日本の未来は明るい
日本市場の成長可能性について
– 日本企業はまだROE（株主資本利益率）が低く、大きな成長の余地がある
– 政策保有株の比率が67%から11%に減少し、企業の構造改革が進む環境が整いつつある
– 海外投資家の関心が高まり、企業価値向上の圧力が強まっている
– 企業の再編・カーブアウト（事業の切り離し）が進めば、競争力が向上し、株価も上昇する見込み
海外投資家の日本買いは続く
ワイズマン廣田綾子さん：ホライゾン・キネティックス社 アジア戦略担当ディレクター。ウォール街で41年のキャリアを持ち、現在は日本を含むアジア市場での運用を担当。SBIホールディングス、東芝で社外取締役を歴任された方。
1980年代の米国市場と今の日本市場の類似点
1. 企業支配権市場の活性化
– 米国では1980年代に企業買収が活発化し、日本でも現在同様の動きが始まっている
– 日本の政策保有株の比率が大幅に減少（約67%→11%）し、安定株主が減少
– セブン&アイなど日本企業の「戦略的買収」が増加している
2. 企業の変革の必要性
– ROE（株主資本利益率）を二桁に上げることが重要
– 日本企業はまだ収益性が低く、効率性を高める余地が大きい
– 工場の売却や事業の集中など、合理的な経営判断がまだ十分に行われていない
日本企業の課題と改善点
1. 経営者の意識改革が鍵
– 「創業者インデックス」は一般の日本企業より大きくリターンが高い
– 創業者の強みは「判断のスピード」と「間違った時の撤退スピードの早さ」
– 失敗を認めて素早く損切りできる経営者が必要
2. CFOの役割の重要性
– 日本企業には本当の意味でのCFO（最高財務責任者）が少ない
– 財務戦略を社長と一緒に考えられる人材が必要
– 資本コストの概念を理解した経営がまだ少ない
3. コングロマリットディスカウントの解消
– 複数の事業を抱えるより、得意な事業に特化すべき
– 日本企業は規模が小さすぎる（半導体など）
– カーブアウト（事業の切り離し）を積極的に行うべき
日本の投資家にも変化が必要
– 国内機関投資家も純粋にリターンを追求する姿勢が必要
– 現在は会社間の関係性などが投資判断に影響している
– 投資の専門家としての意識改革が必要
投資初心者
なぜ日本市場に投資するチャンスがあるのか
1. アップサイドが大きい
– 日本企業は収益性や効率性を改善する余地が大きく、企業価値が上がる可能性が高い
– バフェット氏も日本の商社株を「世界で最も安い資源株」として購入
2. 変革の兆しが見える
– 企業ガバナンスの改善が進んでいる
– 日立やレゾナックのようなカーブアウト成功事例が出てきている
– 政策保有株の減少で経営の規律が強化されている
3. 海外投資家の視線
– 海外投資家が日本企業の改革を促している
– ROE（株主資本利益率）の向上を求める声が強まっている
投資家として気をつけるべきポイント
1. 経営者の質を見る
– 明確な戦略を持っているか
– 言ったことを実行しているか
– 失敗した時の対応が速いか
2. 企業の構造改革に注目
– 不採算事業からの撤退
– 得意分野への集中
– カーブアウト（事業の切り離し）の動き
ワイズマン廣田綾子さんは、日本の株式市場が大きく変わろうとしている過渡期にあり、その変化をうまく捉えれば大きなリターンが期待できることを示唆しています。特に経営者の意識改革と迅速な意思決定が企業価値向上のカギとなるでしょう。
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