オルカンやSP500などのインデックス投資を取り崩す方法、4%ルールとは。

結論として現金を預金している場合、30年間で資産が完全に枯渇してしまうので、S&P500などのインデックスファンドで運用することが、長期的な資産維持や収入確保において非常に有利であり、現金で保持することはインフレリスクや資産減少のリスクを伴うため、投資による運用が推奨されています。つまりS&P500で運用した場合、 92.2%の確率で資産が残り、長期的に見て安定した収入源を確保できるのです。

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4%ルールとは

FIRE(Financial Independent, Retire Early)を目指す人々にとっての資産取りの基準で、リタイア後の生活費を守るためにどれだけ資産を取り込めるかを示す考え方です。

日本は年金制度があるので、年金を差し引いた額の足りない部分をインデックス投資などで増やし、不足分を補う

4%ルールの事例紹介

  1. 4%ルールは、退職後に年間生活費として総資産の4%を取り込むということで、資産を減らす生活ができるという理論で、年間の支出を25倍にした金額の資産があれば、 30年間にわたって安定した生活が可能。
  2. このルールは、アメリカのトリニティ大学の研究に基づいており、過去の市場データから導き出され、S&P500の成長率(約7%)とインフレ率(約3%)を考慮しています。
  3. 年間生活費が180万円の場合、その25倍にあたる4500万円を保有し、年間4%の収益を得ることでリタイア生活が可能になります。

現金(預金だけ)との比較

4%ルールを利用してS&P500や全世界株(オルカン)などのインデックスファンドで運用する場合と、同じ額の現金を持っている場合の比較をしてみましょう。

前提条件

資産額を同じ額の現金にして(例:1億円)

  • 取り崩し率:4% 
  • 運用期間:30
  • S&P500での運用
  • 期待リターン:約7%(インフレ率3%を考慮すると実質リターンは約4%
  • 資産枯渇確率**:約8.8%

結果

30年間にわたって毎年4%(例:400万円)を取り崩す場合、過去のデータに基づくと、資産が枯渇する確率は8.8%であり、92.2%の確率で資産が残る可能性があることがわかった。

現金だけの場合

  • リターン:0%(現金は利息がほとんどつかないため)
  • 取り崩し:毎年4%を取り崩すと、30年後には全ての資産が枯渇します。

結果

1億円の現金から毎年4%400万円)を取り崩した場合、30年後には全ての資産がなくなります。

4%ルールは、S&P500やオルカンなどのインデックスファンドを利用することが一般的で、長期的に見て資産を持続的に運用しながら取り崩すことを目的としています。

定率取り崩し成功事例

1. トリニティスタディ(1998年)
– ポートフォリオ構成:株式50%、債券50%
– 取り崩し率:年4%
– 結果:30年後に資産が残っている確率が96%

2. 長期的研究(1900年から2019年までの120年間)
– アメリカの場合:
– ポートフォリオ構成:株式60%、債券40%
– 取り崩し率:年4%
– 結果:30年間の失敗確率がわずか8.8%

これらの研究結果は、定率取り崩し戦略が長期的に成功する可能性が高いことを示しています。特に、適切なポートフォリオ構成と取り崩し率を選択することで、30年以上にわたって資産を維持できる可能性が高いことが分かります。

リタイア後

4%ルールとは、リタイア後に年間支出の4%を取り崩すことで、資産が目減りせずに持続的に生活できるという考え方で、米国の株式市場の成長率とインフレ率に基づいています。

運用益:投資元本から得られる運用益が年間4%程度であると仮定し、その範囲内で生活費を賄うことで、資産を維持できます。

まとめ

  1. S&P500の4%ルールは、S&P500のような米国株式を中心としたポートフォリオを前提としており、過去のデータから見ても、この市場に投資することで高いリターンが期待できます。米国株式市場の成長率(約7%)からインフレ率(約3%)を差し引いた結果、4%の取り崩しが可能。30年間で資産が枯渇する確率は8.8%
  2. 全世界株(オルカン)の場合、eMAXIS Slim 全世界株式などでも4%ルールは適用可能ですが、成功する確率はS&P500よりも低いとされていて、全世界株の場合、30年間で資産が枯渇する確率は約26.4%

4%ルールを成功させるためには、ポートフォリオの構成が重要で、全世界株式を50%、債券を50%にした場合、引き出し率を3%に下げることが推奨されています。また、全世界株100%の場合は引き出し率を3.5%程度に設定することが考えられます。

注意点

楽天証券やSBI証券のNISAページから直接定率売却を設定することはできません。

SBI証券の「投資信託」メニューから「定期売却」を選択する方法

1. SBI証券のウェブサイトにログイン

2. トップメニューから「取引」を選択

3. 表示されるサブメニューから「投資信託」を選択

4. 「投資信託」のページ内で「売却」を選択

5. 「売却」のサブメニューから「定期売却」を選択

初めて定期売却を利用する場合は、約款の確認と承諾が必要です。

楽天証券

現在、楽天証券は、投資信託の定期売却サービスにおいて、定額売却と定率売却の両方に対応しています。

NISA対応: 楽天証券のサービスは一般口座だけでなく、NISA口座にも対応しており、税制優遇を活かした取り崩しが可能。
メリット: 定率取崩しを利用することで、資産が減少した年には取り崩し額が自然に減少するため、資産寿命を延ばすことが期待できます。

 

SBI証券

現在(2025年以前)はSBI証券の投信定期売却サービスは定額売却のみですが、2025年中には定率売却機能が追加される予定です。
NISA対応: 新たに追加される定率売却もNISA口座に対応する見込みです。
メリットと課題: 定額売却では市場が低迷している時に多くの口数を解約してしまうリスクがありますが、定率売却が導入されれば、この問題を解決できる可能性があります。

楽天証券はすでに定額・定率両方の取り崩し方法を提供しており、特に資産寿命を延ばすための柔軟性があります。一方で、SBI証券は2025年以降に定率取崩しを導入予定であり、その時点でサービスが向上する見込みです。これらの違いを理解することで、自分に合った証券会社を選ぶ際の参考になります。

NISAで4%ルール使えない場合の対策

SBI証券は、NISA預りのファンドや口数保有のファンドは定期売却の対象外なので、もし今定額取崩しを始めたい時は、株価が全体的に上がっているタイミングで、NISAで積み上げてきたインデックス投資を解約し、そのお金をそのまま特定口座へ移し、引き続きSP500やオルカンに一気に投資することで、損をすることなく資産を守り続けることが可能です。取崩しの設定金額は1,000円以上、1円単位で設定可能で売却価格は、約定日の基準価額または解約価額(信託財産留保額がある場合)で売却されますが、あまり気にすることはありません。

NISAは非課税

NISA口座での株式売却に関しては、売却益や配当金が非課税となります

1. NISA口座で得た売却益(譲渡益)や配当金は、一般的な課税口座とは異なり、税金がかかりません。これにより、利益がそのまま手元に残ります。

2. 新NISAでは、成長投資枠とつみたて投資枠が設けられており、それぞれ年間240万円と120万円の非課税投資枠があります。この範囲内で投資を行った場合、得られる利益は非課税です。

3. NISA口座で発生した損失は、他の口座(特定口座や一般口座)との損益通算ができません。つまり、NISA口座内での損失は税金に影響しません。

このように、NISAを利用することで得られる非課税メリットを最大限に活用することができます。株式や投資信託の売却を考えている場合は、NISA口座を利用することが非常に有利です。

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