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 【2026年5月】オルカンから日本株11銘柄が除外|JAL消えた理由をCA出身投資家が解説

この記事は約16分で読めます。

日経新聞「MSCI世界株指数から日本企業11銘柄減 JALが除外、古河電工は採用


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  1. 2026年5月 MSCI(オルカン連動指数)日本株の入れ替え
    1. 追加(新規組み入れ)銘柄 ― 3銘柄
    2. 除外銘柄 ― 14銘柄
    3. 差し引き
  2. 日本株の組み入れ数は170〜181銘柄
  3. オルカンに入っている日本企業一部
  4. オルカン
    1. ① そもそもオルカンとは?
    2. ② オルカンの国別比率(上から順に)
    3. ③ 今回(2026年5月)の日本株 入れ替え
    4. ④ 除外・採用の「理由」=MSCIのルール
    5. ⑤ 過去の入れ替え事例
  5. 過去10年のオルカン(MSCI ACWI)における日本比率の推移
    1. 年代ごとのおおまかな推移
    2. アベノミクス期と今で「何が違うのか」
    3. データで見る「日本企業の時価総額は、アベノミクス以降むしろ伸びている」
      1. ① 日経平均株価:アベノミクス前 → 今
      2. ② 東証の時価総額:「企業の大きさ」そのものも膨らんでいる
      3. ③ 「日本は伸びた。なのに、オルカンでの比率は下がった」
  6. 中国企業の「出たり入ったり」とインドの台頭、そして日本の「世界2位」のすごさ
    1. ① なぜアリババは指数を出たり入ったりするのか
    2. ② その他の中国企業
    3. ③ 入れ替わりに増えているインドの企業
    4. ④ それでも日本が「世界2位」であることのすごさ
  7. インドで稼ぐ日本企業 ―― 有名どころ、ニッチ、そして意外な事例
    1. ① 有名な「がっつり稼いでいる」日本企業
    2. ② インド市場の「厳しい現実」も
    3. ③ ニッチで稼ぐ事例 ―― ユニ・チャームの「紙おむつ」
    4. ④ 日本アニメがインドを席巻

2026年5月 MSCI(オルカン連動指数)日本株の入れ替え

MSCI発表日:2026年5月12日(日本時間13日早朝)/指数への反映:2026年5月29日の取引終了時点

追加(新規組み入れ)銘柄 ― 3銘柄

銘柄名 コード
古河電気工業 5801
三井金属(三井金属鉱業) 5706
レゾナック・ホールディングス 4004

除外銘柄 ― 14銘柄

銘柄名 コード
日本航空(JAL) 9201
エムスリー 2413
マツキヨココカラ&カンパニー 3088
MonotaRO 3064
日本オラクル 4716
積水化学工業 4204
島津製作所 7701
ソニーフィナンシャルグループ 8729
シスメックス 6869
TIS 3626
東急 9005
豊田自動織機 6201
ツルハホールディングス 3391
ZOZO 3092

差し引き

追加3銘柄 − 除外14銘柄 = 日本株は11銘柄の純減

(参考:全世界ベースでは49銘柄追加・101銘柄除外。地域別では除外が最も多かったのはアジア太平洋で66銘柄、次いでアメリカ大陸23銘柄、欧州・中東・アフリカ12銘柄でした)

日本株の組み入れ数は170〜181銘柄

なお、MSCIは全構成銘柄リストを一般には完全公開しておらず、無料で閲覧できるのは約2か月前のデータで、定期的な銘柄入れ替えは3か月に1回です。なので「今この瞬間の全170社リスト」を完全な形でお出しすることはできません。この点はご承知おきください。


