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この記事は、もともと「米国債はAAA、日本国債はA、金利は2倍から3倍」と書いていたものを、2026年10月の公式データで確かめ直して書き直したものです。確かめてみると、米国債の格付けはもうAAAではありませんでした。日本国債との金利差も、2倍から3倍という開きではなくなっていました。古い数字をそのまま置いておくわけにいかないので、確認できたことだけを残し、確認できなかったものは取り下げています。米国総合債券ETFのAGGについて、公式の数字を並べたうえで、私がどう見ているかを書きます。
筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事の数字は2026年10月時点のものです。AGGの数値はiShares(ブラックロック)の公式ページ、米国の格付けはMoody’s Ratingsの公表資料、金利水準は市場公表値にもとづいています。債券の利回りや価格は日々動くので、実際に判断されるときは必ずご自身で最新の交付目論見書やファクトシートを確認してください。
AGGとはどんなETFか(2026年10月16日時点の公式データ)
AGGは、ブラックロックが運用する「iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF」です。米国の投資適格債券の市場全体に広く分散して投資するETFで、設定されたのは2003年9月22日。分配は毎月行われます。
公式ページで確認できた数字は次のとおりです。
| 経費率 | 年0.03%(現行の目論見書ベース) |
| 組入銘柄数 | 13,420本 |
| 純資産総額 | 約1,385億ドル |
| 30日SEC利回り | 5.08% |
| 12か月分配金利回り | 4.16% |
| 平均最終利回り | 5.38% |
| 実効デュレーション | 5.70年 |
| 分配頻度 | 毎月 |
(出典:iShares公式ファクトシート、利回りと銘柄数・純資産は2026年10月16日時点)
以前この記事には「7000本以上の債券に分散」「経費率0.04%」と書いていました。どちらも今の公式データとは違っていたので、上の数字に直しています。
「米国債はAAA」は、もう事実ではありません
ここがこの記事でいちばん直したところです。米国の国債(ソブリン)格付けは、3社そろって最上位から下がっています。
- S&P:2011年にAAAからAA+へ引き下げ。現在もAA+
- Fitch:2023年にAAAからAA+へ引き下げ。現在もAA+
- Moody’s:2025年5月16日にAaaからAa1へ引き下げ。見通しはネガティブから安定的に変更
Moody’sの引き下げは同社が公式に公表しているもので、これで主要3社のどこを見ても米国債はAAA(Aaa)ではなくなりました。「米国債はAAAだから安全」という言い方は、2026年10月の時点では成り立ちません。
ただ、AA+やAa1というのは最上位の一つ下で、投資適格のなかでも上のほうです。格付けが下がったからといって米国債が投資適格から外れたわけではない、というのも同時に押さえておきたいところだと思っています。
日本国債の格付けと、両国の10年金利を並べてみる
日本国債の格付けは、格付各社の公表値を集計したデータサイトで2026年10月に確認した範囲では、S&PがA+、Moody’sがA1、FitchがAで、いずれも見通しは安定的でした。確かに米国より下の位置にあります。元のタイトルにあった「日本国債はA」という部分は、A格帯という意味では間違っていませんでした。
ただし、これは一次資料そのものではなく集計サイトでの確認です。正確なところは各格付会社の公表資料でご確認ください。
金利のほうは次のようになっています。
- 米国10年国債利回り:約5.1%(2026年10月16日の市場公表値)
- 日本10年国債利回り:3%を超える水準(2026年10月時点)
日本の長期金利は、ここ数年でかなり上がりました。30年ぶりという水準まで来ています。
「金利は2倍から3倍」は取り下げます
元のタイトルには「金利は2倍から3倍」と書いてありました。これを計算してみると、約5.1%を3%で割って1.7倍ほど。2倍にも届きません。日本の長期金利が上がったことで、かつてあった差が縮まったわけです。
「2倍から3倍」はおそらく日本の長期金利が1%前後だった頃の話で、その時点では正しかったのだと思います。ただ今は違うので、この記述は取り下げます。金利差は時点によって変わるものだと、自分でも覚えておこうと思いました。
AGGの中身|格付けの内訳も変わっていました
