月曜はブラックマンデーか 為替介入で先物1,200円安、金曜の急騰は何だったのか
こんばんは、バフェットかおるです。
先週金曜日、日経平均は2,494円高。ニュースでは「大幅高」「AI・半導体関連が軒並み高」と報じられました。
でも、同じ日。値下がりした銘柄は129、値上がりは96でした。下げた銘柄のほうが、多かったんです。
そして金曜の夜、日経225先物は1,200円ほど下げています。
今夜は、この「ズレ」の正体をお話しします。月曜の株価を当てにいく動画ではありません。この乱高下のなかで、私たちが何をしてはいけないかを、ご一緒に確認していきます。
まず先週1週間を、数字だけで振り返ります。
7月28日、火曜日。 日経平均は2,566円安。率にして3.95%の下落です。終値は6万2,364円。約2カ月ぶりの安値水準でした。
7月29日、水曜日。 さらに930円安の6万1,434円。取引時間中には一時1,162円安の6万1,201円まで下げて、5月21日以来の安値をつけています。
きっかけは、AI・半導体をめぐる決算への失望でした。アメリカで半導体製造装置メーカーの決算が「悪くはないが、期待には届かない」と受け止められ、韓国市場も大きく下げ、その流れが東京にも及びました。
そして7月31日、金曜日。 一転して2,494円高の6万4,362円。一時は6万5,000円台まで戻しています。
前日のアメリカで、マイクロソフトの決算が好感され、フィラデルフィア半導体株指数、SOX指数が8%を超える上昇となった。その流れです。
2日で3,500円下げて、1日で2,500円戻す。金曜日の日中の値幅だけで3,400円ありました。
普通ではありません。ここからが本題です。
金曜日の2,494円高。この中身を、寄与度で分解してみます。
- アドバンテスト プラス1,101円
- ソフトバンクグループ プラス513円
- 東京エレクトロン プラス328円
- イビデン プラス201円
- キオクシア プラス164円
合計しますと、およそ2,300円。
上位5銘柄だけで、2,494円のほとんどを説明できてしまうんです。アドバンテスト1銘柄で、全体の4割以上。
一方その日、下げた銘柄はどうだったか。第一三共はマイナス11%。デンソーはマイナス10%。野村総合研究所はマイナス16%。医薬品、自動車部品、情報サービス。私たちの生活に近い、内需やディフェンシブと呼ばれる銘柄が、大きく売られていました。
NT倍率、日経平均をTOPIXで割った数字ですが、これが16.08倍まで、1日で2.75%も拡大しました。日経平均だけが、値がさの半導体株に持ち上げられた、ということです。
つまり金曜日は、**「日本株が上がった日」ではなく、「半導体株が上がった日」**でした。
日経平均という数字は、私たちの資産の平均ではありません。ここは、今日いちばんお伝えしたいところです。金曜の夜、為替が動きました。
政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切りました。政府関係者は「今回は事前予告しない作戦だ」と話しています。日銀の金融政策決定会合の最中という、完全なサプライズでした。
ドル円は162円台後半から一気に円高に振れ、5円程度動いています。一時157円台をつけました。
日経平均は、輸出企業とハイテク企業の比率が高い指数です。円高になると、真っ先に売られます。
その結果、土曜の未明時点で——
- 日経225先物ミニ 約6万3,225円
- CFDの日本225 約6万3,141円
金曜の現物終値6万4,362円と比べて、1,100円から1,200円安い水準です。率にしてマイナス1.8%から1.9%。
そして、下げているのは誰か。
海外に上場している日本株、ADRの値動きを東証終値と比べますと——
ファナックがマイナス9.73%、東京エレクトロンがマイナス5.30%、ソフトバンクグループがマイナス5.04%、ディスコがマイナス3.93%、アドバンテストがマイナス3.73%。
金曜日に指数を持ち上げた、その本人たちです。
寄与度で概算しますと、東京エレクトロンでマイナス280円、アドバンテストでマイナス250円、ソフトバンクグループでマイナス190円、ファナックでマイナス110円。この4銘柄だけで、先物の下げ幅の7割近くを説明できてしまいます。
上げたものが、そのまま下げている。それだけの話なんです。
ここで一つ、大事な確認をさせてください。
同じ7月31日、アメリカの市場はどうだったか。
ダウはプラス0.45%、S&P500はプラス0.40%、SOX指数もプラス0.77%。堅調だったんです。
