質問いただきました
個別株で「もっと効率良く!」と攻めた結果、含み損が増えてしまうのは投資家なら誰もが一度は通る道です。
しかし、冷静に**「合理的」**に分析すると、その失敗には明確な理由があり、同時にこれからの「逆転のシナリオ」も見えてきます。なぜそうなったのか、そしてどう考えるべきか整理しました。
1. なぜ個別REITは「高利回り」に見えたのか?
あなたが個別REITに惹かれた時、ETF(1343)よりも利回りが高かったはずです。しかし、投資の世界では**「利回りが高い = 市場が何らかのリスクを警戒して価格を下げている」**という側面があります。
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ETF(1343): 約60銘柄の詰め合わせなので、1つがダメでも他がカバーします。だから「安心料」として価格が下がりにくく、利回りも控えめになります。
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個別REIT: 「オフィス特化型」や「特定の運用会社」など、特定の弱点を抱えている場合があります。利回りが高く見えたのは、実は**「下落のサイン(割安ではなく、単に売られていた)」**だった可能性があります。
「利回りが低いから嫌だ」と思った1343の「低さ」こそが、実は**「市場からの信頼と安定感の証」**だったという皮肉な結果になってしまったのです。
2. 「含み損たっぷり」でも、目的が配当なら「負け」ではない
ここが一番重要なポイントです。価格が下がっても、物件(オフィスやマンション)が消えたわけではありません。
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賃料は入ってきているか?
保有している個別REITの稼働率や分配金予想を見てみてください。もし分配金が維持されているなら、あなたのYOC(取得単価利回り)は、買った時の高い水準で固定されています。
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「含み損」の正体:
今は「日銀の利上げ」という巨大な波に、個別銘柄がETF以上に過剰に飲み込まれている状態です。個別株はETFよりも値動きが激しいため、下落局面ではボトム(底)を突き抜けやすい性質があります。
3. これからの「合理的な立ち回り」
今の状態を「失敗」で終わらせないための考え方は2つあります。
① 「損出し」をして1343に乗り換える
個別銘柄の将来性(特定の物件の空室が埋まらないなど)に不安があるなら、あえて損を確定させ、その資金で1343を買い直す戦略です。
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メリット: 税金の還付を受けつつ、より安定したETFに資金を移せる。
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合理性: 「個別銘柄の回復」を待つより、「市場全体の回復(1343の上昇)」に乗る方が確実性が高い場合があります。
② 「平均取得単価」を下げて保有し続ける
もし、その個別銘柄が「物流」や「ホテル」など、中長期的に需要があるセクターなら、今の安値で少しずつ買い増し(ナンピン)をして、平均取得単価を下げるのも合理的です。
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理由: 前述の通り、景気は循環します。金利上昇への恐怖が一段落すれば、売られすぎた個別銘柄ほど反発力は大きくなります。
「ETFが嫌で個別を買った」という判断は、より高いリターンを求めた結果であり、投資家として自然な欲求です。ただ、今は**「個別銘柄のボラティリティ(価格変動)」というリスクが、分配金のメリットを一時的に上回っているだけ**です。
目的が「将来の配当金」であるならば、目先の評価損に惑わされず、**「この価格(高利回り)で買い続けて、将来のYOCをどこまで高められるか?」**と思考を切り替えるのが、最も合理的
J-REITの分配金の「安定性」と、2026年現在の利回り水準について、過去10年のデータを踏まえて解説します。
結論から言うと、**J-REITの分配金は株式に比べて驚くほど安定しており、現在は「利回り的にかなり美味しい(高い)水準」**にあります。
1. J-REIT分配金の「安定性」:過去10年の推移
過去10年(2016年〜2026年)を振り返ると、J-REITの分配金がいかにタフかがわかります。
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分配金の変動幅が小さい: 景気変動により株価が激しく動く局面でも、J-REITの「中身(賃料収入)」は急激には減りません。賃貸契約は数年単位のものが多く、今月の景気が悪いからといって明日から家賃がゼロになることはないからです。
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コロナ禍の底力: 2020年のパンデミック時、多くの企業が「無配(配当ゼロ)」に転落しましたが、J-REIT(特に物流や住宅、オフィス)の多くは分配金を維持、あるいは一時的な落ち込みに留めました。
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10年間の利回りレンジ: 東証REIT指数の平均利回りは、過去10年でおおよそ 3.2% 〜 5.0% の間で推移してきました。
2. 現在の利回りは「高い」か「低い」か?
