あなたは燃料漏れを発見できますか?

CAの仕事

飛行機の燃料は左右に伸びる主翼の内部と胴体の中央に帯状に搭載されています

そこから燃料漏れが起こることがあるち、第一発見者はお客様であることが多いのです

実際に起こった燃料漏れのケースで安全運航の大切さをお届けします

 

 

出典:https://rocketnews24.com/2017/06/21/916009/

 

飛行機の燃料は左右に伸びる主翼の内部と胴体の中央に帯状に搭載されています
 
 
 
 

燃料のケロシンは、38℃から72℃で引火するので逃げ場のない飛行機の火災は非常に危険なのです

 

離陸後、お客様から「翼から白い燃料のようなものが流れ出ている燃料漏れじゃないのか??」と言われることがよくあります

危険を察知した旅客の顔は、顔面蒼白であったり、怒りに満ちた顔で会ったり、圧を感じることが多く「またか」と思うことがあるのが本音です

なぜなら、その白い筋は大丈夫なんです

 

温度が急激に低下し空気中に含まれる水蒸気が凝結、氷の粒になり流れるので白い筋に見えるのです

翼から離れるとすぐに消えていきます

 

飛行機の燃料は透明で明らかに漏れ方が違うのです

https://twitter.com/rach_brum/status/875065527726727169?s=20

 

しかし、こんな風に、私のように慣れてきたCAが、ほったらかしにしてしまうと、燃料漏れは大きな事故の原因になってしまうのです

図1 出火した大韓航空2708便(ボーイング777-300型)

出典:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/00811/

 

燃料に引火、飛行機が火災を起こすと乗員乗客全員の命が危険にさらされます

スポンサーリンク

燃料漏れの原因は

写真

出典:http://www.asahi.com/special/070820/SEB200708200026.html

 

  • 燃料タンクの連結部分の劣化
  • 衝撃で燃料タンクに穴が開く
  • 燃料タンクキャップの締め具合の不足
  • 機体中心にあるセンタータンクとメインタンクのバルブが開く 
  • 燃料を排出するノズルから機外へ漏れる
  • 配管結合部の組み立て不良

などがあげられます

 

 

エンジンの排気口から排出される排ガスは、数百度の温度なので、すぐに燃料へ引火し主翼部分の配管を伝わって火災が発生します

 

 

離陸時の燃料は、B777の場合、18万リットル=ドラム缶900本分もあるので引火すれば大爆発が予想されます

写真

出典:http://www.asahi.com/special/070820/SEB200708200026.html

対策

  • 管制官が燃料漏れを目視確認し操縦室へ連絡
  • 操縦室にある「燃料タンクの数値」でパイロットが燃料供給を遮断

しかし、操縦室の表示に不具合がある、操縦士が気付かない、管制官が見落とすと

 

お客様の指摘が一番有力な情報になるのです

 

離着陸時、私たちCAは、安全に配慮する項目をイメージトレーニングする訓練をうけています

その為、翼付近に座るCAは、エンジンに異常がないかを意識していますが、燃料漏れを発見できるのは翼より後方に座っているお客様の方が早いのです

 

 

離着陸前、ドアサイドの窓の日よけを私たちCAが開けるのを見たことがある人は多いと思います

 

CAは、燃料漏れが起こっていないか、を常に意識することを訓練していますが、実際は、お客様から「ガソリン臭い臭いがする」「翼から液体状のものが流れている」と指摘を受けることがあります

状況を確認

オーバーラン

出典:http://mile-up.com/blog-entry-824.html

  • 燃料漏れの量
  • 火災が起きてないか
  • 緊急着陸か緊急着水かの判断
  • 脱出できるスペースがあるか
  • ドアモードはスライドが出る状態か
  • 手荷物整理や鋭利品の除去

 

燃料漏れの場合は、火災に発展する危険な事象なので、すぐに最寄りの空港へ緊急着陸し、素早く飛行機から脱出します

 

以前は、機内全てのドアの日よけを離着陸前に開けていた時期もありますが、現在はドアサイドのみに変わりました

夏場は機内の温度を上げないため、飛行機が地上滞在中はドアを閉めています

 

 

燃料漏れの影響

  • 飛行機の火災
  • 環境汚染

 

と被害が大きいので絶対に起こしてはいけません

ベテランCAが、面倒そうな顔をしたら、是非、他のCAへ声をかけてください

慣れてきたCAの危機感を反省する出来事です

 

CAの仕事
「CAの仕事」の記事一覧です。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました