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財務省は何を決めているのか|予算の流れと消費税・法人税の税率を公表資料で確かめました

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財務省は、国の予算案と税制改正の案をつくる官庁です。ただ、税率そのものを決めているのは国会が通す法律で、予算も国会の議決を経なければ成立しません。この記事では、その手続きと、消費税と法人税の税率がいまいくつなのかを、公表されている資料で確かめて並べました。前の版には評価や断定が多く入っていましたので、そこは全部外し、確認できた事実と、私が自分の家計でやってみたことだけにしています。

筆者は金融商品取引業のうち投資助言・代理業の登録を受けておらず、個別の銘柄や特定の金融商品、特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。本記事の数字は2026年10月時点のものです。税制は毎年改正されるため、具体的な判断は税理士や税務署にご相談ください。この記事は特定の省庁、政党、個人を批判したり支持したりする意図で書いたものではありません。

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財務省が決めていること、決めていないこと

まず手続きのところを整理します。日本国憲法第86条は、内閣が毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して審議を受け、議決を経なければならないと定めています。つまり予算案をつくるのは内閣(実務は財務省)ですが、成立させるかどうかを決めるのは国会です。

同じく第60条では、予算は先に衆議院に提出することになっています。参議院が衆議院と異なる議決をして、両院協議会でも意見が一致しないとき、または参議院が予算を受け取ってから30日以内に議決しないときは、衆議院の議決が国会の議決になります。

税率についても同じで、消費税率や法人税率は法律に書かれています。変えるには法律の改正が必要で、それを決めるのは国会です。財務省がつくるのは改正の案までです。

前の版には「国民の意思とは関係なく増税が決まる」「選挙で選ばれていない官僚が財政を握っている」という書き方がありました。案をつくる官庁と、決める国会が分かれているという手続きの事実と合いませんので、外しました。

予算ができるまでの日程を、実際の日付で見る

仕組みの説明だけだとぼんやりするので、実際の日付で見てみます。第一生命経済研究所のレポートに、2025年度予算の経過がまとめられていました。

時期 できごと
8月末 各省庁が概算要求を提出(期限として明示されています)
9月4日 概算要求・要望額が公表
その後 財務省が査定・調整
2024年12月27日 政府予算案を閣議決定
2025年1月24日 国会へ提出
2025年3月4日 衆議院本会議で可決
2025年3月31日 参議院本会議で可決

1年近くかけて動いていることがわかります。私はこの日程を知ってから、夏に「概算要求」という言葉がニュースに出てくる理由と、年末に予算の話が増える理由がつながりました。それまでは、急に決まったように見えていました。

消費税率は、いつ、いくらになったか

税務研究会がまとめている推移です。地方消費税を含む内訳も載っていました。

時期 税率 内訳(国+地方)
1989年4月1日(導入) 3% 内訳の記載なし
1997年4月1日 5% 国4%+地方1%
2014年4月1日 8% 国6.3%+地方1.7%
2019年10月1日 標準税率10% 国7.8%+地方2.2%
2019年10月1日 軽減税率8% 国6.24%+地方1.76%

軽減税率の8%は、標準税率が10%になったのと同じ日に始まっています。対象は飲食料品と新聞です。買い物のレシートで税率が2つ並んでいるのはこのためでした。

法人税の税率は、いまいくらなのか

中小企業庁のページで確認できた内容です。

  • 法人税の税率は原則として23.2%
  • 中小法人は、年800万円以下の所得の部分について15%(本則は19%)。これは平成24年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用され、適用期限は2027年3月31日までと記載されています
  • ただし単年の所得が10億円を超える中小法人では、年800万円以下の部分の税率は17%までの軽減にとどまります
  • 前3事業年度の所得金額の平均が15億円を超える法人は、この軽減税率の対象から除かれます

前の版には「大企業向けの法人税率は1980年代には40%以上だったのが、現在23.2%まで下がっている」と書いてありました。23.2%は確認できましたが、1980年代の数字は私が探した範囲で確認できなかったので、そちらは外しました。

中小企業向けの税制を、公式の資料で確かめ直す

前の版には中小企業向けの優遇税制が6項目並んでいましたが、数字の裏づけを確かめたら、合っているものと合っていないものがありました。中小企業庁の令和7年度のパンフレットで確認できた内容に直します。

