離陸後シートベルトサインが消灯した時に「CAさん、斜め前の人のカメラに僕が写ってるはずだから削除して欲しいので、確認してもらえませんか」
斜め前には、カメラを持った男性が窓の外を撮影していました

お客様、恐れ入りますが、お客様に悪気がないのは重々承知の上です
お客様が撮った写真の中に、他のお客様が写り込んでしまっている可能性があるようで、削除して欲しいと依頼がありました。お願いできますか?
と声をかけると

プライバシーの侵害だ、データを見せるつもりはない
と言って、カメラを抱きかかえ、ご立腹されてしまいました
羽田発千歳行、フライトタイムは1時間15分と短い時間です
- 撮られた男性旅客は「肖像権」を主張
- 撮った旅客は、「プライバシーの侵害」を主張
し、睨み合いが始まりました

「盗撮した」と言うなら名誉棄損で訴える!
公の場でプライベートのデータを見せるなんてプライバシーの侵害だ!そんな行為を強要されて心が傷ついた。賠償請求したいくらいだ
と睨み
撮られた旅客は
「自分がこの便に乗っていることを誰にもしられたくない
他人のカメラに映りこむことによって、自分の知らないところで、他人が自分を見ることこそ、プライバシーの侵害だ」「肖像権には、個人の画像を無断で利用されない権利があるはずだ!」
法律的知識がない私たちCAにとって、対応の難しさに悩みました

何か見られたらまずいものがあるんじゃない?
何か後ろめたいことあるんじゃない?不倫かな?
と言う後輩たちをたしなめ、着陸直前まで2人の言い合いに付き合いました
しばらくしてシートベルトサインが点灯

シートベルトサインが点灯するのを、こんなに待ち望んだ瞬間はないです
後は、飛行機を降りてからにしてください・・・と感じました
飛行機内での盗撮に関して「機内の安全性・快適性」を確保する観点から防止・抑制に向けて対策をしているのと同時に、個人の撮影は禁止されていませんし、飛行機好きな方や、旅行好きな方には、楽しんで撮影していただきたいと思っています
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