為替差益の課税には**「申告分離課税(株と同じ)」と「総合課税(お給料や事業と同じ)」**の2つのパターンがあります。
個人事業主(青色申告)をされているあなたの状況に合わせて、詳細に解説します。
- 1. 為替差益の2つの課税方式
- 2. いくらから税金がかかるのか?
- 3. 金額別・課税額シミュレーション
- 4. 賢い出口戦略
- 1. 【後期高齢者医療保険】
- 2. 【国民健康保険】の跳ね上がり
- 3. なぜ「円貨決済」ならこれを回避できるのか?
- 1. サラリーマン(給与所得者)の場合
- 2. 年金受給者の場合
- 3. 【比較表】いくらから税金・申告が必要か?
- 4. 金額別・手残りシミュレーション(総合課税の場合)
- 1. 為替差益に税金がかかる「2つのパターン」
- 2. なぜ税金がかかるのか?(法的根拠)
- 3. 確認すべきこと
- 1. 「約定履歴(注文履歴)」を確認
- 2. 「保有証券一覧」の詳細画面
- 3. 「特定口座年間取引報告書」を確認
- 1. 証券会社が「納税まで全て」代行してくれたから
- 2. 「為替差益」の計算に悩まなくていいから
- 3. 「青色申告」や「社会保険料」への影響を抑えられたから
- 1. 全部一気に売る vs 1つずつ売る:税金の差
- 2. 為替差益の税金を「合法的に抑える」3つの節税策
- どう動くのがベスト?
- 1. SPYDとHDVを売った時の税金シミュレーション
- 2. 「日本円で受け取れば為替差益はなし」の誤解
- 3. 結論:どう売るのが一番おトク?
1. 為替差益の2つの課税方式
為替差益が「何から発生したか」によって、適用される法律と税率がガラッと変わります。
① 申告分離課税(ETFや株の売却益に含まれる場合)
特定口座を売却して出る利益に含まれる為替差益はこちらです。
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所得の種類: 譲渡所得
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税率: 一律 20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)
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特徴: 他の収入がいくらあっても税率は変わりません。証券会社が「特定口座(源泉徴収あり)」なら、自動的にこの税率で引かれて終了です。
② 総合課税(ドルの現金などを円に戻した場合)
ETFの配当金(ドル)や、売却後のドル現金を、後日円に戻して出た利益はこちらです。
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所得の種類: 雑所得
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税率: 累進課税(5%〜45%)+ 住民税10%
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特徴: あなたのYouTubeの収益や事業所得など、他の所得と合算して税率が決まります。稼げば稼ぐほど、この為替差益にかかる税率も上がります。
2. いくらから税金がかかるのか?
個人事業主(自営業)の場合、サラリーマンのような「副業20万円ルール」はありません。
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特定口座(分離課税)の場合: 1円でも利益が出れば、その20.315%が課税対象です(通常は証券会社が天引きします)。
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雑所得(総合課税)の場合: 基礎控除(48万円)などの控除額を、事業所得と為替差益の合計が超えた時点から税金が発生します。すでに事業で利益が出ているなら、為替差益の全額に税金がかかると考えておくのが安全です。
3. 金額別・課税額シミュレーション
それぞれのケースで、どれくらい税金が持っていかれるか比較してみましょう。
