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全世界株式(オルカン)を1本だけ持っていると、株価が動かなくても、為替だけで円に戻したときの金額が1割以上変わります。私はこれを「オルカンが危ない」という話ではなく、「自分の資産が何通貨で置かれているかを知っておく話」だと考えています。この記事では、1ドル158円という2026年10月の水準から、円高になったときに評価額がどう変わるかを自分で計算し、それを知ったうえで私が何を変え、何を変えなかったかを書きます。
私は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。この記事は私が公表資料を読んで考えた記録で、特定の会社や商品の売買を勧めるものではありません。記事中の数字と制度は2026年10月時点のもので、その後変わることがあります。
円高で評価額が下がる仕組みを、1ドル158円から計算しました
為替の話は言葉で読むとわかりにくいので、自分の金額に置き換えて計算してみました。
1ドル158円のときに、全世界株式の投資信託を100万円分買ったとします。中身をドルに換算すると、100万円÷158円でおよそ6,329ドルです。ここから先、株価がまったく動かなかったと仮定して、為替だけを動かしてみます。
・1ドル140円になった場合:6,329ドル×140円=およそ88万6千円。評価額は約11%減ります。
・1ドル170円になった場合:6,329ドル×170円=およそ107万6千円。約8%増えます。
持っている会社の中身は1つも変わっていないのに、円で見た金額だけが1割前後動きます。私が最初に驚いたのはここでした。「外国の会社に投資する」というのは、同時に「円を売ってドルなどを買っておく」ことでもあるのだと、計算してようやく腹に落ちました。
逆に言えば、円高はドル建ての資産を買い増すときには有利に働きます。同じ100万円でより多くのドル分を買えるからです。持っている分の評価額が下がることと、これから買う分が安く買えることは、同じ出来事の裏表だと私は受け取るようにしました。
「全世界株式」でも、値動きの多くはドルに引っ張られます
全世界株式という名前だと、世界中にまんべんなく分かれている印象を持ちやすいと思います。ただ、この種類の投資信託が連動を目指す指数は、各国の株式市場の規模に応じて比重が決まる作りです。実際には米国の比重が最も大きく、次に日本やヨーロッパが続きます。
つまり、全世界株式を1本持つというのは、世界に分散しているのと同時に、通貨としてはかなりの部分が米ドルに寄っている、ということでもあります。私は「全世界だから通貨も分散できている」と思い込んでいたのですが、そこは別の話でした。
なお、全世界株式のインデックスファンドの運用コストは低く抑えられていて、代表的な商品では信託報酬が年率0.05775%以内と表示されています(販売会社の商品ページ、2026年10月時点)。コストの面で私はこの商品に不満はありません。気をつけたいのは、コストではなく通貨の偏りのほうでした。
円安が続いている背景には、日本とアメリカの金利差があります
なぜ円が安くなるのかを、私は金利の差で理解しています。利息が多くつく通貨に資金が向かいやすいので、金利の低い通貨は売られやすくなる、という単純な説明です。
日本銀行の政策金利は、2026年7月の金融政策決定会合で1.0%に据え置かれました。長いあいだゼロ近辺だった日本の金利が1%まで来ている、というのが今の位置です。それでもアメリカの金利のほうが高い状態が続いているため、円安の方向に力がかかりやすい、という説明がよくされます。
ここで気をつけたいのは、金利の数字には種類があることです。「日本の金利は0.001%」という説明を見かけますが、それは普通預金の金利の話で、政策金利とは別のものです。どちらも数年で変わります。金利や制度の数字は、見るたびにいつ時点のものかを確かめるようにしています。
為替がどちらに動くか、私には当てられませんでした
2026年10月なかばの為替は、1ドル158円前後で動いています。この数字を見て「まだ円安が進む」と考える人もいれば「そろそろ戻る」と考える人もいて、どちらの説明もそれぞれ筋が通って聞こえます。
私は過去に何度か、円安だから買うのをやめようとしたり、円高になりそうだから待とうとしたことがありました。結果は、どちらも当たりませんでした。待っているあいだに買えなかった分のほうが、為替の差より大きかったように思います。それ以来、為替の予想を前提にした判断はしないことにしています。
私が為替と付き合うために決めた3つのこと
買う日を分ける
為替の水準を当てられないなら、買う日を散らすしかありません。私は毎月決まった日に積み立てる形にして、一度に大きな金額を入れないようにしています。これで有利になるわけではありませんが、「高いところで全部買ってしまった」という後悔は減りました。
円で入ってくるお金も持つ
私の資産のうち、日本の会社の株式からは円で配当金が入ってきます。生活費は円で払うので、円で入ってくるお金が一定量あると、為替が円高に振れた月でも暮らしの側は揺れません。私が日本の高配当株を持っているのは、利回りが高いからというより、この「払う通貨と受け取る通貨をそろえる」ためです。日本と海外の比率は半分ずつくらいを目安に置いていますが、相場で勝手にずれるので、厳密な比率にはこだわらないことにしました。
円に戻す時期を決めない
評価額が減るのは「円に戻したとき」です。戻さないなら、円高の評価額は紙の上の数字にとどまります。私は取り崩すとしても一度にではなく、必要な分だけ少しずつにするつもりです。そのために、生活費の半年分は円の現金で別に置いています。
高金利の通貨や債券に移す、という手は私はとりませんでした
為替の話をすると、金利の高い国の通貨に換えておけばいいのでは、という考えが出てきます。実際、政策金利が二桁や、年によっては数十%という国もあります。
ただ、金利が極端に高い国は、たいていインフレ率も極端に高いです。利息が年20%ついても、物の値段が年30%上がっていれば、その通貨で持っている資産の実質的な価値は減ります。金利の高さは、その通貨を持つことのリスクの大きさとほぼ同じ意味でした。私はここがわからないので、手を出さないことにしています。わからないものは買わない、というウォーレン・バフェットの基準を、私はこういう場面で使っています。
債券を「インフレ対策」と呼ぶ説明も見かけますが、これも私には合いませんでした。固定の利息を受け取る債券は、物価と金利が上がる局面では不利になりやすい資産です。債券の役目は、インフレを防ぐことではなく、株式が下がる局面での値動きを小さくすることのほうだと私は理解しています。
オルカンをやめるのではなく、円で入ってくるお金を足すことにしました
「オルカン1本では危ない」という言い方を、私はしないことにしました。危ないのは商品ではなく、自分の資産がどの通貨に寄っているかを知らないまま、円高のニュースで慌てて売ってしまうことだと考えています。
私がしたのは、全世界株式を手放すことではなく、円で配当金が入ってくる日本の会社を足して、円の現金を生活費の半年分だけ別に置くことでした。為替を当てる必要がなくなった分、ニュースを見る回数が減りました。50代から始めた私には、それがいちばん効きました。
なお、NISAについては、年間の投資枠がつみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円で合計360万円、生涯で使える非課税保有限度額が1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)、非課税で持てる期間は無期限と決まっています(金融庁、2026年10月時点)。為替をどうするかより先に、この枠を埋める順番を決めるほうが私には効きました。
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50代から始めても、60代、70代で「あの時始めてよかった」と思える日が来ると、私は思っています。私は、買ったら売らないと決めました。配当金を信じて持ち続ける、というやり方です。
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為替がどちらに動くかは私には読めないので、せめて買う日を分けられるようにしておきたいと思いました。少額から積み立てられる口座を使っているのは、そのためです。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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それでは、またお会いしましょう。バフェットかおるでした。


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