2026年2月現在、J-REITの平均予想利回りは 約4.5% 〜 4.6% 前後です。
これは過去10年のレンジで見ると、**「かなり高い(割安な)水準」**と言えます。利回りが4.5%を超える局面は、過去10年でも数えるほどしかありません。
3. なぜ今、こんなに利回りが高い(価格が安い)のか?
理由は主に2つあります。
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日銀の利上げ(最大の要因): 2025年から2026年にかけて、日銀が段階的に政策金利を引き上げています。「金利が上がると不動産には逆風」という連想から、投資家がREITを売り、価格が下がりました。価格が下がった結果、利回りが押し上げられています。
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需給の悪化: 一部の外国人投資家や国内機関投資家が、金利上昇を嫌って資金を債券などに移したため、売り圧力が強まった時期がありました。
4. 逆説的な「買い時」の理由
「金利が上がって価格が下がっているならダメじゃないか」と思うかもしれませんが、「目的が配当金」のあなたにとって、ここが合理的な判断の分かれ目です。
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賃料は上がっている: 2026年現在、東京都心のオフィス空室率は低下し、ホテルREITもインバウンド需要で絶好調です。つまり、「稼ぐ力(分配金の原資)」は増えているのに、金利への恐怖心だけで「価格」が安くなっている状態です。
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利回りの逆転: 金利が上がっても、J-REITの分配金がそれ以上に増える(内部成長)なら、最終的な価値は戻ります。
結論
今は、**「中身は元気なのに、金利という外圧で価格が叩かれている=高利回りで仕込めるチャンス」**という見方が合理的です。
もしあなたが「将来の自分のお小遣い」を最大化したいのであれば、この4.5%前後の高い利回り(YOC)で保有口数を増やしておくことは、数年後に「あの時買って正解だった」となる可能性が高い戦略と言えます。
「自分が買った時の株価に対して、今いくらの分配金をもらえているか」というYOC(Yield on Cost:取得単価配当利回り)**の考え方は、J-REITでも非常に重要で、かつ強力に機能します。
むしろ、長期投資家にとっての「真の利回り」はこのYOCの方ですよね。仕組みを整理して、J-REITならではのポイントを解説します。
YOCは「自分だけの利回り」
1343を「1,800円」で買ったとします。その時の分配金が年間「72円」なら、利回りは**4.0%**です。
将来、価格が上がっても: 市場価格が2,500円になっても、買値は1,800円のまま。
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将来、分配金が増えたら(増配): 分配金が年間「90円」に増えたら、あなたの**YOCは5.0%**に跳ね上がります。
この「取得単価(分母)が変わらない」という点が、長期保有する最大のメリットです。
J-REITでYOCが成長するシナリオ
J-REITの分配金は、裏側にある「家賃」と「経費」のバランスで決まります。将来、以下のことが起きれば、あなたのYOCはどんどん育っていきます。
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インフレによる賃料上昇
物価が上がると、オフィスやマンションの更新時に家賃も上がりやすくなります。家賃収入(売上)が増えれば、分配金も増えるため、あなたのYOCは上昇します。
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物件の入れ替え(資産運用)
REITの運用会社は、古い物件を売って新しい収益性の高い物件を買う「入れ替え」を行います。これで収益力が上がれば、分配金の底上げに繋がります。
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内部留保がない仕組み
ここが普通の株式会社との大きな違いです。J-REITは「利益のほぼ100%」を投資家に配る仕組みなので、収益が上がればダイレクトに分配金に反映され、YOCに直結します。
注意点:YOCは「下がる」こともある
個別株(累進配当を掲げる企業など)と違い、J-REITは「入ってきた利益をそのまま出す」ため、以下のケースでは分配金が減り、YOCも一時的に下がることがあります。
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金利上昇による利払い増: 借金の利息が増えると、投資家に配る利益が削られます。
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空室率の上昇: テナントが抜けて家賃が入らなくなると分配金が減ります。
