと下がったら買おう」と思っているうちに相場は上がっていき、下がると怖くて買えない。また上がって「あの時買っておけば」。この繰り返しにはまる方は多いそうです。
いちばん難しいのは、底を当てることではなく「始める決断」でした。だからこそ毎月の積み立ては強いのだと思います。タイミングを当てにいかなくていいんです。
個別の会社に賭けるか、森ごと持つか
「株が長期で強いなら、有名企業を買えばいいのでは」と思われるかもしれません。でも私は、はじめのうちほど1社への一点勝負は避けたほうがいいと考えています。理由はシンプルで、世界経済は成長しても、すべての企業が生き残るわけではないからです。
ベッセンビンダー教授(米アリゾナ州立大学)の研究があります。1926年以降の米国株、約2万5,000社以上を調べたところ、米国株の約58%は、その一生を通じて1ヶ月物の米国債(ほぼ現金)にすら勝てませんでした。中央値の会社は、生涯リターンがマイナス(約−3.7%)です。
では、株式市場の富はどこから生まれたのか。答えは、わずか上位約4%の企業(約1,092社)でした。残りの96%は、全部合わせてもほぼ現金と同じリターンにしかならなかったそうです。
さらに、エクソンモービル、アップル、マイクロソフト、ゼネラル・エレクトリック、IBMのたった5社だけで、富の創造全体の約10%を占めていました。世界に広げると、1991年から2020年の世界の株式約6万4,000社のうち、純粋な富を生み出したのは上位わずか2.4%の企業だけです。
ここから私が受け取ったのは、こういうことでした。「世界経済が成長する」のは本当。でも、その成長を生むのは、ほんの一握りの会社だけ。この一握りを事前に当てて、しかも売らずに持ち続けるのは、私には難しい。
当たりの木を当てにいかなくても、森ごと持てば、その一握りの会社も自動的に手の中に入る。これがインデックスの強みだと思っています。そして高配当株投資でも、分散がそれだけ大事だということです。
インデックスは「森を持つ」発想
個別の会社は1本の木。当てにいく。枯れるかもしれない。インデックスは森全体。当てなくていい。新しい木が育ってくれる。
昔の勝ち組が沈み、新しい勝ち組が出てくる。その入れ替わりを自分で当てなくていいのが、インデックスの良さでした。好きな企業を応援する投資は楽しいですし、素晴らしいと思います。でも老後資金や家族の将来を支えるお金の土台として、私が選んでいるのはS&P500かオルカンかTOPIXです。
投資信託の「複利的効果」と、暴落時の見え方
銀行預金と投資信託はまったくの別物です。銀行預金(年0.3%くらい)は利率が約束されているので複利と言えます。一方、株式メインの投資信託は20%増えたり30%減ったりするので、厳密には複利ではなく「複利的効果」です。
複利的効果とは、利益を市場に残し続けることで、次の上昇の元本が大きくなる効果のこと。たとえば100万円が120万円になったとき、120万円で売れば利益は20万円で終わり。でも残してさらに10%上がれば、12万円が乗る。差は2万円です。
この2万円が、10年・20年・30年と続くと、どんどん積み上がっていきます。
暴落は「何の時間」か
ただし複利的効果は魔法ではありません。大きな元本で上がるということは、下落局面では大きな元本で下がるということ。痛みも大きくなります。
資産の増え方は、飛行機の上昇に似ていると感じます。離陸して高度を上げていく途中も、気流で機体は揺れます。でも、揺れたからといって飛行機から飛び降りる人はいません。揺れは「落ちる」サインではなく、「進んでいる」途中の現象です。
暴落が来ると、多くの方は「もう墜落だ、降りよう」と慌てます。でも長期で持つつもりの人にとっては、目的地に向かう途中の揺れに過ぎない。むしろ安い高度で多くの座席を買い込める時間だと私は受け止めています。
資産形成は、山登りにも似ています。頂上に向かう道は一本調子の上り坂ではありません。途中で下って、また上って、谷を越えながら、少しずつ高いところを目指していく。その下り坂のあとに、また大きく登る道が待っている。下りは、次の登りの助走なんですね。
私が見るようにしているのは、資産額だけではなく保有数(口数)です。基準価格が下がった月は、同じ5万円でも多くの口数が買えている。そこを見ていると、下げた月も怖くなくなりました。
暴落に強い、お金の分け方
- 生活防衛費 現金で守る
- 数年以内に使うお金 無理に投資しない
- 10年以上使わないお金 市場に置き続ける
いちばん難しいのは暴落を予測する力ではなく、暴落時にも続けられる設計だと思っています。
50代60代こそ「退屈な投資」が効く
「もう若くないから投資は遅い」とよく聞かれます。でも、必ずしもそうではないと私は考えています。
- 20代 時間はある、でも元本は小さい
- 50代60代 時間は20代ほどないけれど、退職金や貯金などまとまった元本がある
年率6%で置いたシミュレーションでは、こうなります。
| 条件 | 元本 | 結果 |
|---|---|---|
| 毎月5万円・30年 | 1,800万円 | 約5,023万円 |
| 初期500万円+毎月5万円・20年 | 1,700万円 | 約3,914万円 |
| 初期1,000万円+毎月5万円・20年 | 2,200万円 | 約5,518万円 |
つまり、年齢よりも「元本 × 時間」が効くということでした。人生100年時代です。60歳で投資をやめる必要も、65歳で全部現金化する必要もないと私は考えています。
使うお金と、育てるお金を分ける。これで年齢に関係なく、現実的に続けられるようになりました。
複利を味方につけるのに必要なのは、すごい才能でも、相場を読む力でもありませんでした。たった1つ、「退屈な投資を、退屈なまま続けること」です。
低コストのインデックスを買う。積み立て設定をする。暴落しても続ける。たまに資産配分を確認する。地味だから続く。地味だから、長期で市場にい続けられる。
まとめ|今は地味でいい、でも止まらない
日経平均が最高値を更新しても、自分の資産額がなかなか増えていなくても、私は焦らないことにしています。毎月積み立てて増えないのは、失敗ではない。まだ複利のエンジンが大きくなっていないだけです。
運用益が積立額に並び始めるライン。ここから景色が変わります。今日の積み立ては、今日のためだけではなく、10年後・20年後の自分を助ける一手になる。私はそう思って続けています。
当ブログで紹介している投資情報はあくまでも参考情報であり、特定の銘柄・投資商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。
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