空港のゲート、旅客系の端末や改札機が共通化はどこ主導?

​​① 空港のゲート・端末の共通化はどこ主導?

「顔パス」で通過できる新しい搭乗手続き(Face Express)や、航空会社を問わず使える自動チェックイン機(CUSS)の導入は、成田国際空港(NAA)や羽田空港ビル(TIAT)などの「空港会社」が主導し、NECの生体認証技術を使って構築されました。

ただし、勝手に決めたわけではなく、航空業界の国際的なルールを作る**IATA(国際航空運送協会)**が推奨する「One ID」という世界標準規格に沿って進められています。「どの航空会社でも同じ顔認証システムで通れるようにしよう」という世界的な流れを、日本の空港会社が主導して導入した形です。

② 新しい改札機の形(圧迫感の正体)

空港に行っていない方にもわかるように説明すると、新しいゲート(Face Express対応ゲートなど)は、**「透明な壁に挟まれた細い通路」**のような形をしています。

  • 従来: 腰の高さくらいの低い扉(フラップ)がパカッと開くだけで、開放感がありました。

  • 新型:

    • 背が高い: 扉(フラップ)が胸や顔の高さまであるガラス板になっています。

    • 目的: 前の人が通過した隙に後ろの人が不正に通り抜ける「共連れ」を防止するため、壁が高く設計されています。

    • 圧迫感: 通路の左右に高い機材(カメラやスキャナ内蔵の柱)がそびえ立っており、横幅のある方にとっては「機械の壁に挟まれる」ような感覚になりやすく、これが「圧迫感」や「苦手」と言われる原因です。

③ JALの「しまくとぅばシール」とは

これは正確にはJALグループの**JTA(日本トランスオーシャン航空)**が実施しているサービスです。

  • 内容: 沖縄の方言(しまくとぅば)とその意味、可愛らしいイラストが描かれたシールです。

  • 入手方法: 機内で客室乗務員(CA)に声をかけるともらえます。

  • 目的: 沖縄の文化に親しんでもらうため。CAが持っている「都道府県シール」の沖縄版のような位置づけで、コレクションしているファンも多いアイテムです。

④ JALとANAの共有(人員不足対策)

両社は「グランドハンドリング(地上支援業務)」と呼ばれる分野で、異例のタッグを組んでいます。

  • 具体的な共有内容:

    • 資格の相互承認: これまでは「JALの飛行機を動かす資格」「ANAの飛行機を動かす資格」が別々でしたが、地方空港を中心に**「どちらの資格を持っていれば、両社の飛行機を扱ってOK」**という仕組みに変えました。

    • 対象空港: 利尻、函館、秋田、仙台、新潟、岡山、徳島、高知、鹿児島など10空港(2024年4月時点)。

  • その他:

    • 空港内で貨物を運ぶ「コンテナ」の規格統一(相互利用)。

    • 地方空港での機材(タラップ車や牽引車)の貸し借り。

⑤ JALなのにANA社員がやること(逆も然り)

上記の「共有化」により、以下のような光景が生まれています。

  • マーシャリング(誘導): JALの飛行機が到着した際、ANAの制服を着たスタッフがパドルを振って駐機位置へ誘導する(またはその逆)。

  • プッシュバック・トーイング: 出発するANA機を、JALの牽引車(トーイングトラクター)とJALスタッフが押し出す。

  • 手荷物搭載: JAL便の貨物室に、ANAのスタッフがベルトローダーを使って荷物を積み込む。

※これらは主に委託先が同じ地方空港で行われていますが、制服が違うスタッフが他社の機体を触るというのは、航空ファンから見ると歴史的な出来事です。

⑥ 空港の人員不足の深刻さと事例

人員不足は非常に深刻で、「飛ばしたくても飛ばせない」事態が起きています。

  • 海外航空会社の就航断念(機会損失): 成田空港などで、海外の航空会社が「日本便を増やしたい・再開したい」と申し出ても、荷物を扱うスタッフ(グランドハンドリング)が足りず、**「受け入れ拒否」**をする事例が発生しました。

  • 遅延の常態化: 荷物を積み込む人が足りないため、出発時刻になっても作業が終わらず、フライトが遅れるケースが増加しています。

  • サービス低下: 以前は行っていた「手荷物の優先返却」等のサービスが一部縮小されたり、チェックインカウンターの待ち時間が長引くなどのクレームに繋がっています。

⑦ JAL・ANA 社員の年収(目安)

