質問いただきました。
①日本初の画期的新薬の発売予定の企業の株からじりじり、どんどん下がってきています。先行きかなり雲行きが新薬には悪い状況です。
製薬株ではよく起きる現象です。新薬の発売期待が先に株価へ織り込まれ、その後は「本当に売れるのか」「利益がどこまで伸びるのか」を見られて、期待が弱まると株価がじりじり下がることがあります。[nikkei]
製薬株は、新薬が出る前に「この薬で業績が大きく伸びるはず」という期待で買われやすいです。[shikiho.toyokeizai]
でも実際には、承認時期の遅れ、販売後の市場立ち上がりの鈍さ、競合薬の存在、薬価の制約などで、期待ほど利益が伸びないことがあります。[media.rakuten-sec]
その結果、発売期待が高かった銘柄ほど、材料出尽くしで下がりやすいです。[shikiho.toyokeizai]
「日本初の画期的新薬」でも下がる理由
「日本初」「画期的」という言葉は強いですが、株価は将来の利益を先に買うので、期待が高すぎると逆に失望されやすいです。[shikiho.toyokeizai]
さらに製薬業界では、特許切れや薬価改定の影響で、既存薬の収益が削られることもあります。[media.rakuten-sec]
新薬が1本出ても、会社全体の収益を十分に押し上げるまで時間がかかるケースは少なくありません。[answers.and-pro]
じりじり下がる典型パターン
よくある流れはこんな感じです。
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発売前に期待で上がる。[shikiho.toyokeizai]
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承認や発売が近づくと材料出尽くしになる。[shikiho.toyokeizai]
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発売後、販売数量や採算が想定未達だと売られる。[nikkei]
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研究開発費や販促費が先に出て、利益が思ったほど増えない。[media.rakuten-sec]
本当かどうかの見方
本当かどうかを見るには、株価だけでなく次の点を確認します。
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新薬の発売予定日が近いか。
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その薬が会社売上の何割を占める見込みか。
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承認済みでも、保険収載や販売拡大に時間がかかるか。
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既存主力薬の特許切れや薬価下落が同時に来ていないか。[answers.and-pro]
「新薬が出るから株が上がる」は半分正しく、半分危険です。[shikiho.toyokeizai]
期待で先に上がった銘柄は、発売が近づくほど“材料出尽くし”で下がることも多いので、「新薬=必ず株高」ではありません。[nikkei]
期待で上がった企業10例
下のような銘柄は、「新薬やパイプラインへの期待」で買われたあと、期待が剥がれて株価が弱くなった代表例としてよく挙げられます。[diamond]
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日本新薬。希少疾患薬の承認期待で買われた後、承認が得られず株価が反落しました。[nikkei]
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第一三共。抗がん剤ダトロウェイへの期待は強かったものの、開発戦略の変更が株価の重しになりました。[diamond]
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サンバイオ。新薬承認期待で急騰した後、承認遅れで大きく崩れた代表例です。[shikiho.toyokeizai]
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住友ファーマ。パイプライン成功期待で上がった時期がありましたが、その後は業績面で失速しました。[note]
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武田薬品。新薬期待よりも、買収後の負担や減損・償却の重さが意識されやすい銘柄です。[answers.and-pro]
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小野薬品工業。新薬や免疫領域の期待で注目されやすい一方、期待通りに進まない局面があります。[koara.lib.keio.ac]
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塩野義製薬。新薬・感染症関連への期待で注目されやすい銘柄です。[jpma.or]