オルカンに入っている日本企業一部

比率が大きい順におおむね並べていますが、時期により変動します。

# 企業名 業種
1 トヨタ自動車 自動車
2 三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行
3 ソニーグループ 電機・エンタメ
4 キーエンス 電子機器
5 日立製作所 総合電機
6 三菱商事 総合商社
7 三井物産 総合商社
8 信越化学工業 化学
9 ファーストリテイリング(ユニクロ) 小売
10 東京エレクトロン 半導体製造装置
11 三井住友フィナンシャルグループ 銀行
12 ソフトバンクグループ 投資・通信
13 任天堂 ゲーム
14 伊藤忠商事 総合商社
15 日本電信電話(NTT) 通信
16 KDDI 通信
17 ホンダ(本田技研工業) 自動車
18 武田薬品工業 医薬品
19 三菱重工業 機械・防衛
20 村田製作所 電子部品
21 第一三共 医薬品
22 日本電産(ニデック) モーター
23 ファナック 産業用ロボット
24 三菱電機 電機
25 デンソー 自動車部品
26 住友商事 総合商社
27 丸紅 総合商社
28 リクルートホールディングス 人材・IT
29 ダイキン工業 空調
30 コマツ(小松製作所) 建設機械

このほか、SMC 圧縮空気を動力源として自動化を行う空気圧制御機器のトップメーカー、HOYA、テルモ、オリエンタルランド(ディズニー運営)、セブン&アイ・ホールディングス、アステラス製薬、日本製鉄、富士フイルムホールディングス、キヤノン、味の素、ブリヂストン、東京海上ホールディングスなども、長く中核に入り続けている有名企業です。

オルカン

① そもそもオルカンとは?

オルカンは、正式名称を「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託です。日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果をめざし、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざして運用します。

たとえるなら、世界中の主要企業を「ひとつのカゴ」に詰め合わせたパック。これ1本買うだけで、先進国・新興国に上場する2,517銘柄(2025年12月末時点)に分散投資でき、世界の投資可能な株式時価総額の約85%をカバーします。

オルカンの中身を決めているのがMSCIの指数です。だから今回のMSCIの組み換えは、そのままオルカンの中身の入れ替えになります。

② オルカンの国別比率(上から順に)

最新の月次データに完全一致する公表値は会員ページの奥にありますが、信頼できる直近データで順位を示すとこうなります(MSCI ACWIベース、2025年半ば〜年末時点)。

順位 比率の目安
1 アメリカ 約64〜66%
2 日本 約4.9〜5%
3 イギリス 約3%
4 カナダ 約3%
5 フランス 約2.5%
6 中国 約2.7%
7 インド 約1.8%(中国に肉薄、MSCI大中小型株では既に逆転)
以下 スイス・ドイツ・台湾・オーストラリアなど 各1〜2%台

投資先の6割以上がアメリカに集中し、業種別でも3割弱を情報技術が占める。「全世界」という名称だが、実態は「アメリカの情報技術株」の動向に左右されやすい仕組み。

これまで新興国の代表格だった中国を、インドが構成比で初めて抜き去ったこと。

③ 今回(2026年5月)の日本株 入れ替え

MSCIは5月12日、四半期ごとの指数見直しを発表。変更は5月29日の取引終了時点で実施されます。

新規採用(3銘柄) 古河電気工業(5801)、三井金属(5706)、レゾナック・ホールディングス(4004)

除外(14銘柄) 日本航空(9201)、エムスリー(2413)、マツキヨココカラ&カンパニー(3088)、MonotaRO(3064)、日本オラクル(4716)、積水化学工業(4204)、島津製作所(7701)、ソニーフィナンシャルグループ(8729)、シスメックス(6869)、TIS(3626)、東急(9005)、豊田自動織機(6201)、ツルハホールディングス(3391)、ZOZO(3092)

差し引き11銘柄の純減です。国別でみると、今回最も除外が多かったのは米国の-12銘柄、次いで日本が-11銘柄でした

日経の見出しは「日本株11銘柄減」ですが、米国も12銘柄減らされています。つまり「日本が弱いから外された」という単純な話ではない。実際、直近の流れを見ると——2025年11月の見直しでは日本株が4銘柄追加・3銘柄除外で純増となり、これは2022年2月以来3年9カ月ぶりの純増。背景には日本株高で時価総額が膨らんだ企業が多かったことがありました。半年前は日本「純増」だったわけです。

④ 除外・採用の「理由」=MSCIのルール

個別企業ごとの理由は公表されませんが、MSCIの仕組みはシンプルです。ACWIは先進国・新興国ごとのスタンダード指数(大型・中型株が対象)で構成され、MSCIはドルベースの時価総額順や株式の流動性などを基準に銘柄を選びます。