J-REITでYOCを機能させるコツは、**「利回りが高く見える時に、できるだけ低価格(分母)で仕込んでおくこと」**です。
価格が下がっている局面で買うのは「分母を小さくする」行為です。将来、景気が一巡して賃料が上がり、分配金が元に戻ったり増えたりしたとき、あなたのYOCは他の人が羨むような高利回り(例えば6%や7%)になっているはずです。
「価格が下がっているときに買うのは怖い」と感じるのが普通の感覚ですが、**「配当(分配金)」を目的とする投資家にとって、価格の下落はむしろ割安で投資できる**と言える合理的な理由があります。
2026年現在のJ-REIT市場を取り巻く状況を踏まえ、なぜ含み損を抱えても買い増す考え方が「合理的」なのか、3つのポイントで解説します。
1. 価格と利回りの「シーソー関係」を味方につける
投資の基本ですが、分配金の額が一定なら、価格と利回りは逆方向に動きます。
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価格が下がる = 利回りが上がる: 同じ1万円の分配金をもらうのに、以前は30万円必要だったのが、今は25万円で済むような状態です。
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「取得単価」を下げる効果: 含み損が出ているときに買い増すと、全体の平均取得単価が下がります。これにより、自分のポートフォリオ全体の「取得価格に対する利回り(YoC)」が向上し、将来の黒字化(プラ転)も早まります。
2. 「景気は循環する」という歴史的ルール
不動産市場には明確なサイクルがあります。現在は日銀の利上げという「逆風(冬の時代)」にスポットが当たっていますが、これは永遠には続きません。
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今の逆風(金利上昇): 短期的にはJ-REITの借入金利負担が増えるため、価格は押し下げられます。
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将来の追い風: 金利が上がるのは「緩やかなインフレ(物価上昇)」が起きているからです。インフレ下では、建物の価値や「賃料」も後から上がってきます。
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景気のサイクル: 1. 後退期: 金利上昇で価格下落(今ここ付近?)
2. 停滞期: 底打ち。利回りが魅力的に見える
3. 回復期: 賃料上昇が始まり、価格が反転
4. 拡大期: 価格上昇、キャピタルゲインも狙える
「目的が配当金」であれば、冬の間に安く仕込んで種をまいておくことで、春(回復期)が来たときに**「高い分配金」と「値上がり益」の両方**を手にできる可能性が高まります。
3. J-REITの「中身」は実は強い
価格(投資家心理)は揺れ動きますが、J-REITが持っている「物件の稼働率」や「賃料収入」は非常に安定しています。
| セクター | 現状と見通し |
| オフィス | 東京中心部は空室率が低下傾向。外資やIT企業の需要が強い。 |
| 物流施設 | EC(ネット通販)の拡大で常に満室に近い。 |
| ホテル | インバウンド(訪日客)が過去最高レベルで、客室単価が急上昇中。 |
「中身(家賃収入)はしっかりしているのに、金利への恐怖心だけで価格が売られすぎている」。もしそう判断できるなら、含み損を恐れずに買うことは、まさに「バリュー投資」の王道です。
結論:なぜ含み損でも買うのが「合理的」か?
それは、**「将来、価格が戻ったときに、あの時安く買っておいて良かった」**と笑えるのは、価格が下がっているときに勇気を持って買った人だけだからです。
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分配金目的: 下落は「お小遣いの利回りアップ」チャンス。
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将来の値上がり: 景気循環により、いずれ金利上昇が織り込まれれば価格は回復する。
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資産の裏付け: 実物の不動産という価値があるため、ゼロになることはない。
ご自身のチェックリストにある「PBR 0.5〜1.5倍」という基準も、今のJ-REIT市場なら多くの銘柄が「割安(PBR 1.0以下)」として合致しているはずです。
- 1. なぜ個別REITは「高利回り」に見えたのか?
- 2. 「含み損たっぷり」でも、目的が配当なら「負け」ではない
- 3. これからの「合理的な立ち回り」
- 1. J-REIT分配金の「安定性」:過去10年の推移
- 2. 現在の利回りは「高い」か「低い」か?
- 3. なぜ今、こんなに利回りが高い(価格が安い)のか?