※有価証券報告書や求人統計に基づく平均的な目安です。年齢やランクにより大きく異なります。

職種 平均年収の目安 備考
パイロット 2,000万円前後 機長クラスはこれ以上。副操縦士はこれより低い。
客室乗務員(CA) 450万〜600万円 フライト時間(手当)により変動。
総合職(管理職候補) 700万〜1,000万円超 本社勤務のエリート層。管理職は1,000万超えも。
整備士 500万〜700万円 資格手当や夜勤手当が含まれることが多い。
グランドスタッフ(GS) 300万〜400万円 ※ここが一番低いです。多くは子会社や委託会社所属のため、本体社員とは給与体系が異なります。

グランドハンドリング(地上支援)の人手不足は、単に「忙しい」というレベルを超えて、**「来るはずだった飛行機や観光客を、物理的に受け入れられず断っている」**という深刻な事態に陥っています。

2024年から2025年にかけて顕在化した、主要空港ごとの具体的な影響事例をまとめました。

1. 成田空港:「前代未聞の受け入れ拒否」

日本の空の玄関口で、海外の航空会社からの就航希望を断る異常事態が起きました。

  • 具体的な影響:

    • 2024年以降、海外の航空会社から「増便したい」「新規就航したい」というリクエストがあったものの、グランドハンドリングの人員が確保できないため、週に100便以上もの申し出をお断りする事態が発生しました。

    • 特に中国やアジアからの復便(コロナ後の再開)要望に応えきれず、結果として数千億円規模の経済損失(機会損失)が出ていると言われています。

2. 新千歳空港(北海道):冬の観光シーズンへの打撃

スキーや観光で人気の北海道ですが、ここでも人手不足が直撃しています。

  • 具体的な影響:

    • 香港航空などが、新千歳への直行便再開を計画していましたが、空港側が「ハンドリング業者の手配がつかない」として受け入れられず、運休が長期化したり、再開が見送られたりしました。

    • オーストラリアなどからの国際線チャーター便も、給油や荷下ろしをするスタッフが足りないため、受け入れを断念するケースが相次ぎました。

3. 地方空港(高松、新潟、那覇など):地方創生の足かせ

地方空港はさらに深刻です。大手(JAL/ANA)の系列会社が撤退したり、地元の人員が不足しているためです。

  • 高松空港(香川): 台北線の増便や、ベトナムからのチャーター便受け入れの話がありましたが、人手不足を理由に断らざるを得ない状況が発生しました。

  • 那覇空港(沖縄): 深夜便や早朝便に対応できるスタッフが足りず、特定の時間帯の増便が難しくなっています。

  • 新潟空港: 国際線の再開にあたり、保安検査員やハンドリングスタッフの確保が難航し、路線の復帰スケジュールに遅れが出ました。

まとめ

これらの「断られた便」はニュースになりにくいですが、結果として私たちの旅行には以下のような形で跳ね返ってきています。

  1. 航空券が高止まりする: 本来もっと多くの飛行機が飛んでいれば価格競争が起きるはずですが、便数が制限されているため、チケット代が下がりにくくなっています。

  2. 直行便が復活しない: 「コロナ前はここから直行便で行けたのに」という路線がなかなか復活しない原因の一つがこれです。

  3. 出発遅延: なんとか運航していてもギリギリの人員で回しているため、一人が体調不良で休んだり、一つの作業が長引くだけで連鎖的に遅延が発生しやすくなっています。

業界全体として賃上げや、前回お話しした「JALとANAの相互協力」などで対策を急いでいますが、完全な解決にはまだ時間がかかりそうです。 

JALもANAも、現在は「需要はあるのに、人やモノが足りなくて稼ぐチャンスを逃している」という、非常にもどかしい状態にあります。

経営上のリスク要因という観点で、今まさに両社が頭を抱えている問題を4つに整理しました。

1. 「飛ばしたいのに飛ばせない」機材トラブル

お客さんを乗せる飛行機そのものに、メーカー都合のトラブルが相次いでいます。

  • ANAの「エンジン問題」:

    • ANAが主力で使っているエアバス機(A320neo/A321neo)のエンジン(プラット・アンド・ホイットニー製)に製造上の欠陥が見つかりました。

    • 世界的なリコールとなり、点検・修理のために何十機もの飛行機を長期間地上に止めざるを得ない状況です。これにより数千便規模の減便を余儀なくされ、数百億円規模の減収要因になっています。

