コロナ禍で変化した7つの機内サービス

CAの仕事
航空会社での機内サービスは一変しました
 
 

新型コロナウィルス感染症は2019年12月31日中国武漢市から原因不明の集団感染症事例としてWHOへ報告された後からです

 

CAは常時、感染予防のためマスクを着用し、サービス時はセーフティグラスをしています

 

  • 中国線は中国当局の指示によりサージカルマスクを着用
  • デルタ株対応によりインド線のサービス中はポリエチレンガウンを着用

 

全ての便でトイレの清掃時は

  • フェイスシールド
  • ポリエチレンガウン(使い捨て) 

を着用し行っています

 

 

常に口角を上げ笑顔を心がける訓練は役に立ちません

メークアップの訓練で学んだ化粧もアイメークのみ

 

  • 国内線では温かい飲み物を中止
  • アルコール除菌シートの提供
  • 現金の取り扱いを中止(機内販売)
  • リアルグラスやマグカップで提供していた飲み物をペーパーカップやプラスチックカップで提供
  • 毛布や枕の搭載中止(国内線)
  • 絵本の搭載中止
  • お客様からのログブックは預からない

 

2002年~2003年のSARS、2012年のMARSとは比べ物にならない影響力で新型コロナウィルスは、機内での常識を大きく変化させ、リスクを浮き彫りにしました

 

SARSやMARS以降には、ウィルスや菌に関する意識が高まり、CAにアルコール消毒が徹底され、サービス前は必ずアルコール消毒を行い、トイレ清掃後もアルコール消毒をしていましたが、機内販売では直接、金銭授受を素手で行っていたのが現実です

 

 

SARS以前の飛行機内で、トイレの清掃時は、ビニール手袋をすることが推奨されていたにもかかわらず、サービス中にお客様から「トイレが汚れているからなんとかして」と言われれば慌ててトイレを掃除し、小さな洗面台で手を洗い、トイレのドアノブを触り、その手で機内のあらゆる所を触っていました

 

サービス中に素手で触るものは多岐にわたり、世界中を飛び回る飛行機は世界中の菌やウィルスを持ち運んでいるといっても過言ではありません

 

機内食のトレーにはケータリングされる時に必ずプラスチックの蓋がついています
 
  • 蓋を取ってサービスすることが、CAとしてホスピタリティあるサービスの一つである
  • 蓋はゴミになるので、お客様のテーブルの上で邪魔となり、ゴミをお客様のテーブルに置き去りにするのはよくない

という誰が考えたかわからない観点で蓋を取るよう指示されていました

 

 

でも蓋を取った瞬間こそ、食事の喜びを感じていただける瞬間ですし、蓋を外した状態は、髪の毛や異物混入のリスクがあるのではないか???

 

と思っていましたが、言い出せませんでした・・・

 

そういったサービス重視の観点が、コロナの影響で激変しました

  • 衛生上の観点から蓋がある状態でお客様に提供
  • パスアラウンドしたいたパンはお皿にセットして提供
  • 食事トレーは手配りしていたのをカートで配布、回収
  • 個別包装のものはそのまま提供

 

 

蓋がない状態の食べ物には、空中に蔓延しているウィルスや細菌、人の唾気が付着します

食品を扱う業界において食中毒、異物混入、消費期限切れの商品の提供、アレルゲン食材誤提供は、大きな企業リスクです

 

一度失った信用を取り戻す時間の長さは数十年かかると言われます

食中毒

  • 食中毒を起こす細菌、ウィルス、有害な物質がついた食事を摂取することでおこるので、有害な物質の付着や混入を防止することやウィルスを「つけない」「増やさない」「死滅させる」ことが大事です
  • 肉類、魚類、卵、生鮮食品は菌を付着させない、増殖させないことが特に重要で、調理器具の洗浄、加熱処理での殺菌が必要です
  • 菌は5℃以下の環境で増殖が減り、-15℃で増殖が停止するので食材の保存は冷凍が望ましいので保冷温度を下げる工夫が必要 

機内でサービスする食事はケータリング業者で全て作られセットされたものを温めて提供するので、防止対策として大事なのは

  • 温度管理 
  • 手指、器具の消毒殺菌 
  • 飲食への接触制限

さらに、セットされた物の中に異物が混入していないか、賞味期限切れの物がないか、提供する前に目視確認をすることが、お客様と会社を守る最後の砦です

 

飲食業界において

  • 髪の毛
  • 虫 
  • プラスチック
  • 金属片
  • ガラス片

など異物が発見される事例があります

 

 

髪の毛の場合は、それがお客様自身のものであるかCAのものであるかDNA検査を行うこともあります

金属片やガラス片で、お客様が口の中を傷つけた、と裁判まで発展したケースがあります

 

防止対策

  • 手順の順守 
  • 飲食へカバーをする
  • 先入観を捨てた目視確認
  • 賞味期限の確認
  • 開封されていないかの確認

期限切れの食材の提供は、食中毒につながる可能性があり、サービスする側の管理意識の低さが露見します

 

食中毒はお客様が飛行機から降りて発症するケースが多く、原因の判明がとても難しいのです

  • お客様の症状
  • 発病日時
  • 飲食日時 
  • 飲食物 
  • 病院や保健所などの公的な第三者へ連絡
  • 食中毒かの判断

食中毒の恐れがある場合は、必ず病院への受診をしていただきます

私たちは、保健所からの指示を無視すると行政処分(営業取り消しや営業許可取り消し)が下されることがあります

飛行機から下りて発症した場合は原因が判明しずらいので、同じ物を摂取したお客様へ連絡をします

もし複数名同じ症状がある場合は、こちらに非がある可能性が大きいので、受診費用の負担、示談交渉に入り、謝罪と補償をします

たまたまCAが同じ物を摂取していた場合は証言者になれます

 

自分たちがサービスする食事は、CAとして食材の説明ができるよう自分も食べてみる必要があると言われますが、食中毒が発生した場合、強い証言者となるのです

 

 

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