- 4. 逆説的な「買い時」の理由
- 結論
- YOCは「自分だけの利回り」
- J-REITでYOCが成長するシナリオ
- 注意点:YOCは「下がる」こともある
- 1. 価格と利回りの「シーソー関係」を味方につける
- 2. 「景気は循環する」という歴史的ルール
- 3. J-REITの「中身」は実は強い
- 結論:なぜ含み損でも買うのが「合理的」か?
- JREIT
- JREITはタコ足はいとうではない
- 1343(NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信)
- 「J-REIT」不動産投資を小口化した仕組み
- 株価が上がる時・下がる時
- メリット・デメリットまとめ
- J-REIT ETFの比較
- 金利上昇局面
JREIT
1343は、投資家の間で非常に人気のある国内ETF(上場投資信託)
結論から言うと、1343の正体は**「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信」**です。野村アセットマネジメントが運用しており、日本の不動産投資信託(J-REIT)の市場全体に投資する商品です。
1343(NF・J-REIT ETF)の3つのポイント
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日本の大家になれる
東証に上場している全てのREIT(不動産投資信託)に分散投資する仕組みです。これ1つを持つだけで、オフィスビル、マンション、物流施設、商業施設など、日本中の様々な不動産から上がる賃料収入を間接的に受け取ることができます。
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年4回の分配金(お小遣い)
決算が2月・5月・8月・11月の年4回あります。3ヶ月ごとに分配金が支払われるため、定期的なキャッシュフローを求める投資家に非常に好まれています。
1343(NF・J-REIT ETF)の決算日は、毎年2月、5月、8月、11月の各10日に設定されています。
直近の分配金実績(100口あたり)
| 決算月 | 分配金(100口あたり) |
| 2026年2月 | 2,550円 (最新!) |
| 2025年11月 | 2,310円 |
| 2025年8月 | 1,990円 |
| 2025年5月 | 2,330円 |
今月(2026年2月)も決算を終えたばかりで、1口あたり25.5円の分配金が出ています。
高配当・インデックス戦略としての1343
1343は、J-REIT市場全体に投資する「インデックス投資」でありながら、利回りが4%前後と高い「高配当投資」の側面も持っています。
3ヶ月ごとにチャリンとお金が入ってくる仕組みは、衛星(サテライト)戦略としてキャッシュフローを強化したい場合には非常に心強い味方になります
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高い利回りと少額投資
個別のREITを一つずつ買うには数十万円かかることもありますが、1343なら数千円〜2万円程度(10口単位)から購入可能です。利回りも一般の株式より高め(4%前後)で推移することが多いのが魅力です。
J-REITの仕組み
J-REITがどのような仕組みで収益を上げ、投資家に分配しているかを図解で見るとイメージが湧きやすい
運用
1343は「東証REIT指数」に連動するため、日本の不動産市場が好調な時や、金利が低い局面などで買われやすい傾向があります。株式とは少し違った動きをすることもあるので、資産の分散先として非常に優秀な銘柄です。
JREITはタコ足はいとうではない
**1343(NF・J-REIT ETF)がタコ足配当にならない理由は、ETF(上場投資信託)という商品の「仕組み」と「法律」**にあります。
一般的な投資信託(非上場)でよくある「特別分配金(元本払戻金)」とは、根本的にルールが異なります。
1343がタコ足配当ではない3つの理由
1. 法的な「分配金支払い」のルール
日本のETFには、**「信託財産から生じた利子や配当などの収益から、経費を差し引いた全額を分配しなければならない」**という厳格なルールがあります。
つまり、1343が保有しているJ-REIT各社から受け取った「配当金(インカムゲイン)」が分配金の原資であり、投資家が預けた元本を取り崩して分配金に充てることは禁止されています。
2. 「元本払戻金(特別分配金)」という概念がない
一般的な投資信託には「特別分配金」という仕組みがあり、運用成績が悪くても元本を削って分配金を出すことができます。しかし、ETFにはこの仕組み自体が存在しません。
