視聴者さんからリクエストいただきました。「下がったところで買ってもいい前提」を確認しましょう。
まず「こびと株の10条件」とは何か
こびと株の条件は、「長期にわたり安定・高配当が期待でき、元本割れのリスクが低い」ことを目指す10のチェックポイントです。配当利回りを始め、財務の安全性や利益率などの収益性、長期的な成長性などをバランス良く見る構成になっています。
こびと株の買い時は「市場が冷え込んだ時」。自分に関係ない要因で連れ安しているときや、ショックのような急落相場がチャンス。ただし油断・過信は禁物で、慎重さを忘れずに買い向かうことが大事です。
下がったところで投資
「安い=お買い得」ではない
株価が下がっている理由が「会社が壊れているから」なのか、「まわりのムードに巻き込まれただけ」なのか——この2つを見分けることが、すべてのスタート地点です。
会社が壊れている(不正、主力事業の消滅、借金だらけ)→ いくら安くても買ってはダメ。「安い」のではなく「安い理由がある」だけ。
まわりのムードに巻き込まれた(暴落、地政学リスク、金利上昇への不安)→ 会社の中身がしっかりしていれば、これが本当の「割安で投資できるタイミング」になります。
「会社の中身がしっかりしていることを確認してから、安くなったタイミングで買おう」という考え方です。
「会社の中身がしっかりしている」を、どうやって確認するか?
ここで登場するのが、3つの「ものさし」です。
①PER=「この会社、何年で元が取れる?」
PERは、**「今の株価が、その会社の利益の何年分か」**を表す数字です。
たとえば、株価が1,000円で、1年間の1株利益(EPS)が100円の会社。PERは1,000÷100=10倍。つまり、「10年分の利益が今の株価に織り込まれている」ということ。
PERが低い=「少ない年数分の利益しか株価に織り込まれていない」=割安かもしれない。 PERが高い=「たくさんの年数分の利益が株価に織り込まれている」=割高かもしれない。
目安としては、日本株のPERは15倍くらいが「ふつう」。10倍以下なら「お、安いかも」、20倍以上なら「ちょっと高いかも」と考えるのが出発点です。
ただし、注意があります。景気敏感株(東ソーのような化学メーカー)は、業績が落ち込むとEPSが小さくなってPERが跳ね上がることがあります。「PERが高い=割高」とは限らず、「一時的に利益が減っているだけ」という場合もある。だからPERだけで判断せず、次のPBRと組み合わせて見るのが大事です。
②PBR=「この会社、解散したらいくら返ってくる?」
PBRは、**「今の株価が、その会社の1株あたり純資産(BPS)の何倍か」**を表す数字です。
純資産というのは、会社が持っているすべての財産から、借金を全部返した後に残るお金のこと。つまり、「今この瞬間に会社を解散して全部売り払ったら、株主にいくら返ってくるか」の目安です。
PBR1倍=株価と純資産が同じ=「会社の中身と同じ値段で買える」 PBR1倍未満=株価が純資産より安い=「会社の中身より安く買える」
基準は、PBR 0.5〜1.5倍。特にPBR1倍以下は「100円の価値があるものを100円未満で買える割安状態」**です。
③配当利回り=「100万円投資したら、毎年いくらもらえる?」
配当利回りは、**「今の株価に対して、1年間にもらえる配当金が何%か」**を表す数字です。
たとえば、株価が2,000円で年間配当が100円なら、配当利回りは100÷2,000=5%。100万円分買ったら、毎年5万円の配当金がもらえるということ。
配当利回り3.75%以上(税引前)というのは、税金(約20%)を引いた後で3%以上の手取りが確保できる水準です。
ここが大事なんですが、株価が下がると、配当金が同じでも配当利回りは上がるんです。
例:1株配当100円の会社
- 株価3,000円のとき → 利回り3.3%(まだ買い時じゃない)
- 株価2,500円に下がった → 利回り4.0%(おっ、3.75%を超えた!買い時かも!)
- 株価2,000円に下がった → 利回り5.0%(これはチャンス!)