つまり判定基準は主に3つ:

  1. ドル建ての時価総額 — 円安が進むとドル換算で時価総額が目減りし、不利になる
  2. 浮動株比率 — 市場で実際に売買できる株式の割合
  3. 流動性 — 売買のしやすさ

今回JALや東急、豊田自動織機などが外れたのは「会社が傾いた」のではなく、他国(特に米AI企業)の時価総額の伸びが速すぎて、相対的に順位が下がったということ。古河電工・三井金属の採用も同じロジックの裏返しで、AI・データセンター・銅需要などで時価総額が伸びた結果です。

「これは”日本の実力テスト”ではなく、”世界のマネーの引力がどこに向いているか”の通知書」。

⑤ 過去の入れ替え事例

MSCIは年4回・10年で40回見直しており、毎回プレスリリースは出るものの、それを統合した一覧は公開されていない

最も分かりやすいのがロシア。過去には新興国の中にロシアも含まれていたが、ウクライナ侵攻を受けて2022年3月に指数から除外。これは「地政学リスクで国まるごと除外」というインパクトのある事例

個別株では、楽天グループ、リクルート、メルカリ、東京エレクトロンなどが、時価総額の変動に応じて採用・除外・再採用を繰り返してきた代表例。


過去10年のオルカン(MSCI ACWI)における日本比率の推移

アベノミクス期(2015〜2016年頃)の日本比率は約8〜9%。今(2026年5月時点)は約4.9〜5%。

つまり、この10年でオルカンに占める日本の存在感は、ざっくり「半分」に縮みました

年代ごとのおおまかな推移

正確な月次の数字をすべて公開した一覧表は存在しないため、各時点の公表資料・報道から拾える範囲での「目安」になりますが、流れははっきりしています。

  • 2015〜2016年頃(アベノミクス第二次安倍政権の株高期) … 日本は約8〜9%。アメリカに次ぐ「堂々の2位」で、3位以下を大きく引き離していました
  • 2018〜2020年頃 … 6〜7%台へじわじわ低下
  • 2020〜2022年頃 … 5%台へ。この頃、新興国の中国がイギリス・フランスを抜くなど、世界の構成が大きく動きました
  • 2023〜2024年 … 約5%前後で推移。日本株高もありましたが、円安がそれを打ち消しました
  • 2025〜2026年5月(現在) … 約4.9〜5%。2位の座は維持しているものの、その中身は大きく変わりました

アベノミクス期と今で「何が違うのか」

① 比率がほぼ半減した(8〜9% → 5%)

10年前、オルカンを買うと「100円のうち8〜9円は日本企業」でした。今は「100円のうち5円」です。同じ”全世界株式”でも、中身の日本の重みは半分になっています。

② でも「2位」という順位自体は変わっていない

意外に思われるかもしれませんが、日本は10年前も今も「アメリカに次ぐ2位」です。順位は同じ。変わったのは”差”です。10年前は日本がアメリカに次ぐ確固たる2番手でしたが、今は日本(約5%)とイギリス・カナダ(約3%)の差が縮まり、「2位グループの先頭」くらいの位置づけに変わりました。

③ 比率低下の理由は「日本が縮んだ」より「アメリカが膨らんだ」

これが最重要ポイントです。日本企業の時価総額自体は、アベノミクス以降むしろ伸びています(日経平均は当時の倍以上)。それでも比率が下がったのは、アメリカ(特にGAFAM、そして今のAI巨大企業)の伸びが、日本とは比べものにならないほど速かったからです。アメリカの比率はこの10年で約5割台から6割台半ばへ拡大しました。誰かが大きくなれば、全体に占める他国の割合は自動的に下がる。これは椅子取りゲームのようなものです。

④ 円安というもう一つの逆風

MSCIの比率はドル建てで計算されます。アベノミクス初期は1ドル100円前後でしたが、近年は150円前後の円安です。日本株が円ベースで上がっても、ドルに換算すると目減りする。「日本企業は成長したのに、ドル換算では評価が伸び悩んだ」——この二重構造が、比率低下に拍車はくしゃをかけました。