1343から支払われるのはすべて「普通分配金」であり、それは純粋に利益(配当収益)から出ている証拠です。
3. 裏付けとなる「賃料収入」の存在
1343が投資しているJ-REIT(不動産投資信託)は、保有するオフィスやマンションから**毎月「賃料」**を受け取っています。
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J-REIT各社: 賃料から経費を引いた利益の90%超を分配(これで法人税が免除される仕組み)。
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1343(ETF): それらの分配金をかき集めて、経費を引いた全額を投資家(あなた)に渡す。
このように、裏側に確実な「現金収入(賃料)」があるため、無理なひねり出しをする必要がないのです。
投資信託とETFの比較
| 項目 | 一般的な投資信託(毎月分配型など) | 1343 (J-REIT ETF) |
| 分配金の原資 | 運用益 + 元本(タコ足あり) | 運用益(配当・利子)のみ |
| 元本払戻金 | あり(非課税になるが元本は減る) | なし(すべて課税対象の利益) |
| 健全性 | 運用報告書を詳しく見る必要あり | 仕組み上、常に健全(利益のみ分配) |
唯一の注意点:分配金の「変動」
タコ足配当をしない代わりに、1343の分配金は**「入ってきた分だけ出す」**スタイルです。
そのため、景気悪化などでJ-REIT各社が減配すれば、1343の分配金も素直に減ります。「無理して維持しない」からこそ、中長期で安心して持てる銘柄と言えますね。
1343(NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信)
「J-REIT」不動産投資を小口化した仕組み
普通、マンション一棟を買うには数千万円〜数億円必要です。でもJ-REITという仕組みを使えば、「お金を集めて、プロが不動産を買って運用し、その家賃収入や売却益を分配金として還元する」ことができます。いわば「不動産投資の共同購入」です。
東京の有名オフィスビル、商業施設、物流倉庫、ホテル、マンションなどに、2万円程度から投資できてしまう、それがJ-REITです。
1343
1343はETF(上場投資信託)という形の商品で、野村アセットマネジメントが運用しています。「東証REIT指数」という、東証に上場しているJ-REITの全銘柄(約60銘柄)をまるごと束ねた指数に連動するよう設計されています。
つまり、1343を1口買うだけで、日本中の優良不動産(オフィス・商業施設・物流倉庫・ホテル・住宅など)にまとめて分散投資できるということです。現在の株価は約2,142円(2026年2月時点)で、売買単位は10口なので約2万1,000円から始められます。
純資産総額は約5,688億円と、同種のETFの中で国内最大規模。2008年9月の上場以来、J-REITのETFとして最長の運用実績を誇ります。
売上の9割を還元
J-REITには法律上の特別ルールがあります。それは「利益の90%超を分配金として投資家に払い出せば、法人税がほぼかからない」というものです。
普通の会社は利益に約30%の法人税がかかりますが、J-REITはこの条件を守ることで税金をほぼゼロにできます。だから「稼いだお金をどんどん投資家に還元する構造」になっているのです。これが、J-REITの配当利回りが株式より高い大きな理由です。
【イメージ図】
家賃収入100億円
→ 経費10億円を引いて90億円の利益
→ その90%以上 = 81億円以上を投資家に分配金として支払い
→ 法人税ほぼゼロ ✓
利回りはどのくらい?増配はしてきたの?
過去5年間の分配金利回りの平均は約3.7%で、日経平均株価連動ETFと比べると利回りの差は2倍以上になっており、高配当であることがわかります。
分配金は年4回(2月・5月・8月・11月の10日)支払われます。直近では2025年11月に100口あたり2,310円、2025年8月に1,990円と、比較的高水準で推移しています。
ただし「増配し続けてきたか」というと、株式の高配当株のように毎年コンスタントに増配という形ではなく、不動産市況・賃料収入・金利環境によって変動する面があります。コロナ禍(2020〜2021年)にはホテル・商業施設系REITの収益が落ち込み分配金が減少した時期もありました。長期的には利回り3〜4%台を維持しており、安定的な分配金受け取りを目的とする投資家に支持されています。
中身の銘柄は何が入っている?