「下がったところで投資」の本質は、「同じ配当金を、より安い値段で手に入れる」ことなんです。配当が同じなのに株価が安いということは、同じお金でより多くの「配当金を生んでくれる仕組み」を手に入れられるということ。これが両学長とこびと株が言う「高配当株は下がったときに買え」の意味です。
3つのものさしを「組み合わせて」見る
ここが一番大事なポイントです。PER、PBR、配当利回りは、1つだけで判断してはダメ。3つを組み合わせて見ることで、「本当の割安」が見えてきます。
最高の買い時パターン
PERが低い(利益に対して株価が安い) PBRが低い(純資産に対して株価が安い) 配当利回りが高い(配当に対して株価が安い)
この3つが同時に揃ったとき、それは**「市場がこの会社を過小評価している=バーゲンセール状態」**です。優良な企業に投資しましょう
危険なパターン
PERが低い → でも、利益が激減しているだけ(罠銘柄) 配当利回りが高い → でも、会社が無理して配当を出している(減配リスク大) PBRが低い → でも、会社の資産が劣化している(含み損だらけ)
だから「安い」だけを見るのではなく、「なぜ安いのか」を自分で分析することが必須なんです。
「下がったところで買う」ための、こびと株10条件チェックリスト
こびと株
3つのものさしで「割安」と思ったら、次に会社の「健康診断」をします。人間が血圧やコレステロールをチェックするのと同じで、会社の体力を数字で確認するんです。
| チェック項目 | なにを見るの? | 目安 |
|---|---|---|
| 配当利回り | 今の株価でいくらもらえるか | 3.75%以上 |
| PBR | 株価は中身より安いか | 0.5〜1.5倍 |
| 配当政策 | 減配しない姿勢があるか | 過去の実績で判断 |
| 配当継続力 | 利益がゼロでも何年配当を出せるか | 利益剰余金÷配当総額 |
| 売上高 | 長期的に売上は伸びているか | 上昇トレンド |
| 営業利益率 | 本業で稼ぐ力があるか | 10%以上 |
| EPS・BPS | 1株あたり利益と資産は増えているか | 長期上昇トレンド |
| 自己資本比率 | 借金に頼りすぎていないか | 50%以上 |
| 流動比率 | 短期の支払い能力はあるか | 200%以上 |
| 現金保有 | 手元のキャッシュは潤沢か | 高く、増えている |
この10条件をすべてチェックして、「体力のある会社だ」と確認できた銘柄だけを、PER・PBR・配当利回りが魅力的な水準に来たときに買う——こびと株流の「下がったところで買う」の全体像です。
「配当金」と「値上がり益」の両方が狙える
配当金がもらえる理由
株価が安いときに買う → 同じ配当金でも、利回りが高くなる → 毎年たくさんの配当金がもらえる。しかも、体力のある会社を選んでいるから、減配リスクが低い。むしろ増配してくれる可能性もある。
株価の値上がりも狙える理由
体力のある会社が「一時的な理由」で下がっている → 市場が冷静さを取り戻すと、株価は本来の価値に戻っていく。PBR1倍以下で買えた株は、PBR1倍以上に戻るだけで株価が上がる。さらに、会社が成長してBPS(純資産)が増えれば、株価はそれに連動してもっと上がる。
つまり、「下がったところで買う」ことで、配当金(インカムゲイン)と値上がり益(キャピタルゲイン)の両方を同時に手に入れるチャンスが生まれるんです。
「高配当株は、金のタマゴを産むニワトリ。しかも痩せないニワトリ」とよく言われています。配当金というタマゴを毎年産んでくれて、しかもニワトリ自体(株価=会社の価値)も育っていく——それが、正しく選んだ高配当株の姿です。
バフェットかおる
「下がったところで投資」は、「なんとなく安くなったから買う」のとは全然違います。
① PER・PBR・配当利回りの3つのものさしで「安さ」を確認する ② こびと株10条件で「会社の体力」を確認する ③ 両方をクリアした銘柄だけを、少しずつ、分散して買う
この3ステップを守れば、配当金をもらいながら、将来の株価上昇も狙える——そんな投資ができるようになります。
今日2026/04/10YouTubeで投稿した、東ソーも、日東富士製粉もオカムラもMS&ADも野村不動産HDも、三井住友FGも、積水ハウスも、ジャックスも——わたしのポートフォリオの85銘柄は、全部この考え方で選んでいます。