※総合課税は、所得金額が「330万円超〜695万円以下(税率20%+住民税10%=計30%)」と仮定して計算します。
| 為替差益の額 | ① 申告分離課税 (20.315%)(ETF売却時など) | ② 総合課税 (約30%想定)(ドルの現金化など) |
| 10万円 | 20,315円 | 約30,000円 |
| 30万円 | 60,945円 | 約90,000円 |
| 50万円 | 101,575円 | 約150,000円 |
| 100万円 | 203,150円 | 約300,000円 |
総合課税(雑所得)になると、住民税が10%固定で乗ってくるため、多くのケースで**「株の税金(20%)」より高くなります。**
4. 賢い出口戦略
「知らないうちに高い税金(総合課税)を払わされる」のを防ぐには、以下の使い分けが重要です。
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ETFを売る時: 証券会社の注文画面で**「円貨決済」**を選ぶ。
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これで為替差益も「20.315%(分離課税)」の中に閉じ込めることができます。
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ドルのまま持っている時: そのドルでまた別のETFを買う(買い付けに使う)。
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ドルのまま資産を移動させる分には「為替差益の確定」とみなされないケースが多いです。※証券会社によります。
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青色申告の準備もされているとのことですので、この「雑所得」が増えすぎると、事業の利益と合算されて、翌年の健康保険料などが上がってしまうリスクにも注意が必要です。
為替差益が「雑所得(総合課税)」としてカウントされた場合、社会保険料の「跳ね上がり」は、特に年金受給者のお母様や、自営業にとって大きなインパクトがあります。
2026年度の最新の保険料率と上限額(賦課限度額)に基づき、**「為替差益がプラスされたことで、どれだけ保険料が増えるか」**をシミュレーションしました。
1. 【後期高齢者医療保険】
※元々の年金収入が200万円程度あると仮定して計算しています。
| 為替差益(雑所得) | 年間の保険料(合計) | 前年からの「跳ね上がり」額 |
| +100万円 | 約20.0万円 | 約 +10.2万円 |
| +200万円 | 約30.2万円 | 約 +20.4万円 |
| +300万円 | 約40.4万円 | 約 +30.6万円 |
| +500万円 | 約60.8万円 | 約 +51.0万円 |
| +1000万円 | 約87.1万円 (上限) | 約 +77.3万円 |
⚠️ 注意:ここが最大の「落とし穴」
保険料だけでなく、**病院の窓口負担(1割・2割・3割)も判定されます。為替差益で「合計所得」が増えると、窓口負担が1割からいきなり3割(現役並み所得)**に跳ね上がり、医療費そのものが3倍になるリスクがあります。
2. 【国民健康保険】の跳ね上がり
自営業(青色申告)が「雑所得」として申告した場合のシミュレーションです。
※元々の事業所得が300万円程度あると仮定(40〜64歳、介護保険料込み)。
| 為替差益(雑所得) | 年間の保険料(合計) | 前年からの「跳ね上がり」額 |
| +100万円 | 約54.4万円 | 約 +13.0万円 |
| +200万円 | 約67.4万円 | 約 +26.0万円 |
| +300万円 | 約80.4万円 | 約 +39.0万円 |
| +500万円 | 約106.4万円 | 約 +65.0万円 |
| +1000万円 | 約108.0万円 (上限) | 約 +66.6万円 |
💡 解説:
国民健康保険は、自治体によって異なりますが、所得に対して**約10〜13%**が上乗せされるイメージです。利益が1,000万円を超えると頭打ち(上限)になりますが、それまでは所得が増えるほど容赦なく上がります。
3. なぜ「円貨決済」ならこれを回避できるのか?