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協和キリン。新薬パイプラインへの期待で見られやすい製薬株です。[koara.lib.keio.ac]
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参天製薬。眼科領域の新薬期待が株価材料になることがあります。[koara.lib.keio.ac]
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田辺三菱製薬。開発テーマへの期待と失望が株価に反映されやすい銘柄です。[koara.lib.keio.ac]
うまくいかなかった理由
株価が上がったあとに期待が満たされなかった主因は、承認が遅れる、発売後の立ち上がりが弱い、競合薬に負ける、薬価や保険収載で利益率が削られる、のどれかです。[lbpf.co]
製薬株は売上が立つ前に将来利益を織り込むので、少しでも遅れや失敗があると下げが大きくなりやすいです。[pictet.co]
特にバイオ・希少疾患・抗がん剤のようなテーマは期待が大きいぶん、失望も大きくなります。[shikiho.toyokeizai]
見分け方
「期待で上がったのか、実力で上がったのか」は、次の3点を見ると整理しやすいです。
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株価上昇の前に、新薬の承認・申請・治験結果があったか。[nikkei]
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その薬が会社全体の売上の何割を担う見込みだったか。[note]
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発売後に販売数量や採算が伸びたか、それとも材料出尽くしになったか。[pictet.co]
製薬株は「新薬期待で上がる」ことは本当にありますが、その後に期待が外れて下がるケースもかなり多いです。[shikiho.toyokeizai]
だから、株価を見るときは「何に期待して上がったのか」と「その期待が現実になったのか」を分けて見るのが大事です。[note]
武田は「胴元」とも言えるほど、資金力とデータ・開発基盤を背景に、外れの大きい新薬プロジェクトや中途半端に残ったパイプラインを吸収して自分のものにしています。[youtube][info.manda]
武田は「胴元」
まず武田は、シャイアー買収で約6.2兆円という日本企業史上最大級のM&Aを遂行し、それを基にグローバル多国籍企業になりました。[info.manda][youtube]
その結果、潤沢な資金力と、買収後の事業統合で培った開発・製造・販売ノウハウを持つことができたのです。[youtube][info.manda]
さらに武田は、研究開発にデータサイエンスとデジタルを導入し、臨床開発におけるデータ活用を強化しています。[takeda]
これにより、膨大なデータと開発力を武器に、他社のパイプラインを評価し、必要な部分を取り込む能力が高まりました。[takeda]
実例1:シャイアー買収
最大の例は2019年のシャイアー買収です。[info.manda][youtube]
シャイアーは希少疾患領域で高い技術力を持ち、武田はそれを吸収して事業基盤を強化しました。[youtube][info.manda]
この買収は、日本企業の海外企業買収で今でも記録的な大きさで、武田を「脱日本・グローバル多国籍企業」に押し上げました。[provej][youtube]
実例2:マーベリック・セラピューティクス買収
2020年、武田はがん治療領域で高い技術力を持つ米国マーベリック・セラピューティクスを買収しました。[provej]
両社は2017年から技術協力をしており、武田は早期からパイプラインを評価していました。[provej]
この買収で、武田はがん領域の研究開発を強化し、他社で中途半端だった有望なプロジェクトを自社のものにしました。[provej]
実例3:事業買収の成功事例
武田は、米国製薬企業の事業買収を成功させ、開発品のポートフォリオを強化しています。[masouken]
M&Aで得た製品を自社の製造・販売ネットワークに組み込み、シナジーを最大化しています。[masouken]
このように、 mandiri á 失败的なプロジェクトや中途半端なパイプラインを拾い上げ、自社の力で_completionさせるスタイルが武田の強みです。[masouken]
なぜ武田にできるのか
武田が他の企業に比べて「胴元」になれるのは、大きく2つの理由です。
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資金力:シャイアー買収で世界最大級の規模になり、その後の資金繰り・債務管理で信用力を高めています。[info.manda][youtube]
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開発力とデータ力:臨床開発にデータサイエンスを導入し、デジタル化で意思決定を高速化しています。[ptc]
