資生堂の株について損切りするほうがいいか、持ち続けた方がいいかについて解説します。2025/01/13

資生堂の財務状況についての損切りに関して、「損切りしない方がいい理由」を挙げると以下の通りですが、投資は自己責任です。必ずご自身の判断で行ってください。

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資生堂の株について損切りしない方がいい理由

1. 短期の値動きで判断しない

資生堂の株価は下落しているように見えますが、短期的な値動きに惑わされて損切りするのは避けるべきと考える人多く、特に大企業の株は、短期的な市場の変動や外部要因に左右されることがありますが、長期で見ると基礎的な事業の強さによって回復する可能性が高いです。

資生堂は長年の実績とブランド力を持つ企業であり、その価値が急に消えることは考えにくいからです。


2. 配当利回りと財務基盤の安定性

現在の配当利回りが約2.32%とあり、株を持っているだけで継続的に配当が受け取れる状態です。

また、自己資本比率が47.2%と比較的高いことから、財務基盤が安定していることがわかります。

このような企業は長期的には価値を保つ可能性が高いです。損切りすることでこの安定した配当収入を失うのはもったいないでしょう。


3. 研究開発への積極的な投資

資生堂は美容業界でトップクラスの企業であり、画像からも研究開発費に多額の投資をしていることがわかります(約390億円)。

これは将来的な成長を目指している証拠で、特に化粧品業界はグローバルな需要が安定しており、再成長の可能性を秘めています。


4. 損失は未実現の段階

株価が下がっていても、それは「含み損」の状態であり、実際の損失ではありません。

損切りするとその損失が確定してしまいますが、保有を続けることで将来の回復に期待できます。15年以上は塩漬けすることで回復することもあります。


5. 資産分散の重要性

資生堂のような大手企業の株を保有することは、リスクを分散する一助になります。

損切りしてしまうと、リスク分散の効果が失われる可能性があります。他の投資先の状況や、資産全体のポートフォリオを見直すことも大切です。


以上の理由から、現時点で損切りせずに長期的な視点で保有を続けることが有利と考えられます。ただし、個人の投資目的やリスク許容度によって最適な判断は異なるので、全体の資産状況を踏まえて最終決定を下すのが良いでしょう。

補足:損切りの是非は、その人の目標(短期利益を重視するか、長期保有を目的とするか)に大きく依存します。最終判断は自身の計画と照らし合わせて行ってください。

損切りをした方が良い理由


1. PER(株価収益率)が異常に高い

予想PERが 172.33倍 と非常に高い水準になっています。

この値は投資家が「利益成長を見込みすぎている」可能性を示しており、現在の業績に対して株価が割高であることを意味します。こうした割高な状態では、今後さらに株価が下落するリスクがあります。


2. ROEやROAの低迷

資生堂のROE(自己資本利益率)は 3.6%、ROA(総資産利益率)は 1.7% と低い値にあります。

これらの数値は、株主資本や企業全体の資産をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示しますが、この低い数値は「資産や資本を効率的に活用できていない」ことを示しています。このような企業に投資を続けることは、成長性の観点でリスクとなり得ます。


3. 株価の長期的な下落トレンド

30年の株価チャートを見ると、2018年からピークを迎えた後、明らかに下落傾向にあります。業績や成長性に問題がある場合、長期的な回復が難しいことも考えられます。

損切りして他の成長性のある銘柄に乗り換える方が、資産効率を向上させる可能性があります。


4. 財務データのキャッシュフロー状況

営業キャッシュフローはプラスですが、投資キャッシュフローと財務キャッシュフローがいずれもマイナスであることから、投資と資金調達に課題がある可能性があります。

特に負債が増加している場合、経営が厳しい局面に向かうことも予想されます。この場合、保有を続けるリスクが高まります。


5. 競争激化やリスク要因

業績解説にもある通り、化粧品業界は競争が激化しており、新興ブランドや外資系企業の影響が大きいとされています。

さらに、中国市場を含む海外市場での業績不安定さや、化粧品業界全体の縮小リスクが見られる中、資生堂がこれらのリスクに対応できるか不透明です。成長市場での競争力が低下すれば、さらなる株価下落の可能性も否定できません。


6. 心理的な負担を軽減

損失が増えるほど心理的なストレスも高まります。

投資の基本は「合理的な判断」であり、感情に流されて損失を放置するのは良くありません。損切りを早めに行い、他の有望な投資先に資金を移動することで、心理的な負担を軽減しつつ新たな利益を追求できます。


7. 他の有望な投資先への乗り換え

資生堂に投資し続ける理由が薄い場合、成長性や安定性が期待できる他の銘柄に乗り換える方が良い場合もあります。例えば、業績が安定しており、配当利回りが高い銘柄や、今後の成長が期待されるセクター(IT、再生可能エネルギーなど)に資金を回すことで、効率的な資産運用が可能です。


結論

資生堂の株を損切りすべきかどうかは、投資目的やリスク許容度に依存しますが、以下のような状況に該当する場合は損切りを検討する価値があります

  • 株価の成長が期待できない
  • 割高な評価(PERの高さなど)
  • 他に有望な投資先がある

最終的には、自身の投資計画とポートフォリオ全体のバランスを踏まえた判断が重要です。

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