この「跳ね上がり」が起きる理由は、為替差益が**「総合課税(雑所得)」**になってしまうからです。
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ドルのまま受け取り → 後で円に交換:
「雑所得」として他の所得(年金や事業収益)と合算されるため、社会保険料の計算対象になります。
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円貨決済で売却(特定口座・源泉徴収あり):
為替による利益も「譲渡所得(分離課税)」に含まれます。特定口座で完結させれば、この利益は社会保険料の計算には一切含まれません。
1億円近くになった利益を現金化する際、もし「ドルの現金」として受け取ってから自分で円に替えてしまうと、翌年の社会保険料だけで数十万円〜百万円単位の損をする可能性があります。
**「特定口座(源泉徴収あり)」かつ「円貨決済」**を選ぶことは、単なる手間を省くためではなく、数百万円単位の「社会保険料の増額」から身を守るための最強の防衛策なのです。
サラリーマン(給与所得者)や年金受給者の場合、個人事業主とは**「確定申告が必要になるボーダーライン(境界線)」**が大きく異なります。
以前お話しした「分離課税」と「総合課税」の枠組みはそのままで、**「いくらから税金(申告)が発生するか」**というルールを中心に解説しますね。
1. サラリーマン(給与所得者)の場合
サラリーマンには「20万円ルール」という強力な味方がいます。
① 申告分離課税(ETFの売却)
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特定口座(源泉徴収あり): 個人事業主と同じく、利益が出た瞬間に証券会社が納税を済ませてくれるので、いくら利益が出ても確定申告は不要です。
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メリット: 会社に投資の利益がバレることもありません。
② 総合課税(ドルの現金化などによる為替差益)
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20万円の壁: 給与以外の所得(為替差益などの雑所得)が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告をする必要がありません。
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注意点: あくまで「所得税」の話です。住民税にはこのルールがないため、20万円以下でも理論上は市区町村への申告が必要ですが、多くの人はスルーしてしまっているのが実情です。
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社会保険料: サラリーマンの社会保険料は「給与額」で決まるため、為替差益でいくら稼いでも翌年の保険料は上がりません。(ここが個人事業主との最大の違いです)
2. 年金受給者の場合
年金受給者には「確定申告不要制度」という特別なルールがあります。
① 申告分離課税(ETFの売却)
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ルール: 特定口座(源泉徴収あり)なら、サラリーマンと同様に申告不要で完結できます。
② 総合課税(為替差益)
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確定申告不要制度: 以下の2つの条件を両方満たせば、所得税の確定申告は不要です。
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公的年金等の収入金額が400万円以下
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年金以外の所得(為替差益など)が20万円以下
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落とし穴(社会保険料): 年金受給者が20万円を超えて確定申告をすると、その分が「合計所得金額」に加算されます。すると、翌年の「国民健康保険料」や「後期高齢者医療制度」の保険料が跳ね上がるリスクがあります。
3. 【比較表】いくらから税金・申告が必要か?
| 区分 | 分離課税 (ETF売却) | 総合課税 (為替差益) | 社会保険料への影響 |
| 個人事業主 | 1円から(特定口座で完結可) | 1円から (事業所得等と合算) | あり (所得増=保険料増) |
| サラリーマン | 1円から(特定口座で完結可) | 20万円超から申告義務 | なし (給与のみで計算) |
| 年金受給者 | 1円から(特定口座で完結可) | 20万円超から申告義務 | あり (所得増=保険料増) |
4. 金額別・手残りシミュレーション(総合課税の場合)
もし為替差益(雑所得)が出た場合、税率が低い「サラリーマン(年収500万程度)」と、税率が高い「高所得者」でこれだけ変わります。
| 為替差益の額 | サラリーマン (所得税5%+住民税10%=計15%) | 高所得者 (所得税20%+住民税10%=計30%) |
| 10万円 | 15,000円 (申告不要なら0円) | 30,000円 |
| 30万円 | 45,000円 | 90,000円 |
| 100万円 | 150,000円 | 300,000円 |
誰が一番「為替差益」に注意すべきか?