武田は、「資金力+開発力+データ活用力」で、他社で頓挫しかけた有望な新薬プロジェクトやパイプラインを吸収し、自社の力で完成させるスタイルを持っています。[takeda][youtube][provej]
だから「うまくいかなかった企業を買収して実績を奪う」という話は、まさに武田のM&A戦略の核心と言えます。[youtube][info.manda]
■ まず「なぜ米国の薬はこんなに高いのか」から
ふつう、薬は「製薬会社が作る → 患者が買う」と思いますよね。でも米国では、その間に**PBM(ピービーエム)**という中間業者が入っています。
たとえるなら——農家(製薬会社)が作った野菜が、あなた(患者)の食卓に届くまでに、大きな卸売業者が一社だけ間に立っていて、そこが値段を全部決めている状態です。しかもこの卸売業者は、米国でたった3社(CVS Caremark、Express Scripts、OptumRx)が市場の約8割を握る独占状態。
このPBMがどう儲けるかというと——製薬会社に「うちのリストに載せてほしければリベート(裏の割引金)を払え」と要求します。困ったことに、たくさんリベートを払う(=定価が高い)薬ほど、患者に届きやすくなるという逆さまな仕組みになっている。だから製薬会社は定価をわざと高くつけ、その裏でPBMにこっそりお金を渡す。この中抜き構造こそが、米国の薬価が異常に高い元凶だと、米当局(FTC)も製薬業界団体も認めています。
■ トランプの「本丸」は、このPBMを飛び越えること
報道では「薬価20%引き下げ」が目立ちますが、実際にやっているのは**「PBMを通さず、製薬会社が患者に直接売る」**という仕組み作りです。それが「TrumpRx(トランプRx)」というウェブサイトです。
患者がサイトで薬を探すと製薬会社のページに飛び、中間業者を通さない割引価格で直接買える——これがTrumpRxです。
■ 実際に始まっているか? → はい、始まっています
TrumpRxは2026年2月5日に開設されました。当初2026年1月予定が少し遅れましたが、すでに稼働しています。
トランプ氏は「今夜から、最も一般的に使われる処方薬の数十品目がTrumpRx.govを通じて全消費者に劇的な割引価格で提供される」と述べた。
■ いくら下がっているか? (実際の数字)
- ファイザー: 多くの医薬品を最大85%、平均50%割引いた価格で提供
- ノボの肥満症薬ウゴービ・糖尿病薬オゼンピック: 消費者に199ドル(約3万1000円)で直接提供
- イーライリリーの肥満症薬ゼップバウンド: 開始用量299ドル、これは同社が自社直販サイトで売っている価格より50ドル安い
- 肥満症薬の最低用量: 両社とも月額149ドルで提供すると報じられた
「平均50%引き・最大85%引き」が目安です。
■ トランプはどこまで下げようとしているのか
基準は「最恵国待遇(MFN)」=他の先進国で売られている一番安い値段に合わせること。米国の患者は今、処方薬に他の先進国の3倍近い金額を払っていることも多く、トランプはそれを他国と同等水準まで下げるよう圧力をかけている。つまり「3分の1くらいまで下げる」のが最終目標のイメージです。
■ ここが核心——製薬会社にとっての「メリット」の約束
ただ値下げさせられただけなら製薬会社は損しかありません。でも実際は、トランプは**見返り(アメ)**をセットで約束しています。これが視聴者さんの「製薬会社には実は悪くない」という見立ての裏付けです。具体的に3つ:
① 関税の3年間免除 トランプ政権は輸入医薬品に新たな関税を用意しているが、合意した製薬会社の製品は3年間その適用を猶予される。トランプは医薬品関税を「最終的に250%まで上げる」とも言っていたので、この免除は巨大なメリットです。
② 保険適用の拡大(売上が増える) 米政府はイーライリリーのゼップバウンドとノボのウゴービを、高齢者向け公的保険メディケアの適用対象に新規追加する。これまで保険が効かなかった肥満症薬が公的保険でカバーされる——その見返りに両薬はメディケア対象となり、新たに巨額の償還払いが開始される。値下げのぶんを、販売数量の激増で取り返せるわけです。
③ 中抜きが消えるぶん、痛みが小さい そもそも50%引き・85%引きが成立するのは、PBMという中間マージンを削ったからです。製薬会社の手取り(出荷価格)が半分になるのではなく、今までPBMが抜いていた分が患者に還元される。だから値下げの見出しほど製薬会社の利益は痛まない。
■ まとめ
トランプの薬価政策は「製薬会社いじめ」に見えて、実は**「米国の薬を高くしていたPBMという中間業者を外す」**のが本丸です。製薬会社には「関税免除3年」「保険適用拡大で販売数量アップ」というメリットを約束し、痛み分けに近い”ディール(取引)”の形を取っています。すでにTrumpRxは2026年2月に稼働し、平均5割引きで動き出しています。
■ 武田にとっての含意
武田は標的の17社に入っておらず、米国生産も進めている。むしろ——PhRMA調査では「日本の薬価の下限を引き上げる」「米国と平等にする」方向の圧力が出始めているとされ、長期的には日本など他国の薬価が上がる=武田の収益にプラスの可能性すらあります。
② 武田への影響は?