大事なのは、「安い」に飛びつくのではなく、「なぜ安いのか」を四季報 IR BANK 有価証券報告書で分析すること。そして、体力のある会社が一時的に安くなったときに、勇気を持ってコツコツ買い進めることです。
知った上で投資する。納得した上で持ち続ける。5年・10年単位でコツコツ育てる。
今日も淡々とコツコツ参りましょう🌱
10条件を東ソー(4042)で一つひとつチェック
条件① 配当利回り3.75%以上(税引前)→ ⭕ クリア
税引後の利回りが3%、税引前で3.75%以上が条件。
東ソーの現在の配当利回りは約4.2%(1株配当100円 ÷ 株価2,366円)。3.75%のラインを超えているので、「下がったところで買い時に入った」という判断になります。配当利回りが3.75%以上になったタイミング(つまり株価が下がったタイミング)で買いましょう、というこびと株の基本ルールに合致しています。
条件② PBRが高水準ではないこと(目安0.5〜1.5倍)→ ⭕ クリア
購入時の株価に過度な成長期待が織り込まれていないことが重要。
東ソーの現在のPBRは約0.91倍。PBR1倍以下ということは、「1円の価値があるものを1円未満で買える」状態。完璧にクリアです。
条件③ 配当政策が分かりやすく、実績に納得できること → ⭕ クリア
東ソーは15年間一度も減配していません。1株12円→100円まで着実に増配を続けてきた実績が、最高の証明です。
条件④ 配当継続力が高いこと → ⭕ クリア
利益剰余金やネットキャッシュをもとに、現在の配当水準を何年間継続できるかを見る指標です。
東ソーの利益剰余金は6,826億円。年間配当総額は約300億円。利益剰余金だけで約22年分の配当を払い続けられる計算です。非常に高い配当継続力があります。
条件⑤ 売上高が長期的に上昇トレンド → △ 注意
2017年以降は0.74兆→1.06兆円と成長しているものの、2026年予想は1.01兆円(▲5%減)。長期的にはトレンド維持ですが、直近は一時的に下降局面です。景気敏感株の宿命であって、ビジネスモデル自体が壊れているわけではないことが重要です。
条件⑥ 営業利益率10%以上 → △ 要注意
営業利益率が10%を超える場合は、市場において優位性がある可能性が高いとされています。
東ソーの2025/3期の営業利益率は9.3%。2026/3期予想は8.9%。惜しくも10%を割っています。ただし、2017年は15.0%、2022年は15.7%と、好況時には15%超を叩き出す実力がある会社です。景気敏感株特有の「今はサイクルの底」と理解すべきポイントです。
条件⑦ EPS・BPSが長期的に上昇トレンド → ⭕ クリア(BPS)/ △(EPS)
BPS(1株純資産)は2010年の540円から2025年の2,596円へほぼ一直線に上昇。会社の「中身」は着実に厚くなっています。
EPSは景気に連動して大きく上下するため、単純な右肩上がりではありません。ただし、10年スパンで見れば上昇トレンドは維持しています。
条件⑧ 自己資本比率50%以上 → ⭕ 余裕でクリア
自己資本比率50%以上が目安。
東ソーの自己資本比率は62.3%。2009年の20.3%から17年かけてここまで積み上げてきた鉄壁の財務です。
条件⑨ 流動比率200%以上 → △ 確認が必要
この数値は決算短信で要確認ですが、東ソーは現金等(2025年時点で1,388億円)が豊富で、短期的な資金繰りに問題はありません。
流動資産合計:7,543億円(754,383百万円)
主な内訳は、現金及び預金1,415億円、受取手形161億円、売掛金2,426億円、契約資産371億円、リース投資資産355億円、商品及び製品1,541億円、仕掛品212億円、原材料及び貯蔵品724億円、その他344億円 。
流動負債については、決算短信で主な項目が読み取れます。支払手形及び買掛金1,175億円、短期借入金1,330億円、未払法人税等106億円のほか、その他の流動負債を含めた合計は概算で約3,300〜3,500億円程度と推定されます。
前期(2024年3月期)の流動資産は7,551億円、流動負債は推定約3,600億円で、流動比率は約210%前後でした。
計算結果
流動比率 ≒ 約210〜230%
条件⑩ 総資産に占める現金等の割合が高く上昇傾向 → ⭕ クリア
こびと株.comではキャッシュを非常に重視しており、フローの指標としては営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローを重視しています。