つまり今回の先物安は、アメリカ発ではありません。為替介入による円高という、日本固有の材料と、金曜に吹き上がった分の反動。この2つです。
もう一つ、背景として押さえておきたいのが金利です。
アメリカの10年国債利回りは4.740%まで上昇。日本の10年国債も2.815%に上がっています。ヨーロッパでもインフレ率が加速し、利上げ観測が強まっています。
金利が上がると、なぜハイテク株が売られるのか。
株価というのは、その会社が将来生み出す利益を、今の価値に割り引いて評価したものです。金利が上がるということは、この「割り引く力」が強くなるということ。将来の利益への期待で買われている銘柄ほど、逆風が強いわけです。
だから半導体が売られる。
そして逆に、金利上昇が追い風になるところがあります。夜間、三菱UFJはプラス0.22%、三井住友フィナンシャルグループはプラス0.81%、みずほフィナンシャルグループはプラス1.02%。銀行株は、東証の終値を上回っています。
金利上昇で、ハイテクが売られ、金融が買われる。教科書どおりのセクターローテーションが、一晩でそのまま出た形です。
ここからは、私自身の話をさせてください。
私は74銘柄、16業種以上に分散して保有しています。その中に、アドバンテストも、東京エレクトロンも、ファナックもありません。
ですから、金曜日のプラス4%の恩恵は、ほとんど受けていません。
そのかわり、あの夜のマイナス1,200円のダメージも、ほとんど受けません。
一方で、銀行株は保有しています。金利が上がる局面では、こういう銘柄が支えになってくれる。
これが、業種を分けて持つということの意味だと私は思っています。
全部が同じ日に上がることはありません。でも、全部が同じ日に下がることも、ありません。
私はJALが破綻したとき、株主でした。あのとき学んだのは「値動きが怖い」ということではないんです。**「1つに賭けることが怖い」**ということでした。
株価は3日で5%以上動きました。でも、企業が決めた配当の方針は、3日では変わりません。
決算が出て、業績が変わって、そのうえで会社が判断する。それが配当です。指数が1,200円動いたから、配当が減るわけではない。
ここを混同しないでいただきたいんです。
最後に、明日以降やってはいけないことを3つ。
ひとつめ。寄り付きの下げを見て、慌てて売ること。
為替介入のあとの相場は、数日かけて落ち着きどころを探します。介入直後のドル円の水準が、そのまま続くとは限りません。1日で判断する必要はありません。
ふたつめ。逆に「押し目だ」と、いつもより大きな金額を入れること。
日経平均ボラティリティー・インデックスは、先週37台をつけました。平常時は20前後です。1日のうちに29から38を行き来する、そういう週でした。相場が荒れているときに、いつもと違う金額を動かす。これがいちばん危ないと、私は思っています。
みっつめ。指数の数字だけで、自分の資産を判断すること。
これは今日ずっとお話ししてきたことです。日経平均が4%上がった日に、値下がり銘柄のほうが多かった。指数と、あなたのポートフォリオは、別物です。
野村證券の分析では、こうした急落のあと、景気後退がなければ下げ圧力は沈静化しやすいものの、それでも直近高値を取り戻すには1年ほどかかるケースが多かった、とされています。
急ぐ相場ではない、ということだと私は受け止めています。
指数が1,200円動いても、企業が決めた配当は動きません。私たちが見るべきなのは、明日の株価ではなく、その会社が10年後も配当を払い続けられるかどうかです。
荒れた週こそ、この順番を思い出してください。
今日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
この動画は、公開されている情報をもとに私個人の考えを整理したものであり、投資助言ではありません。特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、将来の株価や配当を保証するものでもありません。動画内の数値は2026年8月1日未明時点のもので、月曜日の寄り付きまでに変動します。投資の判断は、ご自身の責任と判断でお願いいたします。
構成メモ:想定14分。8分の収益ラインは余裕でクリアします。第2章(寄与度の分解)が最大の見せ場なので、ここは急がずに数字を1つずつ読み上げてください。逆に第4章の金利の説明は早口にならないよう、図を出したまま5秒黙る間を作ると、テレビで見ている層にも届きます。
スライド16枚、このまま組みますか。白背景・黒文字・重要箇所は赤・大フォントで作ります。

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