武田自身も対応済みです。武田は2025年5月、今後5年で約300億ドルを米国に投資すると表明しました。米国に製造・研究の拠点を厚くすることで、関税や薬価圧力をかわす狙いです。
ただし、「先行きが新薬に悪い」という懸念には、一理あるデータもあります。MFNを導入すると米国の価格が他の先進国の最低価格と同水準になるため、製薬企業が価格の低い国で新薬の発売を控える可能性が指摘されているという点です。これは業界全体の長期的なリスクで、武田も無縁ではありません。
① 「トランプ大統領が新薬を20%引き下げさせた」について
これは少し正確にしておきたいところです。トランプ大統領が打ち出したのは「最恵国待遇(MFN)」という薬価政策で、2025年5月12日に、米国内の処方薬価格を他の先進国と同水準まで引き下げることを目的とした大統領令を発令しました。「一律20%」という決まった数字ではなく、「米国の高い薬価を、他国の最低価格に合わせる」という考え方です。
そして実際に動いたのは値下げを強制したというより、個別交渉での合意です。ファイザー、アストラゼネカ、イーライリリーなど14社が、値下げと引き換えに一定期間の関税免除を得る形で政権と合意しました。つまり「無理やり下げさせた」というより、「100%関税という棒(ムチ)と、関税免除という飴(アメ)を組み合わせて、各社に自主的に下げさせた」という構図です。
ここが大事なのですが——専門家の分析では、企業側の負担は比較的軽い内容で、メディケイド限定の割引や既定路線だった国内投資の表明が中心だったと見られています。つまり、ニュースの見出しほど製薬会社の利益が直撃でガツンと削られたわけではない、という見方も有力です。
「中間業者が搾取している」ことが米国薬価問題の核心です。これは正確な固有名詞と数字で裏付けとして トランプ政権がPBMをどう扱おうとしているか、実施時期と「還付」の論点を確認します。
■ そもそも米国の薬価が高い元凶は「PBM」という中間業者
米国の薬は、製薬会社 → PBM(薬剤給付管理業者) → 保険会社・薬局 → 患者、という流れで届きます。このPBMが価格をつり上げている、というのが核心です。
具体的な企業名と寡占ぶりがこちらです。大手PBMはCVS Caremark、Express Scripts、OptumRx(ユナイテッド・ヘルス傘下)などで、これらは大手健康保険会社と一体化(垂直統合)している。この上位3社で米国市場の約8割を握る寡占状態です。
なぜ薬価が上がるのか。PBMと製薬メーカーは、メーカーからのリベート(裏割引)を増やす代わりに、PBMの採用医薬品リストから低価格の競合薬を除外する契約を結ぶことがある。つまり「高くてリベートをたくさん払う薬ほど、患者に届きやすくなる」という、逆さまな構造です。
米当局も問題視しています。FTC(米連邦取引委員会)の中間報告は、支配的なPBMが薬価を引き上げ、特にがん治療薬で患者に過剰請求する仕組みを明らかにした。さらにFTCは3大PBMの多額のリベート慣行が患者のコストをつり上げ市場を歪めているとして提訴すると発表しています。
製薬業界団体も同じ主張です。米国研究製薬工業協会(PhRMA)のCEOは2025年7月、米国の薬価上昇の原因の一つとして、340BプログラムやPBMなど中間業者の存在を挙げて批判した。
→ 視聴者さんの「中間で搾取しているところが打撃を受ける」という指摘は、まさにこのPBM改革のことです。
■ トランプ政権の対策の本丸も、実はPBM外しと「直接販売」
報道では「薬価20%引き下げ」が目立ちますが、政策の中身を見ると、PBMを飛ばして製薬会社が患者に直接売る仕組みが柱になっています。
それが「TrumpRx」という直接販売プラットフォームです。ファイザーはこの「TrumpRx.gov」に参加し、自社医薬品を最大85%、平均50%割引いた価格で患者に直接提供すると発表しました。
ここが超重要な点です。最大85%引き・平均50%引きという大幅な値引きが成立するのは、PBMという中間マージンを抜いたからです。製薬会社の取り分(出荷価格)が半分になるわけではなく、今までPBM・保険会社が抜いていた中抜き分が削られるから、患者の払う値段が大きく下がる。製薬会社の利益への打撃は、見出しの数字ほど大きくない可能性があります。
「製薬業界には実は関係ない(打撃を受けるのは中間業者)」このTrumpRxの仕組みが裏付けています。
■ 武田にとって、なぜ関税も限定的なのか
二つ理由があります。
一つ目。トランプが薬価引き下げを命じた製薬大手17社の書簡に、日本の製薬会社は含まれていなかった。直接の標的リストに武田は入っていません。