この記事には以前「7000本以上のうち70%以上がAAAランク」と書いていました。ここも今の公式データとは違っていたので直します。2026年10月16日時点のiSharesの開示では、信用格付け別の内訳はこうなっています。
| AAA | 2.21% |
| AA | 73.54% |
| A | 11.93% |
| BBB | 11.50% |
| 現金・デリバティブ等 | 0.82% |
AAAが2.21%、AAが73.54%です。以前の「70%以上がAAA」が、そのままAAの欄に移ったように見えます。これはiSharesが格付けを3社(S&P、Moody’s、Fitch)の中央値で換算していると説明していることと関係しています。米国債の3社の格付けがAA+、Aa1、AA+になったので、中央値もAA帯に落ちた、という流れです。
つまりAGGの中身そのものが入れ替わったというより、組み入れている米国債の格付けが下がったぶん、表の見た目が変わったということだと私は理解しました。投資適格の範囲に収まっていることは変わっていません。
分配金は毎月。ただし利回りは固定ではありません
AGGは毎月分配です。そこは昔から変わっていません。
ただ、「利回り約4.5%」のような言い方を一度書いてしまうと、それがいつまでも正しいように読めてしまいます。実際には2026年10月16日時点で30日SEC利回りが5.08%、12か月分配金利回りが4.16%と、同じ日のデータでも見る指標によって数字が違います。金利が動けば両方とも動きます。
なので、この記事では利回りを固定の数字として書かないことにしました。買う前に公式ページでその日の数字を見る、という手順を自分でも踏むようにしています。
リスクのほうを先に書いておきます
債券は株より値動きが小さいと言われますが、動かないわけではありません。
- 金利が上がると価格は下がります。実効デュレーションが5.70年なので、ごく粗い目安として金利が1%上がると価格は5〜6%程度下がる計算になります。2022年のように金利が急に上がる局面では、債券でもはっきり値下がりします
- 為替の影響を受けます。ドル建ての資産なので、円高になれば円で見た評価額は減ります。分配金も円に換えるときの為替で変わります
- 信用リスクはゼロではありません。BBB帯が11.50%あります。投資適格のなかでは下のほうの区分です
以前この記事には「リーマンショックでも5%程度の下落で済んだ」と書いてありました。その数字の出どころを今回は確かめられなかったので、取り下げます。
私はこの数字をどう受け取ったか
私自身は高配当株を中心に持っていて、債券ETFを資産の柱にはしていません。ただ、今回調べてはっきりしたのは、「格付けが最上位だから安心」という覚え方は使えなくなった、ということでした。米国も日本も、国の信用力の評価は動きます。
私はウォーレン・バフェットのやり方を真似して、良い会社を割安なときに買って長く持つ、決算は自分で見る、わからないものは買わない、という3つを自分のルールにしています。債券ETFについても同じで、自分が中身と利回りの出どころを説明できないものは買わないことにしました。この記事を書き直したのも、自分が説明できない数字を置いたままにしたくなかったからです。
債券と株をどの比率で持つかは、年齢も収入も家族構成も違えば答えが変わります。私にとって正しかったことがほかの方に当てはまるとは思っていません。
この記事で取り下げた数字をまとめておきます
あとから読み返したときに分かるように、今回取り下げた記述を並べておきます。
- 「米国債はAAA」:3社とも最上位ではないため削除(S&P AA+、Fitch AA+、Moody’s Aa1)
- 「金利は2倍から3倍」:約5.1%と3%超で1.7倍ほどのため削除
- 「70%以上がAAAランク」:AAAは2.21%、AAが73.54%に修正
- 「経費率0.04%」:0.03%に修正
- 「7000本以上」:13,420本に修正
- 「運用資産8兆円以上」:約1,385億ドルに修正
- 「18年間でプラス103%」「年間平均利回り約4%」「リーマンショックでも5%程度の下落」「AAA債のデフォルト率30年間0.00%」:出どころを確かめられなかったため削除
分配金にかかる税金についても一言だけ。米国ETFの分配金は、米国で源泉徴収されたうえで日本でも課税されます。NISA口座で持つ場合の扱いも含めて、ここは制度の話になるので、具体的な判断は税理士や税務署、口座のある金融機関に確認してください。私も自分で調べたうえで、迷ったところは窓口で聞くようにしています。
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