飛行機内で出産した外国人のお客様の話
ある日、成田発ニューヨーク行きのエコノミークラスのフライトで、突然陣痛が始まった女性がいました。彼女は英語も日本語も話せない外国人だったのです。
キャビンアテンダントたちは、すぐに、エコノミークラス6席を倒し、出産するスペースを作り、毛布と枕を集め、妊婦を楽な体位に横たわらせました。
そして、周りのお客様から見えないように、毛布でその場所を囲んだのです。
機内でのドクターコール
急いでドクターコールをすると、看護師2名が名乗り出たので、看護師の指示と、キャビンアテンダントの機内出産対応マニュアルを見ながら、出産の準備を始めたのです。
準備したもの
- 清潔なリネン(食事のサービス時に使う布)
- 大量の生理用ナプキン
- ゴミ箱に使う大きなビニール袋
陣痛の始まり
陣痛の強さや頻度、お腹の張り具合などをキャビンアテンダントがチェックします。
出血がある場合は、出血量や色、性状などを確認し、陣痛に伴う痛みに対しては、頭にアイスパックをしたり、腰を暖める工夫ができます。

陣痛の進行具合を確認するために、陣痛の間隔や陣痛の長さを測定し、陣痛の間隔が10分以下や陣痛の長さが30秒以上になった時に、分娩が開始すると判断します。
機内での出産
母親を横に寝かせ、お腹に毛布をかけて、生理用ナプキンで血液を吸収させます。
陣痛の強さに応じて、母親の呼吸や体位を調整しながら腰をさすってあげるなど、陣痛を和らげるようにサポートしていると、わずか3時間で赤ちゃんが無事に生まれてきたのです。
出産後の機内
赤ちゃんの元気の良い鳴き声が機内に響きわたった時、他の乗客から拍手が沸き起こりました。
まとめ
キャビンアテンダントは、飛行機内で、乗客の安全と快適なフライトをサポートする仕事です。
乗客に食事やドリンクを提供し、機内アナウンスを行ったり、非常時には適切な対応がとれるよう訓練を受けているので、機内では、医療機器や薬を使用し、緊急事態に対応しています。
キャビンアテンダントに求められるもの
機内で状況に応じて適切な判断を下し、応急処置をしたり、乗客に対して常に丁寧に優しく接することができるようコンディションを常に整えています。
飛行機の中にある医療機器
飛行機内では、医師や看護師の指導の下で、医療行為が行われています。
医療機器
- AED(自動体外除細動器)
- 心電図モニター
- Medicine KIT
- Doctor’s KIT
- Resuscitation KIT
- 感染症対策用マスク
- 感染症予防用汚物処理入れ
- 医療廃棄物処理容器
Resuscitation KIT
- 気管内挿管セット
- 液体吸器
- 開機器
- 人工呼吸器
- 血圧計
- 電子血圧計
- 聴診器
Medicine KIT
- 痛み止め
- 酔い止め
- かゆみ止め(国際線のみ)
- 消毒薬
- 冷えピタ
- バンドエイド
これらを使用して、臨機応変な対応によって、実際に救われた命もあります。
キャビンアテンダントは、時には人生の大切な瞬間に立ち会うことがあります。
私たちの訓練や準備、そして経験が、その瞬間で役にたちます。
人々の人生に寄り添うことができた時、自分が成長することができます。

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