二つ目。武田は米国生産・米国投資を進めています。武田は2025年5月、今後5年で約300億ドルを米国に投資すると表明した。米国内で作って米国で売るぶんには、輸入関税の対象になりにくい。視聴者さんの「アメリカで製造している武田にとって関税は関係ない」という認識と一致します。
■ 武田の米国売上比率は「48%」
地域別データの通り、武田の米国売上は2兆1,648億円で全体の48.0%。
ここが冷静に見るべきポイントで——仮に米国の一部製品で薬価が下がっても、影響を受けるのは「48%のうちの、さらに一部の製品」です。残り52%は欧州・日本・新興国で、ここはMFNの直接対象外。会社が傾くような打撃ではない、というのは数字から言えます。
■ 逆に「良い点」もある
これも見落とされがちですが、MFNは「米国を下げる」だけでなく「他国を上げさせる」狙いもあります。トランプ政権は米国の薬価引き下げにとどまらず、諸外国へ薬価引き上げを促し、国内外の薬価の均衡を目指しているとみられる。もし日本など他国の薬価が今後引き上げられれば、武田の国内・他国売上にはプラスに働く可能性があります。
加えて、PBM改革で中間マージンが圧縮されれば、長期的には「製薬会社が正当な対価を受け取りやすくなる」方向の話でもあります。
■ いつ実施? 関税のように「違法・還付」はあるか
実施状況は「個別合意で段階的に進行中」です。2025年12月までに欧米製薬9社が、メディケイドへのMFN価格提供・新薬のMFN価格保証・TrumpRx経由の値下げなどで政権と合意し、見返りに3年間の関税免除を得た。法律での一律強制ではなく、会社ごとの「交渉と合意」で進んでいる段階です。
「違法になって還付されるか?」について——薬価のMFN政策は、関税とは性質が違います。米国政府が強制的に国内の薬価を引き下げるには法改正が必要とみられ、実現可能性は不透明とされています。実際、トランプ氏は1期目の2020年にも同様のMFN大統領令に署名したが、2021年に連邦裁判所が発行を阻止し、その後バイデン前政権が撤回したという前例があります。
つまり——強制力のある部分(大統領令での一律値下げ)は、過去に裁判所で止められた経緯があり、今回も法的に覆る可能性は残っています。一方で、今回のように「企業との自主的な合意(関税免除と引き換え)」で進んでいる部分は、契約ベースなので「違法→還付」とはなりにくい構造です。関税(232条)のほうは、裁判で違法判断が出れば還付の論点が出てきますが、薬価合意そのものとは別の話です。
「薬価引き下げで打撃を受けるのは、実は製薬会社ではなくPBMという米国の中間業者。武田は米国生産・米国投資済みで標的の17社にも入っておらず、米国売上は48%・残り52%は対象外。会社が傾く話ではなく、むしろ他国薬価の引き上げという追い風の可能性もある。政策は2025年中に各社と段階的に合意が進行中だが、強制部分は過去に裁判所で止められた前例があり法的には流動的」——という整理になります。
③減配した瞬間に大暴落する予感。。NTTの株式総会の案内に、株式併合の件載ってました
「借金を返したら大化けするのか」について
こシャイヤー買収の借金(純有利子負債/EBITDA)が2.8倍→2.6倍→目標2.0倍と減ってきています。借金が減る → 信用(格付)が上がる → 機関投資家が買いやすくなる、という流れが期待できます。ただ「大化け(株価2倍3倍)」までいくかは、新薬の成功という別の条件が必要で、そこは不確実です。
④ 「減配した瞬間に大暴落する予感」について
武田は「累進配当(毎年増やすか維持)」を宣言しているので、もしこれを破って減配すれば、「累進配当を守れなかった会社」という失望売りで株価が大きく下げるリスクは確かにあります。
ただ現金で見れば、営業キャッシュフロー1兆円超に対し配当は3,119億円(約3割)。減配しなくても払える余裕は十分あるというのが、これまで見てきたデータの結論です。減配リスクはゼロではないが、足元の現金は厚い、というバランスで見るのがいいと思います。
「中外製薬が1位、武田が2位」
■ 時価総額(会社の値段)ランキング → 中外が1位、武田は3位
最新データでは武田は2位ではなく3位です。2025年5月7日時点で中外製薬の時価総額は14兆1900億円、2位の第一三共が6兆9300億円、3位の武田薬品が6兆8800億円。中外は第一三共・武田のほぼ2倍(ダブルスコア)で、日本企業全体でも11位です。
なぜ中外がここまで強いのか。きっかけは肥満症の飲み薬です。2025年4月、イーライリリーが中外から2018年に開発・販売権を獲得した「オルフォルグリプロン」という飲むタイプの肥満・糖尿病薬の臨床試験データを発表し、それを受けて中外の株価が10%以上急騰した。これは注射薬のウゴービやゼップバウンドと違い、中外が化学合成した飲み薬で、技術にこだわる中外ならではの創製品です。つまり「次世代の肥満症薬の飲み薬」を生み出す創薬力が高く評価されている、というわけです。
