日本航空(JAL)のと総会屋事件が残した、コンプライアンスと企業ガバナンスの進化。

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日本航空(JAL)の総会屋事件が残した、コンプライアンスと企業ガバナンスの進化。 – YouTube

この記事は、1996年から1998年にかけて、日本航空(JAL)の総務部が、総会屋の迷惑行為を抑えるために、鉢植えの木のリース代金として、ひとりの総会屋に対して、1億円を渡していた事件について書いています。

この記事を読むと、会社の一員として、まじめに働いてきた社員が、会社の暗黙の了解に従って、仕方なく行った仕事によって、書類送検された、社員のつらさがわかります。

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日本航空(JAL)総会屋事件

関与した担当者や役員に対して、内部調査が行われましたが、解雇はされず、子会社へ出向したと言われています。会社のためにやったことで、こんなことになるなんて社員のツライ立場が痛いほどわかります。

JALフィロソフィーには「人間として何が正しいかで判断する」という言葉があります。大きな集団の中にいると見失うこともあります。

日本政府の総会屋対応策

この事件を受けて、日本政府は企業と総会屋との不正な取引を防ぐための法律を整備し、企業側にもコンプライアンスの徹底が求められるようになりました。

1990年代は、1万人以上の総会屋がいて、企業の株式を少し保有しているだけで、株主総会に参加し、大きな声で、経営批判を繰り返すなど、議場を混乱させていました。企業は株主総会を穏便に終わらせるために彼らに金銭を渡しており、ひとりの総会屋が複数の金融機関から100億円の不正融資を受けたこともありました

現在、総会屋の人数は180人以下で、実際に活動をしている20人は、警察や企業からマークされています。

総会屋の種類について

総会屋には二種類あります。少しの株式を持って株主総会に参加し、企業に不利益な発言をして、それをやめる「対価」として利益を得る方法と、
企業から報酬を受け取り、他の株主を威圧し、誰も株主総会で発言できなくする方法です。

総会屋の6つの類型

さらに、総会屋には6つの類型があります。

与党総会屋

与党総会屋呼ばれる進行係は、会社の説明に賛成し、議事進行の立場で総会を進行させます。

野党総会

野党総会と呼ばれる、会社ゴロ、は、総会で無意味な発言や質問を繰り返し、議場を混乱させます。

出版屋

雑誌屋、通信社などの出版屋は、新聞、雑誌を発行し、購読料や賛助金といった名目で金品を要求します。

政治ゴロ

政治ゴロは、売名目的で立候補し、政治資金の名目で企業から協賛金を強請ります。

倒産ゴロ

倒産ゴロは、企業倒産に付け込み、倒産企業の資産を安く買い叩いたり資本参加して会社を乗っ取ります。

特許ゴロ

特許ゴロは、特許・商標・ドメイン名を不正に取得して金銭を得ます。

このような総会屋問題は、企業ガバナンス強化と、コンプライアンス意識向上のきっかけとなり、法律の改正や新法制定が進み。2006年の会社法施行で利益供与が規制され、「利益要求罪」が新設されました。

今でも大企業の株主総会には、数名の総会屋がやってきますが、彼らにフォーカスしたカメラを、別室で社員が監視し、会場には必ず警察官がいます。

画像出典:press.jal/access journal/aviation wire

日本航空(JAL)が破綻した理由を、具体的な背景にそって説明します。 (cabinattendant.blog)

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