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している約60銘柄の不動産投資信託(J-REIT)の全銘柄を対象としており、組入上位銘柄では三井不動産を主要スポンサーとし時価総額が高い日本ビルファンドの比率がやや高くなっています。
主な組入銘柄と特徴を見てみましょう。
① 日本ビルファンド投資法人(8951)── 組入比率最大 三井不動産がスポンサー。丸の内・新宿などの超一等地のオフィスビルに特化。「東京のど真ん中のオフィスビルのオーナーになれる」感覚です。賃料収入が非常に安定しています。
② ジャパンリアルエステイト投資法人(8952)── 約5.89%組入 三菱地所がスポンサーの大型オフィス特化型REIT。東京・大阪・名古屋の有名ビルを多数保有。空室率が低く、安定した収益を生み続けています。
③ 野村不動産マスターファンド投資法人(3462)── 約4.56% オフィス・商業施設・住宅・物流など総合型。多様な不動産に分散投資されているため景気の波に強い。
④ 日本都市ファンド投資法人(8953)── 約5.15% イオンモールなどの大型商業施設に特化。日本全国のショッピングモールから家賃収入を得ています。
⑤ KDX不動産投資法人(8972)── 約4.21% 中規模オフィスビルや住宅に投資する総合型REIT。幅広い物件タイプで分散されています。
これ以外にも物流倉庫(プロロジス、GLP)、ホテル(ジャパン・ホテル・リート)、データセンターなど多様なセクターが約60銘柄含まれており、「日本の不動産全体に分散投資している」状態になります。
ウォーレン・バフェットなら
まず「配当(分配金)が高い」こと。株式の配当利回りが平均1〜2%台なのに対し、J-REITは3〜4%台の利回りが期待できます。長期保有で分配金を積み上げる戦略に非常にマッチしています。
次に「不動産という実物資産に裏付けられている」こと。土地や建物は突然ゼロにはなりません。企業が倒産しても不動産は残ります。バフェットが「理解できるビジネスに投資する」という哲学を持つように、「家賃が入ってくる」という仕組みは非常にシンプルで理解しやすい
そして「法人税が免除される構造」も魅力です。利益の90%以上を投資家に分配する義務があるため、企業内部に利益を溜め込まず、投資家への還元率が構造的に高い。これは高配当投資家にとって理想的な仕組みです。
日本がなくならない限り存在し続ける
日本の主要都市(特に東京・大阪・名古屋)のオフィスビルや物流倉庫・住宅は、日本経済が機能している限り需要がなくなりません。
特に東京は世界有数の都市であり続けており、「東京のオフィスの家賃がゼロになる」状況は、日本という国が根本的に機能しなくなることを意味します。また、Eコマースの拡大で物流倉庫の需要は近年むしろ増加傾向です。
個別企業への投資では「その会社が倒産する」リスクがありますが、1343は約60銘柄に分散投資されているため、一つのREITが経営破綻しても影響は軽微です。さらに不動産自体は有形資産なので、REITが破綻しても不動産を売却すれば一定の価値が残ります。「日本社会が継続する限り、なくなりにくい」という意味で、比較的安定した投資対象と考えられています。
株価が上がる時・下がる時
価格が上がりやすい時
金利が低い時期は、J-REITの分配金利回り(3〜4%)が国債(0〜1%程度)と比べて非常に魅力的に見えます。お金が国債からJ-REITに流れ込み、価格が上昇します。景気が安定・回復し、オフィスの空室率が下がって賃料が上がる局面も追い風です。またインバウンド(外国人観光客)増加でホテル収益が上がる時も上昇しやすいです。
価格が下がりやすい時
最大の敵は金利上昇です。日本銀行が利上げをすると、国債の利回りが上がり、相対的にJ-REITの分配金利回りの魅力が薄れます。「わざわざリスクを取らなくても国債で2〜3%もらえるなら…」という資金流出が起きやすくなります。実際に2022〜2024年ごろ日銀の金融政策変更観測が強まる中でJ-REITは下落圧力を受けました。また、景気後退でオフィスの空室増加・商業施設の閉店などが続くと賃料収入が減り、分配金が下がる懸念から売られることもあります。
今後の見通し
2025〜2026年のJ-REIT市場の注目ポイントは日銀の金利政策です。日銀が段階的な利上げを続けるなら、J-REITには引き続き逆風になりえます。一方で、東京都心のオフィス需要は外資系企業の日本参入や再開発で底堅く、物流倉庫の需要はECの拡大で堅調、インバウンド観光の回復でホテルREITも改善するという追い風もあります。東証REIT指数は2,000ポイント回復という見出しもあり、今後の上昇余地について市場でも議論されています。