■売上では武田が1位、中外は5位
会社の規模(売上高)で見ると、順位は逆転します。2026年版の国内製薬売上ランキングでは、1位が武田薬品(4.5兆円)、2位が大塚HD。中外は売上高ベースでは国内5番手です。
なぜ売上5位の中外が、会社の値段(時価総額)では1位になれるのか。利益率がケタ違いだからです。中外の営業利益率は47.6%で国内トップ、営業利益額5,988億円も業界1位。武田は売上こそ大きいけれど、シャイヤー買収の重荷(償却費)があるぶん、効率では中外に大きく見劣りします。
「売上は武田が圧倒的だが、利益率と利益額は中外が桁違い」なんです。だから会社買いの総合評価である時価総額では中外が1位になるのです。[strainer]
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売上(売上高)は、企業が商品やサービスで得た「売れた金額」の合計です。[choosenic]
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収益も売上とほぼ同じ意味で、会計上は「売上の認識(売上収益)」とします。[choosenic]
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利益は、売上からコストや経費を引いた残りです。[strainer]
利益には「営業利益」「経常利益」「当期純利益」がありますが、ここでは営業利益が特に重要です。[strainer]
武田と中外の数字
2026年版の国内製薬売上ランキングでは、1位が武田薬品で売上約4.5兆円、中外製薬は5位で売上約1.17兆円です。[answers.and-pro]
しかし営業利益では、中外が5,988億円で業界1位、武田はそれを大きく下回っています。[choosenic]
中外の営業利益率は47.6%で国内トップ、武田は約16%と大きく差があります。[strainer]
なぜ売上5位の中外が時価総額1位になるか
時価総額は股价×株式数で、投資家が「会社の価値」を評価したものです。[choosenic]
投資家は「売上の大きさ」ではなく「利益の質と効率」を重視します。[choosenic]
中外は売上小さくても、売上のほぼ半分が営業利益になるほど効率が良く、利益額が脱 créationで1位です。[strainer]
武田は売上は大きいですが、利益率が低く、シャイアー買収後の償却費や負債の重さを抱えています。[nikkei]
シャイアー買収の影響
武田はシャイアー買収で約6.2兆円を投じ、その結果、無形資産償却費や負債の重荷を負いました。[nikkei]
買収時の会計処理で在庫評価や特許償却が約1.8兆円押し下げ、利益を圧迫しました。[nikkei]
この「償却費負担」が武田の利益率を大きく下げています。[nikkei]
中外の強み
中外は少数精鋭モデルで、ロシュとのアライアンスにより、高収益ながん薬を主力にしています。[choosenic]
その結果、営業利益率47.6%という製薬業界で抜けている収益性を実現しています。[strainer]
9期連続増益で、コア当期利益も増え続けています。[note]
武田は**「売上の巨人だが利益効率の低い会社」、中外は「売上は小さくても利益効率の別格会社」**です。[choosenic]
だから時価総額では、売上で5位の中外が1位になれているのです。[strainer]
■ まとめ
「中外が1位、武田が2位」が当てはまるのは、おそらく時価総額(会社の値段)の話です。ただ正確には武田は3位(2位は第一三共)。逆に売上では武田が断トツ1位で中外は5位。中外が小さいのに会社の値段で勝っているのは、肥満症の飲み薬という次世代新薬の期待と、47.6%という驚異的な利益率があるからです。
「売上は1位なのに会社の値段が安い(時価総額3位・PBR0.96倍)」=割安に放置されている、という話につながります。
NTTの株式併合について
NTTの公式株主総会ページの議案リストを確認しても、第41回(2026年6月開催)の議案に「株式併合」は見当たりません。
■ まず事実関係——その「株式併合」は会社の提案ではなく「株主提案」です
NTTの第41回定時株主総会(2026年6月18日開催)の決議事項のうち、第5号議案「株式併合の件」は、会社提案ではなく、一人の株主から出された株主提案です。
ここがすごく大事です。株主総会の案内には「会社が決めたこと」と「株主が提案したこと」の両方が載りますが、性質がまったく違います。
