この記事は、学校では教えてもらえなかった税金の基礎知識を書いています。
この記事を読むと、これからやってくる増税時代を乗り切る知識が身に付きます。
なぜ税金の事は学校で教えてくれないのか?
税金の知識は、人生において非常に重要ですが、学校ではほとんど教えてくれません。
理由①
税制は非常に複雑で、頻繁に変更されるため、学校教育のカリキュラムに取り入れるのが難しいからです。
理由②
また、税金に関する知識は、実際に納税者となるまで実感がわかないため、学校教育の段階では優先順位が低いとされていることも一因です。
しかし、大人になって知らなかった!と気づいた時には、時すでに遅し、で税金の知識は社会のルールを理解し、適切に対応するために欠かせないもなのです。
税金を知ることは国の仕組みを知ること
税金について知ることは、スポーツのルールを理解することに似ています。
どのスポーツでも、ルールを知らなければ勝つことはできないように、税金のルールを理解することは、社会の中で生活し、生きていくために必要な知識です。
税金のルールは変更されることが多いため、基本的な部分だけでも理解しておきましょう。
学校で税金を教えてくれない理由の一つに、税金の専門知識が必要ないからという点もあります。
税理士ですらすべての税金に精通しているわけではないので、自分で自分に必要な知識を身に着ける必要があります。
基本的な税金の種類や税率を理解し、控除の仕組みを知っておくことで、自分で税金の内容を説明できるようになります。
税金の種類
税金にはさまざまな種類がありますが、ここでは基本的なもの説明します。
所得税
個人の収入に対して課される税金。
住民税
所得に基づき市区町村に納める税金。
事業税
法人が事業所得に対して支払う税金。
消費税
商品やサービスの購入時にかかる税金。
税率をざっくりでいいので覚えましょう。
税金は収入や利益に応じて異なる税率が適用されます。
所得税は累進課税
所得税は収入が増えると上がる累進課税です。
195万円以下
5%
195万円超~330万円以下
10%
330万円超~695万円以下
20%
695万円超~900万円以下
23%
900万円超~1,800万円以下
33%
1,800万円超
45%
高収入の人は、半分近く税金を払っていますね。
住民税は全国一律で10%
住民税は、日本全国どこに住んでいても一律で給与の10%が課され、収入の多い少ないに関わらず、誰にでも適用されるルールです。
事例:給与が500万円のキャビンアテンダントの場合、住民税は50万円(500万円 × 10%)で、給与が1000万円のパイロットの場合、住民税は100万円(1000万円 × 10%)となります。
ふるさと納税で住民税を取り返す
ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付をすることで、寄付額の一部が住民税から控除される制度のことで、税金の一部を自分が欲しい商品と交換できます。
ふるさと納税の仕組み
寄付をする
自分が応援したい自治体に寄付を行います。
控除を受ける
寄付金額のうち2000円を超える部分が、翌年の住民税から控除されます。
事例
田中さんがふるさと納税で5万円を寄付した場合、2000円を超える4万8000円が控除の対象となり、4万8000円の返礼品をもらった上で、翌年の住民税から引かれるため、実質的に2000円の負担でそれ以上の額の返礼品をもらうことができます。
税額はどのように決まるのでしょうか。
所得(収入から経費を差し引いたもの)に税率を掛け合わせることで決まります。さらに、控除という特典が適用されることもあります。
年収500万円のキャビンアテンダント田中さんの場合
所得税の計算
195万円 × 5% = 9.75万円
135万円 × 10% = 13.5万円
170万円 × 20% = 34万円
合計所得税
57.25万円
住民税の計算
住民税は、どこに住んでいても一律で給与の10%です。
500万円 × 10% = 50万円
手取りの計算
給与から所得税と住民税を引きます。
500万円 – 57.25万円 – 50万円 = 392.75万円
手取り
392.75万円
年収1000万円のパイロット山本さんの場合
所得税の計算
195万円 × 5% = 9.75万円
135万円 × 10% = 13.5万円
365万円 × 20% = 73万円
205万円 × 23% = 47.15万円
100万円 × 33% = 33万円
合計所得税
176.4万円
住民税の計算
住民税は、どこに住んでいても一律で給与の10%です。
1000万円 × 10% = 100万円
手取りの計算
給与から所得税と住民税を引きます。
