飛行機内でCAが行う機内販売が、多くの女性に人気があることを知っていますか?
実は、機内販売の商品は、地上で買うより安く、オリジナルの限定商品が多いので、お買い得なんです。
なぜなら、飛行機内は、地上から離陸することで税金がかからないからです。
残った外貨を処分したい、買い忘れたお土産を買いたい、お腹が空いたから食べ物を買いたい、有効期限が切れそうなマイルを使いたい、と機内販売を利用する旅客は多く、一見華やかに見えますが、実はCAにとって、売り上げノルマ達成のための修羅場なのです。
CAには、売り上げ目標というノルマがあり売り上げが悪いと人事評価に影響し給与に反映するのです。
この記事を読むと、機内販売でCA間にある売り上げの競争とノルマ達成の過酷さがわかります。
目標値は路線ごとに細かく設定され、売り上げ順位は社内に張り出されます。
結論として、お客様を想って販売しているCAもいれば、会社の売り上げを伸ばし
自分の評価を上げるために行っているCAもいるのです。
機内販売とは
出典:2018年JAL機内販売カタログ 3/4月号
機内販売とは、飛行機の中で、世界中のブランド物・アクセサリー・コスメ・食べ物などをCAが直接販売することです。
飛行機が離陸してから着陸するまで、買うことができます。
飛行機が離陸することで、商品に税金がかからない利点を活かし、お得な値段で商品を買うことができます。
カタログ
出典:JAL HP 機内販売
商品は企業と提携し、何を販売するか話し合って決まります。
カタログは、1か月~数か月ごとに更新されています。

コロナ禍によって、支払いはカードのみの航空会社が増えました。
機内販売の始まり
機内販売の始まりは、お酒と煙草の販売だけでした。
旅客は、お酒や煙草に税金が加算されないことで、安く買えるので、大量購入する人が増え始め、それぞれの国で免税基準が、定められるようになったのです。

今のように個人用画面で映画やゲームを楽しむことができない時代は、食事と新聞、雑誌に加えて旅客へのサービスとして機内販売を行い長時間のフライトを飽きさせない努力をしていたのです。
1990年代まで、機内では喫煙ができたので、煙草を買って、吸う人もいました。
その後、真珠や香水など高級品を扱うようになり、今では100種類以上の商品が販売されています。
旅客のメリット
出典:FLY Team
飛行機を利用する旅客は、ほとんどの人が、マイレージ会員として、専用のクレジットカードを持っています。
機内販売は、そのカードで購入すると、10%割引され、マイルが付与されるので
お得です。
人気の商品
女性人気のコスメブランドとコラボし、オリジナル商品を扱うようになったのは
2000年代に入ってからです。
人気のある商品をセットにすると、売り切れが続出する商品も出てきました。

ボーディング中に商品名を書いたメモを渡してくる人も多くいます。
JALで特別に販売されている「森伊蔵」は買い占める旅客と、購入出来なかった旅客とのトラブルが相次ぎ、1人1本という制限をつけて、ファーストクラスとビジネスクラスだけの販売へと変更になったのです。

