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野村総合研究所の区分では、純金融資産が1億円以上あると「富裕層」に数えられます。ただ、同じ1億円でも、何年の1億円かで買えるものは変わります。コメやマンションの値段が上がったぶん、1億円の重さは軽くなりました。私は、額面ではなく「何が買えるか」で考えるようにしています。そのうえで私がやっているのは、インフレのぶんだけ売上と配当を増やしていける会社を、少しずつ持ち続けることです。
※本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。筆者は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、個別の銘柄を推奨するものではありません。記載の数字は2026年10月時点のものです。
2020年の1億円と、いまの1億円は同じではない
「純金融資産1億円以上が富裕層」という区分は、野村総合研究所が調査のために置いている線引きです。世帯の数を数えるための目安として、私も参考にしています。
ただ、この1億円という数字は何年たっても1億円のままです。物価のほうは動きます。ですから、同じ「1億円」でも、2020年の1億円といまの1億円では、買えるものの量が違ってきます。
私は、この差を「目減り」と呼んでいます。通帳の数字は減っていないのに、できることが減っている状態です。いちばん気づきにくい減り方だと思っています。
コメの値段で測ると、お金の価値はどう見えるか
私がいちばん肌で感じたのはコメでした。令和の米騒動と言われたあたりから、スーパーの5kgの袋の値段が目に見えて変わりました。我が家でも、買う袋の大きさを考えるようになりました。
仮に、暮らしのものさしをコメ一本に置いてみます。コメの値段が2倍になったのなら、同じ量のコメを買うには2倍のお金が必要です。つまり、コメで測ったお金の価値は半分です。
この計算をそのまま資産にあてはめれば、かつての1億円に追いつくには、いま2億円が必要という話になります。
ただ、これは乱暴な計算です。暮らしはコメだけで成り立っていません。実際の物価の上がり方は品目でまるで違いますし、家計の中身は人それぞれです。ですので私は、この手の換算は「向きを知るための目安」までにとどめています。
住まいの値段は、現金の重さを変えてしまった
住まいの値段も、現金の価値を考えるときの手がかりになります。首都圏の新築マンションの平均価格は、建築資材の値上がりと人手不足を受けて、この数年でずいぶん上がりました。
これから家を買う人にとっては、手元の現金の重さがそのぶん軽くなったことになります。コツコツ貯金で1,000万円を積み上げても、物件の値段がそれ以上に上がってしまえば、距離は縮まりません。
逆に、すでに住まいを持っていた人や不動産を持っていた人は、同じ期間で資産の評価が上がっています。同じ時代を生きていても、立っている場所で結果が変わるのだと、私はこの数年で思い知りました。
値上げには、払う側と受け取る側がいる
値上げのニュースを見ると、私はまず財布のことを思います。これは払う側の気持ちです。
ただ、払われたお金はどこかへ行きます。行き先は、その商品を売っている会社です。値上げができる会社は、仕入れが高くなったぶんを値段に乗せられます。これを価格転嫁と言います。
会社に投資している人は、この受け取る側にも席を持っていることになります。消費者としては痛いけれど、その会社の持ち主としては売上が増える。同じ値上げが、立場によって逆の意味になります。
私は、この仕組みに気づいてから、投資の見え方が変わりました。値段を当てにいくのではなく、値上げを通せる会社を持っておく。これがウォーレン・バフェットのやり方の、私にもできる部分だと思っています。
インフレのとき、会社の売上はどうなるか
物の値段が上がるというのは、言いかえると会社の売上金額が増えるということです。
ホテルの宿泊料が上がれば、ホテルを運営する会社の売上は増えます。ランチの値段が上がれば、食材を扱う会社の売上も増えます。光熱費が上がれば、資源を扱う会社の取り分が増えます。
もちろん、売上が増えても利益が増えるとは限りません。仕入れや人件費が同じだけ上がれば、残るものは変わりません。ここを分けて見るために、私は決算の資料を自分で開くようにしています。売上だけでなく、利益率がどうなったかを見ます。
値上げを通せたかどうかは、数字に出ます。ニュースの印象ではなく、そこで判断したいと私は考えています。
配当が増えていく会社を持つと、何が変わるか