長期的には、分配金を受け取りながら保有し続ける「インカム投資」の観点では、3〜4%台の利回りは国内でも高水準であり、NISAの成長投資枠でも使えるため、長期保有に向いている商品と言えます。
メリット・デメリットまとめ
メリット
約2万円から日本中の不動産60銘柄に分散投資できる点は、個人が実物不動産を買うことを考えると革命的です。実物不動産に投資するには多額の資金と管理や手間が必要ですが、このETFなら少額から国内の幅広い不動産への分散投資が可能です。年4回(2月・5月・8月・11月)に分配金が入ってくるため、お金が定期的に振り込まれる感覚も持ちやすいです。信託報酬も年0.1705%と低コストで、東京証券取引所に上場しているため株のように売買しやすく、流動性も十分あります。NISAの成長投資枠の対象なので、分配金に対する税金(約20%)が非課税になります。ETFは税法により、発生した利子や配当などの収益から信託報酬などの費用を控除した全額を分配することになっているので、自己資産を切り崩したタコ足配当がなく安心して受け取れます。
デメリット
金利上昇に弱いことが最大のリスクです。日本の金利が上がるとJ-REITの価格は下落しやすく、投資元本が目減りする可能性があります。また、分配金を受け取るたびに課税される(NISA口座除く)ため、複利効果が薄れます。純粋な資産成長を狙うなら、分配金を出さないインデックスファンドのほうが長期での複利効果は高いとも言われます。さらに人口減少が続く日本では、地方の不動産需要は長期的に縮小する懸念もあります(ただし1343は都市部中心なのでその影響は限定的)。そして景気悪化や自然災害(地震など)による不動産価値の下落リスクも念頭に置く必要があります。
「日本の一等地の不動産を、2万円でちょっとずつ所有して、家賃収入をもらい続ける投資」 ──それが1343です。
金利が低い時代には非常に有利に働く商品であり、長期でコツコツ分配金を受け取りながら保有するスタイルに向いています。ただし「元本保証ではない」「金利上昇に弱い」という点はしっかり頭に入れたうえで、NISAを活用しながら資産の一部として組み入れるのが、多くの投資家に選ばれている使い方です。
J-REIT ETFの比較
1343の直近(2026年2月時点)の利回りと、ライバルとなる主要なJ-REIT ETFの比較をまとめました。
結論から言うと、1343は**「圧倒的な安心感と流動性(売り買いのしやすさ)」**が最大の武器です。
1343と主要J-REIT ETFの比較(2026年2月最新)
現在、J-REIT市場全体が堅調なこともあり、利回りは4%前後で推移しています。
| 銘柄名 (コード) | 1343 (NF・J-REIT) | 1476 (iシェアーズ) | 1597 (MAXIS) | 2556 (One ETF) |
| 分配金利回り | 約 4.25% ~ 4.28% | 約 4.03% ~ 4.11% | 約 4.13% ~ 4.15% | 約 4.10% |
| 信託報酬 (税込) | 0.1705% | 0.1650% | 0.1595% | 0.1595% |
| 決算月 (年4回) | 2, 5, 8, 11月 | 2, 5, 8, 11月 | 1, 4, 7, 10月 | 1, 4, 7, 10月 |
| 純資産総額 | 約 5,700億円 | 約 2,400億円 | 約 800億円 | 約 200億円 |
| 特徴 | 市場シェアNo.1。流動性抜群 | 世界最大級の運用会社 | コスト最安クラス | コスト最安クラス |
1343を選ぶメリット・デメリット
🟢 メリット:最強の「流動性」
1343は純資産総額が5,000億円を超えており、J-REIT ETFの中でダントツの規模です。
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売買のしやすさ: 注文が成立しやすく、買値と売値の差(スプレッド)も非常に狭いです。
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実績: 野村アセットマネジメントのブランド力があり、機関投資家も多く利用しています。
🟡 デメリット:コストが「最安」ではない
表を見るとわかる通り、1597や2556の方が信託報酬(管理コスト)はわずかに安いです。
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差は年間「0.01%」程度なので、100万円預けていても年間100円の差です。「誤差」と捉える投資家も多いですが、極限までコストを削りたい場合は1597などが選択肢に入ります。
運用のヒント:毎月分配金ポートフォリオ