  • 交際費:中小法人は「800万円までの交際費等の全額損金算入」と「接待飲食費の50%の損金算入」のどちらかを選べます。なお接待飲食費の50%損金算入は中小法人以外にも認められていて、事業年度終了の日における資本金の額等が100億円以下の法人に限る、という条件がついています。前の版は「大企業は50%まで」と書いていましたが、この条件に触れていなかったので直しました
  • 中小企業投資促進税制:取得価額の30%の特別償却、または取得価額の7%の税額控除を選べます。税額控除は資本金の額等が3,000万円超の一定の法人は対象外です
  • 研究開発税制:試験研究費の額の一定割合を税額控除できる、という記載までが確認できました。前の版にあった「15%」という控除率はこの資料では確認できなかったので外しました
  • 消費税の納税義務の免除:一定の要件を満たす事業者は納税義務が免除される制度があります。前の版にあった「売上1,000万円以下」「設立2年目まで」という条件は、この資料では確認できませんでした。実際の判定は国税庁の案内でご確認ください
  • 雇用関係の助成金:前の版で名前が挙がっていた助成金について、2026年10月時点の内容と要件を私は確認できませんでした。助成金は年度ごとに変わるため、厚生労働省の案内で確認するほうが確かです

こうして並べ直すと、私が前に書いていたことは、合っていた部分と、数字だけが独り歩きしていた部分が混ざっていました。

「国の借金」という言い方について

財務省は、国債と借入金、政府保証債務の残高を定期的に公表しています。「国民一人あたり○○万円」という言い方は、その残高を人口で割ったものです。

この割り算の言い方をどう受け取るかについては、立場の違う見方が並んでいます。政府の債務と家計の借金は性質が違うという指摘もありますし、将来の負担をどう見積もるかという論点もあります。私はこの記事で、どちらが正しいという結論は出しません。断じられる根拠を持っていないからです。

前の版には、財政の状況の説明が増税のために意図的に誇張されているのではないか、という趣旨の記述と、それを一方的に断ずる言葉がありました。どちらも評価ですので外しました。日本銀行が国債の半分以上を保有しているという数字も入っていましたが、2026年10月時点の割合を私は確認できなかったため外しています。保有の状況は日本銀行の資金循環統計で公表されています。

前の版から外したもの

何を外したかを書いておきます。

  • 省庁を名指しして攻撃する見出しと、本文中の同じ趣旨の表現
  • 実在の方の発言として、要約の形で引用されていたコメント。ご本人が実際にそう述べたかどうかを原典で確認できなかったため、すべて外しました
  • 省庁や政治家の関係について、断定的に決めつける評価の言葉
  • 「〜といわれています」「〜という疑念」だけを根拠にしていた記述
  • 出どころを確認できなかった数字(1980年代の法人税率、研究開発税制の控除率、消費税の免税の金額要件、日本銀行の国債保有割合)

外してみると、残ったのは手続きと税率の数字だけでした。それでも、私が知りたかったのは結局そこだったと思っています。

私が自分の家計でやったこと

制度の是非を論じるのは私の手には余るので、代わりに自分の数字を確かめることにしました。やったのは次の3つです。

  • 給与明細と源泉徴収票を並べて、所得税、住民税、社会保険料がそれぞれ1年でいくら引かれていたかを書き出しました。合計を見るまで、社会保険料のほうが所得税より大きいことに気づいていませんでした
  • 医療費控除とふるさと納税を、人に任せず自分で確定申告の画面に入力してみました。手が止まるところが自分の理解していない部分でした
  • 投資のほうは、配当金にかかる税金を受取金額と支払通知書で突き合わせました

自分が1年にいくら払っているかを数字で持ってから、ニュースの受け取り方が静かになりました。腹が立つことが減ったわけではないのですが、自分の数字を知らずに怒っていた状態からは抜けられました。

なお、税額の計算や控除が使えるかどうかは、その方の状況によって変わります。具体的な判断は税理士や税務署にご相談ください。

参考にした資料

  • 日本国憲法 第60条、第86条
  • 中小企業庁「中小法人の法人税率の軽減」のページ、および同庁の令和7年度 中小企業向け税制のパンフレット
  • 税務研究会(zeiken.co.jp)による消費税率の推移のまとめ
  • 第一生命経済研究所のレポート(2025年度予算の経過)

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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。

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