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元JAL客室乗務員バフェットかおるが、50代・60代からでも始められる高配当株投資をわかりやすく解説しています。

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航空機事故のあとの補償はどう決まるのか|約款とモントリオール条約を私が読んだ記録

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航空機事故のあとの補償について、私はずっと「いくらもらえるのか」という形で考えていました。けれど約款と条約の条文を自分で読んでみて、その問いの立て方が間違っていたと気づきました。先に決まるのは金額ではなく、どの規則が適用されるかです。国内線と国際線では、まったく別の仕組みが使われます。国内線では旅客の死亡・傷害について金額の限度が設けられておらず、受託手荷物だけが一人15万円という限度を持っています。この記事は、私がその条文をどこで読んだかの記録です。

この記事は私自身の記録で、特定の会社や金融商品の推奨ではありません。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておりません。記載の数字は2026年10月時点のものです。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。また、個別の事故についての賠償の判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。この記事は法律上の助言ではありません。

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補償の話は「どの規則が適用されるか」から始まる

私が最初に取り違えていたのは、モントリオール条約がすべての航空機事故に適用されると思っていたことです。モントリオール条約は国際運送についての条約で、国内線だけを飛ぶ便には直接は適用されません。

2024年1月2日に羽田空港で衝突した日本航空516便は、新千歳から羽田への国内線でした。ですから、この便について適用されるのは条約ではなく、国土交通大臣に届け出られた国内旅客運送約款です。私は以前この記事で条約の数字を当てはめて書いていたので、今回そこを直しました。

どちらが適用されるかを分けるのは、搭乗した便が国内運送か国際運送かという点です。乗る前に自分で確かめられることなので、私は航空券を取るときに意識するようになりました。

国内線の場合|旅客の死亡・傷害に金額の限度はない

国内旅客運送約款には、事故が機内または乗降の作業中に生じた場合、旅客の死亡や負傷による損害について会社が賠償の責に任ずる、という条文があります。そしてこの条文には、金額の上限が書かれていません。

ANAが公開している国内旅客運送約款の第44条がその条文です。同じ約款の第48条に出てくる15万円という金額は、手荷物の運送についての限度で、旅客の身体に生じた損害には適用されません。私はこの二つを長いあいだ混同していました。

限度がないというのは、いくらでも払われるという意味ではありません。実際に生じた損害をどう算定するかという話が残ります。それは個別の事情で決まるので、記事で一律の金額を書くことはできません。

受託手荷物は一人15万円が限度|申告すれば引き上げられる

国内線で預けた手荷物については、価格の申告がない場合、賠償の限度は旅客1名につき15万円です。JALの国内線の案内ページにも、約款の第48条にも同じ金額が書かれています。

実際の価額が15万円を超えるときは、搭乗手続きのときに価額を申告しておく仕組みがあります。15万円を超える部分について1万円ごとに10円の従価料金を払うと、申告した価額まで限度が上がります。ただし、実際の価額を超えて支払われることはありません。

申し出の期限も決まっています。JALの案内では、破損は受け取った日の翌日から7日以内、受け取れなかった場合はその場ですぐに申告することになっています。約款では、引き渡されなかった場合は受け取るはずだった日から21日以内に文書で通知する、とされています。

楽器や陶磁器、ガラス製品のように壊れやすいものは、品物そのものの性質による破損について会社が責任を負わないとされています。私は現役のころ、お客さまから預け荷物について聞かれることが多かったのですが、この区分を正確に説明できていたか、いま振り返ると心もとないです。

国際線の場合|モントリオール条約の二段構えの責任

国際線にはモントリオール条約が適用されます。旅客の死亡・傷害についての金額は、国土交通省の公表によると、128,821SDR(特別引出権)から151,880SDRに改正され、2024年12月28日に発効しました。

ここが私が一番誤解していたところですが、この151,880SDRは「受け取れる金額」ではありません。この額までの部分については、航空会社が自分に過失がなかったと主張して責任を免れることができない、という性質の責任です。そしてこの額を超える部分については、航空会社が過失によるものでないことを証明できれば責任を負わない、という形に切り替わります。つまり二段構えで、全体としての金額の上限はありません。

同じ改正で、手荷物についての限度は1,288SDRから1,519SDRへ、旅客の延着については5,346SDRから6,303SDRへ引き上げられています。SDRは日々の為替で円に換算されるので、円でいくらになるかはその時点で変わります。

今回この記事から取り下げた数字

以前のこの記事には、過去の事故で支払われた金額や、航空会社がかけていた保険の金額を具体的に書いていました。今回、一次資料で確かめられなかったものはすべて落としました。

落としたのは、海外の事故で遺族や生存者に支払われたとされる金額、日本航空の保険契約の保険金額として報じられていた数字、そして羽田の事故のあとに支払われたと報じられた見舞金や弁済金の金額です。報道では見かけますが、航空会社や官公庁の公表資料で確かめられませんでした。

モントリオール条約の限度額として書いていた「11万3千SDR」も、改正前の数字とも一致しておらず、どこから引いたものか分からなかったので差し替えました。こういう数字を自分の記事に残しておくのは、読んでくださる方に対して不誠実だと思いました。

手荷物を置いて脱出するということ

羽田の事故では、乗客の方々が手荷物を持たずに脱出されたことが伝えられました。私が訓練で繰り返し習ったのも、荷物を持たないという一点でした。通路をふさがないため、スライドを傷つけないため、そして自分の手を空けておくためです。

そのうえで、置いていった荷物の扱いが約款でどうなっているかを知っておくことは、別の意味で心を楽にしてくれると私は思いました。手元を空けて降りることと、あとで補償の枠組みがあることは、両立します。

私が自分の備えとして決めたこと

条文を読んで分かったのは、補償の仕組みは確かにあるけれど、すぐに手元に現金が入るとは限らない、ということでした。申し出の期限があり、算定に時間がかかります。

私は、何かが起きてから制度を調べるのではなく、自分で動かせるお金を手元に置いておくことを先に決めました。預金をいくらか切り離しておくことと、少しずつでも配当金が入る形を作っておくこと。この二つが、私にとっての落ち着きどころになりました。

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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。

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