1000万円 – 176.4万円 – 100万円 = 723.6万円
手取り
723.6万円
このように、給与が増えると所得税も増えますが、住民税は常に一律で給与の10%です。
控除とは
控除とは、課税所得を減らすための特典のようなもので、代表的な控除には以下のものがあります。
基礎控除
すべての納税者に適用される控除で、年間38万円が差し引かれます。
田中さんがキャビンアテンダントとして年間500万円の給与を得ている場合、この控除により課税所得が38万円減ります。
扶養控除
扶養している家族がいる場合に適用される控除です。
山本さんがパイロットとして年間1000万円の給与を得ており、扶養している子どもがいる場合、その子ども一人につき一定額が控除されます。
配偶者控除
配偶者が一定の収入以下である場合に適用される控除です。
田中さんの配偶者が年間の収入が150万円以下の場合、田中さんの課税所得から一定額が控除されます。
社会保険料控除
支払った健康保険、年金、雇用保険などの社会保険料が全額控除されます。
田中さんが年間20万円の社会保険料を支払っている場合、その全額が控除されます。
医療費控除
1年間に支払った医療費が一定額を超える場合、その超えた分が控除されます。
山本さんが家族の医療費として年間50万円を支払い、10万円の自己負担額を引いた残り40万円が控除対象となります。
生命保険料控除
生命保険や個人年金保険の保険料が控除対象になります。限度額は一定の範囲内です。
田中さんが年間12万円の生命保険料を支払っている場合、一般の生命保険料控除の限度額4万円が控除されます。
地震保険料控除
地震保険料を支払った場合に控除されます。限度額は一定の範囲内です。
山本さんが年間3万円の地震保険料を支払っている場合、その全額が控除されます。
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)に掛け金を支払った場合に控除されます。
田中さんがiDeCoに年間12万円を拠出している場合、その全額が控除されます。
雑損控除
災害や盗難などで損失が発生した場合、その損失額が一定の条件で控除されます。
山本さんが台風の被害で20万円の損失を被った場合、その損失額が控除されます。
寄附金控除
特定の寄附金を支払った場合、その金額が控除されます。ふるさと納税も含まれます。
田中さんがふるさと納税で年間5万円を寄附した場合、そのうち2000円を超える部分4.8万円が控除されます。
障害者控除
本人または扶養家族が障害者である場合に適用される控除です。
山本さんの家族に障害者がいる場合、27万円(一般障害者の場合)が控除されます。
寡婦(寡夫)控除
配偶者を失った後、婚姻せずに扶養家族を持つ場合に適用される控除です。
田中さんがシングルマザーで扶養家族がいる場合、27万円が控除されます。
勤労学生控除
学業と並行して働いている学生に適用される控除です。
山本さんが勤労学生であれば、27万円が控除されます。
年収500万円のキャビンアテンダント田中さんの控除
基礎控除: 38万円
社会保険料控除: 20万円
生命保険料控除: 4万円
寄附金控除: 4.8万円
合計控除額: 66.8万円
年収1000万円のパイロット山本さんの控除
基礎控除:38万円
社会保険料控除: 60万円(仮定)
医療費控除: 40万円
地震保険料控除: 3万円
合計控除額: 141万円
これらの控除を差し引いた後の課税所得に税率が適用されるため、実際に支払う税金が少なくなります。
控除を受けるために保険に入ることは本末転倒と言われています。
まとめ
各種控除を適用することで、支払うべき税金を大幅に減らすことができるので、これらの控除を最大限に活用し、節税対策を行いましょう。
税金の知識がないと損をしたり騙されたりすることがあります。
自分を守り、強くなるためには、税金について学ぶことが重要で、基本的な税金のルールを理解し、控除を活用することで、適切な対応ができるようになります。
自分の将来を守るために、税金の知識をしっかり身につけましょう。
個人事業主の確定申告はマネーフォワードクラウドをお勧めします。 マネーフォワードクラウドなら確定申告の手続きを自動化し、手間を大幅に削減できます。
投資を始めるならSBI証券か、楽天証券をお勧めします。
どちらもネット証券として使いやすく、初心者から上級者まで幅広くサポートしてくれます。
私が投資を始める時に最初に読んだ山崎元さんの本はとてもわかりやすかったので、参考にしてみてください。
山崎元のほったらかし投資 世界一やさしい資産運用術 (TJMOOK) [電子書籍版] https://amzn.to/3X5Y514
コメント