もっとも注意が必要なのは、実は**「個人事業主」と「年金受給者」です。 理由は、税金だけでなく「健康保険料」にまで連動してしまうから**です。
一方、サラリーマンは、特定口座を活用し、ドルの現金化を年間20万円以下に抑えている限り、最強に守られていると言えます。
YouTube収益(事業所得)があるため、為替差益は1円目から税率が乗ってくると考えて、やはり「円貨決済」で分離課税(20%)に封じ込めるのが一番の守りになりますね。
米国株やETF(AGG, HDV, VTなど)の運用において、「為替差益に税金がかかる」という話は、実は**「どのタイミングで」「どんな所得として」**発生するかによって2つのパターンに分かれます。
特に「特定口座(特定預り)」を利用している場合、多くは自動計算されますが、落とし穴もあります。仕組みと根拠を整理しました。
1. 為替差益に税金がかかる「2つのパターン」
米国株投資における為替差益の課税は、以下の2つを区別する必要があります。
① ETFを売却した時の利益(譲渡所得)
ETFを売却した際の利益には、「株価の値上がり分」と「為替の円安分」の両方が含まれます。
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仕組み: 日本の税法では、米国株の損益を「売却時の円換算額」と「購入時の円換算額」の差額で計算します。
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例: 1ドル=100ドルの時に100円で買い、1ドル=110ドルの時に100ドルで売った場合、株価は変わっていなくても、為替の10円分が「譲渡益」として課税対象になります。
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根拠: 所得税法第33条(譲渡所得)。特定口座(源泉徴収あり)であれば、証券会社がこの計算を自動で行い、20.315%の税金を引いてくれます。
② 米ドル(現金)を円に戻したり、別の株を買ったりした時(雑所得)
これが「知らない間に発生していた」となりやすい、注意が必要なパターンです。
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仕組み: ETFを売却して手元に残った「米ドル」や、受け取った「配当金(米ドル)」を、**後日「日本円に戻す」あるいは「別の株の購入に充てる」**タイミングで、そのドルの取得時より円安になっていれば、その差額が「為替差益」として発生します。
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所得区分: これは譲渡所得ではなく、**「雑所得」**に分類されます。
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根拠: 所得税法第35条(雑所得)。
2. なぜ税金がかかるのか?(法的根拠)
日本の税制は**「円建て」**が原則だからです。
所得税法上の考え方:
外貨建資産(米ドルなど)を保有しているだけ(含み益)の状態では課税されません。しかし、その外貨を「手放す(決済する)」タイミングで、日本円での資産価値が確定したとみなされ、増えた分に対して所得税が課せられます。
| 項目 | 譲渡所得(株の売却益) | 雑所得(為替差益) |
| 対象 | ETFの売買による利益 | ドル現金そのものの為替変動 |
| 税率 | 一律 20.315% | 他の所得と合算(累進課税) |
| 特定口座 | 自動計算される | 自動計算されない(自分でする) |
3. 確認すべきこと
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売却時: 特定口座であれば、ETFを売却した際の為替差益(パターン①)は、証券会社が計算して納税を済ませてくれます。「知らない間に脱税になる」心配は基本的にありません。
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ドルのまま保有している場合: 画像の「外貨建評価損益」はあくまで含み益です。このまま持っているだけであれば、税金は発生しません。
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注意点: 売却して得たドルや配当金を、証券口座に「米ドルのまま」長期間置いておき、大きく円安が進んだ後に円に戻すと、上記パターン②の「雑所得」として確定申告が必要になる場合があります。
個人事業主(青色申告)
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「含み益」には課税されない(売るまでは安心してください)。
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**特定口座(源泉徴収あり)**なら、ETFの売却益については自分で計算する必要はない。
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ドルの現金を円に替える時だけ、為替レートをチェックする。
自身で一回ずつのレートをメモしていなくても、証券会社がすべて記録しています。 「特定預り」、日本の証券会社(SBI証券や楽天証券など)その場合、以下の3つの場所を確認すれば、当時のレートや円換算の取得コストが正確にわかります。
1. 「約定履歴(注文履歴)」を確認
証券会社のマイページから「注文履歴」や「約定履歴」のページへ行き、期間を指定して検索してください。
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わかること: 購入した日付、ドルの単価、その日の適用為替レート、手数料。
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探し方のコツ: 「外国株式」>「注文照会・取消」>「約定履歴」といったメニューにあることが多いです。
