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資産3,000万円という金額を目安に置いたら、何が変わるのか。私はこれを、気持ちの話ではなく数字の話として考え直しました。結論を先に書くと、変わるのは増え方ではなく、お金の使い道を決める順番です。3,000万円を年4%で取り崩すと年120万円、月10万円になります。この月10万円を何に使うのかを先に決めると、生活防衛費の額も、持つ会社の選び方も変わりました。
私は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。この記事は私が公表資料を読んで考えた記録で、特定の商品の売買を勧めるものではありません。記事中の数字は2026年10月時点で公表されている資料にもとづきます。税金や社会保険の具体的な判断は、税理士や所轄の税務署、年金事務所にご相談ください。
3,000万円は、どれくらいの位置にある金額なのか
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査2025年(単身世帯調査)」では、金融資産保有額は平均919万円、中央値130万円でした(金融資産を持っていない世帯を0万円として計算した数字です)。
平均と中央値がこれだけ離れているのは、一部の大きな額が平均を引き上げているからです。真ん中にいる世帯の姿に近いのは中央値のほうだと、この調査にも書かれています。
3,000万円は、この中央値からはかなり離れた金額です。だから私は、3,000万円を「普通に貯まる額」として書くのは違うと思いました。何年かけるのか、毎月いくら回すのかを決めないかぎり、届く金額ではありません。
年4%で取り崩すと、月いくらになるのか
3,000万円を年4%で取り崩すと、年120万円です。12で割ると月10万円になります。
4%という数字は米国の研究でよく使われるもので、日本の税金や為替をそのまま当てはめられるわけではありません。それでも、資産の金額を毎月の金額に置き換えて考える道具としては、私には使いやすいものでした。
もう一つの見方として、配当金で月10万円を作ろうとすると、年120万円の配当金が必要です。税金が引かれる前の配当利回りを3%とすると、元本は4,000万円になります。利回り4%なら3,000万円です。
ここで私が気づいたのは、同じ月10万円でも、取り崩して作るのか、配当金で作るのかで、必要な元本が変わるということでした。私は取り崩しをできるだけ後回しにしたいので、配当金のほうを増やす形を選びました。
生活防衛費をいくらにするか、公的な制度から逆算した
生活防衛費は「3か月分から6か月分」と言われることが多いのですが、私はその根拠を自分で持っていませんでした。そこで、会社員が働けなくなったときに使える制度を先に確かめました。
健康保険には傷病手当金があります。全国健康保険協会の案内では、支給は支給を開始した日から通算して1年6か月までで、1日当たりの額は、標準報酬月額の平均額を30で割って3分の2を掛けた金額です。
つまり、病気やケガで働けなくなっても、おおよそ給与の3分の2が1年6か月まで入ってくる仕組みがあります。ただし3分の1は減りますし、1年6か月で終わります。
私はここから、生活防衛費を「減る3分の1を1年6か月分まかなえる額」と「制度が終わったあとの数か月分」を足した金額に決めました。自分の家計の数字で計算したので具体的な金額は書きませんが、世間で言われる6か月分とは違う答えになりました。
自営業の方は傷病手当金がない場合があるので、必要な額は会社員より多くなります。ご自身の加入している制度を確かめてから決めるのがいいと思います。
お金の不安が小さくなると、考えることが変わる
お金が足りないときは、なぜか時間も足りなくて、いつも焦っていました。心に余裕がないと、家族にきつく当たってしまうこともありました。
毎月いくら入ってくるのかが数字で見えるようになると、その焦りが少し減りました。金額が大きくなったからではなく、見えるようになったからです。
私が変わったのは、お金の増え方ではなく、お金の使い道を決める順番でした。先に生活防衛費を取り分けて、次に積み立てる金額を決めて、残りで暮らす。この順番にしてから、月によって決め方が揺れなくなりました。
健康にかけるお金の順番が変わる
もう一つ変わったのは、健康にかけるお金の順番です。
長く持ち続けるつもりの投資をしていると、受け取る側の自分が元気でいる年数が、いちばん効く変数になります。配当金を30年受け取るのと15年受け取るのでは、受け取る総額が倍違います。
だから私は、人間ドックや検査にかけるお金を、投資に回すお金より先に置くことにしました。金額の話ではなく、順番の話です。
それでも私が気をつけていること
3,000万円に届いたら資産が自動的に増えていく、という書き方を私は信じていません。
値上がりも配当金も、下がる年があります。配当を減らす会社もあります。増え方が速くなったように見える時期は、相場が上がっていた時期と重なっているだけかもしれません。
だから私は、増え方の速さを目標にするのをやめました。かわりに、持っている会社が稼げているか、配当を続けられているかを、決算のたびに自分で確かめることにしました。良い会社を割安なときに買って長く持つ。ウォーレン・バフェットのやり方を真似するなら、確かめるのは会社のほうだと思っています。
配当金から引かれる税金も、先に入れて計算した
配当金で月10万円を作ると決めたとき、私が見落としていたのは税金でした。
国税庁の資料では、上場株式等の配当等には、所得税および復興特別所得税15.315%と地方税5%、合わせて20.315%が源泉徴収されます(大口株主等が受けるものを除きます)。
つまり、年120万円の配当金を受け取るつもりでも、課税口座なら手元に残るのはおおよそ95万6,000円です。月にすると約8万円で、2万円足りません。
手元で月10万円にしたいなら、税引き前で年約150万円の配当金が必要になります。利回り3%なら元本5,000万円、4%なら3,750万円です。先に書いた金額よりかなり増えます。
NISAの枠の中なら、この20.315%はかかりません。だから私は、配当金を受け取る目的の会社を、できるだけNISAの枠の中に置くことにしました。枠は生涯で1,800万円なので、全部は入りません。入りきらない分は課税口座に置いて、税引き後の金額で数えるようにしています。
なお、国税庁の同じ資料には、令和9年1月1日以後に生ずる所得について、復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられ、あわせて防衛特別所得税(源泉徴収すべき所得税額の1%相当)が源泉徴収されると書かれています。私は来年以降、手元に残る金額を計算し直すつもりです。
まとめ
資産3,000万円を年4%で取り崩すと年120万円、月10万円です。配当金で同じ月10万円を作るなら、税引き前の利回り3%で元本4,000万円、4%で3,000万円が必要になります。
J-FLECの2025年の単身世帯調査では、金融資産保有額は平均919万円、中央値130万円でした。3,000万円は、そこからかなり離れた金額です。
生活防衛費は、傷病手当金が通算1年6か月まで、標準報酬月額の平均を30で割って3分の2を掛けた額で出ることを前提に決めました。制度が終わったあとの分も足して、自分の家計の数字から出した金額です。
変わったのは増え方ではなく、使い道を決める順番でした。この記事は私の考えの記録で、特定の商品の売買を勧めるものではありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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