悲しむ人へ寄り添う知識はすべて機内で学びました

死に直掩した母親の悲しみCAの仕事

たとえ遺骨になっても、大切な人を手荷物扱いされることは、とても辛いことです

飛行機内で遺骨は手荷物と同じ扱いなので、上の棚への収納を依頼することがあります

しかし、私たちCAは、お客柾の気持ちを大切にするために

工夫をした対応をしています

 

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ボーディング

シカゴ発成田行きビジネスクラス
 

60代後半の日本人女性が遺骨を持ってボーディングの最後に飛行機に乗ってきました

1人で乗ってきたお客様の座席がビジネスクラス2席あったので

すぐに遺骨の為に座席を購入したことが分かりました

 

シカゴをビジネスクラスで往復すると1人約150万円です

 

 

 

食事サービス後

食事は和食と洋食2名分をテーブルに並べました
 
 
女性は、和食を少しだけ召し上がって、お下げすることになりました
 
 
食後のデザートをお持ちする際に
 
 

「旦那様はコーヒーにお砂糖ミルクをお使いになりますか?」と奥様へ伺うと

 

 

主人はいつもブラックなんです

 

そのコーヒーは減ることなく10時間が経ちました

 

 

 

主人はシカゴに単身赴任中、心筋梗塞で突然死んでしまったの

 

真っ暗な機内で「夫に何もしてあげられなかった。良い妻とは言えなかった」と涙を流しました

 

 

あなたは、家族が生きているうちにできるだけのことをしてあげてね

 

一緒に泣きました

「CAは機内で涙を流してはいけない」と言われています

でも今回は、許されると思いました

 

遺骨の取り扱い

遺骨は飛行機内に持ち込むことができます

ほとんどのお客様は、遺骨を抱えています

遺骨は、安全上の理由で手荷物と同じ扱いで、離着陸時は上の棚へ収納をします

 

その対応に、ご立腹される方も多いのが現実で

空席があれば空席へ固定する等の対応をしています

 

私たちは遺骨のことを専門用語でASHと呼ぶのです

残酷な響きに聞こえますが、遺体を火葬する習慣のない外国人と仕事をする上で共通の言語です

手術で金属を埋め込んでいる場合は、セキュリティーチェックで、証明書が必要になる場合があります

幼い頃、死んだら雲の上にある天国に行けると思ってましたが、雲の上には何もありませんでした

今でも何かあるんじゃないか?と小さな窓から見ますが何もありません

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