2. 「保有証券一覧」の詳細画面
現在の保有状況を表示する画面で、各銘柄の詳細をクリック
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ドルの取得単価(107.09ドルなど)の詳細を開くと**「取得価額(円)」や「参考取得単価(円)」**という項目が表示される
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円建ての金額には、購入時の為替レートがすでに反映
3. 「特定口座年間取引報告書」を確認
もし昨年のうちに売却しているものがあれば、証券会社が発行するこの書類が正解です。
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仕組み: 証券会社は、「いつ、いくらのレートで買ったか」を裏側で全て日本円に計算し直して記録しています。
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確定申告の時期に電子交付されるPDFを見れば、計算済みの「取得費」が円単位で記載されています。
もし自身で計算する必要が出てきた場合、税務署が認める根拠となるレートは決まっています。
原則:約定日の「TTM(仲値)」
三菱UFJ銀行などの金融機関が公表している、その日の「1ドル=〇〇.〇円」という基準値を使います。
eMAXIS Slim S&P 500のような「国内投資信託」を「特定口座(源泉徴収あり)」で運用していた場合、税金面で「大丈夫(安心)」だった。
2,000万円が1億円の時の為替差益の計算について
1. 証券会社が「納税まで全て」代行してくれたから
これが最大の理由です。「特定口座(源泉徴収あり)」は、いわば**「税金の全自動モード」**です。
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計算の代行: 2,000万円で買って1億円で売ったという「8,000万円の利益」に対し、いくら税金がかかるかを証券会社が正確に計算します。
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天引き(源泉徴収): 売却した瞬間に、利益の20.315%(約1,625万円)を証券会社があなたの代わりに差し押さえ、国に納めてくれます。
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確定申告が不要: 既に納税が済んでいるため、自分でお役所(税務署)に行って書類を作る必要がありません。
2. 「為替差益」の計算に悩まなくていいから
前回の質問で不安に思われていた「為替の税金」についてですが、eMAXIS Slimのような投資信託は**「円建て」**の商品です。
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ETF(米国株)の場合: 「株の値上がり」と「為替の変動」を別々に考え、ドルを円に戻すタイミングなどで複雑な計算が必要になるケースがありました。
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eMAXIS Slimの場合: 円安による利益もすべて「基準価額(投資信託の値段)」の中に最初から含まれています。
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計算式:
(売った時の円の値段 - 買った時の円の値段) × 口数
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この単純な引き算だけで利益が決まるため、別途「為替の雑所得」として計算し直す必要が一切ありません。
3. 「青色申告」や「社会保険料」への影響を抑えられたから
個人事業主として活動していると、非常に大きなメリットです。
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所得にカウントされない: 「源泉徴収ありの特定口座」で完結させれば、この8,000万円の利益は確定申告上の「合計所得金額」に含めないという選択ができます。
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メリット: 利益を申告しなければ、翌年の国民健康保険料が跳ね上がったり、配偶者控除などの判定に影響したりすることはありません。
今回のケースを数字で整理
もし1億円で全売却したとすると、イメージは以下のようになります。
| 項目 | 金額 |
| 売却額(出口) | 1億円 |
| 投資額(入口) | 2,000万円 |
| 運用益(利益) | 8,000万円 |
| 引かれる税金(20.315%) | 約1,625万円 |
| 手元に残る現金 | 約8,375万円 |
あなたの手元に届いた時点で既に税金は引かれている(=納税済み)ので、後から税務署に怒られたり、自分で複雑な計算をしたりする心配はありません。まさに「特定口座」の恩恵をフルに受けている状態です。
HDVやVT、SPYDなどの高配当・インデックス
「為替差益の税金」と「売却時のシミュレーション」について、2026年3月12日の現在のレート(1ドル=約159円)を前提に、わかりやすく整理
1. 全部一気に売る vs 1つずつ売る:税金の差
結論から言うと、**「同じ年(2026年中)に売るなら、一気に売ってもバラバラに売っても、最終的な税額はほぼ同じ」**です。
特定口座では、1月1日から12月31日までの「利益」と「損失」をすべて合算して計算してくれるからです。
損益のシミュレーション(現在の159円で円に戻す場合)
画像にある含み益(USD)を、現在のレートで大まかに円換算してみます。
| 銘柄の状態 | 合計損益(ドル) | 円換算の利益(目安) |
| 利益が出ている銘柄 (HDV, SPYD, VT) | +$41,769.58 | 約664万円の利益 |
