飛行機に乗る時、事故が怖いと思うことはありませんか。
なぜなら、飛行機事故の衝撃的な映像が、繰り返し流れることによって、飛行機は危険だと思い込むことがあるからです。
この記事では、航空会社のCAが訓練している手順や動作を紹介しています。
この手順を知ることで、事故が起こった時に、一番大切なことが何かがわかります。
結論として、パイロットやCAは、乗客の命を守るために、日ごろから厳しい訓練を受けているので、事故が起きた時には、パイロットとCA、CAと乗客が協力し合うことが一番大切なのです。
命を守る90秒脱出
出典:finesky
飛行機事故が起きた時、90秒以内に脱出することで生存の可能性が上がることが、アメリカ連邦航空局のシミュレーションで証明されました。
このシミュレーションは、年齢や性別を混合し、半分のドアが開かない設定で、何度も繰り返されて、90秒で脱出することが、助かるギリギリの時間だとわかったのです。
これは、命を守る90秒ルールと呼ばれ、世界基準として運用されています。
緊急事態とは
出典:UPDUPOINT
飛行機の緊急事態とは以下の5項目です。
- 火災が発生する。
- 機内に煙が充満する。
- 離着陸時に飛行機が大きく傾く。
- 大きな音や激しい揺れがおこる。
- 燃料が漏れはじめる。
重大事態とは
- 火災が起こり、煙が機内に充満する。
- 海上に着水し浸水が始まる。(飛行機は15~20分で完全に沈みます。)
- 燃料漏れが始まる。
- 飛行機が大きく壊れる。
この場合、CAはすぐにドアの状況を確認します。
- 外に火災が発生していないこと。
- 燃料漏れがないこと。
- 外側に逃げ出せるスペースがあること。
- 海上の時は、水の高さが大丈夫であること。
外に火災が発生していない場合、CAは、10秒以内に滑り台を膨張させて乗客を全員脱出させます。
脱出に成功した事例
出典:blog.goo.ne.jp
2007年8月20日、那覇空港で中華航空120便がエンジンから出火し爆発した時、CAの指示で、165人全員が、火災発生から60秒で脱出し、1人の犠牲者も出ませんでした。 CAと乗客の協力が、成功した事例として有名です。
確認しあうこと
出典:nikkei.com
脱出の仕方は、着陸する場所で変わってきます。
着陸する場所が、陸の場合は、救命胴衣を着る必要はなく、海の場合は、着用しなければなりません。
それをCAが乗客へ説明します。
さらに、CAはパイロットから以下のことを聞いて乗客に伝えます。
- 事故の状況を、乗客へアナウンス。
- 緊急着陸まで残された時間を乗客へアナウンス。
- CAが、身体を衝撃から守る方法を乗客へ説明する。
- CAは、その姿勢を取るタイミングを乗客へ伝える。
- 海の場合、救命胴衣の取り扱いを説明。
- ボールペンやメガネなど、シートポケットに入れてもらう。
- それぞれの人が、どのドアから出るか説明する。
衝撃から身体を守る姿勢
身体を衝撃から守る方法姿勢を説明します。
- 座席の背とテーブルを元の位置に戻します。
- シートベルトを締めているか確認します。
- 顎を引いて、前に頭を付け、両手は頭の後ろに回して、かかとを引くか、腕で両足をつかみます。
CAが「頭をさげて!HEADS DOWN」と叫んでから、この姿勢を取ります。
合図の出し方
出典:postseven.com
パイロットからCAへ機内アナウンスで指示が出ます。
CAが、「頭を下げて!」と叫んでから、飛行機が停止するまで、この姿勢を続けます。
と叫び始めると同時に、乗客は身体を守る姿勢を取ります。
そして飛行機が止まってから、シートベルトを外します。
CAは、乗客が混乱しないように
と叫び始めます。
脱出する前に確認
- 燃料漏れがないこと。
- 滑り台を出すスペースがあること。
- 火災が発生していないこと。
- 着水していないこと。
- ドアモードがスライドが出る状態であること。
ドアの外が安全な時、ドアを開けます。
滑り台が膨らんだら、乗客をドアへ誘導します。
ここまでが10秒以内です。
-
- 手荷物を持たないこと。
- ハイヒール等で滑り台を傷付ける物を身に着けないこと。
- 混乱防止。
多くの乗客が、荷物を持って脱出しようとします。
手荷物は置いて逃げることが必要です。
乗客が荷物を持ち出そうとした事例①
2013年7月6日 サンフランシスコ国際空港で起きたアシアナ航空機の着陸失敗事故で、荷物を持ち出した乗客がいたことで、ネット上で「人命よりも荷物が大事なのか」という批判が続出しました。
乗客が荷物を持ち出そうとした事例②
モスクワ郊外のシェレメチェボ空港で、アエロフロート・ロシア航空機が着陸後炎上した事故では、通路が1本だったにもかかわらず、後方のドアが開かなかったので、前方の生存者37名が、荷物を持ち出し脱出したことで、後方にいた41人が死亡しました。
救命胴衣の説明
CAが救命胴衣の着用の仕方を説明します。
出典:ANA HP
救命胴衣を頭からすっぽりとかぶり、ひもを腰に巻き、金具をとめます。
脱出する前に、膨らませてしまうと、逃げ出しにくいのです。
スペースが狭い機内で膨らませると、膨らんだ大きさでドアから脱出できない可能性もあります。
危ない物を収納する
CAが、怪我をしないように、機内の荷物を固定し、とがった物を収納します。
出典:ピーチHP
- ハイヒールはスライドを傷つける恐れがあるので脱いでください。
- ボールペンやメガネなどは、怪我の恐れがあります。
ハイヒールは、空気で膨らんだ滑り台に傷をつけてしまいます。
私たちCAも空港ではハイヒールを履いていますが、安全のため、離陸前にローヒールに履き替えています。
脱出
CAが乗客の脱出口を説明します。
出典:dutcheez.org
1つのドアに固まるのではなく、区分けされた近くのドアから素早く逃げ出すことが必要です。
以下の場合は、他のドアから逃げ出します。
- ドアが開かない。
- 外が火災で脱出できない。
- 燃料が漏れている。
- 逃げ出すスペースがない。
最後に
飛行機は安全な乗り物です。
アメリカの国家運輸安全委員会によると、飛行機で死亡する確率は、0.0009%です。
それに比べて、日本の自動車事故で死亡する確率は、0.003%で、33000人に1人です。
飛行機は自動車より安全な乗り物です。
日本では、JAL123便以降、飛行機事故で死亡した事例はないと言われています。
キャビンアテンダントは、厳しい訓練を行いフライトしているので、是非、安心して空の旅を楽しんで頂きたいと思います。
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