- 会社提案(第1〜3号議案): 取締役の選任など。会社が本気で実行したいこと。
- 株主提案(第4〜15号議案): 個人株主が「こうしてほしい」と出した提案。NTTのような大企業では、こうした株主提案はほぼ毎回否決されます。
つまり、視聴者さんが見た「株式併合の件」は、個人株主が出した提案で、NTTという会社が実際に株式併合をやろうとしているわけではありません。可決される可能性は非常に低いです。実際、NTTの株主総会には毎年多数の株主提案が出されるが、これらが可決されることはまずない状況です。
NTTの株は今、1株150円前後・100株単位なので、1万5千円ほどで買える「超・買いやすい株」です。これは2023年に1株を25株に分割したからで、会社側がわざわざ正反対の株式併合をする動機は、まずありません。
■ そもそも「株式併合」とは何か(株式分割の逆)
- 株式分割: 1株を25株に増やす。1株の値段が下がって買いやすくなる(NTTが2023年にやったこと)。
- 株式併合: 複数の株を1株にまとめる。1株の値段が上がる。
ケーキで言うと、分割は「1個を25切れに切る」、併合は「25切れを1個に戻す」。どちらも価値の合計は変わりません。100株持っている人が「25株を1株に併合」されたら、4株になるけれど、1株あたりの価値が25倍になるので、資産額は同じです。
■ メリットか、デメリットか
仮に(可決されないと思いますが)株式併合が実行された場合の損得を、フラットに整理します。
一般論としてのメリット: 株価の見栄えが上がる、株主管理コストが下がる、など。
一般論としてのデメリット(個人投資家目線): 最低投資金額が上がって買いにくくなる、端数(中途半端な株数)が出て強制的に現金精算され、NISAの非課税枠から外れてしまう恐れがある、など。NTTのように「少額から買える」を売りにしてきた株を併合するのは、個人株主にとってはデメリットの面が大きいです。
ただ繰り返しになりますが、これは実行される話ではなく、否決される見込みの株主提案なので、NTT株主が今あわてて何かする必要はありません。
■ 武田との関係は?
結論から言うと、この件と武田薬品には直接の関係はありません。NTTと武田は別の会社で、NTTの株主提案が武田の経営や株価に影響することはありません。
視聴者さんが武田と結びつけた背景を推測すると、おそらく「累進配当・高配当の代表格」としてNTTと武田を同じ”高配当株”のカテゴリーで見ていて、「NTTで株式併合(=株主に不利かもしれない動き)があるなら、武田でも同じことが起きないか?」という連想だと思います。
■ 視聴者さんへの返信の骨子
「その株式併合は”会社”の提案ではなく、一人の株主が出した株主提案で、NTTのような大企業ではほぼ否決されます。NTTは2023年に株を25分割して買いやすくしたばかりで、逆の併合をやる動機はありません。仮に実行されても価値の合計は変わらず、ただ個人には買いにくくなる面がある。そして武田とは無関係で、武田に株式併合の予定もありません」——という整理になります。
ROEとROIC
武田のようにM&A後の無形資産償却が大きい会社では、そこを外して見る投資家はかなり多いです。[media.finasee]
まず、製薬株を深く見る個人投資家やアナリストは、財務ベースの利益だけでなく、コア営業利益や調整後利益も確認します。[fse.or]
武田自身も、製品に係る無形資産償却費及び減損損失を除いた「コア営業利益」を開示しています。[media.finasee]
なので、「償却でROEが低く見えている」と気づく投資家は普通にいます。[note]
ただし、全員が同じ深さで見ているわけではありません。[note]
配当利回りだけで買っている人は、ROEの中身まで追わないことも多いです。
一方で、配当の持続性や増配余地を気にする人は、償却を除いた実力利益をかなり意識します。[takeda]
武田はシャイアー買収後の無形資産償却が大きく、財務ベース利益を押し下げています。[nikkei]
そのため、株価が「業績の割に弱い」と見える局面では、調整後利益で評価する投資家ほど納得しやすいです。[media.finasee]
逆に、会計上のROEだけを見る人からは、まだ低収益企業に見えやすいです。[sc.mufg]
実際の投資判断では、次の2つを分けて見る人が多いです。
武田は後者で見ると印象がかなり変わる銘柄なので、この見方を知っている投資家は確実にいます。[note]
必要なら次に、「武田をROEで見る人」と「ROICで見る人」の違いを1枚で整理できます。
ROEは英語で Return On Equity、日本語では自己資本利益率です。[froggy.smbcnikko.co]