つまりエコノミークラスでは買えないのです。
ビジネスクラス以上は、機内食の事前予約ができるように、機内販売の事前予約ができますが、依頼は、ごく僅かです。
まだ認知されていないので、CAが機内販売を始めるのをじっと待っている人もいます。
メルヴィータ
メルヴィータオイルは、100%ナチュラルでオーガニックです。ビオオイルをはじめとする美容オイルはメルヴィータの自信作と言われています。
アルガンオイルはローズの香りと、うるおいキープ力はそのままで、ローズのエッセンシャルオイルが気持ちを明るくしてくれます。
肌のうるおいや、ハリなどマルチケアに対応してます。赤ちゃんでも使えるアルガンオイルは、洗顔後すぐの肌に一滴、塗布すると、化粧水の保水・保湿効果が何倍にも上がり、保水力に富んだアルガンオイルが、化粧水のうるおいをギュッと抱え込みモチモチの美肌へ導きます。
アルガンオイルに含まれるオレイン酸・リノール酸・ステロールなど、美肌成分が、キメの整ったふっくら肌にしてくれます。
ロクシタン
出典:ロクシタンHP
ロクシタンの商品は、植物由来の成分だけを使用し、自然な香りなので、海外化粧品にありがちなキツい匂いがなく、使い心地はサラリとしています。
個別包装しているので、友達など大人数のプレゼントに適しています。
ジョンマスターオーガニック
出典:ジョンマスターオーガニックHP
ジョンマスターオーガニックは、農薬や化学肥料を使わず収穫されたオーガニックでナチュラルな原料を使用しています。
シャンプーだけでは髪の毛は、パサパサですが、コンディショナーを使うことで、サラサラになるので不思議なんです!
ハーブやフラワーによる美容効果が得られます。
ニールズヤード
出典:ニールズヤードHP
100%オーガニックで、独自の研究で環境を守る活動に積極的な商品で、贅沢な香りです。
価格が少し高いのですが、オリジナル商品はセット売りなので、割安に購入できます。
ポール&ジョー
出典:ポール&ジョーHP
数多くあるデパコスブランドの中で、絶大な人気があります。
持っているだけで気分が上がるような見た目の可愛さと、日本人の肌色に合う化粧品です。
特にファンデーションベースがお勧めです。
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WELDA
出典:WELDAHP
地球や環境、人をいたわる目線を持ったブランドで、最高レベルの品質を保持し、原料へのこだわりがあります。
妊娠線だけでなく、二の腕や太ももをマッサージすると、血流がよくなるので痩身効果があると言われています。
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機内販売激化の理由
機内販売は、保安要員であるCAが行います。そのため販売員を雇う必要がなく、場所は機内の空いたスペースに収納しているので、場所代も必要ないのです。
つまり、航空会社が、収益向上策として、機内販売の競争が激化する理由は、売り上げ額が原価を差し引いて、すべて航空会社の莫大な利益になるからです。
機内で販売しているブランド物のスカーフは3万円です。スカーフの製造原価は約10%なので、約27,000円が航空会社の利益となるのです。
利益が大きい理由
- 商品を販売するスタッフを雇う必要がないので人件費が不要。
- 商品の置き場所は機内のギャレイの空いたスペースなので場所代が不要。
年間100億円の売り上げ
機内販売の売り上げは、年間100億円を達成した年度もありました。
今や航空会社にとって機内販売は、貴重な収入源となっているのです。

クリスマスやバレンタインの時期におけるヨーロッパ便で、機内販売の売り上げが往復で100万円を超すこともあります。
売り上げの効果は、会社の利益になるだけでなく、利益を生み出さない運航本部や整備部門等に比べて客室乗員部の社内での発言権が強くなる、という結果をもたらします。
CAの過酷なノルマ
採算意識を高めることを求めらCAは、サービス要員や保安要員だけでなく、販売員としての才能を求められます。
目標額は
- 全体の目標
- 1便ごとの目標
- 1人当たりの収支
細かく設定されているので、CAはフライトごとに収支計算表を作成し、上司に報告しなければなりません。そのためCAは、路線や客層によって、手法を変え売り上げを上げる努力をしています。
つまり、旅客を「ターゲティング」して、どの旅客が買いそうか?ボーディング中に見分け、離陸後、機内電話で情報を交換しあっています。
見込み客を的確に発見し、ターゲットを絞り込んで攻めることが、鍵になるのです。
特に女性のグループでは、1人が購入すると、隣の人もその隣の人もという連鎖が起きることがあるので、ターゲットになりやすいのです。
特に帰りの機内では
- お土産を買う時間がなかった人
- 外国の紙幣を使い切ってしまいたい人
が多いので、日本で購入した場合の金額と機内での金額の差を伝え、機内の商品が割安であることを説明し、10万円以上する時計や財布やアクセサリーを、販売しています。
おそらく、旅行中の高揚した気分が、財布の紐をゆるくしてしまっているのかもしれません。
機内販売の問題点
過度な競争
CA は保安要員なので行き過ぎた売り上げ競争によって
- 長時間フライトで休憩がない。
- 食事を食べる余裕がない。
- 揺れの情報があってもセールスカートを出して販売。
結果
- 緊急時に体力がなく保安要員として役に立たない。
- 元気がなくなり、いいサービスができない。
- カートを出すことで怪我の原因になる。
と問題が出てきます。
しかし、人事評価が近づく時期になると、自分の売り上げを伸ばそうと必死になるCAが必ずいます。

昇格を希望しているCAは、機内販売の売り上げ高が自分のメリットとなるのです。
そうなってしまう理由は、接客業の評価を数値化することの難しさにあると感じています。
上司が見ていないところで、どんなに良い接客をしてもわかってもらえません。
旅客から名指しでクレームが来ただけで、それがたった一回だったとしても接客をが悪いというレッテルが貼られてしまうのです。
競争激化による弊害
機内販売に目標額が設定されているので、CAにとっては売り上げ金の達成が死活問題なのです。会社は、CAがノルマを達成できるようさまざまな工夫をしています。
- 年間の売り上げが100億円超えたら制服を新しいデザインにする。
- ノルマを達成したCAは基地に戻ると、文房具のマーカーペン・クリアファイル・ポストイットをもらえる。
- 120%達成すると、化粧品会社の試供品がもらえる。
多くのCAが機内販売の競争激化に対して、ネガティブな感情を持っています。