  • 「来ない」次世代機(B777X):

    • ANAが国際線の切り札として発注していたボーイングの最新鋭機「777-9(777X)」の納入が、開発遅れで当初の予定から5年以上も遅れています

    • 古い燃費の悪い機体を使い続けなければならず、燃料費がかさむ上に、他国のライバル航空会社との競争力低下が懸念されています。

  • JALの機材調達:

    • 2024年初頭の羽田での事故による全損(A350)の穴埋めや、老朽化した機体の更新が必要です。しかし、世界的な航空機需要の高まりと円安で、機体の値段が歴史的に高騰しており、投資コストが重くのしかかっています。

2. 「2024年問題」の余波(人手不足の慢性化)

前回お話ししたグランドハンドリングだけでなく、空の安全を守る専門職も足りていません。

  • 整備士不足:

    • ベテランの大量退職に対し、若手の採用が追いついていません。整備に時間がかかると、飛行機を定刻に出せず、**「遅延が常態化」**するリスクがあります。

  • パイロットの「2030年問題」:

    • 現在のベテラン機長たちが一斉に定年を迎える時期が迫っています。機長を一人育てるには10年単位の時間がかかるため、今から養成しても間に合わない可能性があり、将来的に**「パイロットがいないから減便」**という事態が現実味を帯びています。

3. 「円安」のジレンマ

円安は、外国人観光客(インバウンド)が増えるというメリットもありますが、航空会社にとっては強烈なデメリットも含んでいます。

  • 支払いは「ドル建て」:

    • 飛行機の機体代、リース料、そして燃料費の多くは米ドルで支払います。

    • 円安が進むと、日本円での支払額が膨れ上がり、利益を大きく削ります。燃油サーチャージでお客さんから回収しようとすると、今度はチケット代が高すぎて海外旅行需要が冷え込むという悪循環に陥ります。

4. 国内線の「儲からない」構造

  • 新幹線との競争:

    • 国内線は、燃料費や人件費が上がっても、新幹線という強力なライバルがいるため、簡単に値上げができません。

    • ANAなどは「国内線は実質赤字に近い」という趣旨の発言をしたこともあり、ドル箱だったはずの国内線が、コスト高で**「飛ばせば飛ばすほど苦しい」**ビジネスになりつつあるのが現状です。

「インカムゲイン(配当)」と「長期保有」を重視する投資家の視点で、JALとANAのどちらがより魅力的な「配当体力」を持っているか、最新の数字(2026年1月時点の株価・予想)で比較分析しました。

結論から言うと、配当狙いならJAL(日本航空)の方に分があります。

その理由を3つのポイントで解説します。

1. 配当利回りの比較(JALの圧勝)

まず、投資家として一番気になる「利回り」ですが、JALの方が1%以上高く、魅力的な水準です。

項目 JAL (9201) ANA (9202)
株価 (2026/1/20目安) 約 2,980円 約 3,050円
年間配当予想 92円 60円
配当利回り 約 3.1% 約 2.0%
  • JAL: 「配当性向35%程度」を目安にしており、コロナ禍からの回復に合わせて積極的に増配しています。

  • ANA: 配当は出していますが、まだ「復配(配当復活)」から日が浅く、利益を借金返済や投資に回す優先度が高いため、利回りは低めです。

2. 「配当を出し続ける体力」の比較(財務の安全性)

悪材料(減便や燃油高など)が起きても、配当を維持できる「体力(財務)」もJALが優勢です。

  • JAL(筋肉質):

    • 一度経営破綻して身軽になった経緯があり、**「自己資本比率(借金じゃない純粋な自分のお金)」が約35%**と高めです。

    • 有利子負債(借金)もANAより少なく、金利上昇局面でもダメージを受けにくい体質です。

  • ANA(拡大路線だが重い):

    • コロナ禍で巨額の借入をして生き延びたため、有利子負債が1兆円以上と重くのしかかっています。

    • 自己資本比率は30%を割る水準で、稼いだ利益をまず「借金返済」に回さなければならないフェーズが続いています。

3. リスク耐性(どちらが打たれ強いか)

前述の「機材トラブル」などの悪材料に対し、どちらがより耐性があるかを見ます。

  • JAL: 比較的、機材計画が順調です。エアバスA350の導入が進んでおり、燃費効率の良い最新機材で固めつつあります。

  • ANA: エンジン問題(プラット・アンド・ホイットニー製)の直撃を受けているのが痛手です。主力機が飛べないことで、本来稼げるはずの利益を取りこぼしており、これが配当の原資を圧迫しています。