データで見る「日本企業の時価総額は、アベノミクス以降むしろ伸びている」

① 日経平均株価:アベノミクス前 → 今

これは「倍以上」どころではありません。約6倍です。

  • アベノミクス直前(2012年12月、第2次安倍政権発足前後) … 2012年末の日経平均は10,395円。さらにさかのぼると、政権交代が見えた2012年11月9日には8,757円でした
  • 現在(2026年5月) … 2026年5月14日午前、日経平均は6万3,600円台半ばまで上昇し、11日につけた取引時間中の最高値(6万3,385円)を上回った

つまり、約10,400円 → 約63,000円。13年あまりで約6.1倍。「倍以上」という表現は控えめすぎたくらいで、実際には6倍前後に膨らんでいます。

ちなみに、アベノミクス初年度の勢いがいかにすごかったかというと、2013年だけで日経平均は56.7%上昇し、これは1972年以来41年ぶりの上昇率でした。

② 東証の時価総額:「企業の大きさ」そのものも膨らんでいる

株価指数(日経平均)だけでなく、日本企業の「時価総額」――つまり企業価値の合計額――を見ても、はっきり伸びています。

  • 2012年末 … 東証の時価総額は約458兆円(2013年末時点。2012年末から54.5%増加)。逆算すると2012年末は約296兆円でした
  • つまりアベノミクス初年度の2013年だけで、日本企業全体の時価総額は約300兆円から約458兆円へ、1年で1.5倍以上に膨らみました
  • その後も拡大は続き、足元では東証プライム市場の時価総額は1,000兆円を大きく超える規模に達しています(日経平均6万3,000円という史上最高値圏がそれを裏づけています)

③ 「日本は伸びた。なのに、オルカンでの比率は下がった」

衝撃的な対比

項目 アベノミクス前(2012年末) 現在(2026年5月) 変化
日経平均株価 約10,400円 約63,000円 約6倍に増加
東証の時価総額 約296兆円 1,000兆円超 3倍以上に増加
オルカンでの日本比率 約8〜9% 約5% ほぼ半減

日本企業は、絶対額では明確に「大きくなった」。それなのに、オルカンという世界の縮図の中では「存在感が半分になった」。

なぜこんな逆転現象が起きるのか。答えはひとつ。アメリカ(特にGAFAMとAI巨大企業)が、それ以上の速さで膨らんだからです。日本は時速100kmで成長したけれど、アメリカは時速300kmで走った。だから、同じ道を走っていても、後ろとの差が開いていく。比率(シェア)とは、そういう「相対競争」の数字なのです。


中国企業の「出たり入ったり」とインドの台頭、そして日本の「世界2位」のすごさ

① なぜアリババは指数を出たり入ったりするのか

アリババの動きが複雑なのは、この会社が「アメリカ」と「香港」の2か所に上場しているからです。これがMSCI指数の中での扱いをややこしくしています。

アリババは2014年にニューヨーク、2019年に香港に上場しました。長らくMSCI指数には「米国ADR(米国預託証券)」の形で組み入れられてきました。ところが2020年以降、地政学リスクが直撃します。トランプ政権が中国ハイテク企業への締め付けを強化し、米国の証券取引所から中国企業を上場廃止に追い込む動きが本格化しました。「外国企業説明責任法(HFCAA)」という法律で、米当局が監査を検査できない中国企業は取引禁止になり得る、という圧力です。

この結果、何が起きたか。アリババの大株主たちは、リスク回避のためニューヨークのADRを香港株に転換し始めたのです。MSCIは「実際に売買されている株(浮動株)」を基準に組み入れを決めるため、アリババの「米国分」が縮み「香港分」が膨らむと、指数の中での計上の仕方や比率が変わります。さらに香港株が中国本土投資家からアクセスしやすくなる制度変更などもあり、MSCIは断続的に組み入れ方法を調整してきました。

つまりアリババの「出たり入ったり」は、会社の業績が良い悪いという話ではなく、「米中対立で、この株がどの市場で・どれだけ自由に売買できるか」が揺れ続けているからなのです。航空メタファーで言えば、アリババという機体は飛び続けているけれど、「どの空港(市場)を使えるか」を政治がコロコロ変えてしまう。だから管制塔(MSCI)も扱いを変えざるを得ない、ということです。