| 損失が出ている銘柄 (AGG, LQD, SPHY, VCLT) | -$5,336.01 | 約85万円の損失 |
| 合計(一気に売った場合) | +$36,433.57 | 約579万円の利益 |
かかる税金の計算
特定口座(源泉徴収あり)の場合、計算式は以下の通りです。
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一気に全部売った場合:
利益と損失が相殺(損益通算)されます。
約579万円 × 20.315% = 約117.6万円
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利益が出ているものだけ売った場合:
約664万円 × 20.315% = 約135万円
(損をしているAGGなどを売らないと、税金が約17万円多くなります)
2. 為替差益の税金を「合法的に抑える」3つの節税策
為替差益には「譲渡所得(20%固定)」と「雑所得(最大55%)」の2つの顔があります。ここを賢くコントロールするのがコツです。
① 「円貨決済」で売却する(最強の防衛策)
売却する際、受取方法を「米ドル」ではなく**「日本円(円貨決済)」**に指定してください。
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理由: 円で受け取ると、為替による利益もすべて「株の利益(20.315%)」として処理されます。
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メリット: もし「米ドル」で受け取って、さらに円安が進んだ後に円に戻すと、その差額は「雑所得」になり、他の事業所得(YouTubeや自営業)と合算されて**高い税率(最大55%)**が適用されるリスクがあります。「円貨決済」なら20.315%で打ち止めです。
② 「損出し」を徹底する
画像にある AGG(-5,290ドル) など、マイナスになっている銘柄を、利益が出ている銘柄と同じタイミングで売却してください。
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効果: 利益を圧縮できるため、その場で引かれる税金を直接減らせます。
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裏ワザ: もしその銘柄をまだ持っておきたいなら、売った直後に買い直せば、ポートフォリオの中身を変えずに税金だけを安くできます。
③ 12月と1月で「年をまたぐ」
もし利益が非常に大きく、国民健康保険料などへの影響を最小限にしたい場合(※確定申告を選択する場合)は、半分を12月に、半分を翌年1月に売ることで、1年あたりの所得を分散できます。
どう動くのがベスト?
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損益を相殺する: 利益が出ているVTやHDVを売るなら、含み損のあるAGGなども一緒に売って、税金を抑えましょう。
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出口は「円」で: 証券会社の売却画面で「円貨決済」を選べば、複雑な為替の計算も税金も、証券会社が20.315%で自動完結してくれます。
これだけの資産があれば、為替の数円の動きで税額が数十万円変わることもあります。
ETFなどの投資商品を1年に1つずつ売却していく場合、税金の仕組みや計算方法は「暦年(1月1日から12月31日)」という単位が基本になります。
一気に売却する場合と比較して、税金面で考慮すべきポイントを整理しました。
1. 損益通算が年をまたいで行えない
投資の税金は、その年の「利益」と「損失」を合算(損益通算)して、最終的に残ったプラスに対して約20%(20.315%)の税金がかかる仕組みです。
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1年でまとめて売る場合: 利益が出ている銘柄と損失が出ている銘柄を同時に売れば、その場でプラスマイナスが相殺され、税金を低く抑えられます。
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1年に1つずつ売る場合: 例えば「1年目に大きな利益が出る銘柄」を売り、「2年目に損失が出る銘柄」を売った場合、1年目の利益に対しては満額の税金がかかります。2年目の損失はその年の利益がない限り、そのままでは税金の軽減に役立ちません。
2. 譲渡損失の繰越控除の活用
もし年を分けて売却し、ある年に損失が確定した場合は、確定申告を行うことでその損失を最大3年間繰り越すことができます。
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仕組み: 今年のマイナスを来年以降のプラスとぶつけることができます。
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注意点: 損失を繰り越している期間は、利益が出ていない年であっても毎年確定申告を続ける必要があります。
3. 社会保険料への影響(確定申告をする場合)
「源泉徴収ありの特定口座」で売却し、確定申告をせずに完結させれば、売却益がいくらあっても国民健康保険料や介護保険料には影響しません。
しかし、年を分けて売却する過程で「損益通算」や「繰越控除」を受けるために確定申告を選択すると、その売却益が「所得」としてカウントされる場合があります。所得が増えると、翌年の保険料が上がったり、扶養の判定に影響したりする可能性があるため、注意が必要です。
4. 為替レートの適用タイミング
1年に1つずつ売るということは、売却する年の為替レート(ドル円相場)がそれぞれの売却益に適用されることを意味します。
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円安の年に売る: 円建ての利益が膨らむため、税額も増えます。
