飛行機内で出産!

CAの仕事

飛行機内で出産した外国人のお客様の話です
 
機内には、医療機器など多くの搭載品があります。それらを駆使して無事出産を終えたケースをご紹介します
 
 
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成田発ニューヨーク行き

 
 

エコノミークラスで突然、陣痛が始まった女性は英語も日本語も通じない外国人でした

私たちCAは

  1. エコノミークラスの6席を倒して、出産するスペースを作り
  2. 毛布と枕を集め、妊婦を楽な体位に横たわらせました
  3. 周りのお客様から見えないよう毛布でその場所を囲いました  

  1. 急いでドクターコール
  2. 看護師2名が名乗り出てきてくれました
  3. 2人の指示とCAの機内出産対応マニュアルを見ながら出産の準備
  4. 清潔なリネン(食事のサービス時に使う布)を集めました
  5. 生理用ナプキンを大量に妊婦の下に敷き詰めます
  6. ギャレイでゴミ箱用に使う大きな新しいビニール袋を2重にしてお湯を張りました

 

出産は安産で、あっという間に赤ちゃんが生まれました

無事に赤ちゃんが生まれたことをアナウンスすると、機内は拍手に包まれ涙するお客様もいました

忘れられない感動的な出来事です

 

空の上では救急車を呼ぶことができません

 

飛行機の中で急病人が発生した場合、CAが対応しなければなりません

機内は、普段の生活と環境が違います

  • 気圧
  • 気温
  • 乾燥
  • 密室
  • 空の上

健康な大人の人でも、めまいや立ち眩み、貧血で突然倒れることがあるのです

 

機内の医療器具

 

機内に搭載されている医療器具は

  • AED(自動体外除細動器)
  • 心電図モニター
  • Medicine KIT
  • Doctor’s KIT
  • Resuscitation KIT
  • 感染症対策用マスク
  • 感染症予防用汚物処理入れ
  • 医療廃棄物処理容器

など、医師の指導の下、医療行為を行えるものが揃っています

 

これを訓練で覚えて試験で合格するのがホントに大変なんです!

 

 

Doctor’s KITは、医師・医師の指示を受けた看護師しか使用できないので施錠され

歯科医師は使用可能ですが、獣医師は使用できません

例外として医師の指示を受けた救急救命士が使用できる場合があります

 

Doctor’s KITの中には二重の鍵がかかっており厳重に保管されています

 

 

Resuscitation KIT

  • 気管内挿管セット
  • 液体吸器
  • 開機器
  • 人工呼吸器
  • 血圧計
  • 電子血圧計
  • 聴診器

 

訓練では使用しますが、機内で使用したことがある人はほとんどいません

 

 

Medicine KIT

  • 痛み止め
  • 酔い止め
  • かゆみ止め(国際線のみ)
  • 消毒薬
  • 冷えピタ
  • バンドエイド

薬の使用は、お客様ご自身の責任の元アレルギーがある場合は申告してくださいね

 

気圧の関係で頭痛がする人は多くアスピリンはリクエストが多いです

 

AED(自動体外式除細動器)は

  • 医師
  • 看護師
  • 救急救命士
  • AED教育を受けたCA
  • 歯科医師
  • 獣医師 

心電図モニターは

  • 医療従事者
  • 医療従事者に準ずる学生 

が使用可能です

参考:ANA・JAL HP

 

AEDは、訓練で毎年行っていますが、体力が消耗されるので、CA同士交代でおこなっています

 

機内での応急措置

怪我

  • 幹部を消毒、ガーゼで覆い安静にする
  • 腫れていたら冷やし、骨折の疑いがある場合は、機内にある硬いもので固定しドクターコール

 

飛行機は頑丈なものが多いので、ぶつけて出血する人は多く、気圧の関係で、大量に出血します

 

 

痙攣

  • 外傷があるか確認
  • 衣服を緩め、床に横にし、頭と手足を毛布や枕で保護
  • 呼吸の確認と気道確保、けいれんが長く続く場合は酸素吸入
  • 音や光の刺激を避け、けいれん中は無理に抑えず、時間・感覚・回数を記録する

 

初めて痙攣して、泡を吹く人を見た時は、死んでしまうのではないか?と心配しましたが、適切な処置で、元気に降りていく人を何人も見てきました

 

 

胸が痛む・息苦しい

  • 持病やアレルギーの有無確認、衣服を緩め、本人にとって一番楽な体位で安静・保温
  • 手を握り背中をさすっておちつかせる

吐き気や下痢

  • 本人が一番楽な体位で衣服を緩め、絶食を基本とし、ぬるま湯等の水分を摂取

発疹

  • かゆみ止め
  • 冷やす

 

機内は湿度が10%前後と乾燥しているので、ローションや保湿クリームを用意することをお勧めします

 

 

アルコール飲みすぎ

  • 衣服を緩め保温、楽な体位で顔は横に向け嘔吐に備える
  • 水分を多く摂取

 

機内は地上の3倍酔いが早く回ると言われています

 

脱水症状で、体調が悪化する旅客には、機内で点滴をすることがあります

ハンガーを壁の突起部分にかけて行う等工夫をしてます

 

鼻血

  • 頭を前に倒す(5分から10分)
  • 口呼吸
  • 10分以上止まらない場合はドクターコール

頭を打つ

  • 横になって安静にしてもらう
  • 打った場所を冷やす
  • 激しい頭痛や嘔吐、意識障害があった場合は、ドクターコール

火傷

  • すぐに衣服をはずし、長時間氷水や氷嚢で冷やすか
  • 洋服と火傷がくっついてる場合は無理にはがさず衣類の上から冷やす
  • 火傷がひどい場合はドクターコール

 

子供が火傷をするケースが後を絶たず、皮膚の薄い乳幼児は重症化する傾向にあるので、十分注意が必要です

出産

  • 妊婦から陣痛・出血・破水の訴えがあった場合、母子手帳の確認と分娩歴を確認(経産婦は分娩が早いんです)
  • 生理用ナプキンで血液を吸収させ空席で妊婦を寝かせる
  • 陣痛の感覚が10分以内になったら分娩開始

 

体調が悪くなった方の応急処置をする場合、いつも「手当」という言葉が私の頭の中でめぐります

手を握って「大丈夫です」と付き添うだけで人は、落ち着くことがあります

機内で体調不良になることがあっても、私たちCAが、必ず対処します

是非安心して空の旅をお楽しみください

糖尿病予備軍が知っておきたい機内の知識
糖尿病であっても長期の旅行は可能です。しかし飛行機を利用する国際線では準備が必要です。命に関わる大切なインスリンをどのように保管しているか、機内の糖尿病食や水分補給を紹介し、最後に「糖尿病が怖いので最新情報を取材してみた」堀江貴文/著から知った糖尿病の恐ろしさをお伝えしています。

 

 

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