一番かわいそうなのは若いCAで、先輩に言われるがままに過度な販売を手伝わされ、休日返上で資料作成をしている人もいます
フライト終了後には、各自で結果を記録し、月末に集計して上司に報告するのです。
成績が悪い時、改善策の提出を求められ売り上げが悪い時「増収活動業務報告書」の提出を求められます。
つまり、反省文です。
簡単なものでは納得してもらえず「原因と対策」「今後のアクションプラン」を詳細に報告書としてまとめるのです。
安全上の問題
出典:ジャパンアーカイブズ
着陸前、1 万フィートギリギリまでセールスカートを出すCAもいます。
また、旅客の目につく場所へ、機内販売のパンフレットを貼るCAがいますが、機内の壁にそれらを貼ることは、緊急脱出の妨げとなり、控えなければなりません。
しかし、トイレの中やドアサイドの近くに、パンフレットを目立つよう貼るCAは多いのです。
旅客からのクレーム
機内販売のアナウンスを長々と続け、カートやワゴンに商品をのせて、機内を2周3周するCAもいます。
乗り慣れた旅客からは
- 寝ているのに大きなアナウンスの音で起こされた。
- 見ている映画がアナウンスで途切れた。
とクレームを受けることがあります。

しかも深夜便では、離陸後は旅客が寝てしまうので、機内販売を到着前に行う為、朝食を早めに始めるCAもいます。
多くの旅客は「もっと寝ていたかった」に違いありません。
売上金や商品の盗難
ステイ先のホテルでは、CAが持参している機内販売の売り上げ用財布に、大金が入っていることを知っている現地の人が多くいます。
そして隙を狙って盗難するのです。

コロナ禍で現金を持ち歩くことが減り盗難は減りましたが、カード販売のレシートは大事な個人情報です。
危険な販売
台風時期のフライトで、パイロットから「台風による揺れの為、到着までシートベルトサインを点灯し続ける。」とアナウンスが入った時のことです。
機内はカタカタと、横揺れや縦揺れを繰り返す中、1人のCAが立ち上がり、機内販売を始めたのです。

彼女が先輩だったので、周りは気を遣って立ち上がりましたが、揺れが激しく全員座りました。
結局、旅客からのリクエストがなかったため、彼女はギャレイのカーテンを閉め
自分でカートの中の高額商品を買い始めたのです。

その後、当該便の旅客から「安全上問題がある」とコメントが会社へ届き、社内で処分が検討されましたが、なんと彼女は管理職に昇格したのです。
とても危険な行為だったのですが、それほどまでに機内販売は、CAを追い詰めているのだと思います。
私が考える改善策
KLMオランダ航空では、2019年3月11日、機内での免税品の販売を取りやめると発表しました。
ヨーロッパ域内、長距離国際線ともに中止する方針で、オンライン・ショップの台頭により、利用者のニーズを満たしていないことが大きな理由です。
最近は、オンラインで最低価格を誰でも、調べることができるので、機内で購入しなくても格安で商品を手に入れることができる時代になってきました。
多くのCAが
- 機内販売の売り上げを伸ばす。
- マイレージ会員の獲得件数を増やす。
- クレジットカード会員の獲得件数を増やす。
- ケガ人や病人を出さない。
- 身体を壊さず与えられたスケジュールを全うする。
- 会社の指示通り動く。
ことに縛られ、ストレスを抱えています。
数値で全てが判断され、昇格できるというシステムが出来上がってしまったのはホスピタリティという本来CAに必要な要素を、数値化できないことが問題なのではないでしょうか?
いいサービスをしていても、旅客からお褒めのコメントが寄せられないと上司にはわかりません。
CAの評価制度を、一緒に飛ばない上司が判断することは、難しいと思います。
旅客からの意見を反映した人事評価を行うなど、違ったやり方を模索する必要があります。
昇格を考えて
- 安全を度外視して販売するCA。
- 自腹で機内販売の商品を買い占めて売り上げを伸ばすCA。
昇格というプレッシャーで理性を失い、安全を度外視することさえしてしまうのです。
到着直前に機内販売を行い、シートベルトサインがついても終了できず、怪我をしたCAもいます。
規制と競争がいびつに絡み合う航収益性と、サービスで世界一を目指す考え方に矛盾があります。
本当に欲しい人だけが買う、商品を見たい人に見せる、それだけでもいいのではないでしょうか?
コロナで非接触が重要視され始めました。不必要な接触を避け、快適な空の旅を提供することが、大事だと私は考えています。

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