この記事は、酸素が必要な肺疾患を持つ人が、ポータブル酸素生成器を使う時に必要な知識をかいています。
この記事を読むと、肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺疾患を抱えるでも、飛行機に乗れることがわかります。
この記事では、その使用方法について解説し、特に私がキャビンアテンダントとして経験した飛行機内での酸素ボトル使用との類似点にも触れます。
ポータブル酸素生成器の基本的な使用方法
装置の準備
充電が完了したバッテリーを装置にセットしましょう。
私の父はトイレに行ってるときにバッテリーが切れて倒れました。
機器の点検
酸素の流れを確保するため、ホースや鼻カニューラ(鼻に装着する酸素のチューブ)が正しく接続されているかを確認します。
電源のオンと流量の調整
電源を入れた後、医師の指示に基づき必要な酸素の流量を調整します。
辛い時は容量を増やして、平常時は下げましょう。
使用
鼻カニューラや口につけるマスクを通して酸素を吸入し、外出時は装置を専用のバッグやカートに入れて携帯します。
乾燥するので、加湿器を使用することお勧めします。
飛行機内での酸素ボトル使用法
飛行機内でも、急に呼吸が苦しくなったお客様が利用できる酸素ボトルが備え付けられています。
呼び出し
呼吸困難を感じたら、すぐにキャビンアテンダントに知らせてください。
座席にキャビンアテンダントを呼ぶコールボタンがあるので押してください。
設定
キャビンアテンダントが酸素ボトルを持ってきて、必要な酸素の流量を設定します。
ハイとローがありますが、まずはローから使用します。
キャビアテンダントは、使用していることをパイロットに伝えて、酸素ボトルを使用した場所と残量を報告し、最後にログブックへ記載し、整備士へ引き継ぎましょう。
使用
指示に従って、マスクを装着し、酸素を吸入します。
注意点
飛行前には、使用する航空会社への事前通知や医師からの許可書の提出が必要な場合があります。
保安規則の遵守
機内での酸素ボトル使用には、航空保安規則を遵守する必要があります。事前に航空会社に確認しておきましょう。
機内持ち込みに関する制約
ポータブル酸素生成器を機内に持ち込む際は、航空会社の規定を確認し、必要な手続きを行ってください。
ポータブル酸素生成器を上手に活用すれば、肺疾患を持つ方でも安心して外出や旅行を楽しむことができます。そして、飛行機内での酸素の使用についても、事前準備とキャビンアテンダントへの適切なコミュニケーションが安心の鍵です。日常生活だけでなく、旅行中も健やかに過ごすために、これらの知識と準備をぜひ活用してください。
最後に
機内での酸素ボトルの使用は、安全上の理由から厳格な規制が設けられています。ここでは、機内で医療用酸素ボトルを使用する際の重要な注意点を追加説明します。
航空輸送上の危険品としての取り扱い
医療用酸素ボトルの例外扱い
航空輸送では酸素ボトルは「危険品」に該当しますが、医療用酸素ボトルに限り、特定の条件下での輸送が認められています。
酸素ボトル仕様証明書
酸素ボトルの番号、有効期限(容器再検査期限)、サイズ、重量を記載した仕様証明書の提示が必要です。
携帯可能な酸素関連機器
制限された機器の例
スポーツ用の携帯用濃縮酸素缶、O2パック、酸素発生器(電気分解やフィルター分解により酸素を発生させる仕組みのもの)や液体酸素は、機内持ち込みおよび貨物室への預け入れができません。
診断書の必要性
機内で酸素ボトルを使用する場合は、主治医が記入した航空会社所定の診断書の提示が必要です。
座席指定と酸素ボトルの収納
座席指定
酸素ボトルなどの医療機器は、原則としてお客さまの前の座席下に収納して使用します。非常口を除いた窓側座席または中央ユニットの通路側の座席が推奨されます。
追加座席の可能性
収納が困難な場合、追加で座席を購入する必要がある場合があります。
携帯型酸素濃縮器(POC)の使用
POCの使用
POCも酸素ボトルと同様に機内で使用できますが、メーカー名、製品名、型番、バッテリー種類の情報提供と主治医記入による診断書が必要です。
お付き添いの方の要件
操作のサポート
自身で操作が難しい場合は、お付き添いの方と同一クラスでの搭乗が必須となります。お付き添いの方は、酸素ボトルの操作を含む、さまざまなサポートが可能であることが求められます。
出発空港での流れ
チェックイン手続き
スペシャルアシスタンスカウンターでのチェックインが推奨されます。酸素仕様証明書と医療用酸素ボトルの確認が行われるため、余裕を持って空港に到着することが大切です。
航空輸送において酸素ボトルを含む医療機器の使用は、事前準備と正確な情報提供が必要となります。機内での安全と快適な旅のためにも、これらのガイドラインに従い、必要な手続きを事前に確実に行いましょう。
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