すでにお持ちの**1343(2,5,8,11月決算)に、決算月が異なる1597(1,4,7,10月決算)や、さらに別の銘柄(3,6,9,12月決算のもの)を組み合わせると、「毎月、日本の不動産からお小遣いが入る仕組み」**が完成します。
ご自身のチェックリストにある「利回り3.75%以上」もしっかりクリアしていますね。
1343の分配金は、2月10日の決算分が3月20日頃に振り込まれる予定です
金利上昇局面
「価格が下がっているときに買うのは怖い」と感じるのが普通の感覚ですが、**「配当(分配金)」を目的とする投資家にとって、価格の下落はむしろ「バーゲンセール」**と言える合理的な理由があります。
2026年現在のJ-REIT市場を取り巻く状況を踏まえ、なぜ含み損を抱えても買い増す考え方が「合理的」なのか、3つのポイントで解説します。
1. 価格と利回りの「シーソー関係」を味方につける
投資の基本ですが、分配金の額が一定なら、価格と利回りは逆方向に動きます。
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価格が下がる = 利回りが上がる: 同じ1万円の分配金をもらうのに、以前は30万円必要だったのが、今は25万円で済むような状態です。
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「取得単価」を下げる効果: 含み損が出ているときに買い増すと、全体の平均取得単価が下がります。これにより、自分のポートフォリオ全体の「取得価格に対する利回り(YoC)」が向上し、将来の黒字化(プラ転)も早まります。
2. 「景気は循環する」という歴史的ルール
不動産市場には明確なサイクルがあります。現在は日銀の利上げという「逆風(冬の時代)」にスポットが当たっていますが、これは永遠には続きません。
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今の逆風(金利上昇): 短期的にはJ-REITの借入金利負担が増えるため、価格は押し下げられます。
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将来の追い風: 金利が上がるのは「緩やかなインフレ(物価上昇)」が起きているからです。インフレ下では、建物の価値や「賃料」も後から上がってきます。
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景気のサイクル: 1. 後退期: 金利上昇で価格下落(今ここ付近?)
2. 停滞期: 底打ち。利回りが魅力的に見える
3. 回復期: 賃料上昇が始まり、価格が反転
4. 拡大期: 価格上昇、キャピタルゲインも狙える
「目的が配当金」であれば、冬の間に安く仕込んで種をまいておくことで、春(回復期)が来たときに**「高い分配金」と「値上がり益」の両方**を手にできる可能性が高まります。
3. J-REITの「中身」は実は強い
価格(投資家心理)は揺れ動きますが、J-REITが持っている「物件の稼働率」や「賃料収入」は非常に安定しています。
| セクター | 現状と見通し |
| オフィス | 東京中心部は空室率が低下傾向。外資やIT企業の需要が強い。 |
| 物流施設 | EC(ネット通販)の拡大で常に満室に近い。 |
| ホテル | インバウンド(訪日客)が過去最高レベルで、客室単価が急上昇中。 |
「中身(家賃収入)はしっかりしているのに、金利への恐怖心だけで価格が売られすぎている」。もしそう判断できるなら、含み損を恐れずに買うことは、まさに「バリュー投資」の王道です。
なぜ含み損でも買うのが「合理的」か?
それは、**「将来、価格が戻ったときに、あの時安く買っておいて良かった」**と笑えるのは、価格が下がっているときに勇気を持って買った人だけだからです。
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分配金目的: 下落は「利回りアップ」
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将来の値上がり: 景気循環により、いずれ金利上昇が織り込まれれば価格は回復する。
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資産の裏付け: 実物の不動産という価値があるため、ゼロになることはない。
ご自身のチェックリストにある「PBR 0.5〜1.5倍」という基準も、今のJ-REIT市場なら多くの銘柄が「割安(PBR 1.0以下)」として合致しているはずです。

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