この記事は、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、厳しい経営環境に立たされたANAとJALのことを書いています。
この記事を読むと、倒産して借金が帳消しになったJALとは違って、ANAは、「苦悩の1000日」とも称される期間を経験したことがわかります。
日本の航空業界は、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)によって牽引されています。
これらの航空会社は、国内外の多くのルートを運航し、日本の空の安全と利便性を支えていいると同時に、競争を激化させています。
全日空(ANA)コロナ後の苦闘の1000日
新型コロナウイルスのパンデミックは、全世界の航空業界に甚大な影響を与え、日本の航空業界も例外ではありませんでした。
特に、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は、この危機を通じて多くの挑戦と変革を経験しました。
本記事では、これらの航空会社が直面した問題、取った対策、そして新しいビジネスモデルやサービスの開発に焦点を当てて解説します。
これはリーマンショックの時に消えた3000億円を大きく上回る額で、ANAは5000億円を失いました。
新型コロナウイルスの影響で、ANAは未曾有の危機に直面したのです。
ANA
5000億円
新型コロナウイルスの拡大に伴い、国際的な旅行制限や人々の外出自粛が求められ、航空会社の収益は大幅に減少しました。
具体的には、ANAは5000億円、JALは3500億円の損失を記録しまし、リーマンショック時の損失を大きく上回るもので、航空業界にとって前例のない危機でした。
JR東海
4500億円
JAL
3500億円
三越伊勢丹
3000億円
オリエンタルランド
1000億円
それぞれ消失しました。
全日空(ANA)と政府の関係
コロナ禍での経営難を乗り越えるため、ANAは政府に支援を要請しましたが、この要請は政府与党である自民党を刺激し、金融機関と行政側の間にもハレーションが生じました。
多くの産業が困難に立たされる中で、航空業界だけが特別扱いを受けるべきではないとの反感が大きく、モラルハザードの問題を浮き彫りにしました。
日本政府のANAへの支援
全日空(ANA)は日本政府に対して支援を求めました。
この期間中、航空業界全体で2.5兆円の支援パッケージが政府から提供され、特にANAは1.3兆円の融資枠を確保するなど、この支援の枠組みを利用して動きました
ANAホールディングスは固定費や利子負担が重荷になっていることから、政府に支援策を求める考えを示しており、片野坂真哉社長はこの点について読売新聞のインタビューで発言しています。
政府は新型コロナの影響が長期化する中、航空会社の経営環境が依然として厳しいことを踏まえ、空港使用料の軽減などを通じて航空各社に対して700億円の支援を行う方針を固めましたが、航空業界だけが特別扱いを受けるべきではないとの反感も存在し、これがモラルハザードの問題を浮き彫りにする可能性があったのです。
さらに、政府の支援要請に対する反応は、政府与党である自民党を刺激し、金融機関と行政側の間にも影響を与えているようです。
航空業界の支援に関する政府の対応は、日本の航空業界が未曾有の危機に直面していることを反映し、政府とANAの間の関係は、この厳しい期間を乗り越えるための協力と支援を求める動きを見せています。
また、ANAと日本航空(JAL)の資金繰りの問題は、ANAとJALの統合の可能性さえも提起させていました。
全日空(ANA)と日本航空(JAL)
ANAとJALは、コロナ禍での厳しい経営環境を乗り越え、新たなビジネスモデルやサービスの開発に取り組んでいます。
ANAとJALは、長年にわたり国内外の航空市場で競争を繰り広げています。
JALは2009年に破綻し、政府の支援を受けて再建を図ったので、借金の大半が帳消しとなり、経営基盤を刷新したJALは、健全な経営を実現しまし、新しいビジネスモデルやサービスの開発に取り組み、競争力を回復させました。
それは、ANAから見ると土俵が均等でないと不満が生じました。
JAL破綻当時、民主党が政権であり、その後の自民党政権との絡みでANAが昔のJALのように自民党と癒着し始めている、と言われています。
JALの再上場にあたって、2012年9月にはANAが公募増資を行い、投資家のポートフォリオに位置づけられるよう努めたり、2020年11月、JALは公募増資を行い、市場から資金を調達するなど、その後も競争を続けました。
羽田の発着枠が全日空(ANA)へ
羽田空港の発着枠の配分において、ANAは政府への働きかけを強化し、公平な競争環境の確保を求めた一方で、JALは市場からの資金調達を通じて、財務基盤を強化しました。
羽田の離発着の枠の値段は1枠で、数10億円~100億円です。
その枠をANAが勝ち取ることができたのは、JALを支援した政府への不公平さを考えたことと、ANAが政府与党の自民党に働きかけたからです。
全日空(ANA)の経営危機と変革
この危機を乗り越えるため、ANAは従業員の年収を3割カットするなど、厳しい経営判断を下しました。
これにより、ANAは2022年には黒字化に成功し、苦闘の1000日を乗り越え、企業としての回復力を示しました。
この経験を通じて、ANAは筋肉質な会社に進化しました。
新しいビジネスモデルとサービスの開発
コロナ禍を機に、ANAとJALは新たなビジネスモデルやサービスの開発に注力しており、デジタルトランスフォーメーションやサステナビリティを重視し、新しい価値創造に向けた取り組みを進めています。
これらの取り組みにより、両社は企業の回復力を示し、より良い航空サービスの提供が期待されています。
最後に
ANAとJALは、日本の航空業界をリードする巨大企業ですが、競争の激化や外部環境の変化によって、多くの困難に直面しますが、そのたびに両社は強くなりました。
ANAもJALも、これからの航空業界の発展のために、新たなビジネスモデルやサービスの開発に取り組んでいてサステナビリティやデジタルトランスフォーメーションなど、新しい価値創造に向けた取り組みが進められています。
これらの取り組みによって、企業の闇を克服し、より良い航空サービスの提供が期待されます。
ROEと自己資本率比較!ANA vs JAL 株の投資ポテンシャル分析・2023年最新版 (cabinattendant.blog)
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