東ソーは毎年約1,000億円の営業キャッシュフローを稼ぎ、現金等は1,388億円。本業でしっかり現金を生み出す体質です。
10条件チェック結果まとめ
| 条件 | 基準 | 東ソー | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①配当利回り | 3.75%以上 | 約4.2% | ⭕ |
| ②PBR | 0.5〜1.5倍 | 約0.91倍 | ⭕ |
| ③配当政策 | 分かりやすく実績に納得 | 15年無減配 | ⭕ |
| ④配当継続力 | 高い | 約22年分の利益剰余金 | ⭕ |
| ⑤売上高トレンド | 長期上昇 | 長期は上昇、直近一時下降 | △ |
| ⑥営業利益率 | 10%以上 | 9.3%(好況時15%超) | △ |
| ⑦EPS・BPS | 長期上昇 | BPS⭕ EPS△(景気連動) | △ |
| ⑧自己資本比率 | 50%以上 | 62.3% | ⭕ |
| ⑨流動比率 | 200%以上 | 現金豊富、要個別確認 | △ |
| ⑩現金割合 | 高く上昇傾向 | 毎年営業CF約1,000億円 | ⭕ |
⭕ 6つ完全クリア、△ 4つは景気敏感株の特性による一時的な低下
「買い時」3つの条件
株式投資をしていると「〇〇ショック」のような名前がつく急落相場に出会うことがありますが、そういう時は割安で投資できます。市場全体にリスクオフのムードが漂い、どんな株式も冴えない値動きをしている時もチャンスとされています。
買い時チェック①:今は「連れ安」か?→ ⭕ YES
2026年2月の中東ショックで日経平均は約14%下落。東ソーはその影響を直接受けて(原油・ナフサ高騰)株価が下がっています。政治的リスクの高まりが自分がチェックしている個企業の業績に本当に関係があるのかを丹念に影響を考えていく——東ソーの場合は原料コスト上昇という実際の影響はありますが、「本業が壊れたわけではない」ので、一時的なコスト増に対する市場の過剰反応と見ることもできます。
買い時チェック②:配当利回りが「普段より高い水準」か?→ ⭕ YES
東ソーの過去10年の配当利回りレンジは概ね2〜5%。今の4.2%は「普段より高い方の水準」であり、株価が下がって配当利回りが上がり、PBRが低くなったタイミングにまさに該当しています。
買い時チェック③:業績に致命的なダメージはないか?→ ⭕ 致命傷ではない
2026年の純利益48%減は大きいですが、これはリーマンショック時の赤字転落とは根本的に違います。自己資本比率62%、利益剰余金6,826億円、営業CF1,000億円体質——会社は全く健全です。「一時的な業績悪化」であって「ビジネスモデルの崩壊」ではありません。
整理すると、東ソーは**「10条件のうち6つは完全クリア、4つは景気敏感株特有の一時的な低下であって、本質的な企業価値は毀損していない」**という結果です。
そして今の株価は**「配当利回り4.2%、PBR0.91倍」**——まさに両学長とこびと株が言う「下がったところで拾うべきタイミング」の条件を満たしています。
ただし、大事なことが3つあります。
① 1銘柄に集中しない。30社以上に分散すれば、1社潰れても資産の減少は3.3%以下で済みます。わたしが東ソーを「ポートフォリオの3%まで」に抑えるのは、まさにこの分散の原則です。
② 一度に全力で買わない。高配当銘柄は毎月積み立てで購入することで、時間分散ができます。1株ずつ、少しずつ買い増していくのが鉄則です。
③ 営業利益率10%を下回る「△」の項目は、景気回復後に再チェックする。2027年以降の決算で営業利益率が10%以上に復帰し、EPSが上昇トレンドに戻るかどうか——そこが東ソーの「本物の実力」を見極めるポイントになります。
知った上で投資する、納得した上で持ち続ける。コツコツ参りましょうね🌱
📊 バフェットかおる厳選ツール・無料配布中
- 🔍 【無料】高配当株・銘柄選びチェックリスト|銘柄選定の判断基準を完全公開
- 📈 【無料配布】高配当株ポートフォリオ管理シート|配当収入を「見える化」して資産管理
- 💰 【無料】高配当株 配当管理シート(CSV対応)|SBI証券CSVで配当金を自動管理
- 📋 バフェットかおる保有銘柄一覧|実際に保有している銘柄を全公開

コメント