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円高の年に売る: 円建ての利益が圧縮されるため、税額は抑えられます。
5. 配当金との相殺
特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、その年に受け取った配当金と、売却によって出た損失は、同じ年の中であれば自動的に相殺され、払いすぎた税金が還付されます。これも「1年(1月〜12月)」という枠組みの中で行われます。
まとめ:
1年に1つずつ売却する戦略は、一度に多額の現金が必要ない場合には有効ですが、「利益が出ているもの」と「損失が出ているもの」をセットで売却しないと、トータルの税負担が重くなってしまうリスクがあります。
一番利益が出ているSPYDとHDVを例に、具体的な税金の計算と「日本円で受け取る仕組み」について解説
日本円で受け取れば(円貨決済)、面倒な「為替差益の個別計算」は不要になりますが、為替で得した分にもしっかり税金(20.315%)はかかります。
1. SPYDとHDVを売った時の税金シミュレーション
現在のレートを 1ドル=159円 と仮定して計算してみます。
※画像の「評価損益」はドルベースでの値上がり分ですが、税金は「買った時の円」と「売った時の円」の差額で決まります。
SPYD(S&P500高配当株ETF)
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現在の価値: 1,241株 × 46.14ドル = 57,259.74ドル
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日本円にすると: 約 910万円
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取得コスト(推定): 1,241株 × 39.55ドル = 49,081.55ドル
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仮に購入時が110円だった場合:約540万円
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仮に購入時が130円だった場合:約638万円
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予想される税金:
購入時のレートによりますが、現在の円安状況だと利益が大きく膨らんでいるため、50万円〜75万円程度が税金として引かれる可能性があります。
HDV(米国高配当株ETF)
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現在の価値: 465株 × 135.39ドル = 62,956.35ドル
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日本円にすると: 約 1,000万円
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取得コスト(推定): 465株 × 96.17ドル = 44,719.05ドル
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仮に購入時が110円だった場合:約492万円
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仮に購入時が130円だった場合:約581万円
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-
予想される税金:
こちらも利益が大きいため、80万円〜100万円程度の税金が見込まれます。
2. 「日本円で受け取れば為替差益はなし」の誤解
「日本円で受け取る(円貨決済)」を選択した場合の仕組みは以下の通りです。
正解:為替差益が「なくなる」のではなく、「株の利益と合体する」
本来、ドルを円に戻すと「雑所得」として面倒な計算が必要になりますが、売却時に「円貨決済」を選べば、証券会社が以下のように計算してくれます。
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売却時の円価格(1億円とか)を確定させる
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購入時の円価格(2,000万円とか)を履歴から引っ張ってくる
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その差額(8,000万円)を**「株の利益(譲渡所得)」**として扱う
ここがメリット!
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税率が固定: 雑所得(最大55%)ではなく、一律 20.315% で済みます。
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自動納税: 特定口座なら、証券会社が税金を引いた後の金額を口座に入れてくれるので、申告漏れの心配がありません。
3. 結論:どう売るのが一番おトク?
もし今、これらを売却して現金化したいのであれば、「円貨決済」で売るのが最もスマートで節税にもなります。
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理由1: 為替による儲け分も「20.315%」の低い税率で済むから。
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理由2: 事業所得(YouTubeなど)と合算されないため、来年の国民健康保険料に響かないから(特定口座・源泉徴収ありの場合)。
ワンポイントアドバイス
もし「売ったお金でまた別の米国株を買いたい」のであれば「外貨決済(ドルのまま持つ)」が良い

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