② その他の中国企業

アリババ以外でも、中国企業はこの数年、指数から大量に外れ続けています。

具体例として、2024年5月の見直しでは、中国国際航空(エアチャイナ)など56銘柄が除外され、46銘柄の純減となりました。同年2月の見直しでも中国株66銘柄が除外されています。米国上場の中国ADRでは、拼多多(ピンドゥオドゥオ)、JDドットコム(京東)などもADR 国内で米ドル建てで発行される証券 圧力にさらされてきました。

中国企業が外れ続ける理由は2つ。ひとつは米中対立による上場・売買環境の悪化。もうひとつは、不動産バブル崩壊以降の中国株自体の長期低迷で、ドル建ての時価総額が縮んでいることです。

③ 入れ替わりに増えているインドの企業

中国が抜けた席に座っているのが、インドです。

2024年5月の見直しでは、インドが一番多い13銘柄採用・10銘柄の純増となり、中国(46銘柄減)・日本・米国(各10銘柄以上減)が減る中で、インドの増加が際立つ入れ替えでした。

そして象徴的な出来事として、全世界株指数の浮動株版(IMI)で、2024年9月にインド株のウエートが2.33%に上昇し、中国の2.06%を上回って世界第6位に浮上しました。

インド企業が増える理由は、中国とは正反対です。好調な経済を背景にインドは主要国で最大のGDP成長率を記録し、数百万の中流世帯が貯蓄を国内の投資信託に振り向け、2024年だけで約380億ドル(約5兆5000億円)の国内資金がインド株に流入しました。インド企業の上場(IPO)が進み、インド株の流動性が向上したことで、多くの投資家を引き付けるようになったのです。

オルカンを1本持っていれば、こうしたインドの新興企業の成長も、知らないうちに自動で取り込めている。これがインデックス投資の威力です

④ それでも日本が「世界2位」であることのすごさ

ここまで読むと「中国も外れ、インドに抜かれ、日本も11銘柄減……日本ってもうダメなのでは?」と感じるかもしれません。でも、数字を冷静に並べると、まったく違う景色が見えてきます。

数字その1:日本は今も堂々の「世界2位」

オルカン(MSCI ACWI)の国別比率は、アメリカが約64〜66%で1位。そして日本は約4.9〜5%で、ぶれることなく2位です。3位のイギリス・カナダ(各約3%)を、はっきり引き離しています。

数字その2:「6位」のインドと「2位」の日本では、別次元

あれだけ騒がれているインドですが、ACWI全体での構成比率はようやく約1.8〜2%に乗ったところで、世界第6〜7位。一方の日本は約5%。日本の比率は、インドの2.5倍以上あります。「インドが中国を抜いた」のは事実ですが、それは新興国の中での6位争いの話。日本が戦っているのは、その遥か上のリーグです。

数字その3:日本は「2位グループ」ではなく「2位、ただ1国」

世界には47か国がACWIに入っています。その中で、アメリカに次ぐ2位は、ドイツでもイギリスでも中国でもなく、日本です。GDP規模では中国が日本の何倍もありますが、こと「世界の投資家が安心して売買できる株式市場」という土俵では、日本が中国を上回って2位なのです。これは、市場の透明性・流動性・企業統治といった「投資先としての信頼性」で日本が高く評価されている証拠です。

数字その4:銘柄数でも日本は群を抜く

今回11銘柄減ったとはいえ、2025年11月時点でACWIの日本株は181銘柄。1国でこれだけの数が世界の指数に名を連ねている国は、アメリカを除けばほとんどありません。「11減って170銘柄前後」というのは、減ってもなお圧倒的な層の厚さです。

 