「インデックス投資のコア」の脇に添える個別株として考えるなら、財務が健全で利回りが3%を超えているJALの方が、長期保有の安心感は高いと言えますが航空業界は景気に左右され、イベントリスクですぐに無配転落します。だからバフェットかおるは投資しません。ANAは国際線のネットワークが広く、成長期待(キャピタルゲイン)はありますが、配当(インカム)重視の投資家にとっては、財務がもう少し綺麗になるまで「待ち」の状態かもしれません。


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日本のNEC

実は**「世界最強の生体認証技術」を持っており、それを使って「インド国民13億人のID管理」**という、とてつもない規模のインフラを支えています。

1. NECの生体認証「Bio-IDiom(バイオイディオム)」の凄さ

NECの生体認証ブランドは「Bio-IDiom」と呼ばれ、世界一の精度を何度も獲得しています。

  • 何ができるの?

    • 顔認証: マスクをしていても、横顔でも、歩いていても瞬時に本人を特定できます。

    • 虹彩(目の模様)認証: 双子でも違う「目の模様」を見るため、極めて誤認が少ないです。

    • 指紋・指静脈: 警察などでも使われる伝統的に強い技術です。

  • 世界一の証明:

    • アメリカ国立標準技術研究所(NIST)という、「認証技術のオリンピック」のようなテストで、顔認証・虹彩認証・指紋認証のすべてで世界1位の評価を受けたことがあります。

    • 特に「認証スピード」と「精度の高さ」が圧倒的で、誤認証率は100億分の1以下(事実上ゼロ)を実現可能なレベルです。

2. インドの人口を「牛耳っている」(Aadhaarプロジェクト)

「牛耳っている」という表現は少し過激ですが、実態は**「インドという国家の根幹システムをNECが支えている」**ということです。

インドには**「Aadhaar(アドハー)」**という、日本でいう「マイナンバー」のような国民ID制度があります。このシステムの中身(認証エンジン)をNECが担当しています。

なぜNECが必要だったのか?

インドは人口が多すぎて(約14億人)、以下のような深刻な問題がありました。

  • 戸籍がない: 自分が誰かを証明する公的な書類がない人が多く、銀行口座も作れない。

  • なりすまし・汚職: 政府が貧しい人に補助金を配ろうとしても、別人がなりすまして横取りしたり、死んだ人の分まで誰かが受け取ったりする不正が横行していました。

NECがやったこと

「指紋・顔・虹彩」の3つをセットにして、国民全員分をデータベース化しました。

  • 13億人の重複チェック:

    • 誰かが新しく登録に来た時、「この人は既に登録されていないか?」を13億人分のデータと瞬時に照合します。

    • これを実現できる処理能力を持っていたのがNECでした。

  • 生活のすべてがこの認証に:

    • 銀行口座開設、携帯電話の契約、食料配給の受け取り、年金の受給など、あらゆる手続きが「指一本」や「顔パス」でできるようになりました。

    • 「NECのシステムが止まると、インドの社会生活が止まる」と言えるほどのインフラになっています。

まとめ

NECは、**「世界最高精度のAI技術」で、インド政府が長年解決できなかった「13億人の中からたった一人の個人を正確に特定する」**という難題を解決しました。

人口を支配しているわけではありませんが、インド国民の「デジタルな存在証明」を一手に引き受けているという意味で、影の支配者(インフラの守護神)と言えるかもしれません。

⑧ ガザ → スタバ・ボイコット運動とは

これはイスラエル・パレスチナ(ガザ)情勢に関連した不買運動です。

  1. きっかけ: アメリカのスターバックスの労働組合(Workers United)が、SNSで「パレスチナ連帯(親パレスチナ)」の内容を投稿しました。

  2. 会社の対応: スターバックス本社は「会社としての意見ではない」「ブランドロゴを勝手に使われた」として、組合を商標権侵害で訴えました。

  3. 誤解と拡散: この訴訟が、「スターバックスはパレスチナを支持する組合を訴えた=スタバは親イスラエル企業であり、ガザ攻撃を容認している」という風に解釈され、世界中に広まりました。

  4. 結果: アメリカや中東、東南アジアを中心に「スタバで飲むことは虐殺への加担だ」として激しいボイコット運動(不買運動)が起き、売上に深刻な影響が出ました。日本でも一部で話題になっています。

 

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