飛行機に乗るとき、私たちは快適な座席に座り、安全な旅を楽しみます。しかし、愛するペットはどうでしょうか? 彼らは客室に入れず、貨物室で過ごすことがほとんどです。これは果たして、本当に最良の選択なのでしょうか?
2024年1月2日、羽田空港で発生したJAL機と海上保安庁機の衝突事故は、ペットの飛行機搭乗に関する議論を巻き起こしました。この事故で貨物室に預けられていた2匹のペットが命を落としたのです。飼い主にとっては、家族同然の存在。しかし、現行のルールでは「貨物」扱いにすぎません。これは果たして、正しいことなのでしょうか?
[飛行機とペット]今の現状
各航空会社のペット輸送ルール
飛行機に乗る際のペットの扱いは航空会社によって異なります。
- JAL(日本航空):貨物室での輸送のみ(客室同伴について議論中)
- ANA(全日本空輸)、スカイマーク:貨物室での輸送のみ(アレルギー配慮のため)
- スターフライヤー:「FLY WITH PET」サービスで客席同伴可能(一匹5万円)
- アメリカン航空、大韓航空、エア・カナダ:小型犬のみ客室同伴可能
- フィンエアー:6種類の動物を輸送可能、専用貨物スペースあり
- ユナイテッド航空:貨物室・客室どちらも利用可能
このように、海外では条件付きながらも客室にペットを同伴できる航空会社が増えてきています。一方、日本の大手航空会社ではまだ貨物室預かりが主流です。
貨物室でのリスク
ペットが貨物室で過ごすことには、以下のようなリスクが伴います。
- 熱中症や低体温症:夏は高温になりやすく、冬は極寒に。
- ストレス:騒音や暗闇、振動にさらされ、不安を感じやすい。
- 気圧の変化:短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)は特に影響を受けやすい。
- 緊急時の対応:事故やトラブルが発生しても、ペットの救出はほぼ不可能。
事実、JALでは2019年〜2023年の間に13匹のペットが死亡しており、そのうち犬は8匹です。2018年にはユナイテッド航空で18匹もの犬が亡くなりました。
ペットの安全が確保されないまま、貨物室での輸送を続けてよいのでしょうか。
[家族としてのペット]どうすべきか
犬を愛する者として、そして航空業界を知る者として、
そもそも「ペットは本当に旅行に行きたいのか?」と。
私はCAをしていた頃、多くのペット(特に犬)が貨物室に搭載されて、到着地でケージに入っているのをみたことがあります。
しかし、それは幸せの光景、かつて、愛犬のジョン(ゴールデンレトリバー)を飛行機に乗せたことがあります。そのときの不安は今でも忘れられません。貨物室に入れられたジョンが、見えない場所で怖がっていないか、ストレスで具合を悪くしていないか、ずっと気がかりでした。
幸い、ジョンは無事に到着しました。しかし、今振り返ると、もしあのときトラブルがあったら…と考えずにはいられません。
ペットは家族です。
家族である以上、できるだけ一緒にいるべきです。
1. 日本でも客室同伴を検討すべき
小型犬や猫は、海外のように客室に同伴できるようにすべきです。すでにスターフライヤーが導入しているように、日本の大手航空会社も対応を進めるべきではないでしょうか?
2. 貨物室の環境を改善する
すぐに客室同伴が難しいのであれば、貨物室の環境改善が必要です。温度・湿度管理、ストレス軽減のための工夫、気圧調整など、航空会社がペットの安全を最優先に考えるべきです。
3. 緊急時の救出プランを考える
「人命優先」は当然ですが、ペットの救出策も検討すべきです。ペットのための避難手順を確立し、乗務員への教育を進めることが重要です。
あなたの愛犬のために——飛行機に乗せる前に考えるべきこと
最後に、犬を飛行機に乗せるかどうか迷っている方へ。
- 本当に飛行機が必要か? → 車や新幹線ではダメですか?
- 時期を選んでいるか? → 夏・冬はリスクが高いです。
- 健康状態は万全か? → 事前に獣医師のチェックを受けましょう。
- 航空会社の規約を理解しているか? → 事前にしっかり確認を!
愛する家族を守るために
「たかが犬」と言う人もいるかもしれません。でも、私たちにとってはかけがえのない存在です。愛犬の安全と幸せのために、私たちはもっと声をあげるべきではないでしょうか?
「ペットは家族です」
この言葉が、ただのキャッチフレーズではなく、現実のものとなる日を願って。
✈️🐶 安全で幸せな旅を、すべてのペットとその飼い主へ。
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