式はざっくり言うと「当期純利益 ÷ 自己資本」です。[note]
株主から見て、出資したお金がどれだけ効率よく増えたかを表します。[kabuyaku]
ROICは Return On Invested Capital、投下資本利益率です。[kaonavi]
式はざっくり言うと「税引後営業利益 ÷ 投下資本」です。[note]
会社が本業のために使っている資本から、どれだけ利益を生んだかを見る指標です。[biz.moneyforward
一番大きい違いは、ROEは株主目線、ROICは事業目線ということです。[biz.moneyforward]
ROEは借金を増やしたり自己株買いをしたりすると見かけ上上がりやすいので、資本構成の影響を強く受けます。[note]
ROICは本業の稼ぐ力に近く、負債の増減や自己資本の薄まりでブレにくいのが特徴です。[layers.co]
武田はシャイアー買収のあと、無形資産の償却が大きく、会計上の利益が圧迫されやすい会社です。[nikkei]
そのため、ROEで見ると「株主資本に対して利益が薄い会社」に見えやすいです。[sc.mufg]
一方でROICで見ると、「買収後の資産を使って、本業でどれだけ回収できているか」を見やすくなります。[kabuyaku]
ROEで見る人は、主に「株主にとってのリターン」や「資本効率」を気にします。[froggy.smbcnikko.co]
ROICで見る人は、主に「事業そのものが稼げているか」や「資本コストを上回っているか」を気にします。[layers.co]
武田のようにM&A後の無形資産償却が重い会社では、ROEだけだと実力を見誤りやすいので、ROICのほうが実態に近いと考える投資家も多いです。[note]
ROEは「株主のお金の効率」、ROICは「事業に投じたお金の効率」です。[kabuyaku]
武田のような会社では、ROEは会計上の見え方に強く左右され、ROICは事業の実力を見やすい、という理解でかなり本質をつかめます。[biz.moneyforward]
次はこの2つを使って、武田を「ROE型の見方」と「ROIC型の見方」で具体的にどう評価が変わるかを、図解っぽく整理できます。
格付け
武田のIRでは、2026年6月時点の発行体格付けとして、Moody’s が Baa1、S&P が BBB+ とされています。[takeda]
JCRは2025年6月に武田の債券を AA- としており、見通しは安定的です。[jcr.co]
つまり、日本の格付機関と海外の格付機関では水準がかなり違います。[jcr.co]
シャイアー買収前後の2019年に、格付機関は武田を格下げしました。[excite.co]
その理由は、買収資金による有利子負債の急増と、のれん・無形資産の膨張で財務リスクが上がったためです。[excite.co]
その後は、買収後の事業安定化や負債管理が進んで、少なくともS&PやMoody’sの水準は現在まで維持されています。[spglobal]
ここは少し整理が必要です。
無形資産償却は「自然にゼロになる」というより、対象資産が償却終了するまで続くものです。[irbank]
武田の決算資料でも、2025年3月期に製品に係る無形資産償却費及び減損損失が6,432億円とされており、まだ重い負担が残っています。[fse.or]
格付けが上がる条件
格付けが上がるには、償却費が減るだけでなく、負債削減、利益率改善、キャッシュ創出の安定化が必要です。[spglobal]
なので、「何年後に上がる」と断定はできませんが、仮に今後数年で無形資産の償却負担が軽くなり、かつ利益と負債指標が改善すれば、2020年代後半に見直し余地はあります。[fse.or]
機関投資家のお金
「格付けが低いから投資できない」というより、投資できるが、投資ルール上の上限があるという理解が近いです。[takeda]
海外の年金や保険、債券ファンドは、自社ルールで「BBB以上」「A以上」などを求めることが多く、武田はその範囲に入るため投資可能な機関は多いです。[takeda]
一方で、もっと高格付けしか買えない超保守的な資金は、武田を選ばないことがあります。[jcr.co]
武田のような大型・高配当・グローバル企業は、格付けが安定している限り、すでにかなりの機関資金が入っています。[takeda]
ただ、格付けが1ノッチでも上がって投資適格の条件が緩むと、買える機関の母数は増えるため、追加の資金流入余地はあります。[jcr.co]
とはいえ、「何円入る」とは公開データだけでは断定できません。ファンドの運用ルールと市場環境次第だからです。[spglobal]

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