JALは2025年2月3日より、国内線の短距離路線で機内販売を終了し、オンラインサービス「おうちで機内販売」に統合しました。これは全ての国内線路線ではなく、東京/羽田-秋田、小松、名古屋/中部、大阪/伊丹、大阪/関西、南紀白浜、東京/成田-名古屋/中部の7路線が対象です。
一方ANAはもっと前に国内線機内を販売しています。このことは単なるサービスの廃止ではなく、デジタル技術を活用した革新的なアプローチへの移行を示しているんです。
ANAのデジタル化とVR技術の活用
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「ANA STORE@SKY」オンラインショッピングサービス
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従来の対面販売からデジタルプラットフォームへ移行
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スマートフォンやタブレットから機内Wi-Fiを通じてアクセス可能
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商品の選択肢拡大と購入の利便性向上
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「ANA GranWhale」バーチャルトラベルプラットフォーム
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VR技術を活用した世界各地の旅行体験提供
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実際の旅行への興味喚起と購買意欲の向上
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バーチャルとリアルの連動によるマーケティング戦略
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未来を見据えたサービス展開
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顧客体験の向上
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時間や場所の制約を受けない柔軟な購買機会の提供
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パーソナライズされたレコメンデーションの可能性
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データ活用の強化
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顧客の購買行動や嗜好のデジタル化によるデータ収集
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AIを活用したサービス改善と商品開発への応用
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環境負荷の低減
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機内での物理的な商品搭載量削減による燃費改善
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ペーパーレス化によるカタログ印刷コストと環境負荷の軽減
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運航効率の向上
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機内販売関連業務の削減による乗務員の負担軽減
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機内スペースの有効活用
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新たな収益モデルの創出
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VR体験と実際の旅行をリンクさせた新しいサービスの可能性
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デジタルコンテンツを活用した広告収入など
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かつてJALの機内販売は、お菓子、コスメ、アクセサリー、限定グッズなど、多くのアイテムを販売していました。しかし、近年の航空業界の変化やコスト管理の観点から、機内販売の役割が見直されるようになりました。その背景には、以下のような要因があります。
JALの機内販売の行方
機内販売を行うためには、大量の商品を仕入れ、管理し、搭載する必要があります。
- 未販売の商品は在庫として保管しなければならず、保管コストや管理コストが発生。
- 賞味期限のある食品やトレンドに左右される商品は、売れ残りのリスクが高い。
JALは機内販売を廃止することで、この在庫管理コストを大幅に削減できます。
燃料コストの削減
航空機の運航コストの中で燃料費は最も大きな割合を占めると言われています。
- 機内販売用の商品は、飛行機に積む荷物の一部。
- 重量が増えると、それだけ燃料消費量も増えるため、販売商品の削減=燃料コスト削減につながる。
- 特に、長距離国際線では少しの重量増加が数千万円単位の燃料コスト増に直結する。
機内販売をなくすことで、飛行機の重量を軽くし、燃料費を削減する効果が期待できます。フィンエアーが削減した理由もこれが一つです。
もしJALが機内販売をやめたら10億円規模のコストカットが可能
📌 在庫管理コスト → 約5億円削減
📌 燃料コスト(重量軽減) → 約3〜7億円削減
しかし機内販売の売上はJALにとって大きな収益源で過去には1年間で100億円達成した時期もありました。
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