インドで稼ぐ日本企業 ―― 有名どころ、ニッチ、そして意外な事例

① 有名な「がっつり稼いでいる」日本企業

まず王道から。インドで圧倒的な成功を収めているのは、なんといってもスズキです。1982年にインド政府との合弁でインド市場に参入したスズキ(マルチ・スズキ)は、現在インドの乗用車市場で約40%のシェアを占めるトップメーカーで、「スイフト」「ワゴンR」「アルト」はインドの国民車とも言える存在。スズキの全世界売上の約半分がインドから生まれている——これは衝撃的な数字です。「日本の軽自動車メーカー」というイメージのスズキが、実は「インドで食べている会社」なのです。

そのほか、トヨタ、ホンダ(二輪でシェア上位)、ダイキン工業(エアコン)、パナソニック、ソニーなどが確固たるプレゼンスを築いている。特にダイキンは、インドの気候条件に合わせた製品開発と現地生産で、急成長するエアコン市場でシェアを伸ばしている。タイヤのブリヂストン、物流の日本通運なども着実に稼いでいます。

② インド市場の「厳しい現実」も

ただし調査機関の分析では、「インド市場の攻略は難しい」という嘆きの声がよく聞かれ、中国や東南アジアと違って、名前が挙がるのはスズキ、ホンダ二輪、ユニ・チャーム、ダイキンなど限られた大企業ばかりで、成功事例は少ないのが現実です。中小企業の現場の声として、「10年やっていて、先月初めて単月で黒字が出た」「まだまだ赤字ですが、必死に種まき」という会社が多く、本体の資本力と現地赴任者のタフさがなければ進出しても維持が難しいという生々しい証言もあります。

それでも明るい兆しはあって、現在インドには約1,500社の日系企業が進出しており、JETROのレポートによると、そのうちの7割が黒字。数年前までは赤字の会社が7割と言われていたので、ここ数年で大きく改善した——「赤字7割」から「黒字7割」への逆転、これはここ数年のインドの変化を象徴する数字です。

③ ニッチで稼ぐ事例 ―― ユニ・チャームの「紙おむつ」

ユニ・チャームの紙おむつが好例です。インドのスーパーマーケットでは、ユニ・チャームのおむつが山積みになっている状態。日本では「赤ちゃん用品の会社」という地味な印象ですが、人口14億人・若年層だらけのインドでは、紙おむつは巨大な内需商品。派手さはないけれど、毎日確実に消費される「消耗品」を押さえているのが強さです。

経済産業省も「グローバルニッチトップ企業100選」という制度を設けていて、ニッチ分野で差別化を行い高い実績を上げている企業群を一つの成功類型として着目しているくらい、「目立たないけど世界で勝つ日本企業」は注目テーマになっています。

④ 日本アニメがインドを席巻

ドラえもんとクレヨンしんちゃんが、インドで国民的アニメになっているんです。

テレビ朝日は2005年にインドへ進出してドラえもんの放送を開始、翌2006年にはクレヨンしんちゃんも放送開始。インドはキッズ世代を含む10代以下の人口が約2億3,000万人と、日本の総人口の約2倍。豊富なエピソード数・歴史の長さ・豊富なキッズ世代、この3つが成功要因だといいます。インドでは、バトル漫画よりも日常系作品の方が人気が高い傾向があり、藤子作品・赤塚作品のような日常生活の物語が受け入れられている。「忍者ハットリくん」はインド版続編が製作されたほど——アメリカとは正反対の嗜好しこうなんですね。

そして今、ここに新しいお金の流れが生まれています。日本企業がインドのアニメ市場で攻勢に出ており、エイベックス傘下企業が現地で配信する日本アニメを2倍に増やし、テレビ朝日も人気アニメの新作を公開する。インドでは子どもの頃に日本アニメに親しんだ1990年代半ば以降生まれのZ世代が消費の主役として台頭している。市場規模も急成長していて、インドのアニメ市場は2026年には560億ルピーまで拡大する見込み。アニメ配信のアニメタイムズは月額69ルピー(約120円)で「東京リベンジャーズ」「SPY×FAMILY」などを配信し、作品数を倍増させている。

つまり——「日本がインドに車を売っている」だけでなく、「20年前に蒔いたドラえもんの種が、今インドのZ世代という”消費する大人”に育ち、そこからアニメ配信・映画・グッズというお金が回り始めている」。これは「聞いたことないけど日本人が稼いでいる」の、まさに教科書的な事例です。

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