現金の収入だけで暮らしていると、物価が上がったぶんがまるごと負担になります。
一方、配当を増やしてきた会社を持っていると、振り込まれる金額のほうも動きます。物価の上がり方に配当の増え方が追いつけば、暮らしの中身を落とさずに済みます。追いつかない年もあります。そこは正直に書いておきます。
私がやっているのは、インデックスの投資信託を土台に置いて、そのわきに配当を出す会社を少しずつ足していく形です。土台のほうは世界中の会社をまとめて持つので、どこか一社の良し悪しで崩れません。わきのほうは、自分で決算を見て納得した会社だけにしています。
配当は会社が稼いだお金から出ます。ですから、増配が続くかどうかは、その会社が稼ぎ続けられるかどうか次第です。私は、そこを毎年確かめ直すつもりで持っています。
この記事から外した数字と、その理由
もとの原稿には、具体的な数字がたくさん並んでいました。コメは5kgで約5,000円超、都内のビジネスホテルは3倍、マンションは7,000万円から1億3,000万円、オルカンの基準価額は2.7倍、ある銀行の1株配当は25円から74円、といった数字です。
私のほうで一次資料まで確かめきれなかったので、これらは本文から外しました。
理由は二つあります。ひとつは、どの時点のどの統計を使うかで倍率が大きく変わるからです。もうひとつは、確かめていない数字を根拠のように置いてしまうと、読んでくださった方の判断を狂わせてしまうからです。
「かつての1億円は、いまの1.5億円から2億円に相当する」という結論も外しました。計算の置き方次第でいくらでも動く数字で、私には一つの答えとして出せません。
会社名を並べた一覧も、やめました
もとの原稿には、銀行・商社・保険の会社名を挙げて「追い風」「資源高が利益になる」と並べた一覧がありました。あれも外しました。
私は金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けていません。会社名を並べて良し悪しを付ける書き方は、私がしてよい書き方ではないと考えています。
業種としての一般的な性質まではお話しできます。金利が上がると銀行の利ざやは広がりやすい。資源の値段が上がると、資源の権益を持つ会社の利益は増えやすい。修理費が上がると、保険料にそれが乗っていく。ここまでです。
そこから先、どの会社を選ぶかは、ご自身で決算を開いて決めていただくほうが、ずっと納得して持てると私は思っています。
額面ではなく、買えるもので考える
私の結論は単純です。通帳の数字を目標にすると、物価が動いたときに足元が崩れます。ですから私は、「この資産で何年ぶん暮らせるか」という形で考えるようにしました。
そのうえで、現金だけで持たない。値上げを受け取る側の席も持っておく。1億円という線に届くかどうかより、そちらのほうが私には大事でした。
50代から始めても遅くはないと、私は思っています。私は、買ったら売らないと決めて、配当を信じて持ち続けるやり方を選びました。
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値上げを受け取る側の席は、まとまったお金がないと持てないわけではありません。私は、生活費のやりくりで余った分を、少しずつ会社に替えてきました。1株から買える口座だと、その「少しずつ」がやりやすくなります。
私が実際に使っているのは次の2つです。どちらも1株(単元未満株)から買えるので、いきなり大きな金額を動かす必要はありません。
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※手数料・キャンペーンの内容や条件は変更されることがあります。必ず各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。当ブログは金融商品取引業(投資助言・代理業)の登録を受けておらず、特定の証券会社・金融商品の利用を推奨するものではありません。口座開設および投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
50代から始めても、60代、70代で「あの時始めてよかった」と思える日が来ると、私は思っています。私は、買ったら売らないと決めました。配当金を信じて持ち続ける、というやり方です。
私はYouTubeもやっています。毎日夜9時からライブ配信をしていますので、よろしければ遊びに来てください。チャンネル登録はこちらから → https://www.youtube.com/@buffettkaoru
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